2016年7~9月 - 在カメルーン日本国大使館

海外安全対策情報・カメルーン(2016年7~9月)
在カメルーン日本国大使館
1.社会・治安情勢
社会情勢は、これまでのところ安定しています。しかし、政変等により情
勢が急激に悪化する可能性は排除できません。
極北州において、国内初のイスラム過激派組織ボコ・ハラムによる自爆テ
ロ、襲撃や拉致事件が発生しています。また、中央アフリカ国境付近でも、
中央アフリカからの武装集団や難民の流入により、治安が不安定となってい
ます。
2.一般犯罪・凶悪犯罪の傾向
人口が集中している沿岸州ドゥアラ市と中央州ヤウンデ市(首都)に犯罪
が集中している傾向にあります。犯罪の傾向としては、殺人・傷害・強姦な
どの身体に対する犯罪と、強盗・ひったくりなどの財産に対する犯罪とが多
数を占めています。また、道路事情が悪く、走行車両の整備状況もよくない
ことから、交通死亡事故が頻繁に発生しています。
3.テロ・爆弾事件発生状況
(1)7月2日、極北州Homekaで、武装集団に数件の家屋が襲われて略奪され
ました。
(2)7月4日、極北州Mbaimboum(クセリ付近)で、武装集団の襲撃があり、
6人 が 拉 致され ました。また同州Borneri(コロファタ付近)で、武装集団に
よる待ち伏せ攻撃があり、11人が拉致され、他1人が遺体で発見されました。
(3)7月8日、極北州サンダ・ワジリで、武装集団の待ち伏せ攻撃があり、
クヤペ市場から帰る途中の女性6人が拉致されました。同州シェリフ・ムサリ
村で、ボコ・ハラムの襲撃があり、村民1人が殺害されました。
(4)7月9日夜、極北州グルジビニ(ワザから約10km)で、ボコ・ハラム
の襲撃があり、村民2人が殺害され、他4人が負傷し、70軒以上の家屋焼き払
われました。同州マナワチ(コロファタ付近)にある2カ所の農場で、村民2
名が武装集団に殺害されました。同州アルジェ(アムシデ付近)で、ボコ・ハ
ラムの襲撃があり、村民3人が殺害されました。
(5)7月11日、極北州マルムリで、ボコ・ハラムの襲撃があり、村人2人が
殺害されました。
(6)7月12日、同州ムルダ(国境の町)で、地雷が爆発して車両に乗車中の
兵士4人が負傷しました。
(7)7月14日、極北州シェリフ・ムサリで、カラシニコフ銃を所持したボコ
・ハラムの戦闘員6人が自警団リーダー宅を襲ってリーダーの妻を縛り上げ、
刃物でリーダーの喉を切って殺害して逃走しました。同州Balatoukseで、武装
集団の襲撃があり、村人1人が殺害されました。
(8)7月中旬、極北州カムナの多国籍軍の詰め所が武装集団に襲撃され、兵
士1人が負傷し、銃器と弾薬が奪い取られました。
(9)7月22日、極北州ダラクで、猟師3人がボコ・ハラムにより殺害されま
した。
(10) 7 月23日、極 北州Hiltangomで、ボコ ・ハラムの襲撃があり、小屋10軒
以上が焼き払われ、ヤギと羊100頭以上が奪い取られました。
(11)7月24日、極北州コロファタで、武装集団が携帯電話屋を襲いました。
負傷者は出ませんでした。
(12)7月25日、極北州Vreketで、武装集団が自警団メンバー(62歳)の自宅
を襲い、同メンバーを殺害しました。
(13)8月9日、極北州Gambarou(ワザ-モラ間の幹線道路沿い)で、武装集
団による襲撃があり、小屋60軒以上とトラック1台が焼き払われました。
(14)8月17日深夜、極北州コロファタで、武装集団による襲撃があり、ナイ
ジェリア人男性1人と自警団メンバー1人が殺害され、家屋数軒が焼き払われ
ました。
(15)8月19日、極北州バカリで、ボコ・ハラムの襲撃があり、村人1人が殺
害されました。
(16)8月21日午前7時頃、極北州モラの市場付近で、オートバイに乗った男
が自爆し、4人(自爆テロ犯1人を含む)が死亡し、他26人以上が負傷(内6
人が重傷)しました。
(17)8月24日、極北州チャカルマリで,武装集団約40人による襲撃があり、
カメルーン軍と銃撃を交わした後、戦闘員らは撃退されましたが、カメルーン
軍兵士1人が負傷しました。
(18)9月1日午前1時頃、極北州グズドゥ(コロファタから約6km)で、
ボコ・ハラムによる襲撃があり、1人が殺害され、女性(20歳)と少年(8歳)
が拉致され、店数軒が荒らされました。その襲撃の数時間前、同州ケラワで武
装集団により襲撃がありましたが、カメルーン軍により撃退されました。
