PDF 2316kb - 都市未来総合研究所

1
J a n u a r y, 2 0 1 7
不動産マーケットレポート
東京圏の中古マンションの
価格別の需給動向���������� 2
経済トレンド・ウォッチ������� 4
不動産市場トレンド・ウォッチ���� 6
東京圏中古マンションの
価格帯別の需給バランス ������ 8
■本 レポ ートに 関 するお 問 い 合 わ せ 先■
みずほ信託銀行株式会社 不動産業務部
金子 伸幸 TEL.03-3274-9079(代表)
熊本地震で被災された皆様に御見舞いを申し上げます。
被災された地域が一刻も早く復興できますよう、
心よりお祈り申し上げます。
東京圏の中古マンションの価格別の需給動向
東京圏
(東京都、
神奈川県、
埼玉県、
千葉県)
の中古マンション市場は、
2015年以降、
新規登録件数
(売
りに出された物件数)が急増し、在庫件数(売り出しの登録がされている物件数)が大幅に増加していま
したが、2016 年に入ると新規登録件数の増加率が縮小し、在庫件数の増加率(対前年同期比。以下同
じ。)
も縮小に転じました。新規登録件数と在庫件数の増加率の縮小傾向は低額価格帯から高額価格
帯までいずれの価格帯でもみられますが、低額価格帯では新規登録件数がほぼ横ばいとなり、在庫件数
の増加率が 1ケタ台まで低下したのに対し、高額価格帯では新規登録件数の増加率は依然高水準であ
り、
在庫件数の増加率が 20%台に高止まりしているなど、
その状況は異なります。
● 2016 年 1 〜 3 月期をピークに新規登録件数の増加率は縮小、急増していた在庫件数の
増加率も縮小
2015 年前半頃から新規登録件数、成約件数とも増加
※ 1、2
が続いています
[図表 1]
。これは新築マンションの価
ション価格の上昇が続き、売り出した 物件が以前ほどは
売れにくくなってきたこと
(P8[図表 1、2]
で示す新規登録
格上昇につれて中古価格が上昇していることや[図表 2]
、
件数に対する成約件数の割合は、2015 年に低下基調で
新築マンションの供給量が低水準であることなどが背景
推移)
が考えられます。
として考えられます。
2015 年は新規登録件数の増加ペースが成約件数の
増加ペースを大きく上回り、在庫件数も急増していました
が、2016 年に入ると、1〜3月期をピークに新規登録件数
の増加率が縮小し、成約件数が堅調に推移したことから、
在庫件数の増加率も4〜6月期に縮小に転じました。新
規登録件数の増加ペースが一段落した背景として、買
主側の中古マンション指向は依然強いものの、中古マン
[図表 1]東京圏中古マンションの新規登録件数・成約
件数・在庫件数
(件)
60,000
(%)
30
50,000
20
40,000
10
30,000
0
20,000
-10
10,000
-20
2017, January [図表 2]東京圏新築マンションの平均価格と中古マン
ションの成約平均価格
(万円)
7,000
(%)
30
6,000
20
5,000
10
4,000
0
3,000
-10
2,000
-20
-30
在庫件数
(期末)
在庫件数
(対前年同期比)
データ出所:公 益財団法人東日本不動産流通機構「月例マーケット
ウオッチ」
2
※ 2:2015 年の成約件数の増加は2014 年の大幅減の反動ともいえる。
中古マンションは消費税増税の影響を直接受けないが、成約件
数の 2014 年大幅減とその前年の 2013 年大幅増の動向は新築
マンション供給戸数の動向と類似しており、住宅購入者が新築、
中古を含め住宅購入を検討した動きと解することもできる。
1,000
1 7 1 7 1 7 1 7 1 7 1 7 1 7 1 7 1 7 1 7
2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016
(月/年)
7〜9
2016
(月/年)
12
4〜6
〜
成約件数
(対前年同期比)
2015
10
1〜3
成約件数
7〜9
12
4〜6
〜
2014
10
1〜3
7〜9
12
