福島市立地適正化計画 (素案)

福島市立地適正化計画
【平成 28 年度に公表する内容】
・ 都市機能区域
・ 都市機能誘導施設
(素案)
平成28年12月
福
島
市
目
次
第Ⅰ章 立地適正化計画の概要 ............................................................................................................................................ 1
1.策定の背景と目的 ........................................................................................................................................................... 1
2.計画の位置づけ ............................................................................................................................................................... 2
3.立地適正化計画で定める事項...................................................................................................................................... 3
4.計画対象区域 ................................................................................................................................................................... 5
5.計画期間 ............................................................................................................................................................................ 5
第Ⅱ章 上位・関連計画の整理 .............................................................................................................................................. 6
1.福島市総合計画後期基本計画(計画期間 平成 28 年度~平成 32 年度) ....................................................... 6
2.県北都市計画区域マスタープラン(平成 26 年度策定) ......................................................................................... 7
3.福島市都市マスタープラン(平成 12 年度策定、平成 28 年度改定中) ............................................................11
4.福島市地域公共交通網形成計画(平成 27 年度策定).........................................................................................13
第Ⅲ章 福島市の都市構造上の課題と方向性 .................................................................................................................16
1.福島市の現状 .................................................................................................................................................................16
2.課題の整理とまちづくりの方向性 ............................................................................................................................... 36
第Ⅳ章 基本方針 ....................................................................................................................................................................38
1.基本理念 ..........................................................................................................................................................................38
2.将来都市像 .....................................................................................................................................................................38
3.都市づくりの基本方針 ................................................................................................................................................... 39
4.目指すべき都市構造イメージ...................................................................................................................................... 41
第Ⅴ章 立地適正化計画で設定する区域及び誘導施設 ...............................................................................................43
1.都市機能区域の設定 ....................................................................................................................................................43
