平成28年12月22日 生 活 文 化 局 SMSで身に覚えのない未払い料金を請求する架空請求事業者 「偽ヤフー」にご注意ください 東京都は、ヤフー株式会社をかたって、利用した覚えのない有料動画サイトの未払料金をSMS (※1)で請求する事業者(偽ヤフー)に係る相談が増えているため、消費者安全法及び東京都消費生 活条例による調査を行いましたので、その結果判明した当該事業者の手口等について情報提供します。 なお、本調査は、急速に消費者被害が拡大し、早期に注意喚起を行う必要があったことから、消費 者庁と協力して迅速かつ効率的に実施しました。 (※1)SMS:メールアドレスではなく携帯電話番号を宛先にして送受信するメッセージサービス 事業者名 ヤフー、ヤフー総合窓口、ヤフー総合受付、Yahoo 等 事業者の手口 消費者の方へ ●不審な相手に連絡をとらないで! 身に覚えのない請求に関して、相手に電話やメールをすると、執拗に支払いを請求されます。絶対 に相手に連絡しないでください。 ●支払請求には絶対に応じないで! 「法的措置をとる」などと記載されていても、慌ててお金を支払ってはいけません。また、相手の 求めに応じてギフトカード番号を伝えないでください。 ●同様のトラブルでお困りの方は、すぐに最寄りの消費生活センターにご相談ください。 ☎東京都消費生活総合センター 03-3235-1155 【問合せ先】 生活文化局消費生活部取引指導課 電話 03-5388-3073 別添 東京都消費生活条例第27条に基づく情報提供 1 事業者の概要 名称 所在地 ヤフー、ヤフー総合窓口、ヤフー総合受付、Yahoo 等(※2) (以下、 「本件事業者」という。) いずれも不詳 本件事業者が送信したSMSには電話番号以外に社名等の正確な発信者情報は一切記載されて いないことなどから、所在や事業内容等の詳細は不明です。 (※2)動画配信サービスの提供等を行う実在する事業者であるヤフー株式会社(東京都千代田区紀尾井町1番 3号)は、本件とは全く無関係です。 2 勧誘の手口の概要 (1)「有料動画閲覧履歴があるため、本日中に登録解除いただけない場合、身辺調査及び法的 措置へ移行となります。ヤフー」などと記載したSMSを消費者の携帯電話(スマートフォ ン)に送信してきます。 (2)SMSを見て不安を覚えた消費者は、SMS記載の電話番号に電話をします。 (3)本件事業者は、消費者に対し、実在するヤフー株式会社の名をかたり、「有料動画サイト に登録があり、延滞料金等の未払い料金が25万円ある。」と欺き、「既に弁護士に依頼し、 裁判の手続を進めている。 」 「穏便にすますので発生日から本日までの未納料金25万円を一 旦振り込んでもらいたい。いずれ過払金として返金する。 」などと告げて支払いを求めます。 (4)支払方法として大手通販サイトのギフトカード(以下「ギフトカード」という。 ) (※3) 25万円分をコンビニエンスストア等で購入して、ギフトカードに記載されている番号を本 件事業者に伝えるように指示します。 (5)未払料金があるのではないかと不安になった消費者は、後で支払った金額のほとんどが返 還されるのであれば支払ったほうが厄介にならないと思い、本件事業者の指示にしたがって ギフトカードを購入し、そのカード番号を伝えてしまいます。 (6)本件事業者は、その後も、その他の有料動画サイトでも未払料金が生じているなどとして 更に支払を求めてくることがあります。また、本件事業者の担当弁護士を名乗る者から、有 料動画サイトの未払料金の名目で金銭の支払を要求される事例もあります。本件事業者から 消費者が支払ったお金が返還されることはありません。 (※3)本書に記載する大手通販サイトのギフトカードとは、コンビニエンスストア等で販売されているカード型 の金券で、プリペイドカード(前払により一定金額の価値を有し、商品やサービスを提供してもらう権利の あるカード型の金券)の一種です。当該大手通販サイトの会員になり、ギフトカードの裏面に通常記載され ているカード番号を同サイトに登録することにより、ギフトカードの額面金額が使用可能となります。 なお、当該大手通販サイトのギフトカードは、ギフトカード番号さえ分かれば、当該大手通販サイトで使 用することが可能であり、カード番号だけで転売もされています。 3 東京都と消費者庁が確認した事実 (1)実在する事業者であるヤフー株式会社は、本件とは全く無関係です。 (2)ヤフー株式会社に確認したところ、ヤフー株式会社が子会社である株式会社GYAOと協 力して運営している動画配信サービス「GYAO!」は、あらかじめYahoo!ウォレッ トと呼ばれる決済サービスを通じて決済情報等(クレジットカード情報や銀行口座振替)を 登録しなければ利用できません。また、ヤフー株式会社は、同サービスの料金未納者への連 絡にSMSを利用することはなく、未払料金の支払方法として利用者にギフトカードを購入 させてそのカード番号を連絡させることもありません。 (3)本件事業者がSMSに記載し、又は消費者との連絡に使用している電話番号は多数ありま すが、それらの電話番号の契約先は、いずれも電話回線転売や転送電話サービス等を業とす る事業者でした。本件事業者は、このような電話転送事業者を複数利用して電話発信元の正 体を分からないようにしていました。また、使用する電話回線を次々に変更していました。 (4)東京都及び消費者庁の調査において、本件事業者の実際の社名や所在は判明せず、その実 体は不明です。 4 都内における当該事業者の相談概要(平成 28 年 12 月 21 日現在) 当時者平均年齢 平均請求額 約 22.6 万円 約 53 歳 (16 歳~86 歳) (最高:28 万円) 平成 28 年度相談件数(速報値) 5月 6月 7月 8月 9月 10 月 合計 20 件 55 件 39 件 32 件 12 件 7件 165 件 平成27年度以前の同種の相談はありません。平成28年度から相談が急増しました。 5 本件に関連した東京都の注意喚起情報 1 2 件名 インターネット専用プリペイドカードの悪用に気を付けて! (平成 26 年 12 月 19 日) URL http://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.jp/sodan/kinkyu/141219.html 件名 サーバ型プリペイドカードの悪用に注意 URL http://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.jp/trouble/trouble54-prepaidcard-160601.html (平成 28 年 5 月 2 日) 6 本件についての消費者庁の注意喚起情報 http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/caution/ 7 東京都の架空請求対策 <都内における有料サイト利用料等の架空請求に関する相談件数> 5,505件 (1)都内の消費生活センターに寄せられ る有料サイト利用料等の架空請求に関 2,270件 3,293件 する相談は右図のとおり増加傾向にあ ります。 25年度 26年度 27年度 (2)都は下記ホームページ「東京くらしWEB」にて架空請求を受けた方からの通報を受け付 けています。ご通報いただいた内容は、当ホームページの架空請求事業者一覧ページでの情 報提供、架空請求を行うメール等送信事業者・サイトの運営事業者に対する取締等に活用い たします。また、同ホームページでは本件のような事例も含め、架空請求の手口・対処方法 をわかりやすく解説しています。 ■「東京くらしWEB」⇒「架空請求対策(STOP!架空請求!) 」 →http://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.jp/torihiki/taisaku/ ※SMSによる架空請求の通報はこちらからお願いします。 →http://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.jp/torihiki/taisaku/report1_sms.html
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