北海道産酒を欧州リゾート市場へ!

北海道産酒を欧州リゾート市場へ!
~デザインの⼒でマーケティングを強化~
(北海道産酒の欧州ブランディングのためのデザイン⼒強化事業)
平成28年12月26日
経済産業省北海道経済産業局
株式会社JTB北海道
【本資料の問い合わせ先】
経済産業省北海道経済産業局 総務企画部 企画調査課(担当名:佐々⽊)
TEL:011-709-2311(内線2520-2521) FAX:011-709-1779
E-mail:[email protected]
1.要 旨
(1)北海道経済産業局及び(株)JTB北海道は、北海道広域道産酒協議会、北洋銀⾏、会員制
シェア⼯房「MakersʻBase」(メイカーズベース)とともに、道内酒造4社(⽥中酒造、國稀酒造、⾼砂
酒造、⽇本清酒)の輸出促進を、デザインの⼒でサポートする事業(※)を今年度、実施しています。
※北海道産酒の欧州ブランディングのためのデザイン力強化事業(平成28年度中小企業知的財産活動支援事業費補助金)
(2)世界的な健康志向の⾼まりによる和⾷ブームや訪⽇外国⼈客の増加等もあり、近年は⽇本酒の関⼼が
⾼まり、その輸出は増加傾向にあります。この背景のもと同協議会では、これまで、欧⽶・アジア向け販路拡
⼤事業を実施する中、欧州有数の⾼級リゾート地「スペイン・イビサ島」への輸出に成功しました。
⼀⽅、「味は良い、しかし、海外向け商品デザインに課題あり」との指摘もあり、今回、更なる販路拡⼤の
ために、本事業にチャレンジするものです。
(3)本事業の主な取り組みとして以下の3つを実施しました。次⾴から詳しくご紹介します。
1)デザインコンテストの開催
道産酒のアイデンティティを⽰す 「各社共通ロゴ」 や「商品(瓶)ラベル」のデザインを⼀般募集。
328作品(230名)の応募があり、審査会により、ロゴ5作品、ラベル6作品の計11作品を選定。
2)試作品の企画・製作
選定されたデザインは、メイカーズベースの最新式のデジタル加⼯機器を駆使して試作。
⽇本酒の瓶ラベル、各社共通ロゴをあしらったボトルタグ、コースター、酒器などの関連アイテムを製作。
3)現地(スペイン)デザインマッチングの開催
主要ターゲットのスペイン・イビサ島とともに、⾷と芸術の街「バルセロナ」において、現地デザインマッチングを開催。
現地関係者から直接評価を受け、今後のデザイン改良・確⽴につなげる。
1
【参考】スペイン(イビサ島・バルセロナ)の概要
【スペイン】
(⼈⼝)4,645万⼈(ʻ14年) (⾸都)マドリード
(⾷⽂化)⾷をこよなく愛し、⼀⽇5回程度の⾷事を摂る。
酒類では、ワイン、カバ(発泡ワイン)、ビール、サングリアなどを好む。
【イビサ島】 ⼈⼝13万⼈(ʼ10年)
●地中海に浮かぶイビサ島は、世界屈指のリゾートアイランド。
●世界遺産にも登録されている歴史的な街並みと、真っ⻘な海が印象
的で、夜は世界のトップDJが集まるクラブミュージックの聖地。
●6⽉から9⽉までの観光ハイシーズンには、世界中からリゾート客が
溢れる。
●欧州の⾼級飲料メーカーも重要マーケットととらえる街。
【バルセロナ】 ⼈⼝162万⼈(ʼ10年)
●スペイン北東部、カタルーニャ州
●芸術の街として、ガウディやミロといった
異才を⽣み出し、ピカソ美術館やサグラ
ダファミリアが所在する。
●⾷の街としても有名で、世界中からトップ
シェフも集まる。
2
2.事業体制
【補助⾦交付】
北海道経済産業局
【事業実施主体】
