生物多様性 - 日本製薬工業協会

生物多様性
2016
ENVIRONMENTAL REPORT
Bio Diversity
製薬協は、生物多様性に関する基本的な考え方をコミットする
方策を見出して取組む際の参考とすることを目的に、
「生物多様性
とともに、各企業が自然環境と事業活動の調和を考慮し、最善の
に関する基本理念と行動指針」
を2012年1月に公表しています。
図 4.生態系サービス
(自然の恵み)
図 3. 生物多様性と事業活動との関係
90
80
86
80
生物由来の供給
基本理念
日本製薬工業協会
(製薬協)
は、
「製薬協企業行動憲章」
において、
「環境問題への取組みは人類共通の課題であり、
企業の活動と存続
に必須の要件として、
主体的に行動する」
ことを宣言している。
私たちは、
医薬品の研究・開発・生産・販売から、
その使用・廃棄に至るまで、
大気、
水域、
土壌、
生態系を含む地球環境の保全に配慮
する。
地球環境の重要な基盤である生物多様性が生み出す自然の恵みに感謝し、
自然環境と事業活動との調和を志す。
また、
生物多様
性の重要性を認識し、
社会とのコミュニケーションを図り、
生物多様性に関する社会的責任を果たすことを通して、
持続可能な社会の
発展に貢献する。
54
関係はあるがそれほど
重要視していない
14
関係は小さく
重要視していない
14
67
水質浄化および有機物の分解
木材・紙・繊維の供給
26
38
33
29
29
24
29
24
20
遺伝資源の供給
2013年度調査
(21社)
17
2016年度調査
(54社)
5
関係を把握していない
※行動指針については以下URLからご覧いただけます。
http://www.jpma.or.jp/about/basis/tayousei/
淡水の供給
67
関係性があり
重要視している
土壌侵食や自然災害の防止・緩和
燃料・飼料・肥料の供給
食料の供給および生産
4
0%
20%
40%
60%
80%
100%
わからない
図 5. 事業活動が生物多様性に及ぼす影響
製薬協では、
2013年に環境安全委員会の運営委員会および環境
今回は会員会社
(73社、
回答56社)
を対象にアンケート調査を実施
気候変動の影響
部会メンバー会社
(22社、
回答21社)
に対して生物多様性に関するア
しました。
以下に主に前回調査と同じ項目についての調査結果を紹
森林への影響
ンケート調査を実施していますが、
製薬企業の生物多様性の取組み
介します。
86
88
48
汚染等による影響
状況を把握し、
今後のより一層の取りみ組みの推進に繋げるために、
過剰摂取による
生物資源の減少
1 「生物多様性基本理念と行動指針」
の認識状況
24
土地改変等による影響
「生物多様性基本理念と行動指針」
について、
「知っている」
と回答
質問しており、
会員会社が何らかの取組みを行っていることが確認で
した会社の合計は2013年度調査
(前回調査)
では100%でしたが、
きました。
また、
「生物多様性保全への基盤作り」
に対しては、
定量目
2016年度調査
(今回調査)
では86%でした
(図 1)
。
標を設定している会社はなく、
「取組みを行っていない」
とする回答が
今回調査では、
行動指針に示した
「地球温暖化防止の取組みの推
比較的に多いことから、
他の課題に比べると取組みが進めにくい状況
進」
「資源の持続可能な利用」
「化学物質による環境リスクの低減」
にあると考えられました
(図 2)
。
物質の輸送などによる
外来種の移入
31
43
19
0%
20%
40%
訴訟リスク
2016年度調査
(51社)
60%
80%
60%
80%
100%
従業員の士気の低下、
採用への悪影響
グリーン調達の推進による顧客の減少
わからない
特にリスクはない
100%
0%
10
8
5
4
49
32
24
26
29
26
24
19
20%
79
52
58
33
24
規制強化
(罰金、
許可、
免許の更新
2013年度調査
(21社)
2016年度調査
(51社)
81
原材料調達コストの増大
※複数項目に回答可の設問
2013年度調査
(21社)
40%
製品の供給と困難化
59
※複数項目に回答可の設問
図 6. 経営上のリスク
61
31
20%
社会的評価の失墜
81
75
2
0%
1.生物多様性の取り組みに関する調査
57
67
2013年度調査
(21社)
2016年度調査
(53社)
40%
60%
80%
100%
「生物多様性保全への基盤作り」
の4項目の取り組み状況についても
図 1. 生物多様性基本理念と行動指針の認知
知っており、
活用している
地球温暖化防止の
取り組みと推進
52
41
化学物質による
環境リスク低減
45
知らなかった
2013年度調査
(21社)
2016年度調査
(56社)
14
0%
20%
40%
60%
77%
52%
資源の持続可能な利用
48
知っているが、
活用していない
80%
3 生物多様性に関する情報公開と生態系の保全・回復の取り組み
図 2. 行動指針の各項目に対する取組み
生物多様性保全への
