古敷谷会長挨拶 昨年,本県のおける産廃業の労災件数は 95 件と、前年

古敷谷会長挨拶
昨年,本県のおける産廃業の労災件数は 95 件と、前年を下
回り、全国ワーストワンを脱することができた。しかし、今
年に入って労災事故が増加しており、再び全国ワーストワン
に逆戻りしかねない状況。本日のこの大会を改めて「労働災
害防止に向けた決起集会」と考えており、本大会を契機に、
各社一層気を引き締め、初心に帰り労災防止に取組んでいた
だきたい。
産業廃棄物処理業における労働災害防止対策の取組みに向けて
神奈川労働局労働基準部安全課 産業安全専門官 赤前 幸隆
産業廃棄物処理業の労災事故について、説明があり、昨年
は、95 件と一昨年と比べ 13 件減少したが、今年は 10 月まで
で、104 件と増えており、このままでは、再び埼玉を抜いて全
国ワーストワンとなるのは、確実である。事故類型では、
「は
さまれ・巻き込まれ」
「墜落・転落」が多くなっている。特に
収集・運搬では、トラックからの「墜落・転落」が多くなっ
ている。
なぜ労働災害を発生させてはならないのかという項目で
は、労働者契約法第5条の説明と、労働災害を発生させると、
刑事上、行政上、民事上の責任のみならず、補償上の責任、
社会的な責任まで問われる。企業の信用低下、取引先からの
取引停止など間接コストの増大など計り知れないものがある
とのお話があった。安全衛生推進者等法で定められている管
理者の選任、社内における安全衛生規程の整備並びに安全衛
生教育をしっかりやってほしいとの説明があった。ゴミ収集
トラックでは、2人以上で作業する場合、作業指揮者の選任
が必要であるなど細かい点にまで注意があった。
忙しい時こそ指差し呼称
(公社)神奈川県産業廃棄物協会安全衛生協議会議長
JFE環境株式会社 取締役専務執行役員
脇田
ミスはなぜおこるのかというところから説明をおこし、ヒ
ューマンエラーには、
①必要な操作の欠落
②定められた操作を適切に実施しなかった
③不必要なことの実施の3種類があること。
ヒューマンエラー防止対策としては、基準書・手順書の整
備をするなどの教育がまず必要。ヒヤリハット対策としては、
大きな声を出し「停止ボタンよし」といった声出しが必要。
さらに一呼吸置いた後に、身振りで「指差し呼称」が大事で
氏
茂
氏
ある。鉄道総合技術研究所の統計からも、指差し呼称がある
なしで、操作ボタンの押し間違えの事例では、6分の1にも
減少していた。まさに忙しい時こそ指差し呼称をしっかりや
って事故を減らしていただきたい。
産業廃棄物処理業から「墜落・転落」の災害をなくそう!
(一社)日本労働安全衛生コンサルタント会神奈川支部 労働安全コンサルタント 二階堂 久 氏
産業廃棄物業の災害発生状況について、写真、ビデオ映像
により、わかりやすく、よりリアルに事故の状況の説明があ
った。収集運搬の際の安全対策について、ペットボトルによ
る転落・墜落災害の実験により、重い人も軽い同時に落ちる
ことや、荷台での安全帯使用設備の使用状況を映像で見せて
くれたりして、理解が深まった。
また、処理施設の現場パトロールにより、通路に手すりが
なく危険な状態であったとの報告事例もあった。はさまれ・
巻き込まれ災害の事例として、カバーの無いベルトコンベア
ーや手すりのない作業床の事例紹介や転倒しない靴の選び方
の事例でも映像をまじえた事例紹介がありわかりやすかっ
た。