(19)9月5日、極北州GuidiguidiとWamba(モラから約10km)で戦闘員2人
による襲撃があり、村人2人が殺害されました。
(20)9月11日、極北州Chekerで、カメルーン軍の車両が地雷に接触して兵士
2人が死亡し、他6人が負傷しました。
(21)9月15日、極北州GoulmaとKabo間の幹線道路沿いの地域で、武装集団に
よる襲撃があり、市民4人が殺害され、トラック2台が焼き払われ、店舗数軒
が強奪被害に遭い、米が奪われました。
(22)9月16日、極北州サンダワジリで、ボコ・ハラムによる襲撃があり、村
人2人が負傷し、他2人が拉致されました。その後、カメルーン軍の捜索によ
り、人質2人の遺体が発見されました。同襲撃事件の前に同州Goulmaとカボで、
武装集団による襲撃があり、村人4人が殺害され、米袋が奪われました。
(23)9月21日、極北州ジャカナで、自爆テロ犯が自爆し、自爆テロ犯1人と
自警団3人が死亡し、他2人が負傷しました。
(24)9月30日夜、極北州Dambore-Ardebeで、武装集団がカメルーン軍の詰所
を襲撃し、兵士1人を殺害し、2名を負傷させ、武器や弾薬を奪ってナイジェ
リア方向に逃走しました。
4.誘拐・脅迫事件発生状況
(1)7月10日、ラグド村長と他カメルーン人14人が中央アフリカで解放され
ました。村長らは昨年3月19日東部州ベルトアから同州ガルア・ブライに向け
て移動していた際に拉致されていました。
(2)7月19日午前3時頃、北部州ムバイ・ムブン(トゥボロから約35km)
で、誘拐犯2人が肉屋の男性(40歳)を拉致して中央アフリカ付近の藪に連れ
去ろうとしましたが、カメルーン軍と銃撃戦となり、射殺され、人質の男性は
解放されました。
(3)7月23日、北部州トゥボロの中央アフリカ国境付近の山中で、潜んでい
た人質7人がパトロール中のカメルーン軍のヘリコプターにより発見され救助
されました。人質の女性1人は妊娠していて、誘拐犯に強姦された旨申し立て
ました。
(4)7月24日、東部州ンドカヨで、車両内にいる少年(7歳)が税関職員に
より発見されました。同職員によると、アダマワ州ンガウンデレからヤウンデ
に向かう車両の内部を検査していたところ、同少年を発見しました。運転手と
同乗者は人身売買の容疑で逮捕されました。
(5)8月5日午後11時45分頃、北部州トゥボロのビジネスマン(31歳)の自
宅に武装した男達が押し入り、ビジネスマンの妻と他2人を連れ去りました。
翌日、誘拐犯はビジネスマンに電話して身代金1億FCFA(邦貨約2千万円)
を要求しました。
(6)8月7日、南西州ブエアの教会で、母親が隣にいた女を信用して、赤子
を同女に預けてその場を離れたところ、同女は赤子を連れ去りました。捜索の
結果,犯人の女がタクシーに乗ろうとしていたところ,発見されて逮捕された。
(7)8月10日、アダマワ州Ngat(チバチ付近)で、カメルーン軍によりカメ
ルーン人の人質1人が救出されました。7月31日、Vina地方で、救出された人
質を含む5人が拉致された後、2人(ともに13歳)は殺害され、他の2人は8
月10日より前に脱出した。
(8)8月20日午前1時頃、北部州Dompta(トゥボロ付近)で、獣医1人と他
2人が武装集団に拉致され、中央アフリカ国境方向へ連れ去られました。誘拐
犯らは身代金100万FCFA(邦貨約20万円)を要求しました。
(9)8月23日、北部州タピ(トゥボロから約25km)の森の中で、カメルー
ン軍による人質捜索・救助作戦が実行され、人質3人(26歳、45歳と71歳)が
救助されました。誘拐犯らは人質を置き去りにして逃走しました。
(10)9月6日、極北州トルコマリで、中学生2人が武装集団に拉致されまし
たが、数時間後にカメルーン軍により人質2人を救出しました。
(11)9月7日、極北州Tchikiniで、市民1人が何者かに拉致されました。
(12)9月10日、アダマワ州ダルウィ(メイガンガ付近)で、人質6人(8歳
から13歳)がカメルーン軍により救出されました。誘拐犯は人質を6週間監禁
して身代金800万FCFA(邦貨約160万円)を要求していました。
(13)9月14日、北西州バメンダで、生後9ヶ月の赤子が女(20歳)連れ去ら
れましたが、数日後に中央州Mbandjockで発見されました。警察は現場に遺留さ
れた携帯電話から容疑者を割り出した。