省資源・廃棄物対策 - 日本製薬工業協会

省 資 源・廃 棄 物 対 策
Resource Conservation & Waste Management
Global Warming Countermeasures
表3.営業車両からのCO2排出状況
有効回答企業: 70社
表4.HFC実排出量および
CO2換算量の推移
2005
実排出量
(トン)
110.8
CO2換算量
(千GWPt)
244.5
2006
112.7
236.7
2007
103.0
217.6
年
大量生産・大量消費・大量廃棄型の経済社会により発生した、天
合わせ共通の数値目標を設定し、
廃棄物の最終処分量などの削減
然資源の枯渇、
自然破壊、
廃棄物最終処分場の逼迫など、
様々な環
に向けた取り組みを継続しています。
境問題の解決に向けて、
天然資源の消費を抑制し、
環境への負荷が
廃棄物をできる限り少なくし、
より効率的な資源利用を目指した
できる限り低減された循環型社会の構築が求められています。
循環型社会の構築に向けた取り組みは不可欠であり、
今後も環境
製薬協では、1997年より経団連環境自主行動計画に参加し、独
自主行動計画が継続して達成できるよう、
積極的に省資源・廃棄物
対策に取り組んでいきます。
2005
2010
2011
2012
2013
2014
2015
営業車両数
(台)
43,003
50,048
50,590
51,078
49,966
49,568
48,354
うちハイブリッド車数
(台)
171
12,813
17,307
21,117
23,902
25,633
26,501
うち電気自動車数
(台)
0
108
105
99
95
60
55
2008
107.6
237.0
自の自主行動計画を策定して省資源・廃棄物対策に取り組んできま
うち燃料電池自動車数
(台)
0
0
0
0
0
0
0
2009
102.8
233.5
ガソリン使用量
(kL)
92,099
89,570
83,264
80,964
76,161
74,453
69,637
2010
88.7
186.1
した。
2011年度からは第4期自主行動計画として、
日薬連と歩調を
軽油使用量
(kL)
1
1
5
5
9
108
182
2011
88.4
187.9
207.95
193.32
187.98
174.29
170.64
159.81
2012
81.1
169.3
4.2
3.8
3.7
3.5
3.4
3.3
2013
74.2
154.3
2014
68.8
141.3
2015
75.2
172.3
年度
CO2排出量
(千トン-CO2) 213.82
CO2原単位
(トン-CO2/台)
5.0
(注)2015年度に営業車を保有し、
ガソリン使用量のデータを有する企業を有効回答企業とした。
実排出量は、HFC-134aとHFC-227eaの合算値
また、
物流からの排出を抑制するため、
3PL
(Third Party Logistics)
、
を破壊することが問題となり、代替フロン
(HFC)
への転換を進め
共同輸送、
モーダルシフトなどを導入しています。
てきました。2005年にはCFCからHFCへの転換を完了しました。
さらに、
省エネルギー・温暖化対策に関する行政動向や先進技術に
その後、HFCの温室効果の大きさが明らかとなったため、HFC排
関する情報を業界団体間にて共有するため、
省エネ・温暖化対策技術
出削減目標(2014年度目標値110t)
を設定して削減に取り組ん
研修会の開催などを行っています。
できました。
その結果、
フロン類を使用しない粉末吸入剤の開発
製薬業界においても、
温暖化対策として製品対策は不可欠と考え
や製剤改良により、表4に示すように目標を大幅に上回る実排出
ています。
その代表的な取り組みとして、
定量吸入エアゾール剤で用
量の削減を達成しました。今後も喘息および慢性閉塞性肺疾患
いるフロン類の使用量削減を進めています。
フロン類はCO2よりも温
(COPD)が増加すると予想されており、吸入剤の出荷量は増加
室効果が大きく、
削減が求められています。
定量吸入エアゾール剤で
傾向をたどると見られますが、粉末製剤の普及や製剤改良などに
は、
