参考資料5 レイアウトコンセプト

参考資料5
新熊本市民病院
レイアウトコンセプト
平成 28 年 12 月
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各階平面計画
1. 1階平面レイアウト
【フロア概況】
・1 階をメインアプローチとし、主に救急外来、救急との関連性の強い画像診断、供給部
(サプライセンター・薬剤等)や階高が必要な放射線・核医学、エネルギープラント等
を配置する。
・CT や MRI 等の大型医療機器、冷温水発生機等の大型設備機器の更新に配慮した配置とす
る。
・駐車場から来院者をスムーズに建物へ誘導するために、主玄関を建物の西側中央付近に
配置する。
①共用部
・エントランスホールは、2 層分の吹き抜けとし、建物中央付近まで延びる東西方向の通
路(ホスピタルストリート)により、開放性と視認性を有する空間とする。
・目的の場所へ来院者をスムーズに誘導するために、主玄関に近接した位置に総合案内や
案内図を設置する。
・利用者の多い 2 階外来部門へ安全に誘導するために、主玄関の正面に大階段、エスカレ
ーター、専用 EV(1,2 階のみ着床)をまとめて設置する。
・災害時には、エントランスホール、待合スペースなどを患者収容スペースとして利用で
きるように必要となる設備や広さ(15m×20m程度)を確保する。
・上下階の動線及び非常時の避難経路として、中央及び東西にエレベーターや階段(以下、
「コア」という)を設け、人、物の搬送動線を確保し、効率化を図る。
・共用のトイレは、利用者が容易に場所を特定できること、時間外での利用も考慮し、建
物中央部分に配置する。また多目的トイレも併設する。
・西側の正面玄関のほかに、南側に救急、時間外出入口、職員用出入口を設け、東側に業
務搬出入口を計画する。
・時間外来院者等の管理を行うために、南側の時間外出入口、職員出入口に警備室(防災
センター)を設置する。
②救急
・救急治療では、患者の搬送動線を考慮し、CT 撮影など迅速な画像診断を行えるように隣
接させ、また上階の中央手術部門、救急病棟(HCU)を繋ぐ中央コアの救急用 EV に近接
した配置とする。
・救急外来は、自力来院者(ウォークイン)に対応できるように、救急出入口とは別の南
側時間外出入口を設ける。
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・二次救急医療機関として救急搬送受け入れをスムーズに行うために、除染室、初療室 2
室、その他の諸室を含め必要な面積を確保する。
・南側に配置した救急ヤードは、駐車スペースを十分確保し、半屋内空間(ピロティ)や
庇を整備することにより、天候に左右されず救急搬送者を受入れできる計画とする。
③画像診断
・重量機器が多く入れ替えが多い画像診断機器の搬出入を考慮し、最下階である 1 階に計
画する。
・救急外来部門と隣接させ、管理・スタッフ連携の合理化を図るために、2 階の一般外来
部門との機能連携も配慮した配置とする。
・救急及び外来からの患者動線の短縮化を図るために、主玄関に近い配置とする。
・日中は、救急外来の待合スペースも利用する。
④放射線治療、核医学
・大型医療機器の将来的な更新を踏まえて、北東側に配置し、搬入口を設ける。
・リニアックは、放射線防護の観点より、最下階である1階に配置する。
・照射位置を決定するための「CT シミュレータ室」を隣接して配置する。
・核医学の放射線管理区域として集中的に配置し、管理・スタッフ連携の合理化を図る。
・SPECTは、処置室、準備室、検査室を隣接させ、免震層に排水一次貯留設備等を設
置する。
⑤感染症外来
・感染症患者に対応するための入口及び諸室を救急外来に隣接して配置する。
・感染症病棟と直結する EV を東側に設置する。
⑥医事・会計
・玄関ホールから見えやすい北西側に配置し、2 階外来部門への動線と交錯しないように
待合スペースを確保する。
⑦利便施設
・利便性の向上を図るために、玄関ホールから直接アプローチできる北東側角にコンビニ
エンスストア及び外来食堂(職員食堂を併設)を設置する。
・商品や食材等の材料搬出入をスムーズに行うために北側外部に面するように配置する。
・コンビニエンスストアや自動販売機等で購入したものを店外でも飲食できるフリースペ