(株)JTB北海道
【連携機関】
北海道広域道産酒協議会
(事務局:JTB北海道)
・清酒、ワイン、地ビール、ウィスキー等全てのジャンルを⼀堂に集結した⽇本でも唯⼀の
団体(25酒造所参加)。
・本事業では、協議会会員のうち4社がモデル事例のプレイヤーとして参加。
○⽥中酒造 ○國稀酒造 ○⾼砂酒造 ○⽇本清酒
北洋銀⾏
MakersʻBase
(メイカーズベース)
⾦融⽀援、専⾨家コーディネート、商材開発や素材供給等の関連企業とのマッチングなど
を実施。また、関連産業・企業に本事業のノウハウを展開。
・会員制シェア⼯房(会員数5,000⼈超)。
・平成25年8⽉東京本店、27年8⽉札幌店、
28年4⽉福岡店をオープン。
・⽊⼯・⾦⼯・陶芸・縫製・テキスタイル・デジタル
加⼯に対応した各種⼯作機械を100種類
以上設置。
・会員(プロ・アマ/事業者、会社員、学⽣)が
持つアイデアを⾃由にカタチにできるスペース。
http://makers-base.com/
3
3.事業の背景 (1)⽇本酒の輸出
●世界的な健康志向の⾼まりによる和⾷ブームや訪⽇外国⼈客の増加等もあり、近年は⽇本酒の関⼼が
⾼まり、その輸出は増加傾向にある(この10年で2.3倍/⾦額ベース)。
●こうした中、近年、北海道産酒の輸出も急速に進んでいる。⼀⽅で、⽇本酒輸出(全国)に占める道産酒
の割合は1.6%と低い状況(H27年⾦額ベース)。
●今後、道産酒の輸出拡⼤に向けて、海外での認知度向上やブランド形成などを促進する必要がある。
⽇本酒の輸出推移(全国)
⽇本酒の輸出推移(北海道)
【出所】財務省「貿易統計」、北海道分については道内税関から輸出された⽇本酒(清酒)の統計を掲載
4
3.事業の背景 (2)北海道広域道産酒協議会の海外販路開拓事業
●北海道広域道産酒協議会は、平成26・27年度に、経済産業省JAPANブランド育成⽀援事業を活⽤
し、欧⽶・アジア向け販路開拓事業を実施。
●平成28年6⽉には、農林⽔産省全⽶輸事業を活⽤し、スペイン・イビサ島への輸出促進事業を実施した。
平成26年度
JAPANブランド
育成⽀援事業
(戦略策定⽀援)
(経済産業省)
平成27年度
JAPANブランド
育成⽀援事業
(ブランド確⽴⽀援)
(経済産業省)
平成28年度
(⼀社)全⽇本
コメ・コメ関連⾷品輸出
促進協議会
(全⽶輸)事業
(農林⽔産省)
北海道のイメージとともに発信する海外向けの道産酒×⾷のマリアージュブランドの
商品開発を⾏うためのデータ蓄積、調査活動
○道産酒と⾷とのマリアージュ調査 ○シンガポール市場視察&リサーチ
○国内事例ヒアリング(甲州ワイン、秋⽥⾦紋酒造)
○「パ酒ポート」を活⽤したインバウンドのヒアリング調査 ○有識者・関係者の意⾒交換会
ヨーロッパを中⼼とした北海道産酒ブランド構築及び海外販路拡⼤プロジェクト。
「⾷との結びつき」「トレンド」「富裕層」に波及効果のあるエリアでPR活動
○ロンドン市場リサーチ、フードペアリングイベントの実施
○パリ市場リサーチ、⾒本市「Salon du SAKE2015」出展フードペアリングイベントの実施
○⾹港インターナショナル・ワイン&スピリッツ2015出展
○イビサ島(スペイン)酒販事業者の北海道招聘(酒蔵視察および商談会の実施)
平成28年6⽉15⽇-17⽇
・ワイン卸、⼩売店向け道産酒試飲イベントの開催
・イビサ島関係者との意⾒交換
5
3.背景(3)海外販路開拓事業の成果-欧州⾼級リゾート市場を主要ターゲットに!
