啓発活動 - 日本製薬工業協会

啓発活動
Stakeholder Engagement
2016
ENVIRONMENTAL REPORT
Training & Motivation
2 省資源・廃棄物対策
日薬連は、
1997年度から経団連環境自主行動計画
(循環型社会
漢協)
の加盟企業における取り組み状況をフォローアップ調査し、
形成編)
に参加し、
日薬連傘下団体における産業廃棄物の最終処分
その結果を経団連へ報告しています。
量削減など循環型社会形成に向けた取り組みを推進しています。
第4期自主行動計画の目標年度である2015年度の産業廃棄物
2011年度からは、2015年度を目標年度とした第4期自主行動
最終処分量は5.8千トンであり、基準年度(2000年度)
比80%減
計画を策定し、
日薬連傘下の4団体
(製薬協、
GE薬協、
OTC薬協、
日
で、
目標(65%程度削減)
を達成しました。詳細については、前述の
「省資源・廃棄物対策」
(12∼14ページ)
をご覧ください。
日薬連の目標
第4期自主行動計画:産業廃棄物最終処分量削減目標
環境安全委員会では、会員企業が最先端技術や取り組み事例
情報や法令動向、会員企業の環境保全活動や労働安全衛生活動
などを情報共有することで、環境保全、労働安全衛生に関する意
に関する取り組み事例などの情報共有を行う機会として、技術研
識向上と効率的な課題解決に結びつけていくことを目指していま
修会や研究会を定期的に開催しています。
また、
これらの取り組み
す。セミナーや講演会では外部講師を招き、環境保全、労働安全
は、
「かんきょうニュース」
や
「調査報告書」
などにまとめて会員企
衛生に関する国内外の最先端情報や法令動向などに関する情報
業に情報発信しています。
提供に努めています。
また、専門部会では、専門分野における技術
調査報告書の発行
環境安全委員会では、
4月に開催される総会で環境保全および労
バックしています。
また、製薬業界は、経団連低炭素社会実行計画
働安全衛生に関する年度計画を審議・決定し、
計画的な活動を推進
および環境自主行動計画(循環型社会形成編)
に参加しており、
こ
循環型社会の形成を目指した取り組みは今後も継続していく必要があることから、
2016年度以降は、
経団連が
「環境自主行動計画
しています。
活動計画の進捗状況は、
各専門部会が会員企業に対し
の進捗状況や取り組み状況に関するフォローアップを行い、
得られ
(循環型社会形成編)
」
から名称変更して継続実施する
「循環型社会形成自主行動計画」
に参加するとともに、
第5期自主行動計画とし
てアンケート調査などを行い、
目標に対する達成度、課題などを把
たデータや情報を報告書にまとめ、
経団連に定期報告しています。
2015年度において、
2000年度比65%削減する
(1.03万トン以下に削減)
て日薬連の独自目標を策定して活動を継続しています。
第5期自主行動計画:目標(数値目標および定性目標)
1
低炭素社会の実現に配慮しつつ適切に処理した産業廃棄物の最終処分量について、
2020年度に2000年実績比70%程度削減を目指す。
2
2020年度の廃棄物発生量原単位
(廃棄物発生量/医薬品売上高)
を、
2000年度を基準に50%程度改善する。
握するとともに、調査結果を報告書にまとめ会員企業にフィード
環境報告書の発行
環
環境安全委員会では、
製薬企業の環境や安全衛生への取り組み方
3
2020年度の廃棄物再資源化率
(再資源化量/廃棄物発生量)
を55%以上にする。
針、
活動結果などをまとめて1999年度より毎年発行しています。
本
4
加盟企業の資源循環の質を高める3Rの取り組み状況を定期的に把握し、
事例などの情報共有を通じて各社のさらなる取り組み推進を図る。
報告書は、
製薬業界の環境保全や労働安全衛生への取り組みに関す
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書
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る情報を開示することにより、