4〜6
新規登録件数
新規登録件数
(対前年同期比)
〜
2013
10
1〜3
7〜9
12
4〜6
〜
2012
10
1〜3
7〜9
4〜6
1〜3
0
※ 1:公 益財団法人東日本不動産流通機構の会員不動産会社が
REINS(不動産流通標準情報システム)に登録、報告した物件
が対象。同機構は2013 年 12月に成約報告の登録義務化等を
規程に明示しており、登録、報告件数の変動要因となっている可
能性がある。
-30
新築マンションの平均価格
中古マンションの成約平均価格
新築平均価格
(対前年同月比)
中古成約平均価格
(対前年同月比)
データ出所:公 益財団法人東日本不動産流通機構「月例マーケット
ウオッチ」、株式会社不動産経済研究所「首都圏のマン
ション市場動向」
(最新データはいずれも2016 年 9月)
みずほ信託銀行 不動産マーケットレポート
●高額価格帯は新規登録件数の増加率が依然高水準であり、在庫件数の増加率は高止まり
新規登録件数と在庫件数の増加率の縮小傾向は低
も20%台の高水準にとどまっている[図表 3の図③、④]
額価格帯から高額価格帯までいずれの価格帯でもみら
ため、在庫件数の増加率は40%台で高止まりしています
れますが、
価格帯によって水準感は異なります。
[図表 5の図③、
④]
。
低額価格帯(3,000 万円未満)では、新規登録件数の
高額価格帯のうち、最高価格帯(10,000 万円以上)は
増加率が直近(2016 年 7〜9月期)1%を切る水準まで低
購入者層が高額所得者や資産家中心であることや居住
下しています[図表 3の図①]
。成約件数は大きな変動
目的以外の購入(投資など)が相対的に多いと考えられ、
がなく、ほぼ横ばいで推移し[図表 4の図①]
、在庫件数
景気見通しの悪化や不動産価格の下落予測などが生じ
の増加率は5.5%まで低下しました
[図表 5の図①]
。
ると、需要が急速に減退し、在庫件数の急増につながり
これに対し、高額価格帯(5,000 〜10,000 万円未満、
やすいと考えられます。
10,000 万 円 以 上 )の 成 約 件 数は増 加しています が
[図表 4の図③、④]
、新規登録件数の増加率が直近で
(以上、
都市未来総合研究所 湯目 健一郎)
[図表 3]東京圏中古マンションの価格帯別の新規登録件数
(件)
36,000
(%)
(件)
100
12,000
① ~3,000万円
(%)
100
② ~5,000万円
(件)
6,000
(%)
100
③ ~10,000万円
(件)
1,200
(%)
100
④ 10,000万円~
0
2016
12
2013
対前年同期比
10
2014
12
件数
10
2015
12
2016
10
12
2013
対前年同期比
10
2014
12
件数
10
2015
12
2016
10
〜
2015
10
〜
件数
12
〜
〜
2014
10
12
2013
対前年同期比
10
2014
12
件数
10
2015
12
7〜9
-20
12
2016
(月/年)
0
10
4〜6
1〜3
-20
12
2013
〜
7〜9
0
10
4〜6
1〜3
-20
0
〜
7〜9
0
4〜6
1〜3
20
200
7〜9
400
0
(月/年)
20
1,000
4〜6
1〜3
2,000
0
〜
7〜9
20
2,000
4〜6
1〜3
4,000
0
〜
7〜9
20
6,000
4〜6
1〜3
12,000
(月/年)
40
7〜9
600
4〜6
1〜3
3,000
〜
7〜9
6,000
40
4〜6
1〜3
18,000
40
〜
7〜9
60
40
4〜6
1〜3
80
800
(月/年)
1,000
60
7〜9
80
4,000
4〜6
1〜3
5,000
60
〜
7〜9
80
8,000
4〜6
1〜3
10,000
60
〜
7〜9
80
24,000
4〜6
1〜3
30,000
-20
対前年同期比
[図表 4]東京圏中古マンションの価格帯別の成約件数
(件)
9,000
(%)
100
① ~3,000万円
(件)
3,000
(%)
100