(1)北海道広域道産酒協議会では、世界の主要地域への販路拡⼤事業を⾏う中、欧州有数の⾼級リゾート地
であり、⾷品・飲料関係のバイヤーが欧州各国から数多く集まるスペイン・イビサ島向けのプロモーションが好評。
この結果、イビサ島のホテルやレストラン向けワイン問屋(VINO&CO社)で道産酒の販売が開始された。
※平成28年度は4社・8商品を販売。
(2)イビサ島市場では、品質や⾒た⽬のプレミアム感が求められています。また、「オーガニック」「⾃然」に対する関
⼼も⾼く、地理的物語性や⾃然豊かな場所で造られる商品に対してリスペクトがある。
●道産酒は「味わい」とともに、「北海道の歴史や風土による酒造りのストーリー性」や「特定名称酒
(大吟醸、純米酒等)が豊富」という点が評価。
●また、現状では、生産量の多くを輸出に回せない道内酒造会社にとって、「高級酒」を中心に展開
できる点もメリット。
(3)また、イビサ島は、⾼級シャンパン会社モエシャンドンやドンペリニョン等の欧州マーケティングの重要拠点でもあ
ります。今後、海外展開において、イビサ島市場を攻めれば、欧州展開の重要な⾜がかりになると認識。
(4)⼀⽅、課題・要望も。「現状の瓶やラベルのデザインは、⽇本⾵であり、イビサ島向けではない。」、
「ローマ字表記は必須」、「お酒とともに酒器、コースター等のアイテムも提案してほしい」など。
味は良い、ストーリー性もある! しかし、デザインをイビサ仕様に、との具体的要望あり。
では、スペイン・イビサ島のリゾート市場向け「デザイン」と「アイテム」を開発しよう!
そして、改めて提案し、販路拡⼤を進めていこう!
6
4.コンテストの概要
(1)募集対象者
メイカーズベース会員をはじめ全国のデザイナー、クリエイターなど(応募:1⼈各分野ごと3作品まで)
(2)募集分野・テーマ
【各社共通ロゴ】 テーマ「雪/SNOW」
北海道の象徴である「雪」。上質な雪解け⽔からできる⽇本酒であることをシンプルに現すテーマ。
【ラベル】 ⽥中酒造「純⽶吟醸宝川」⽤商品ラベル、國稀酒造「暑寒しずく」⽤商品ラベル
(3)⼊賞・特典
・⼊賞 (各分野)最優秀賞1作品、優秀賞複数
・特典 (最優秀賞)スペイン現地商談会参加、
本採⽤に⾄った場合の契約 など
(4)スケジュール
・募集期間:平成28年10⽉12⽇-11⽉13⽇
・審査会:11⽉14⽇
・審査員:酒造各社、 メイカーズベース、JTB北海道
(5)応募総数:328作品・230名
(内訳)
・共通ロゴ:216作品
・「純⽶吟醸宝川」ラベル: 54作品
・「暑寒しずく」ラベル: 58作品
審査会の模様
7
5.コンテストの受賞作品 (1)ロゴ - 最優秀賞
【テーマ】 Crystal of HOKKAIDO
【作品コンセプト】
真ん中の「四⾓い形のオブジェクト」は、北海道を現しています。
中央から伸びる「放射状の8つの線」は、雪解けの⽔によりつくられた
上質なお酒が、北海道から⾶び⽴ち世界進出する様を表現している
とともに、北海道に舞い降りる雪の結晶も模しています。
また、雪の結晶を“六⾓形”ではなくあえて“⼋⾓形”で表現しています。
それは、⽇本では末広がりの⾔葉より「⼋」が幸福を呼ぶ数字と考えら
れており、⻄洋では「8」を横にすると「∞」となり無限に広がる、という
意味を込めているため、雪の結晶を“⼋⾓形”で表現しました。
【活⽤アイテム・ラインアップ】
【デザイナー】
諫武 朋枝(いさたけ
ともえ)
(東京都在住)
8
5.コンテストの受賞作品 (1)ロゴ - 優秀賞
【テーマ】 SNOWLAND
【テーマ】 ⼀番星