ステークホルダーに対する説明責任を
果たすとともに、
会員企業や社会とのコミュニケーションツールとなる
2016年度日薬連環境委員会の事業計画(重点課題)
地球温暖化対策
●
低炭素社会実行計画に基づくフォローアップ調査の実施、
報告書の作成・提出
●
厚生労働省による低炭素社会実行計画フォローアップへの対応
●
低炭素社会実行計画のフォローアップ体制の強化、
数値目標の達成に向けた情報共有と各種課題の検討
ことを期待しています。
日
本
Japan
製
Pharma
薬
工
ceutica
業
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nufactu
rers
過去の環境報告書はこちらをご参照ください。
協
会
Associa
tion
http://www.jpma.or.jp/about/issue/gratis/eco/
「かんきょうニュース」
の発行
環境安全委員会では、環境保全や労働安全衛生に関するセミ
省資源・廃棄物対策
ナーや技術研修会を開催し、
その概要などを
「かんきょうニュース」
●
自主行動計画に基づくフォローアップ調査の実施、
報告書の作成・提出
にまとめて、
会員企業に情報提供しています。
また、
この情報は、
製薬
●
数値目標の達成に向けた情報共有とフォローアップ体制整備
●
容器包装リサイクル法の見直し審議に向けた対応
協以外にも、
日薬連、
大阪医薬品協会、
東京医薬品工業協会が共同
●
医療系廃棄物の削減・適正処理に向けた情報収集・情報提供、
関係団体との良好な関係の維持
で利用するインターネットサイトに掲載し、
広く医薬品業界に配信し
ています。
2015年度は4回発行しました。
No.
No.
112
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2014年
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情報収集
●
生物多様性など事業活動に影響が大きい環境課題などの情報収集
日薬連低炭素社会実行計画WGの活動紹介
地球温暖化対策の新しい国際ルール
「パリ協定」
が11月に発効しました。
国際社会が一丸となって、
産業革
命前からの世界の平均気温の上昇を
「2度未満」
に抑え、
さらに
「1.5度未満」
をめざす体制が整いました。
製薬
研究会活動
環境安全委員会では、専門部会を超えた活動の場として
「研究
「プロセス安全研究会」
「高薬理活性取り扱い分科会」
「営業車両
会」
を設置しています。研究会には、環境安全委員会委員、専門委
事故防止研究会」
の3つの研究会・分科会を設置して取り組んで
員以外の会員企業のメンバーが参加でき、会員企業に共通した課
います。
題に対してテーマを設定し、その改善に取り組んでいます。現在、
業界もこの目標の達成に貢献すべく、
日薬連環境委員会が主導して、
2013年度に開始した低炭素社会実行計
画の確実な実行と、
それに続く2030年度を目標年度とする低炭素社会実行計画フェーズⅡへの取り組みを進
めています。
どちらも野心的な目標で、
その達成は容易ではありませんが、
知識集約型産業の責務として、
プロセ
WGリーダー
山野 徹氏
27
日本製薬工業協会 環境報告書 2016
スの最適化や最先端技術の導入によって、
これを実現していきたいと考えています。
環境安全講演会、各種技術研修会の開催
環境安全委員会では、
環境安全講演会や各種技術研修会を開催
に関する講演、
あるいは、
会員企業の取り組み事例の発表などを通
しており、環境保全や労働安全衛生に関する専門的な技術や管理
して、
会員企業の情報共有と活動のレベルアップを図っています。
日本製薬工業協会 環境報告書 2016
28
環 境 保 全・安 全 衛 生 活 動 の 歩 み
Training & Motivation
2016
ENVIRONMENTAL REPORT