② ~5,000万円
(件)
1,500
③ ~10,000万円
(%)
100
(件)
120
(%)
100
④ 10,000万円~
-20
2014
12
件数
10
2015
12
2016
0
10
12
2013
対前年同期比
10
2014
12
件数
10
2015
12
2016
10
12
2013
対前年同期比
10
2014
12
件数
10
2015
12
2016
10
〜
10
〜
12
2013
〜
〜
10
12
2013
対前年同期比
10
2014
12
件数
10
2015
12
7〜9
0
0
2016
(月/年)
0
-20
-20
4〜6
1〜3
0
-20
〜
7〜9
20
20
4〜6
1〜3
40
0
〜
7〜9
20
250
4〜6
1〜3
500
0
7〜9
20
500
(月/年)
1,000
0
4〜6
1〜3
20
1,500
〜
7〜9
3,000
4〜6
1〜3
40
〜
7〜9
60
60
4〜6
1〜3
80
40
(月/年)
60
750
7〜9
1,000
40
4〜6
1〜3
60
1,500
〜
7〜9
2,000
40
4〜6
1〜3
60
4,500
〜
7〜9
6,000
4〜6
1〜3
80
(月/年)
100
7〜9
80
4〜6
1〜3
1,250
〜
7〜9
80
4〜6
1〜3
2,500
〜
7〜9
80
4〜6
1〜3
7,500
対前年同期比
[図表 5]東京圏中古マンションの価格帯別の在庫件数
(件)
30,000
(%)
(件)
100
12,000
① ~3,000万円
(%)
100
② ~5,000万円
(件)
6,000
(%)
100
③ ~10,000万円
(件)
1,500
(%)
100
④ 10,000万円~
-20
0
-20
0
-20
件数
12
2015
10
12
2016
対前年同期比
10
12
2013
2014
件数
10
12
2015
10
12
2016
対前年同期比
10
12
2013
2014
件数
10
12
2015
10
12
2016
対前年同期比
10
〜
2014
10
〜
12
2013
〜
〜
10
12
2013
2014
件数
10
12
2015
10
12
2016
7〜9
0
(月/年)
-20
4〜6
1〜3
0
0
〜
7〜9
20
250
4〜6
1〜3
500
0
〜
7〜9
20
1,000
4〜6
1〜3
2,000
0
7〜9
20
2,000
(月/年)
4,000
0
4〜6
1〜3
20
5,000
〜
7〜9
10,000
4〜6
1〜3
40
〜
7〜9
60
750
4〜6
1〜3
1,000
40
7〜9
60
3,000
(月/年)
4,000
40
4〜6
1〜3
60
6,000
〜
7〜9
8,000
40
4〜6
1〜3
60
15,000
〜
7〜9
20,000
4〜6
1〜3
80
7〜9
1,250
(月/年)
80
4〜6
1〜3
5,000
〜
7〜9
80
4〜6
1〜3
10,000
〜
7〜9
80
4〜6
1〜3
25,000
対前年同期比
データ出所:図表 3〜5とも公益財団法人東日本不動産流通機構「月例マーケットウオッチ」
みずほ信託銀行 不動産マーケットレポート 2017, January
3
経済トレンド・ウォッチ
■ 景気の動向(全国)
図 1 景気動向指数
140
(景気動向:CI指数 2010年=100)
(9月)
130
A.
先行指数
C111.4
B109.0
120
110
B.
一致指数
100
A102.3
90
C.
遅行指数
80
70
1月
2005年
1月
2006年
1月
2007年
1月
2008年
1月
2009年
1月
2010年
1月
2011年
1月
2012年
1月
2013年
1月
2014年
1月
2015年
1月
2016年
データ出所:内閣府
「景気動向指数」
図 2 景気ウオッチャーの景気判断指数
70
(景気の方向性:DI指数)
(10月)
60
B49.0
50
40
A.
景気の現状判断DI
A46.2
30
B.