【作品コンセプト】
欧州の暖かいリゾート地と対照的
【作品コンセプト】
なイメージである北海道の冷涼な
雪の結晶や氷をモチーフに
気候、⼟地、上質な雪解け⽔をコ
「光り輝く星」をイメージしました。
ンセプトに、和を感じさせる雪の模
世界で輝く星になるという願い
様と雪⼭、これらをひんやりとした
を込めて。
⾊合いのしずくの形の中におさめま
した。
【デザイナー】 上野 昴星 (東京都在住)
【デザイナー】 ⾼橋 りさ(北海道・札幌市在住)
【テーマ】雪の雫
【テーマ】 いってき、いってき
【作品コンセプト】
太陽が雪を溶かしたお⽔は円
に沿って、ビンの中に⼊って、酒
⽶と⼀緒に仕込みました。
Hokkaidoの⽂字は⼿書きで、
よく⾒れば「i」の点々はお⽶
の形です。全体の構成は⽇の
丸で、純⽶吟醸酒のような優
しいイメージで作りました。
【作品コンセプト】
【デザイナー】 謝喬伃(東京都在住/中国出⾝)
北海道の広⼤な⾃然に降り積も
る雪。その⼀粒⼀粒が解けて川と
なり上質な⽔となる。
北海道で造られる⽇本酒の「いっ
てき、いってき」に豊かな⾃然の恵
みがあることを表現しました。
【デザイナー】 菱川 淳⼀ (⼤阪府在住)
9
5.コンテスト受賞作品(2)ラベル(⽥中酒造・純⽶吟醸「宝川」)- 優秀賞
【対象商品】
純⽶吟醸 宝川
(たからがわ)
北海道産の酒造好適⽶「彗星(すい
せい)」を⾼精⽩に磨きあげ、醸したお
酒です。
華やかな吟醸⾹と爽快な旨み、キレが
融合した芳醇⾟⼝酒です。
【テーマ】
Treasure of the flowing river
【作品コンセプト】
雪の結晶をかたどった背景とラベルの形に
しました。宝川の名前から流れる川を⽇
本的な表現を使ってタイポグラフィーで表
現しました。
海外販売なので英⽂をメインにしています。
【デザイナー】 笠島 未来 (ドイツ在住)
【テーマ】 PHOTO&PACKAGE
【作品コンセプト】
【テーマ】
With the current
写真を使ったデザインで、北海道の「冷たい気候」
や「上質な⽔」をイメージした⾵景写真によって、
北海道の魅⼒を直接的に伝えます。
また、既存の筆⽂字ロゴを使⽤し、⽇本的な
イメージを付加しました。
【デザイナー】 倉坪 杏奈 (富⼭県在住)
【デザイナー】 鶴⾒ 裕也 (埼⽟県在住)
10
5.コンテストの受賞作品 (2)ラベル(國稀酒造)- 優秀賞
【対象商品】
純⽶ 暑寒しずく
(しょかんしずく)
北海道産の酒造好適⽶「吟⾵」を⾼精
⽩に磨きあげ、暑寒⼭麓から湧き出る清
らかな天然⽔で醸し出した逸品。
やや⾟⼝で濃醇な味わいの純⽶酒。適
度な酸味が味を引き締めている。
⾷中酒におすすめ。常温から燗と幅広い
温度帯で楽しめる。
【テーマ】 深々と降る雪
Snow falls in silence
【作品コンセプト】
暑寒別岳連峰に雪が降り
最北の酒蔵がある⾥の樹々にも
雪が静かに降っていく様を表現。
「暑寒しずく」を読めない海外の⽅
にも寒いところで造られた「SAKE」
であることをアピールします。
【デザイナー】 ⼩松 直⼦ (東京都在住)
【テーマ】
north japan -gota-
【テーマ】 雪の暑寒⼭麓
【作品コンセプト】
⼀般的な⽇本酒ラベルに共通するのは酒名を強調したデザインで、私たちはそのラベルに書
かれた漢字から、意味や由来・質を認識できますが、海外では認識されにくい。
対して欧州のワインラベルはシャトーや環境を元にした物が多く、⾔語が分からずともその由来
は思い浮かびます。私がご提案するのは、この⽇本酒を購⼊する海外のお客様が由来の情