クロロフルオロカーボン
(CFC)
を使用していましたが、
オゾン層
より HFCの削減に努めていきます。
3.国際貢献の推進
目標
医薬品市場は今後ますますグローバル化が進展すると予想され、
それに合わせて医薬
品の海外での生産が進むことが考えられる。
その際に、国内における最先端の医薬品製造
技術を導出することにより、海外における環境負荷低減やエネルギー使用量の削減に寄
与できるものと考えている。
定量吸入エアゾール剤におけるHFC使用量の削減は日本が世界
製薬協
では
日薬連傘下の団体として経団連環境自主行動計画(循環型社会形成編)
に参加し、
会員企業の取り組み状況を把握し、経団連に報告しています。
1.環境自主行動計画(循環型社会形成編)
の取り組み
目標
2015年度の産業廃棄物最終処分量を、
2000年度を基準に65%程度削減する。
製薬協は、
日薬連傘下の団体として経団連環境自主行動計画
アップとして経団連へ報告する内容と調査対象範囲を統一する
(循環型社会形成編)
に参加し、会員企業の循環型社会形成に向
ため、主に日薬連傘下4団体 の取り組み結果について報告しま
※
けた主体的な取り組みを推進しています。2011年度からは、
すが、可能な限り製薬協単独の実績についても併記しています。
2015年度を目標年度とする廃棄物の最終処分量削減に関する
なお、本報告書で記載する実績値は法的な産業廃棄物に加え、
数値目標を設定し、会員企業に対して廃棄物の発生・処理状況、
有価物、無償譲渡物などを含んでいるため、本章では単に廃棄物
削減の取り組み状況などについてフォローアップを行っています。
と表現しています。
本報告書では、環境自主行動計画(循環型社会形成編)
フォロー
※ 製薬協、
日本ジェネリック製薬協会、
日本OTC医薬品協会、
日本漢方生薬製剤協会
模で温室効果ガス削減に寄与できると考えています。
に先んじています。
この技術を海外に導出することによって、
世界規
1 最終処分量削減の取り組み
4.革新的技術の開発
2015年度の最終処分量(図1)
は6千トンであり、2014年度と
ほぼ 同じでした。これは、基 準 年 度である2 0 0 0 年 度 実 績の
目標
2016
ENVIRONMENTAL REPORT
長期的な環境負荷低減や地球温暖化対策を視野に、
医薬品の製造技術として、
有機溶媒な
どの原材料を可能な限り最少化する、
いわゆるグリーンケミストリー技術の開発に努め、
医薬
品製造工程の省エネルギー化、
環境負荷の低減、
安全性の確保に努めていく。
80.2%減の値であり、設定した第4期自主行動計画の数値目標を
達成しました。
なお、製薬協会員企業における2015年度の最終処分量は3千
トンであり、2014年度とほぼ同じで、基準年度である2000年度
実績からは83.6%の減少となりました。
図1. 廃棄物最終処分量の推移
( 千トン )
35.0
30.0
(%)
100
100.0
29
80
25.0
20.0
15.0
28.5
10.0
8
5.0
0.0
60
20
4
2000
(基準)
2011
40
22.8
7
16.9
4
2012
5
反応工程の短縮および最適化による使用原料、試薬、溶媒およ
させることが課題です。
さらに、2050年を見つめて調達、製造、使
びエネルギーの削減、有機溶媒を使用する試験分析(液体クロマ
用を含めたライフサイクルでの温室効果ガス削減に寄与する製
最終処分量
【千トン:日薬連実績】
剤技術の開発なども進めていく必要があると考えています。
2000年度比
(日薬連実績)
トグラフィー)
のダウンサイジングなどの取り組みを進めている会
3
2013
20.8
19.8
6
6
3
2014
22.7
3
2015
20
7
3
0
2016(年度)
(見込み)
最終処分量
【千トン:製薬協実績】
社もあります。今後、
このような取り組みを業界として共有し、進展
11
日本製薬工業協会 環境報告書 2016
日本製薬工業協会 環境報告書 2016
12
2016
ENVIRONMENTAL REPORT
Resource Conservation & Waste Management
3 再資源化促進の取り組み
図2.
