認定看護師だより 第36号 平成28年 いよいよ12月になりました。今年は昨年に続き暖冬となり師走の雰囲気をあまり感じないように思います。しかし 「寒い・暖かい」を繰り返すのも体に負担になりますよね。また、急に寒くなると風邪をひきやすくもなります。油断し ないで防寒のため着脱できる上着を一枚持ち備えましょう。 抗がん薬を投与されている患者様は様々な症状を体験していますが、この冬の寒さが増強因子になる症状があ ります。それは末梢神経障害です。 末梢神経障害とは? 抗がん薬が神経細胞、 髄鞘、軸索を傷つけることによっておこ ります。 オキサリプラチンによる末梢神経障害 は冷感刺激によって敏感になります。 冬の寒さが増強因子になるわけです。 具体的な症状 手先、足先のしびれや冷たい感じ、痛み ボタンがかけにくい 物がうまくつかめない 手や足の感覚がなくなる、靴がうまく履けない 文字がうまく書けない イスから立ち上がれない 階段をのぼれない 治療法 1. 原因薬剤の中止 2. 対症療法(薬物療法) 特効薬はありません。 一度慢性化した末梢神経障害は消失する までに数年かかることもあります。 QOL(生活の質)を重視して原因薬剤 を早めに中止することが推奨されています。 見た目に変化はありませんが本人の感覚でしかわか らないつらい症状です。患者様とよくお話して初期の 段階で症状をキャッチすること、末梢神経障害によ る転倒や熱傷など二次的な有害事象を予防するこ と、何よりつらい症状に苦しんでいる患者様のお気 持ちに寄り添うこと、を心がけてケアしていきたいと思 います。 がん化学療法看護認定看護師:三浦ひとみ
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