景を思い浮かべられるラベルです。
【デザイナー】 柳本 あやみ (岡⼭県在住)
【作品コンセプト】
北の⼤地の美しい⽔で磨かれた〝暑寒
しずく〟雪解け⽔の凛とした冷たさをモノ
トーンの⼤きい雫でシンプルに描き表現。
雫の中にはしんしんと雪が積もります。
この雪は江⼾切⼦のイメージも重ねてい
ます。美しい従来の⽇本語のロゴと酒造
様のロゴもデザインとして添えました。
【デザイナー】 ⾼⽊ 遥華 (東京都在住)
11
5.コンテストの受賞作品 (2)ラベル6作品・瓶イメージ
12
6.スペイン現地商談会 (1)参加メンバー
【酒造会社】
(1)⾼砂酒造(株) 代表取締役専務 佐藤 哲康
(2)⽥中酒造(株) 取締役総務企画部⻑ 嵐 代志⼦
(3)國稀酒造(株) 取締役 林 花織
(敬称略)
【デザイン・試作関係】
(4)メイカーズベース 代表 松⽥ 純平
(5)メイカーズベース 東京店⻑ ⻑⽥ 直樹
(5)デザイナー 諫武 朋枝(ロゴ最優秀賞)
(6)デザイナー 笠島 未来(⽥中酒造ラベル優秀賞)
【事務局・サポート関係】
(7)(株)JTB北海道 札幌法⼈事業部営業5課 グループリーダー ⽥村 千裕
(8)(株)JTB北海道 札幌法⼈事業部営業5課 萬屋 佳恵
(9)(株)北洋銀⾏ 地域産業⽀援部 主任調査役 新関 靖⼈
(10)経済産業省北海道経済産業局 総務企画部企画調査課 課⻑補佐 佐々⽊ 信之
【渡航⽇程】 平成28年12⽉1⽇ー7⽇
13
6.スペイン現地商談会 (2)デザインマッチング
●スペイン現地デザインマッチングは、以下の3か所で開催。様々な関係者から意⾒を聴取。
【VINO & CO】 イビサ島のホテルやレストランにワインや飲料を納品する有⼒卸・⼩売事業者。
地元ワインメーカー、ホテル、レストランなどの関係者が50名以上参加。
オーナーのJeroen Hamersma⽒は、関係者の⼈望も厚い「イビサ島のキーパーソン」。
【BOUZU tapas japonesas】 バルセロナの和⾷居酒屋
在バルセロナ⽇本国総領事館の渡邉総領事をはじめ、シェフ、バイヤー、有名ブロガーなど20名以上が参加。
オーナーの村上隆⼆⽒は8年前にこの店をオープン。バルセロナで「夏祭りMatsuri」を主催するなど、⽇本⽂
化の発信にも積極的。
【Fablabバルセロナ】 バルセロナのシェア⼯房
バルセロナのものづくりクリエイターが数多く集う。コワーキングスペースMobも併設。様々なコラボも⽣まれる。
この⽇来ていたデザイナー5名から意⾒を聴取。
VINO & CO
BOUZ
14
6.スペイン現地商談会 (3)⽇本酒流通店舗:視察・調査
【イビサ島】 ⾷品⼩売店「Meneghello」、卸店「Ibifood」を視察。
⽇本酒は、⽇本の⼤⼿酒造会社の⼤衆酒を中⼼に多数販売されている。
⽇本で製造し輸出されたものが多いが、⽶国法⼈等で製造されたものもある(⽶国の⽶を使⽤)。
保存状況(温度や光)をケアした陳列ではなく、製造から2年以上経過した商品も。
【バルセロナ】 ⽇本⾷品専⾨⼩売店(⽇本⼈オーナー) 「TOKYO-YA」、「TOFUーYA」を視察。
バルセロナでは、アジア系⾷材を扱う店が数多くあり、⽇本酒も取り扱われている。
この中で、⽇本⾷品専⾨⼩売店はこの2店のみであり、スペイン⼈が和⾷弁当や⾷材を購⼊していた。
⽇本酒の⼩売価格は、⽇本の2-3倍程度。⽇本酒の保存状況等は、イビサ島と同様。
Meneghello
TOFU-YA
美味しい道産酒のクオリティを確保・販売してくれる「信頼できるパートナー」との連携が重要!