最終処分量の廃棄物種類ごとの内訳
最終処分量の廃棄物の種類ごとの内訳(図2)では、汚泥が
32.1%、廃プラスチック類が31.9%、事業系一般廃棄物が7.7%
であり、
この3種類で全体の約72%を占めていました。
廃酸 3.6%
最終処分量が減少した主な要因としては、分別の徹底による
は、
2014年度から4.4ポイント改善し59.6%となりました
(図6)
。
その他
10.4%
木くず 4.1%
廃棄物の再資源化・有価物化の促進、廃棄物発生量減少に伴う
ら12千トン減少しました。
廃棄物発生量に対する比率
(再資源化率)
紙くず 1.1%
廃油 3.6%
減少、
などが挙げられます。
事業系一般廃棄物
7.7%
会員企業に行った2016年度の最終処分量の見込みの調査で
なお、
製薬協会員企業における再資源化率は、
2014年度から5.7
汚泥
32.1%
ガラスくず 5.5%
医薬品の製造や研究開発段階では、
薬理活性物質がプラスチック容
廃プラスチック
31.9%
器などに付着することや、
汚泥として排出されるなど安易にリサイクル
できないものがありますが、
廃棄物の再資源化促進に向けて、
分別の
このため、数値目標の継続的な達成はもとより、
より高いレベルで
徹底、
固形燃料化、
焼却灰のセメント原料化、
リサイクル推進のための
対策を継続的に行う必要が改めて示されました。
10.0%
(最終処分率)は、2014年度から0.3ポイント悪化し2.5%となり
8.0%
ました
(図3)。
6.0%
なお、製薬協会員企業における2015年度の最終処分率は、
4.0%
2014年度から0.5ポイント悪化し2.0%となりました。
2.0%
0.0%
100.0%
100.0
80.0%
7.8 7.8
41.4
3.2
2000
31.6
2.5 2.5
2.3
2011
2.0 1.6
2012
32.0
28.6
25.4
2.2
2013
1.6
2014
最終処分率
【千トン:日薬連実績】
2.5
2.0
2015
195.9
80.0%
36.1
2.8
2.1
2016(年度)
(見込み)
198.1
213.7
197.9
54.6
100.0
40.0%
42.8
55.2
150.0%
59.6
60.5
54.8
49.4
43.1
27.9
20.0%
49.5
55.3
2000
100.0%
50.0%
31.0
0.0%
250.0%
200.0%
153.4
処理委託業者の見直しなどの取り組みが積極的に進められています。
図3.
廃棄物最終処分率の推移
2015年度の廃棄物発生量に占める廃棄物最終処分量の比率
100.0%
60.0%
ポイント改善し60.5%となりました。
は、基準年度の77.3%の削減量にとどまる結果となっています。
最終処分量の削減を行っていくためには、会員企業各社が削減
図6.再資源化率の推移
2015年度の再資源化された量は139千トンであり、
2014年度か
2011
2012
2013
再資源化率
(日薬連実績)
2014
2015年(年度)
(見込み)
0.0%
再資源化率
(製薬協実績)
4 廃棄物処理フロー
60.0%
会員企業からの調査回答に基づき、廃棄物の処理の状況を図7
このフローから明らかなように、
最終処分量の削減のためには、
に示しました。
40.0%
まず分別を徹底することによりできるだけ直接最終処分する量を
発生した廃棄物量233千トンのうち、最終的に再資源化された
減らし、
再資源化する量を増やすことが重要となります。
そして、
無
20.0%
量は139千トンであり、
廃棄物発生量に対して59.6%となりました。
害化などのために中間処理が必要なものについても、
できるだけ
0.0%
最終処分率
【千トン:製薬協実績】
最終的に最終処分された量は6千トンであり、
廃棄物発生量に対し
減量化を行い、
処理の結果発生する残渣についても可能な限りの
て2.5%となりました。
また、
減量化された量は89千トンであり、
焼却
再資源化を行うことが、最終処分量の削減につながります。最終
などの処理により38.0%減量された結果となりました。
的に再資源化された139千トンの廃棄物は何らかの用途で資源
として有効に活用されています。
図7. 廃棄物の処理フロー
2 廃棄物発生抑制の取り組み
2015年度の廃棄物発生量
(図4)
は、