ースをホール内に確保し、空間を有効利用する。
・現金での支払いに対応するため、会計及び自動清算機に近接して、ATM スペースを設け
る。
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⑧サプライセンター・リネン類
・東側の搬入ヤードと中央コアや東側コアとの搬送動線を考慮し、効率化を図った配置と
する。
・感染性リネン等の一次消毒に対応できる洗濯室を設ける。
⑨薬剤
・薬剤を安全かつ迅速に提供するため、収受・管理や、時間外窓口及び病棟等への搬送を
効率的に行うことができるように、1 階中央コアに隣接した配置とする。
・日中の搬入口として、北側通用口を設ける。
⑩解剖室
・遺体の搬送動線(エレベーター)や来院者動線との交錯を考慮し、東側に配置し、霊安
と隣接させた配置とする。
⑪霊安
・解剖室と隣接させ、また病棟からのご遺体の搬送動線を考慮した配置とする。
・来院者動線と交錯しない東側の搬入ヤード付近に計画し、東側搬入ヤードに隣接して専
用の出入口を設ける。
⑫エネルギーセンター
・電力のピークカット及び停電に対する信頼性向上を目的としたコジェネレーションシス
テムを採用し、必要面積を確保する。
・冷温水発生機等の大型機器を設置するため、階高や荷重を考慮して、1 階に設置する。
・将来の機器入替を考慮し、北側外部に面した計画とする。
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2. 2階平面レイアウト
【フロア概況】
・2階は主に外来フロアとして、各科外来診察及び中央検査や外来化学療法センター、患
者支援室を設置し、コンパクトで分かりやすい配置とする。
・多くの患者を効率的に診療することを前提に、患者の動線に沿ったブロック配置とする。
・1回の来院で複数の診療科を受診する患者も想定されることから、次に受診する診療科
が分かりやすい 1 フロアでの構成とする。
①共用部
・1 階から 2 階への患者動線を考慮し、正面に再来受付機を設置することで、各診療科外
来への誘導を図り、目的場所が分かりやすいようにサイン等を整備する。
・通路は、患者動線の視認性を確保するとともに、自然光を積極的に取り入れ、患者の不
安を緩和するように配慮した計画とする。
・トイレ、オムツ交換室、授乳室は、利便性の観点から、一箇所に集中しないように、東
西 2 箇所に分散配置する。
・ブロック毎の待合室とは別に共用の待合室を中央に設置し、くつろぐことができるスペ
ースを確保する。
②患者支援室
・初診の受付、入退院の総合的なサポート、地域連携としての事務や相談業務を行うため、
1階から上がってきた患者の視認性を考慮した配置とする。
・来院者のプライバシーに配慮し、各種相談に対応する個室の相談室を複数整備する。
③外来
・空間構成を「くし型」とすることで、スタッフエリアと患者エリアを明確に分ける。
・固有設備が必要でない診療科は、フレキシブルに運用可能なフリーアドレス方式の診察
室とする。
・診察室は個室化を基本とし、患者のプライバシーに配慮する。
・処置室の中央化やブロック毎の受付など業務の効率化を図る。
・医療スタッフがブロック内を円滑に移動できる計画とする。
・外来の待合は、自然光が入ることで落ち着いた空間づくりとする。
④生理検査
・患者自身が検査室を訪れるため、誘導しやすい配置とする。
・部門内は、検査目的別の個室検査室やカーテンなどで仕切られた個室状の検査空間を並
べた配置とする。
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⑤検体検査・血液検査・微生物検査
・オープンフロア形式とし、各種検査機器や検査台、水廻りなどを並べる。
・採尿トイレや採血室は、検体の搬送効率を考慮し、検査室と隣接させる。
・微生物検査室は、感染制御の観点から適切な気圧管理を行う。
⑥外来化学療法センター
・患者のプライバシーに配慮するとともに、自然光が入る北西部角に設置する。
・抗がん剤調製室は、作業の安全性や合理的な動線を踏まえ、当該センター内に配置する。
⑦小児科
・感染対策及び他の診療科への影響を考慮し、産婦人科外来等との距離を確保する。
・小児患者の待ち時間のためにプレイルームをブロック内に整備する。
・授乳、オムツ交換室を近接し、かつ見えにくい場所に配置することで、利便性とプライ