景気の先行き判断DI
20
10
1月
2005年
1月
2006年
1月
2007年
1月
2008年
1月
2009年
1月
2010年
1月
2011年
1月
2012年
1月
2013年
1月
2014年
1月
2015年
1月
2016年
データ出所:内閣府
「景気ウォッチャー調査」
図 3 企業の業況判断指数
30
(業況判断指数:業況DI)
20
12
(11)
10
(6)
5
(2)
0
(-3)
10
0
‒10
全規模合計
大企業
(9月)
‒20
中堅企業
‒30
‒40
中小企業
‒50
‒60
3月 6月 9月12月 3月 6月 9月12月 3月 6月 9月12月 3月 6月 9月12月 3月 6月 9月12月 3月 6月 9月12月 3月 6月 9月12月 3月 6月 9月12月 3月 6月 9月 12月 3月 6月 9月
2007年
2008年
2009年
2010年
2011年
2012年
2013年
2014年
2015年
2016年
注:「大企業」は資本金 10 億円以上、
「中堅企業」
は資本金 1 億円以上 10 億円未満、
「中小企業」
は資本金 2 千万円以上 1 億円未満。
( )内の数値は直近調査の 3 ヶ月後に関する予測値
(本稿は 2016 年 12 月を対象とする予測値)
。
データ出所:日本銀行
「全国企業短期経済観測調査
(短観)
」
【データ概要】
4
2017, January 図 1 景気動向指数の CI 指数
:CI 指数は、景気の拡大・後退の大きさやテンポを示す。
(CI:コンポジット・インデックス) 景気先行指数は、景気一致指数より数ヶ月先行して動き、景気を予知するための指数。
景気一致指数は、実際の景気動向とほぼ一致して動き、景気の現状を示す指数。
景気遅行指数は、景気一致指数より数ヶ月遅れて動き、景気の変化を確認する指数。
図 2 景気ウオッチャーの景気判断指数
:景気の動きに敏感な職業の人を景気ウオッチャーに選び、街中の景気の現状や先行き
( 2 , 3 ヶ月先)について、景気ウオッチャーの判断による景気の方向性を示す指数。
(DI 指数:50 = 変わらない・横ばい、50 より高い = 良くなる、50 より低い = 悪くなる)
図 3 企業の業況判断指数
:業況が「良い」と答えた企業の割合から、「悪い」と答えた企業の割合を引いた値を
業況判断指数とするもの。「良い」と「悪い」の回答割合が同じ場合は「0」となる。
みずほ信託銀行 不動産マーケットレポート
■ 物価・雇用・金利等の動向(全国)
図 4 物価指数
(2010年=100)
110
(10月)
105
B. 消費者物価指数
(民営家賃)
C98.7
100
B97.3
95
90
1月
2005年
A. 消費者物価指数
(生鮮食品を除く総合)
A103.0
1月
2006年
1月
2007年
1月
2008年
1月
2009年
1月
2010年
1月
2011年
1月
2012年
1月
2013年
1月
2014年
1月
2015年
C. 国内企業物価指数
(総平均)
1月
2016年
データ出所:総務省
「消費者物価指数」
、
日本銀行
「企業物価指数」
図 5 雇用情勢
8.0
(完全失業率 : %)
(有効求人倍率 : 倍)
1.40
7.0
(10月)
6.0
1.4
1.2
1.0
5.0
0.8
4.0
0.6
3.0
3.0%
有効求人倍率
(右目盛)
0.2
2.0
1.0
1月
2005年
0.4
完全失業率
(左目盛)
1月
2006年
1月
2007年
1月
2008年
1月
2009年
1月
2010年
1月
2011年
1月
2012年
1月
2013年
注:図の値は季節調整値。完全失業率の 2011 年 3 月から 8 月は、
岩手県、
宮城県、
福島県を除く全国の結果。
1月
2014年
1月
2015年
1月
2016年
0.0
データ出所:総務省
「労働力調査」
、
厚生労働省
「職業安定業務統計」
図 6 主要金利
(%/年)
4.000
(10月)
3.500
3.000
2.500
2.475
長期固定金利型
住宅ローン
(返済期間20年以下)
都市銀行