基盤作り
29%
9%
18%
23%
27%
16% 4%
54%
ており、12%が情報公開を検討中との回答でした
(図 7)。
ロジェクトへの支援・協力」
の取り組みが行われていることが判明
また、今回調査では生態系の保全や回復についての取り組みを
しました
(図8)。
5%
質問しており、
「社有地や企業の森における保全活動」
「緑地づくり、
21%
定量目標を設定して取組みを推進している
定性目標を設定して取組みを推進している
目標は設定していないが、
取組みを推進している
100%
緑地の回廊的配置など生態系復元活動」
「NGO等が行う保全プ
5%
34%
52%
生物多様性に関する情報公開については、59%が既に実施し
図 7. 生物多様性に関する情報公開
図 8. 生態系の保全と回復
取組みを行っていない
2 生物多様性と事業活動との関係
生物多様性と事業活動との関係については、前回調査とは多少
4)、生物多様性に及ぼす影響として
「気候変動への影響」
「 森林
の違いはあるものの、
「関係を把握していない」
を除いた96%以上
への影響」
「汚染等による影響」
が上位を占めており
(図 5.)、前回
の会社が関係性を把握した上で重要性を判断していることがわか
調査と同様の結果でした。
りました
(図 3)。
また、生物多様性への対応を行わなかった場合の経営上のリス
事業活動と生物多様性との双方向の影響については、恩恵を受
クについては、約80%が「社会的評価の失墜」
をあげており、次い
ける生態系サービスとして
「生物由来原料の供給」
「淡水の供給」、
で
「原材料調達コストの増大」
「製品の供給の困難化」
となってい
「水質浄化/有機物の分解」
「 木材・紙・繊維」が上位を占め(図
17
日本製薬工業協会 環境報告書 2016
71
※複数項目に回答可の設問 2016年度調査(56社)
44
59
44
19
12
2013年度調査
(21社)
44
2016年度調査
(49社)
10
2016年度調査
(50社)
4
29
0%
20%
※複数項目に回答可の設問
40%
60%
80%
100%
0%
20%
40%
60%"
80%
100%
ます
(図 6)。
日本製薬工業協会 環境報告書 2016
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生物多様性
2016
ENVIRONMENTAL REPORT
Bio Diversity
製薬協は、生物多様性に関する基本的な考え方をコミットする
方策を見出して取組む際の参考とすることを目的に、
「生物多様性
とともに、各企業が自然環境と事業活動の調和を考慮し、最善の
に関する基本理念と行動指針」
を2012年1月に公表しています。
図 4.生態系サービス
(自然の恵み)
図 3. 生物多様性と事業活動との関係
90
80
86
80
生物由来の供給
基本理念
日本製薬工業協会
(製薬協)
は、
「製薬協企業行動憲章」
において、
「環境問題への取組みは人類共通の課題であり、
企業の活動と存続
に必須の要件として、
主体的に行動する」
ことを宣言している。
私たちは、
医薬品の研究・開発・生産・販売から、
その使用・廃棄に至るまで、
大気、
水域、
土壌、
生態系を含む地球環境の保全に配慮
する。
地球環境の重要な基盤である生物多様性が生み出す自然の恵みに感謝し、
自然環境と事業活動との調和を志す。
また、
生物多様
性の重要性を認識し、
社会とのコミュニケーションを図り、
生物多様性に関する社会的責任を果たすことを通して、
持続可能な社会の
発展に貢献する。
54
関係はあるがそれほど
重要視していない
14
関係は小さく
重要視していない
14
67
水質浄化および有機物の分解
木材・紙・繊維の供給
26
38
33
29
29
24
29
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20
遺伝資源の供給
2013年度調査
(21社)
17
2016年度調査
(54社)
5
関係を把握していない
※行動指針については以下URLからご覧いただけます。
http://www.jpma.or.jp/about/basis/tayousei/
淡水の供給
67
関係性があり
重要視している
土壌侵食や自然災害の防止・緩和
燃料・飼料・肥料の供給
食料の供給および生産
4
0%
20%
40%
60%
80%
100%
わからない
図 5. 事業活動が生物多様性に及ぼす影響
製薬協では、
2013年に環境安全委員会の運営委員会および環境
今回は会員会社
(73社、
回答56社)
を対象にアンケート調査を実施
気候変動の影響
部会メンバー会社
(22社、
回答21社)
に対して生物多様性に関するア
しました。
以下に主に前回調査と同じ項目についての調査結果を紹
森林への影響
ンケート調査を実施していますが、
製薬企業の生物多様性の取組み
介します。
86
88
48
汚染等による影響
状況を把握し、
今後のより一層の取りみ組みの推進に繋げるために、
過剰摂取による
生物資源の減少
