海の森「海草(ウミクサ)」

農林水産部 森林政策課
News Release
担当:富山県中央植物園 東
電話:
(直通)076-466-4187 (内線)317
平成 28 年 12 月 19 日
富山の海でアマモの花はいつ咲く?
海の森「海草(ウミクサ)
」の研究開始
富山県では、豊かな海づくりのための藻場の形成など「海の森づくり」を推進しています。
中央植物園においても、新たに富山県内のアマモなど海の植物であるウミクサの生態など基
礎的な調査研究に取り組んでいきます。
■海の植物「ウミクサ」
海中を主な生育場所にするウミクサは、海底の砂地や泥地に群落を形成します。その群落は、ウミ
クサ藻場と呼ばれ、海の生物にとって、まるで「海の森」です。ウミクサ藻場は、沿岸部における多
種多様な生物の産卵場・エサ場となり重要な生育環境となっています。
しかしながら、その存在は一般的に知られることなく、陸域からの砂の流入や海域の水質悪化、開
発行為などにより減少傾向にあります。健全な海の生態系を維持するためにも、基本的な情報が明ら
かになっていないウミクサの現状を把握していくことが急務となっています。
■海で咲く花
ウミクサは、陸上の植物と同じように花を咲かせます。その花は、海水や潮の干満という陸とは異
なる環境で繁殖が成功するように進化してきたと考えられています。ウミクサが生育する他県では、
開花情報が報告されていますが、富山県ではほとんどわかっていません。
■今後の展開
県内でもアマモ等ウミクサの豊富な氷見市沿岸を調査地とし、富山の海で花はいつ咲くのか、どの
ようにして花粉の授受をおこなっているのか、タネはどのように散布されるのかといったウミクサの
生活を明らかにしていきます。また、平成29年5月28日から県内で開催される全国植樹祭に関連
して、中央植物園では富山県産ウミクサを展示する予定です。
▲岸から見えるアマモ(氷見市沿岸)
▲海中で撮影したアマモ(氷見市沿岸)