2014年度から40千トン減
少し233千トンであり、
2000年度実績の61.8%でした。
廃棄物発生量の廃棄物の種類ごとの内訳では、
廃油が26.1%、
汚泥
が15.7%、
動・植物性残渣が15.4%、
廃プラスチック類が12.3%、
廃ア
ルカリが11.7%であり、
この5種類で全体の約81%を占めていました。
なお、
製薬協会員企業における2015年度の廃棄物発生量は165
千トンであり、
2014年度からは13千トン減少し、
2000年度実績の
64.6%となりました。
255
200.0
廃棄物発生量が減少した主な要因としては、
生産量の減少に伴う
259
2011
171
237
233
177
164
165
5.0
移を図5に示しました。
2000年度では4.4トン/億円の廃棄物が発生
4.0
していましたが、
以降は減少傾向であり2015年度は1.9トン/億円と
3.0
なりました。
循環型社会の形成に向けた会員企業の取り組みにより、
2.0
2012
2013
2014
2015
2016(年度)
(見込み)
有償資源化
合計
59.6%
0.0%
17
158
175
16
73
89
処理後残渣量
2
85
86
35.2%
82
直接最終処分量
2
1.8%
最終処分量
1
51
4
4
83
139
2015年度を目標年度とする第4期自主行動計画は終了しました
が、
引き続き、循環型社会の形成を目指した取組みを継続していく
必要があることから、製薬業界は、経団連が名称を変更して取り組
100.0%
100.0
減量化量
総最終処分量
6
2.5%
2.2016年度以降の自主行動計画「循環型社会形成自主行動計画」
の概要
発生量
【千トン:製薬協実績】
製薬業界独自の自主行動計画(第5期自主行動計画)
を策定し、
2016年度より取り組みを開始しています。
製薬業界の循環型社会
形成自主行動計画の概要は以下の通りです。
みを継続する
「循環型社会形成自主行動計画」
に参加するとともに、
80.0%
4.4
55.1
2.4
53.1
2.3
48.4
2000
2011
2012
発生量原単位
(トン/億円)
46.6
42.9
2020年
1 低炭素社会の実現に配慮しつつ適切に処理した産業廃棄物の最終処分量について、
60.0%
度に2000年実績比70%程度削減を目指す。
40.0%
2.1
1.0
0.0
自社内再利用
有価物
無償譲渡
40.0%
165
(千トン/億円)
廃棄物発生量を医薬品売上高で除した廃棄物発生量原単位の推
日本製薬工業協会 環境報告書 2016
253
処理量
再資源化量
総再資源化量
図5.
廃棄物発生量原単位の推移
6.0
13
274
2000年度比
(日薬連実績)
なお、
会員企業に行った2016年度の廃棄物発生量の見込みの調
※ 医薬品売上高は、政府統計(医薬品・医療機器産業実態調査)
によりますが、
2000年度を除き表記年度の前年実績を採用しています。
272
発生量【千トン:日薬連実績】
量の削減などの廃棄物発生抑制対策の推進、
などが挙げられます。
資源を有効に活用している結果であると考えられます。
62.9
20.0%
2000
自社処理
委託処理
合計
60.0%
184
発生量減少、
製造プロセスの見直しによる資源投入量・不良品発生
査では、
現状よりも約4千トン程度増加する見込みです。
61.8
100.0
0.0
57
80.0%
72.5
67.1
68.6
300.0
直接再資源化量
100.0%
72.1
378
(単位:千トン)
0.7%
74.9%
100.0
400.0
233
24.4%
図4.
廃棄物発生量の推移
(千トン)
500.0
発生量
2013
2000年度比
2.1
2014
1.9
2015(年度)
20.0%
0.0%
目標
2 2020年度の廃棄物発生量原単位を、
2000年度を基準に50%程度改善する。
3 2020年度の廃棄物再資源化率を55%以上にする。
4 加盟企業の資源循環の質を高める3Rの取り組み状況を定期的に把握し、
事例などの情報共有
を通じて各社のさらなる取り組み推進を図る。
日本製薬工業協会 環境報告書 2016
14
2016
ENVIRONMENTAL REPORT
Resource Conservation & Waste Management
3 再資源化促進の取り組み
図2.