住宅ローン
(変動)
1.500
長期プライムレート
2.000
1.500
1.000
0.950
0.500
-0.050
0.000
-0.500
1月
2005年
1月
2006年
1月
2007年
1月
2008年
1月
2009年
【データ概要】
1月
2010年
1月
2011年
1月
2012年
1月
2013年
1月
2014年
1月
2015年
長期国債
(10年物)
新発債流通利回り
1月
2016年
データ出所:日本銀行
「金融経済統計」
、
日本相互証券及び住宅金融支援機構ホームページ公表資料
図 4 消費者物価指数
国内企業物価指数
:全国の家計に係る財及びサービスの価格等を総合した物価を時系列的に測定する指数。
:企業間で取引される国内向け国内生産品の価格水準を示す指数。
図 5 完全失業率
有効求人倍率
:労働力人口
(15 歳以上で働く意志をもつ人)に占める完全失業者の割合。完全失業者は一定
期間中に収入を伴う仕事に従事しなかった人で、実際に求職活動を行った人。
:公共職業安定所で扱う求職者1人に対する求人数。
図 6
長期固定金利型住宅ローン
都市銀行住宅ローン
(変動)
長期プライムレート
長期国債新発債流通利回り
:民間金融機関と住宅金融支援機構の提携商品「フラット35」の借入金利の最高。
(保証型は含まない)
:個人向け都市銀行住宅ローンの変動金利型の基準金利。
:民間金融機関が信用力の高い企業に資金を1年以上貸付ける際の基準となる貸出金利。
:金融機関や機関投資家などの間で取引される長期国債新発債の利回り。
注記:図 1 から図 6 はいずれも 2016 年 11 月末日時点で入手できたデータに基づき作成
みずほ信託銀行 不動産マーケットレポート 2017, January
5
不動産市場トレンド・ウォッチ
■ 東京圏
図 1 用途別平均地価
(基準地価の前年比)
(%)
6.0
4.9
5.0
4.0
3.0
2.0
住宅地2015年
4.0
2.7
2.1
1.5
1.0
1.8
1.4
0.7 0.6
0.0
東京23区
1.1 0.9
0.9
住宅地2016年
2.9 2.8
2.5 2.5
2.5 2.4
商業地2015年
1.2
0.9 0.9
商業地2016年
0.2 0.2 0.4
多摩地域
横浜市
川崎市
さいたま市
千葉市
注:各年 7 月 1 日現在の地価の対前年変動率の平均。
データ出所:都道府県地価調査
図 2 総人口の推移
12,000
(千人)
(%)
2.0
2014年4月(左目盛)
10,000
1.5
8,000
1.0
2016年4月(左目盛)
6,000
0.5
4,000
0.0
2015年4月
前年同月比増減率
(右目盛)
2,000
-0.5
0
東京都区部
東京都下
横浜市
川崎市
さいたま市
-1.0
千葉市
注:各年 4 月 1 日現在の値。
2015年4月(左目盛)
2016年4月
前年同月比増減率
(右目盛)
データ出所:各都市の
「推計人口」
及び総務省公表資料
図 3 J-REIT 保有賃貸マンションの NOI 評価額利回り
[運用時 NOI 利回り]
(%)
16.0
(前年同期比:%ポイント)
1.5
2014年6月期
(左目盛)
12.0
1.0
2015年6月期
(左目盛)
10.0
8.0
-0.2
-0.2
4.9
4.6
5.2
5.9
5.2
5.5
全国
東京23区
注:各投資法人の 2016 年 6 月末までの決算資料による。 図 1 用途別平均地価
(公示価格・基準地価)
2017, January -0.5
-1.0
-1.5
2.0
【データ概要】
0.0
-0.1
4.0
0.0
0.5
-0.1
-0.1
-0.2
6.0
6
2.0
14.0
都下
(多摩地域)
-2.0
神奈川県
埼玉県
2016年6月期
(左目盛)
2015年6月期
前年同月比増減率
(右目盛)
2016年6月期
前年同月比増減率
(右目盛)
千葉県
データ出所:都市未来総合研究所「ReiTREDA(リートレーダー)
」
:
「地価公示」
は、一般の土地の取引価格に対して指標を与え公共事業用地の取得価格の算定の基準