バシーに配慮した計画とする。
・感染待合、感染診察室を部門内または部門に隣接して設ける。
⑧内視鏡センター
・診察の流れに沿ったブロック内の配置とし、X 線 TV 室、洗浄室、トイレ等を設ける。
・内視鏡検査室は、フレキシブルに運用するために固定壁とせず、カーテン等による仕切
りとする。
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3. 3階平面レイアウト
【フロア概況】
・3階は、南側に手術、ICU、中央材料を配置し、北側に医局、事務局、幹部諸室、ME セ
ンター、病理検査室、更衣室等を設ける。
・中央コア付近には、救急動線や手術部との連携を考慮して、心カテ室、アンギオ室を配
置する。
①手術
・現状の 7 室 9 ベッドを感染上の観点から 8 室 8 ベッドとする。
・手術室は、以下の内訳で合計 8 室を整備する。
・将来 Hybrid 手術への対応を想定した広さの手術室
1室
・前室を有する感染対応手術室 1 室
・前室を有するバイオクリーン対応手術室
・心臓血管外科対応手術室
・一般用の手術室
2室
1室
3室
②中央材料
・業務フローとして、洗浄、組立、滅菌、保管・展開という流れに合わせて効率的な諸室
の配置とする。
③ICU
・手術室と患者の搬送動線を考慮し、隣接して配置する。
・2 室は個室とし、その他の 4 室は固定壁とせずカーテン仕切りにより、フレキシビリテ
ィを持った空間とする。
④病理検査室
・術中迅速病理診断を行うため、手術部門に近接して配置する。
⑤心カテ室・アンギオ室
・操作室等を兼用し、省スペース化を図る。
・手術室との連携、救急部門との患者搬送動線を考慮し、中央コアに近接して配置する。
⑥更衣室
・原則として、集約化し整備する。例外として、手術室、NICU,GCU は個別に設ける。
⑦ME 機器センター
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・医療機器の中央管理体制を進め、機器の効率的利用と同時に、保守点検・整備・管理業
務を担うため、中央コア付近の手術室、ICU に近接して配置する。
・貸出と返却口を分けて整備する。
⑧医局
・医局は、人数の増減等に対応できるオープンフロア形式のレイアウトとする。
・医学関連の文献や書籍を閲覧するための図書室は、医師の利用が多いことから、医局に
隣接して配置する。
⑨事務局・幹部諸室
・幹部諸室は、セキュリティ面などから、集約して配置する。
・事務長室は、院長室及び事務局双方に近い配置とする。
・看護部長室は、必要に応じて看護部室内に設ける。
・来客時や幹部ミーティング用に使用する応接室を隣接して配置する。
・事務室は、人数の増減等に対応できるオープンフロア形式のレイアウトとする。
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4. 4階平面レイアウト
【フロア概況】
・産科病棟、MFICU,NICU,GCU を1フロアに集約して整備し、総合周産期母子医療センター
の機能強化に努める。
・成育期の患者に対応するため、小児病棟を隣接して配置する。
・北西側に大会議室を設ける。
①NICU・GCU
・NICU(新生児特定集中治療室)18 床を整備する。
(6 ベッド×2 室、3 ベッド×1 室、2 ベッ
ド×1 室、1 ベッド×1 室)
・GCU(回復期病床)24 床を NICU に隣接して配置する。
(12 ベッド×2 室)
・その他、調乳室等も近接した位置に整備する。
②産科病棟
・個室、4 床室を配置し、合計 20 床を整備する。
・分娩室2室は、緊急分娩・緊急手術への対応を考慮し、手術室への搬送動線を短縮する
ため、中央コアに近接して配置する。
・陣痛室は動線を考慮し、分娩室と近接させて 1 室整備する。
③MFICU
・MFICU(母体胎児集中治療室)6 床を中央コア及び産科病棟に隣接して整備し、リスクの
高い母体・胎児に対応する。
④小児病棟
・個室、2 床室、4 床室を配置し、合計 30 床を整備する。
・プレイルーム、院内学級も併設する。
⑤給食
・栄養部門は、食材等の搬入や各病棟への配膳・下膳の動線を考慮し、中央コアに近接し
て配置する。
・調理室の床はドライとする。また、水漏れ対策のため、3 階手術室の直上部分には配置