History of Environmental and Safety Initiative
2015年11月から2016年10月までに実施した環境安全講演会、
技術研修会
1968年
●「日本製薬工業協会」設立
● 工場周辺の公害問題(主に排水問題)
に対する技術検討を目的に「周辺技術連絡会」を設置
1978年
● 周辺技術連絡会を「工場排水規制処置検討会」に変更
1979年
● 関係官庁と連携し、行政の伝達、業界の意向を具申するとともに、業界内相互の情報交換、会員相互の環境対策の確立を
目的に「環境対策検討会」を設置
1996年
●「環境委員会」を設置し、内部に5部会(企画部会、化学物質部会、環境マネジメント部会、省資源・廃棄物対策部会、省エネ・
温暖化防止部会)
を設置
● 2000年度を最終年度とした有害化学物質(3物質)の大気排出量削減に関する第1期自主行動計画を策定
1997年
● 経団連環境自主行動計画(地球温暖化対策編)
に参加
● 2012年度を最終年度とする地球温暖化対策に関する第1期自主行動計画を策定
1998年
● 経団連環境自主行動計画
(循環型社会形成偏)
に参加
● 廃棄物削減に関する自主行動計画
(暫定案)
を策定
1999年
● 製薬協の環境問題への取り組みを明示した「製薬企業環境自主行動指針」を策定。環境報告書を発行
2001年
● 5部会を4部会(化学物質管理部会、環境マネジメント部会、省資源・廃棄物対策部会、省エネ・温暖化防止部会)
に再編し、
新たに企画会議を設置
● 2010年度を最終年度とした廃棄物削減に関する第1期自主行動計画を策定
● 2004年度を最終年度とした有害化学物質(7物質)の大気排出量削減に関する第2期自主行動計画を策定
2002年
● 活動を労働安全衛生にも拡大し、
「環境安全委員会」に名称変更。部会を超えた活動の場として、
「研究会」を設置
2003年
● 2010年度を最終年度とした廃棄物削減に関する第2期自主行動計画を策定
2005年
● 2007年度を最終年度とした有害化学物質(3物質)の大気排出量削減に関する第3期自主行動計画を策定
2006年
● 2010年度を最終年度とした廃棄物削減に関する第3期自主行動計画を策定
2008年
● 4部会を3部会(環境部会、安全衛生部会、地球温暖化対策部会)
に再編
2010年
● 2010年度を最終年度とした廃棄物削減に関する一連の自主行動計画が終了
2011年
● 2015年度を最終年度とした廃棄物削減に関する第4期自主行動計画を策定
● 製薬協の生物多様性への取り組み姿勢を明示した「生物多様性に関する基本理念と行動指針」を策定
2012年
● 2012年度を最終年度とした地球温暖化対策に関する第1期自主行動計画が終了
2013年
● 2020年度を最終年度とした地球温暖化対策に関する第2期自主行動計画を策定
2014年
● 2030年度を最終年度とした地球温暖化対策に関する第3期自主行動計画を策定
2015年
● 2020年度を最終年度とした廃棄物削減に関する第5期自主行動計画を策定
● 3部会を2部会(環境部会、安全衛生部会)
に再編
環境技術研修会(2016年1月開催)
医薬品の環境影響度評価
−現状と今後の課題
ISO14001改正と
環境法最新動向
日本リスクマネジャネットワーク
東 泰好 氏
(有)
洛思社 代表取締役/
環境経営部門チーフディレクター
安達 宏之 氏
災害時における
化学物質の管理
日本製紙株式会社
石巻工場 安全環境管理室
国内における
PM2.5の実態と対応
埼玉県環境科学国際センター/
大気環境担当
関根 彩 氏
長谷川 就一 氏
医薬品の環境影響度評価の現状として、
米国、
欧州の環境リスク評価に関
するガイドラインについて取り上げ、
日本との取り組みの違いについて紹介
された。
また、
すべてのステークホルダーがそれぞれの立場で果たすべき役
割を理解して、
責任を分担・共有していくことが必要と提言された。
EMSの国際規格であるISO14001の2015年度版が発行されたことに伴
い、
その改訂ポイントおよび順守義務に焦点をあてて紹介された。
また、
環