となる等により、適正な地価の形成に寄与することを目的として、国土交通省の土地鑑定委員会が
毎年1回、標準的な土地についての正常な価値を示すもの。
「都道府県地価調査」は、国土利用計画法施行令に基づき、都道府県知事が毎年 7月1日における
調査地点の正常価格を不動産鑑定士の鑑定評価を求めた上で判定するもの。
図 2 総人口
:各 都市の行政区域に常住する人口総数の推計値。
国勢調査人口を基準とし、これに毎月の住民基本台帳等の増減数を加えて推計したもの。
図 3 NOI 評価額利回り
:NOI 評価額利回りは、J-REIT(上場不動産投資信託)の全投資法人が保有する住居専用型賃貸
マンションの期末鑑定評価額に対する直近 1年間の純収益
(NOI )
の割合を示す。
図は地域別に物件毎
(賃料保証・固定賃料物件を除く)の NOI 評価額利回りを単純平均したもの。
みずほ信託銀行 不動産マーケットレポート
■ 主要大都市(札幌・仙台・名古屋・京都・大阪・神戸・福岡)
図 4 用途別平均地価
(基準地価の前年比)
(%)
9.0
8.0
7.0
6.5
6.0
5.0
3.6
4.0
3.0
2.0
1.0
1.4
0.0
2.1
4.5
4.9
2.6
札幌市
8.0
7.6
7.3
4.7
1.9
仙台市
5.3
1.4
7.3
住宅地2015年
6.1
住宅地2016年
4.8
3.8
3.6
0.4 0.6
名古屋市
0.6 0.5
0.5 0.5
京都市
大阪市
2.1
1.5
商業地2015年
2.9
商業地2016年
神戸市
福岡市
注:各年 7 月 1 日現在の地価の対前年変動率の平均。
データ出所:都道府県地価調査
図 5 総人口の推移
(千人)
3,000
(%)
2.0
2014年4月(左目盛)
2,500
1.5
2,000
1.0
2016年4月(左目盛)
1,500
0.5
1,000
0.0
2015年4月
前年同月比増減率
(右目盛)
500
-0.5
0
札幌市
仙台市
名古屋市
京都市
大阪市
神戸市
-1.0
福岡市
注:各年 4 月 1 日現在の値。
2015年4月(左目盛)
2016年4月
前年同月比増減率
(右目盛)
データ出所:各都市の
「推計人口」
及び総務省公表資料
図 6 J-REIT 保有賃貸マンションの NOI 評価額利回り
[運用時 NOI 利回り]
(%)
16.0
(前年同期比:%ポイント)
2.0
14.0
1.5
12.0
1.0
10.0
8.0
0.0
-0.3
6.0
5.5
4.0
-0.5 5.9
6.3
5.4
0.5
-0.1
-0.2
-0.3
5.3
-0.2
5.3
0.0
-0.3
5.2
5.4
2.0
0.0
-0.5
-1.0
-1.5
政令指定都市
札幌市
仙台市
注:各投資法人の 2016 年 6 月末までの決算資料による。 【データ概要】
図 4 用途別平均地価
(公示価格・基準地価)
名古屋市
京都市
大阪市
神戸市
福岡市
-2.0
2014年6月期
(左目盛)
2015年6月期
(左目盛)
2016年6月期
(左目盛)
2015年6月期
前年同月比増減率
(右目盛)
2016年6月期
前年同月比増減率
(右目盛)
データ出所:都市未来総合研究所「ReiTREDA(リートレーダー)
」
:
「地価公示」
は、一般の土地の取引価格に対して指標を与え公共事業用地の取得価格の算定の基準
となる等により、適正な地価の形成に寄与することを目的として、国土交通省の土地鑑定委員会が
毎年1回、標準的な土地についての正常な価値を示すもの。
「都道府県地価調査」は、国土利用計画法施行令に基づき、都道府県知事が毎年 7月1日における
調査地点の正常価格を不動産鑑定士の鑑定評価を求めた上で判定するもの。
図 5 総人口
:各 都市の行政区域に常住する人口総数の推計値。
国勢調査人口を基準とし、これに毎月の住民基本台帳等の増減数を加えて推計したもの。
図 6 NOI 評価額利回り
:NOI 評価額利回りは、J-REIT(上場不動産投資信託)の全投資法人が保有する住居専用型賃貸
マンションの期末鑑定評価額に対する直近 1年間の純収益
(NOI )
の割合を示す。
図は地域別に物件毎