しない。
⑥大会議室
・院内向けの集合研修や教育の場として整備する。
・直上階を設けないことで、構造体の柱の無い大空間とする。
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・様々な人数に合わせた会議に対応するため、複数の会議室に分けることができる可動間
仕切を設置する。
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5. 5階平面レイアウト
【フロア概況】
・階層を抑えるために、1 フロア 3 看護単位を基本とし、コンパクト化に努める。
①共用部
・中央コアに、コインランドリー、TEL コーナーを設置し、スペースの集約化を図る。
・一般病棟の個室率は、20%程度を確保する。
・見舞客や入院患者の出入りを確認するセキュリティーラインは、中央コア部分に設ける。
・デイルームは、通路の突き当たりに配置し、自然光を取り入れる。
②一般病棟
・個室及び 4 床室をもとに 50 床を基本的な看護単位として整備する。
・4 床室のトイレは廊下側からの出入りとし、プライバシーに配慮した配置とする。
・個室には、トイレ+シャワーユニットを整備する。(重症対応個室を除く。)
・スタッフステーションからの距離が離れている病室の近辺にスタッフコーナー、スタッ
フ作業スペースを整備する。
・患者のニーズに対応するため、特別室を1室整備する。
③HCU(8 床)
・減床(12 床から 8 床)により適正化を図り、一般病棟での運用とする。
・救急対応が多い診療科で構成される一般病棟に隣接させることで、看護単位を最小とし、
夜間緊急時にはサポートを受けるなどの効率化を図る。
④リハビリテーション
・ベッドサイドや病棟内でのリハビリを中心とし、外来リハは行わない方針のため、採算
性を考慮した広さの訓練室を病棟に配置する。
・特に神経内科や整形外科の患者による利用が想定されるため、それらと同一フロアに配
置する。
・言語聴覚療法室(ST)を1室併設して設置する。
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6. 6階平面レイアウト
【フロア概況】
・一般病棟の他に、地域包括ケア病棟、感染症病棟を整備する。
①共用部
・5 階と同じ
②一般病棟
・5 階と同じ
③地域包括ケア病棟(50 床)
・地域包括ケアシステムの構築に資する視点から回復期に係る病床 50 床を整備する。
・病棟内にリハビリスタッフ控え室を設ける。
④感染症病棟(12 床)
・施設基準に基づく第一種病室を 2 室設ける。また第一種病室のエリア内に検査室、オー
トクレーブ室、廃棄物保管庫を設ける。
・施設基準に基づく第二種病室を個室で 10 室設置する。
・感染用 EV として、東側 EV を使用する。(患者受入れ中は、専用運転制御とする。
)
⑤無菌室(4 床)
・血液腫瘍内科の無菌室(抗がん剤等の投与により無菌状態での治療が必要な患者対応)
を 4 床整備する。
⑥入院透析センター
・入院患者及び救急患者を対象として病棟エリアに 5 ベッド分を設け、患者動線の効率化
を図るために、中央コア付近に配置する。
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7. 塔屋 1 階平面レイアウト
【フロア概況】
・主に中央コアと電気室を構成したフロアとする。
①その他
・屋上面に太陽光発電装置を設置し、本市環境配慮指針に基づく必要量の確保に努める。
・非常用発電機、空調室外機、冷却塔など必要とされる設備スペースを確保する。
・感染用の空調機械室を感染症病棟の直上部分に設ける。
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塔屋 2 階平面レイアウト
【フロア概況】
・主に中央コアとヘリポートを構成したフロアとする。
①ヘリポート
・屋上にヘリポート(飛行場外離着陸場)を整備し、各階と中央コアのエレベーターで直
結することにより、搬送される救急患者に対応する。
・西側に隣接する国家公務員住宅(14階建て)を考慮し、南・北・東の3方向からの進
入方向を想定する。
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