15
6.スペイン現地商談会 (4)主な意⾒
(1)デザインについて
●消費者は⼀瞬で⽬を引く、シンプルでキャッチーなラベルやロゴを好む。そして、ボトルを⼿にとってから、
ラベル(⽇本酒)のストーリー性などを読み取ろうとする。今回の作品は、⼤変素晴らしいものばかり。
●ワインと同様、⽇本酒も⾃然から⽣まれるイメージがある。雪、⽔、⽊、⼭など⾃然を連想させるデザイン
は、共感が持てる。クリスマスを連想させるデザインもあり、季節性があって良い。動物のデザインを⼊れると
「愛情」が連想され、⼥性が好感を持つケースも多い。
●今回の瓶は光沢のあるものなので、ラベルはマットタイプ(つや消し)の⽅が良い。和紙素材であれば、
更に⾼級感も出る。
●商品名が⻑いと分かりにくい(宝川「TAKARAGAWA」、暑寒しずく「SHOKANSHIZUKU」)。
海外向けの商品名を検討する必要も。
●酒器、コースター、ボトルタグなどの付属アイテムも良い。⼀式でディスプレイすると提案⼒があるし、
セット購⼊も⾒込める。
(2)同⾏デザイナーの声(諫武さん、笠島さん)
●冷涼な気候、上質な雪解け⽔からできる⽇本酒であることをベースに、北海道ならではの魅⼒をしっかりと
伝えるデザインを意識した。
●実際にスペインの最前線の⽅々に⼿にとってもらい、具体的な評価・意⾒をフィードバックしてもらえたことは、
貴重な経験になった。
(3)道産酒について
●ワインに⽐べて、スッキリしていて(⾟⼝で)飲みやすい印象。⾊々な⾷事に合わせられるのでは。
●吟醸系は、(⽶による)⽢みも感じられる。
●⽶からできているのに華やかな⾹りで驚いた。
16
7.まとめ・今後の展開
(1)今回提案したデザインに対する評価・フィードバックを踏まえ、今後、ロゴ、ラベル、関連アイテ
ムのブラッシュアップを実施。各社、イビサ島向けデザインを確⽴していく予定(海外向けも含む)。
(2)イビサ島への展開は、VINO&CO社でのデザイン提案や試飲会が好評であり、同社をはじめ、
地元関係者から、⾼い評価を得た。今後も、イビサ島のホテルやレストランに確固たるルートを
持つ同社との連携を中⼼に、更なる販路拡⼤、ブランディングを推進していく予定(欧州リゾー
ト客の訪⽇も期待)。
(3)バルセロナへの展開は、競合が多いため容易ではない印象。イビサ島で好まれる商品は、
バルセロナでも取り⼊れる傾向が多いとのことから、まずはイビサ島でのブランディングに注⼒。
その後の展開として検討したい。
(4)また、道内企業のデザイン視点によるマーケティング⼒の強化や、デザイナーへのノウハウ
提供を⽬的に、今回の取組(欧州⾼級リゾート市場テイストのデザイン企画、試作、
マッチング等のプロセス)について、WEB(動画も活⽤)やセミナーで⼀般公開する予定
(2⽉下旬頃)。
17