(賃料保証・固定賃料物件を除く)の NOI 評価額利回りを単純平均したもの。
注記:図 1 から図 6 はいずれも 2016 年 11 月末日時点で入手できたデータに基づき作成
みずほ信託銀行 不動産マーケットレポート 2017, January
7
東京圏中古マンションの価格帯別の需給バランス
2000 年以降、成約件数は増加基調で推移していますが、新規登録件数の増加ペースがこれを上回る傾向
にあり、新規登録件数に対する成約件数の割合
(以下、対新規登録成約率という)
は2000 年の31%から、2007
年以降は10%ポイントほど低い20%前後に低下しています[図表 1]
。これは中古マンション市場の需給バラン
スの軟化傾向が続いていることを意味します※ 1。新規登録件数は分譲マンションストック数の増加※ 2 を根底に
増加しやすいと考えられるため、
成約件数の増加率が新規登録件数の増加率を上回らない限り、
この傾向が続
くと考えられます。
対新規登録成約率は価格帯によって水準が異なり、直近 2 年では最高価格帯(10,000 万円以上)
と最低価
格帯(3,000 万円未満)が全体平均を下回って推移しています[図表 2]
。最低価格帯には郊外立地など利便
性が悪く、価格を下げても買い手が付きにくい物件が含まれていることが数値の押し下げ要因となっている可能
性が考えられます。最高価格帯は対新規登録成約率が 10%を切り、他価格帯と比較し需給バランスが相当軟
化しています。この価格帯の物件は都心立地で一定のスペックを有する物件が多いと考えられるため、物件自
体(利便性や機能性)に問題があるとは考えにくく、購入者層が限定される中で供給過剰(売り出される物件が
過剰)
の傾向が相対的に強いものと考えられます。
※ 1:新規登録件数と成約件数は公益財団法人東日本不動産流通機構の会員不動産会社の登録、報告によるものであり、必ずしも中古
マンション市場全体の動向を示すものではないが、
需給バランスを分析する上での有用な指標と考えられる。
※ 2:分譲マンションの取り壊しはほとんど行われず、賃貸化される住戸の割合も低いと考えられるため、新規供給される分譲マンションはそ
のままマンションストックとして積み上がりやすい構造である。
[図表 1]2000 年以降の対新規登録成約率
(件)
200,000
[図表 2]直近 2 年の対新規登録成約率
(価格帯別)
(%)
50
-20
40,000
-30
20,000
-40
10
12
2013
2014
10
12
3千万円未満
5千万円以上1億円未満
2015
10
〜
成約件数
新規登録件数前年比
新規登録件数に対する成約件数の割合
5
〜
新規登録件数
成約件数前年比
10
〜
-50
0
2000 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15(年)
15
12
7〜9
-10
60,000
2016
(月/年)
80,000
20
4〜6
0
1〜3
100,000
25
7〜9
10
4〜6
20
120,000
1〜3
140,000
30
7〜9
30
4〜6
40
160,000
1〜3
180,000
(%)
35
3千万円以上5千万円未満
1億円以上
全体
データ出所:図表 1、
2とも公益財団法人東日本不動産流通機構「月例マーケットウオッチ」
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〈お 問 合 せ 先〉
宅地建物取引業:届出第2号
所属団体:一般社団法人不動産協会、一般社団法人不動産流通経営協会
公益社団法人首都圏不動産公正取引協議会加盟
みずほ信託銀行株式会社
不動産マーケットレポート 2017.1
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〒103-0027 東京都中央区日本橋 2-3-4 日本橋プラザビル 11 階
http://www.tmri.co.jp/
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