境法の最新動向では、
法改正に対応し、
環境法を順守続ける体制を構築・
運用することが必要と提言された。
2011年3月11日に発生した東日本大震災での、甚大な被害状況や工場
再稼働までの復旧作業、安全対策、震災を教訓とした防災対策など紹介
された。
また、大きな災害では、被災状況が気掛かりになるが、
まずは安全
な場所に避難し、
自分の命を守ることが何よりも優先と提言された。
日本国内におけるPM2.5の実態として、
環境基準や有効測定局、
環境基準
達成率、構成する物質、発生源および生成に関するメカニズムについて紹
介された。
また、
注意喚起として、
マスクの装着方法をはじめ長期暴露影響
を抑えていくための大気汚染物質の排出削減が必要であると提言された。
環境安全講演会(2016年4月開催)
確実にやってくる
巨大地震に備える
―今後の地震防災対策の
あり方
森は海の恋人
東京大学 生産技術研究所
目黒 公郎 氏
NPO法人森は海の恋人 理事長
畠山 重篤 氏
今後の防災対策のあり方として、最終的に目指すものは災害レジリエンス
の高い社会です。
柔軟性を持った社会は、
より効率的に災害に強い状況を
作れます。
社会のレジリエンスを高くするために、
都市のいろいろなインフラ
や建物、
社会システムのレジリエンスと、
それを使う人のレジリエンスを高く
することが必要であると提言された。
海ばかりではなく、
森を見るという視点を与えられ、
ブナやナラの落葉広葉
樹を海にそそぐ川の流域の山に植える運動
「森は海の恋人運動」
を始めた
ことから、
森林保全をしている民間人を表彰する国連フォレストヒーローズ
という制度での講演や、
フランスとの森と海とカキでの交流について説明さ
れた。
安全衛生技術研修会(2016年7月開催)
働く人のメンタルヘルス
聖隷労働衛生コンサルタント
事務所 所長
坂元 富美夫 氏
次世代環境車の未来
(環境・安全・災害への
備えとしてのプリウス&
プリウスPHVの進化)
トヨタ自動車株式会社
チーフエンジニア
豊島 浩二 氏
メンタルヘルスへの取り組みを、
ひとつの疾病として全体像で考えるより、
予
防管理、
兆候管理、
発症管理、
復職管理の各ステージに焦点をあてて、
どう
いった対策や取り組みをすればよいか、
対策や計画を立てると、
意外と効果
的な対策として機能する場合が少なくないと示された。
車はドライバーをサポートするもので、事故を減らすことには役立てる
が、最終的にはドライバーが重要な役割を担っている。人間と車の対話
を大切にしている。
こうした自動車の開発を通した、環境と安全、災害へ
の備え、車が社会に果たすべき役割について示された。
省エネ・地球温暖化対策技術研修会(2016年10月開催)
省エネルギー政策の
最近の動向について
経済産業省 資源エネルギー庁
省エネルギー課課長補佐
吉川 泰弘氏
新たな地球温暖化対策
環境省 地球環境局
地球温暖化対策課
調整第一係長
嶋田 章氏
ZEBへの取り組みと
スマートエネルギーシステム
29
日本製薬工業協会 環境報告書 2016
株式会社大林組 技術本部
兼 スマートシティ推進室長
小野島 一氏
2015年7月に策定された
「長期エネルギー需給見通し
(エネルギーミック
ス)
で掲げた省エネルギー目標(最終エネルギー消費で原油換算5,030万
kl程度)を達成するための取り組み、
支援措置、
規制措置など、
我が国の省
エネルギー政策の動向について説明された。
平成27年11月に閣議決定した
「気候変動の影響への適応計画」
の重要
性、
また、国際的な動向としては、2030年26%削減達成のための取り組
み(パリ協定)および中長期戦略の検討(2050年80%削減に向けた取組)
について説明された。
我が国のエネルギー需給の抜本的改善の切り札となるなど、
極めて社会的
便益が高く、
エネルギー基本計画などの目標の確実な達成が求められてい
る状況において重要なテーマであるZEB
(ゼロエネルギービル)
の定義およ
び実現に向けての課題について説明された。
日本製薬工業協会 環境報告書 2016
30