最終処分量の廃棄物種類ごとの内訳
最終処分量の廃棄物の種類ごとの内訳(図2)では、汚泥が
32.1%、廃プラスチック類が31.9%、事業系一般廃棄物が7.7%
であり、
この3種類で全体の約72%を占めていました。
廃酸 3.6%
最終処分量が減少した主な要因としては、分別の徹底による
は、
2014年度から4.4ポイント改善し59.6%となりました
(図6)
。
その他
10.4%
木くず 4.1%
廃棄物の再資源化・有価物化の促進、廃棄物発生量減少に伴う
ら12千トン減少しました。
廃棄物発生量に対する比率
(再資源化率)
紙くず 1.1%
廃油 3.6%
減少、
などが挙げられます。
事業系一般廃棄物
7.7%
会員企業に行った2016年度の最終処分量の見込みの調査で
なお、
製薬協会員企業における再資源化率は、
2014年度から5.7
汚泥
32.1%
ガラスくず 5.5%
医薬品の製造や研究開発段階では、
薬理活性物質がプラスチック容
廃プラスチック
31.9%
器などに付着することや、
汚泥として排出されるなど安易にリサイクル
できないものがありますが、
廃棄物の再資源化促進に向けて、
分別の
このため、数値目標の継続的な達成はもとより、
より高いレベルで
徹底、
固形燃料化、
焼却灰のセメント原料化、
リサイクル推進のための
対策を継続的に行う必要が改めて示されました。
10.0%
(最終処分率)は、2014年度から0.3ポイント悪化し2.5%となり
8.0%
ました
(図3)。
6.0%
なお、製薬協会員企業における2015年度の最終処分率は、
4.0%
2014年度から0.5ポイント悪化し2.0%となりました。
2.0%
0.0%
100.0%
100.0
80.0%
7.8 7.8
41.4
3.2
2000
31.6
2.5 2.5
2.3
2011
2.0 1.6
2012
32.0
28.6
25.4
2.2
2013
1.6
2014
最終処分率
【千トン:日薬連実績】
2.5
2.0
2015
195.9
80.0%
36.1
2.8
2.1
2016(年度)
(見込み)
198.1
213.7
197.9
54.6
100.0
40.0%
42.8
55.2
150.0%
59.6
60.5
54.8
49.4
43.1
27.9
20.0%
49.5
55.3
2000
100.0%
50.0%
31.0
0.0%
250.0%
200.0%
153.4
処理委託業者の見直しなどの取り組みが積極的に進められています。
図3.
廃棄物最終処分率の推移
2015年度の廃棄物発生量に占める廃棄物最終処分量の比率
100.0%
60.0%
ポイント改善し60.5%となりました。
は、基準年度の77.3%の削減量にとどまる結果となっています。
最終処分量の削減を行っていくためには、会員企業各社が削減
図6.再資源化率の推移
2015年度の再資源化された量は139千トンであり、
2014年度か
2011
2012
2013
再資源化率
(日薬連実績)
2014
2015年(年度)
(見込み)
0.0%
再資源化率
(製薬協実績)
4 廃棄物処理フロー
60.0%
会員企業からの調査回答に基づき、廃棄物の処理の状況を図7
このフローから明らかなように、
最終処分量の削減のためには、
に示しました。
40.0%
まず分別を徹底することによりできるだけ直接最終処分する量を
発生した廃棄物量233千トンのうち、最終的に再資源化された
減らし、
再資源化する量を増やすことが重要となります。
そして、
無
20.0%
量は139千トンであり、
廃棄物発生量に対して59.6%となりました。
害化などのために中間処理が必要なものについても、
できるだけ
0.0%
最終処分率
【千トン:製薬協実績】
最終的に最終処分された量は6千トンであり、
廃棄物発生量に対し
減量化を行い、
処理の結果発生する残渣についても可能な限りの
て2.5%となりました。
また、
減量化された量は89千トンであり、
焼却
再資源化を行うことが、最終処分量の削減につながります。最終
などの処理により38.0%減量された結果となりました。
的に再資源化された139千トンの廃棄物は何らかの用途で資源
として有効に活用されています。
図7. 廃棄物の処理フロー
