3 教育に関する学識経験者の意見

3 教育に関する学識経験者の意見
1 意見提出者
教育委員会が行った点検・評価の結果に関して、次の2人の方から意見や助言をいただ
きました。
平本 重徳(元江別市立大麻泉小学校校長)
高木 玲子(江別市社会教育委員)
2 意見及び助言
昨年度に引き続き、第6次総合計画の取り組み状況をもとに、子どもの教育の充実に関
わる事業と生涯学習の充実に関わる事業について点検・評価をさせていただきました。
少ない職員で多岐にわたる事業を誠実に行っており、その取り組みにふさわしい成果が
上がっていることが改めて分かりました。
今後は、職員数の増員や、市民や関係団体との連携することにより、よりきめ細やかで
充実した事業を展開できるものと思料いたします。
教育行政を推進するためには、保護者や地域の方々との連携・協力が不可欠であること
から、江別市教育委員会の事務事業を知ってもらうことは大変重要なことと考えますので、
様々な機会を通じて、より一層、わかりやすい情報発信に努めていただくことを期待いた
します。
以下、それぞれの基本事業に着目しながら、意見等を申し上げます。
【子どもの教育の充実】
・ 子どものための読書環境整備事業は、各学校に司書を巡回する形で配置し、図書館環
境の整備の支援や図書館ボランティアへの講習を実施することで、学校の図書館が変わ
り、学校、保護者からも高い評価をいただくなど、大変評価できる事業だと思います。
学校図書館の充実には、司書の巡回は重要であることから、継続的に図書館ボラン
ティアと連携が行えるよう巡回配置のサイクルを短くするなどの工夫・改善を望みます。
・ 学校図書館事業は、年々、蔵書率が上がってきていますが、学校図書館の充実という
視点から考えると、まだまだ不足している点は否めません。蔵書率の考え方や予算の制
約があるかと思いますが、学校や児童生徒のニーズを反映した書籍を揃えるなど、学校
図書館の内容の充実と蔵書率アップに努めていただきますよう強く望みます。
・ 小学校外国語活動支援事業では、市内のすべての小学校の授業に外国語指導助手を派
遣し、平成26年度からは、英語教育の対象を1年生からに拡大したことに伴い、1名
増員し、すべての授業に対応していることは大変評価できます。
児童生徒の異文化理解による社会観の広がりやコミュニケーション能力の向上を図る
ためには、外国人と接する機会を増やすことは重要です。中学校を対象としているレッ
ツ・イングリッシュ外国青年招致事業も含めまして、一層の充実を期待します。
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・ 社会人による教育活動等支援事業は、児童生徒にとってプロの指導を受けることに
よって、学習意欲や興味等の向上を図る貴重な授業となっており高く評価できます。
学校への情報提供も積極的に行い、このような機会がより多くの学校で設定されるよ
う努めていただくようお願いします。
・ キャリア教育推進事業は、自分の進路や将来の生き方を考えるきっかけとなった生
徒の割合が8割近くに増えており、高く評価できます。
受け入れ事業所にとっては、大変かと思いますが、市内の多くの事業所に協力いた
だいていることは、大変喜ばしいことと思います。子どもたちにとって、将来を考え
るきっかけのみならず、働くことの厳しさや楽しさを経験できることは、大切な学習
であり、今後も工夫を加えながら継続して実施していただくことを期待します。
・
平成21年度からスタートした小中学校学習サポート事業は、ティームティーチン
グによる学習支援を行うことで、きめ細かな指導が可能となり学力向上に寄与してい
ることがわかりました。学校からの派遣要望に応えるためには、多くのサポート教員
の確保に努めていただきますようお願いします。
・
児童生徒体力向上事業は、体力不足がいわれている児童生徒にとって、北翔大学の
協力の下、児童生徒の体力向上を図る事業を実施していることは評価できます。
モデル校以外の学校へ取り組みが広がるよう出前授業の実施や、内容を大学主体か
ら子どもたち主体で取り組む形に変更するなど、今後も様々なことを試みながら、子
どもたちの体力の向上が図られることを期待します。
【生涯学習の充実】
・ 情報図書館展示室事業は、展示会を開催することで図書館への関心の高まりや、より
多くの市民に足を運んでもらうためには、とても重要な事業ですが、開催回数が非常に
少ないと思われます。
図書館独自でなくとも、民間や市民団体と協力しながら展示会を開催するなど、多く
の方に来館してもらえるよう、新たな可能性を探りながら展示室のさらなる活用につい
て検討していただきたいと考えます。
・ 少子化が進んでいる中で、多くの子どもが参加している読書普及活動事業は、親子
で本を楽しむ機会を与えるとても貴重な事業だと感じました。
絵本の読み聞かせは、子育てをするうえでの大切なツールです。より一層魅力ある事
業を企画、実施するなど、事業のさらなる充実・継続のために検討していただきたいと
考えます。
・ 昨年8月に開設した江別太小学校図書館地域開放事業は、地域の図書館として生ま
れ変わるという期待度はとても高かったと思われ、高く評価できる事業です。
しかし、地域の人たちへの浸透度が低く、様々な機会を通じて情報発信に努めるとと
もに、地域の人たちの楽しむ場としての企画を検討するなど、積極的に地域の人たちへ
PRを進めることを望みます。
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・ 情報図書館の開館時間は、夜9時まで開館している日があり、通勤している市民など
に配慮されていると感じました。
先進図書館の状況を研究し、一般ボランティアによる協力の仕組みや幅広い市民から
意見をもらう方法を今後検討し、図書館がより充実することを期待します。
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