1 「生物多様性基本理念と行動指針」
の認識状況
24
土地改変等による影響
「生物多様性基本理念と行動指針」
について、
「知っている」
と回答
質問しており、
会員会社が何らかの取組みを行っていることが確認で
した会社の合計は2013年度調査
(前回調査)
では100%でしたが、
きました。
また、
「生物多様性保全への基盤作り」
に対しては、
定量目
2016年度調査
(今回調査)
では86%でした
(図 1)
。
標を設定している会社はなく、
「取組みを行っていない」
とする回答が
今回調査では、
行動指針に示した
「地球温暖化防止の取組みの推
比較的に多いことから、
他の課題に比べると取組みが進めにくい状況
進」
「資源の持続可能な利用」
「化学物質による環境リスクの低減」
にあると考えられました
(図 2)
。
物質の輸送などによる
外来種の移入
31
43
19
0%
20%
40%
訴訟リスク
2016年度調査
(51社)
60%
80%
60%
80%
100%
従業員の士気の低下、
採用への悪影響
グリーン調達の推進による顧客の減少
わからない
特にリスクはない
100%
0%
10
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29
26
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19
20%
79
52
58
33
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規制強化
(罰金、
許可、
免許の更新
2013年度調査
(21社)
2016年度調査
(51社)
81
原材料調達コストの増大
※複数項目に回答可の設問
2013年度調査
(21社)
40%
製品の供給と困難化
59
※複数項目に回答可の設問
図 6. 経営上のリスク
61
31
20%
社会的評価の失墜
81
75
2
0%
1.生物多様性の取り組みに関する調査
57
67
2013年度調査
(21社)
2016年度調査
(53社)
40%
60%
80%
100%
「生物多様性保全への基盤作り」
の4項目の取り組み状況についても
図 1. 生物多様性基本理念と行動指針の認知
知っており、
活用している
地球温暖化防止の
取り組みと推進
52
41
化学物質による
環境リスク低減
45
知らなかった
2013年度調査
(21社)
2016年度調査
(56社)
14
0%
20%
40%
60%
77%
52%
資源の持続可能な利用
48
知っているが、
活用していない
80%
3 生物多様性に関する情報公開と生態系の保全・回復の取り組み
図 2. 行動指針の各項目に対する取組み
生物多様性保全への
基盤作り
29%
9%
18%
23%
27%
16% 4%
54%
ており、12%が情報公開を検討中との回答でした
(図 7)。
ロジェクトへの支援・協力」
の取り組みが行われていることが判明
また、今回調査では生態系の保全や回復についての取り組みを
しました
(図8)。
5%
質問しており、
「社有地や企業の森における保全活動」
「緑地づくり、
21%
定量目標を設定して取組みを推進している
定性目標を設定して取組みを推進している
目標は設定していないが、
取組みを推進している
100%
緑地の回廊的配置など生態系復元活動」
「NGO等が行う保全プ
5%
34%
52%
生物多様性に関する情報公開については、59%が既に実施し
図 7. 生物多様性に関する情報公開
図 8. 生態系の保全と回復
取組みを行っていない
2 生物多様性と事業活動との関係
生物多様性と事業活動との関係については、前回調査とは多少
4)、生物多様性に及ぼす影響として
「気候変動への影響」
「 森林
の違いはあるものの、
「関係を把握していない」
を除いた96%以上
への影響」
「汚染等による影響」
が上位を占めており
(図 5.)、前回
の会社が関係性を把握した上で重要性を判断していることがわか
調査と同様の結果でした。
りました
(図 3)。
また、生物多様性への対応を行わなかった場合の経営上のリス
事業活動と生物多様性との双方向の影響については、恩恵を受
クについては、約80%が「社会的評価の失墜」
をあげており、次い
ける生態系サービスとして
「生物由来原料の供給」
「淡水の供給」、
で
「原材料調達コストの増大」
「製品の供給の困難化」
となってい
「水質浄化/有機物の分解」
「 木材・紙・繊維」が上位を占め(図
17
日本製薬工業協会 環境報告書 2016
71
※複数項目に回答可の設問 2016年度調査(56社)
44
59
44
19
12
2013年度調査
(21社)
44
2016年度調査
(49社)
10
2016年度調査
(50社)
4
29
0%
20%
※複数項目に回答可の設問
40%
60%
80%
100%
0%
20%
40%
60%"
80%
100%
ます
(図 6)。
日本製薬工業協会 環境報告書 2016
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