2 廃棄物発生抑制の取り組み
2015年度の廃棄物発生量
(図4)
は、
2014年度から40千トン減
少し233千トンであり、
2000年度実績の61.8%でした。
廃棄物発生量の廃棄物の種類ごとの内訳では、
廃油が26.1%、
汚泥
が15.7%、
動・植物性残渣が15.4%、
廃プラスチック類が12.3%、
廃ア
ルカリが11.7%であり、
この5種類で全体の約81%を占めていました。
なお、
製薬協会員企業における2015年度の廃棄物発生量は165
千トンであり、
2014年度からは13千トン減少し、
2000年度実績の
64.6%となりました。
255
200.0
廃棄物発生量が減少した主な要因としては、
生産量の減少に伴う
259
2011
171
237
233
177
164
165
5.0
移を図5に示しました。
2000年度では4.4トン/億円の廃棄物が発生
4.0
していましたが、
以降は減少傾向であり2015年度は1.9トン/億円と
3.0
なりました。
循環型社会の形成に向けた会員企業の取り組みにより、
2.0
2012
2013
2014
2015
2016(年度)
(見込み)
有償資源化
合計
59.6%
0.0%
17
158
175
16
73
89
処理後残渣量
2
85
86
35.2%
82
直接最終処分量
2
1.8%
最終処分量
1
51
4
4
83
139
2015年度を目標年度とする第4期自主行動計画は終了しました
が、
引き続き、循環型社会の形成を目指した取組みを継続していく
必要があることから、製薬業界は、経団連が名称を変更して取り組
100.0%
100.0
減量化量
総最終処分量
6
2.5%
2.2016年度以降の自主行動計画「循環型社会形成自主行動計画」
の概要
発生量
【千トン:製薬協実績】
製薬業界独自の自主行動計画(第5期自主行動計画)
を策定し、
2016年度より取り組みを開始しています。
製薬業界の循環型社会
形成自主行動計画の概要は以下の通りです。
みを継続する
「循環型社会形成自主行動計画」
に参加するとともに、
80.0%
4.4
55.1
2.4
53.1
2.3
48.4
2000
2011
2012
発生量原単位
(トン/億円)
46.6
42.9
2020年
1 低炭素社会の実現に配慮しつつ適切に処理した産業廃棄物の最終処分量について、
60.0%
度に2000年実績比70%程度削減を目指す。
40.0%
2.1
1.0
0.0
自社内再利用
有価物
無償譲渡
40.0%
165
(千トン/億円)
廃棄物発生量を医薬品売上高で除した廃棄物発生量原単位の推
日本製薬工業協会 環境報告書 2016
253
処理量
再資源化量
総再資源化量
図5.
廃棄物発生量原単位の推移
6.0
13
274
2000年度比
(日薬連実績)
なお、
会員企業に行った2016年度の廃棄物発生量の見込みの調
※ 医薬品売上高は、政府統計(医薬品・医療機器産業実態調査)
によりますが、
2000年度を除き表記年度の前年実績を採用しています。
272
発生量【千トン:日薬連実績】
量の削減などの廃棄物発生抑制対策の推進、
などが挙げられます。
資源を有効に活用している結果であると考えられます。
62.9
20.0%
2000
自社処理
委託処理
合計
60.0%
184
発生量減少、
製造プロセスの見直しによる資源投入量・不良品発生
査では、
現状よりも約4千トン程度増加する見込みです。
61.8
100.0
0.0
57
80.0%
72.5
67.1
68.6
300.0
直接再資源化量
100.0%
72.1
378
(単位:千トン)
0.7%
74.9%
100.0
400.0
233
24.4%
図4.
廃棄物発生量の推移
(千トン)
500.0
発生量
2013
2000年度比
2.1
2014
1.9
2015(年度)
20.0%
0.0%
目標
2 2020年度の廃棄物発生量原単位を、
2000年度を基準に50%程度改善する。
3 2020年度の廃棄物再資源化率を55%以上にする。
4 加盟企業の資源循環の質を高める3Rの取り組み状況を定期的に把握し、
事例などの情報共有
を通じて各社のさらなる取り組み推進を図る。
日本製薬工業協会 環境報告書 2016
14