2.都市機能誘導施設の設定 ........................................................................................................................................... 49
第Ⅵ章 実現化方策................................................................................................................................................................51
1.届出制度 ..........................................................................................................................................................................51
第Ⅰ章 立地適正化計画の概要
1.策定の背景と目的
全国の多くの地方都市において、今後、人口減少、高齢化の更なる進展が見込まれ、市街地の低密度化
の進行に伴い、日常生活に必要な医療、商業などの都市機能の低下や地方財政状況の悪化等の事態も懸
念される中、コンパクトなまちづくりの推進が強く求められています。
コンパクトなまちづくりの推進に向けては、医療、商業施設や住宅などがまとまって立地し、子どもや
高齢者をはじめとする住民が、公共交通によりこれらの生活利便施設等にアクセスできるなど、都市機
能や交通などを含めて都市全体の構造を見直し、
「コンパクト・プラス・ネットワーク」の考えで進めて
いくことが重要です。
こうした背景を踏まえ、平成26年8月に都市再生特別措置法の一部が改正され、市町村は、住宅及び
都市機能増進施設(医療施設、福祉施設、商業施設その他の都市の居住者の共同の福祉又は利便のため必
要な施設であって、都市機能の増進に著しく寄与するもの)の立地の適正化を図るための、立地適正化計
画を作成することができることになりました(都市再生特別措置法第 81 条第 1 項)。
福島市(以下「本市」という。)においても、人口減少、高齢化の更なる進展など、全国の多くの地方
都市と同様の問題を抱えており、福島市総合計画後期基本計画や福島市都市マスタープランにおいても、
将来の都市構造のあり方に関する基本的な考え方として、
「拠点地区等への居住や都市の生活を支える機
能の適切な誘導と充実を図り、歩いて暮らせる範囲の中に高齢者や子育て世代も含めた住民などの賑わ
いや安心を支援する機能が確保され、各地域の人口密度の維持や活力の増進を図るようなコンパクトな
まちづくり」を進めることや、
「各地域が相互利用しやすいネットワーク環境の充実など、コンパクト・
プラス・ネットワークのまちづくり」を進めることとしており、立地適正化計画が目指す「コンパクト・
プラス・ネットワーク」の概念に合致するものとなっています。
以上を踏まえ、本市が目指す将来都市構造を具現化するため、公共交通ネットワークの構築と連携を
図りながら、居住や医療、商業などの都市の生活を支える機能の立地誘導に係る取組みを総合的・一体的
に推進していくことを目的に「福島市立地適正化計画」を策定するものです。
1
2.計画の位置づけ
福島市立地適正化計画は「福島市総合計画後期基本計画」
「県北都市計画区域マスタープラン」に即し
た内容であるとともに、
「福島市都市マスタープラン」との調和が保たれたものでなければなりません(都
市再生特別措置法第 81 条第 9 項)。
また、立地適正化計画を作成し公表された時点で、計画内に記載する「住宅及び都市機能増進の立地の
適正化に関する基本方針」は福島市都市マスタープランの一部とみなされることとなります。
(都市再生
特別措置法第 82 条)
。
福島市総合計画後期基本計画
県北都市計画区域マスタープラン
即する
即する
福島市都市マスタープラン
福島市立地適正化計画
計画内に記載する「住宅及び都市機能増進の立地の適正化に関
する基本方針」は福島市都市マスタープランの一部とみなされ
る
整合
関連する分野
医療
福祉
教育
商業
住宅
地域公共交通
など
福島市立地適正化計画の位置づけ
2
3.立地適正化計画で定める事項
都市再生特別措置法第 81 条第2項において、
「立地適正化計画には、その区域を記載するほか、おおむ
ね次に掲げる事項を記載するもの」とされています。
【法第 81 条第2項】
一
住宅及び都市機能増進施設の立地の適正化に関する基本的な方針
二
都市の居住者の居住を誘導すべき区域(以下「居住誘導区域」という。
)及び居住環境の向上、公
共交通の確保その他の当該居住誘導区域に都市の居住者の居住を誘導するために市町村が講ずべき
施策に関する事項
三
都市機能増進施設の立地を誘導すべき区域(以下「都市機能誘導区域」という。)及び当該都市機
能誘導区域ごとにその立地を誘導すべき都市機能増進施設(以下「誘導施設」という。)並びに必要
な土地の確保、費用の補助その他の当該都市機能誘導区域に当該誘導施設の立地を誘導するために
市町村が講ずべき施策に関する事項(次号に掲げるものを除く。
)
四
都市機能誘導区域に誘導施設の立地を図るために必要な次に掲げる事業等に関する事項
イ
誘導施設の整備に関する事業
ロ
イに掲げる事業の施行に関連して必要となる公共公益施設の整備に関する事業、土地区画整
理事業その他国土交通省令で定める事業
ハ
イ又はロに掲げる事業と一体となってその効果を増大させるために必要な事務又は事業
五
第二号若しくは第三号の施策又は前号の事業等の推進に関連して必要な事項
六
前各号に掲げるもののほか、住宅及び都市機能増進施設の立地の適正化を図るために必要な事項
3
立地適正化計画では、以下の設定が必要となります。
居住誘導区域
人口減少の中にあっても一定エリアにおいて人口密度を維持することにより、生活サービス
やコミュニティが持続的に確保される区域
都市機能誘導区域
医療・福祉・商業等の都市機能を中心市街地などの地区に維持・誘導することにより、こ
れらの各種サービスの効率的な提供が図れる区域
都市機能誘導施設
都市機能誘導区域ごとに、維持・誘導すべき誘導施設を設定
都市機能誘導施設とは居住者の共同の福祉や利便性の向上を図るために必要な施設
で、都市機能の増進に著しく貢献する施設です(医療施設、教育文化施設、行政施設、
商業施設などが考えられます)
。
(※誘導施設が無いと都市機能誘導区域は設定できません)
出典:改正都市再生特別措置法等について
※
立地適正化計画で定める居住誘導区域や都市機能誘導区域は、コンパクトなまちづくりの推進に向
け、人口減少の中にあっても一定エリアにおいて人口密度を維持することにより、生活サービスやコ
ミュニティが持続的に確保される区域として設定するものであることから、市街化を抑制すべき区
域である市街化調整区域へ指定することは出来ません。
※ 区域名称の変更について
都市機能誘導区域や居住誘導区域の「誘導」という言葉が「現在の場所に住んではいけないのか?」
「新
たにどんな施設を誘致するのか?」など、市民の方々に対し強制力を伴った意味に誤解を招く恐れがあ
ることから、本市では以下のように名称を変更するものとします。
【立地適正化計画の名称】
【福島市立地適正化計画で使用する名称】
都市機能誘導区域
都市機能区域
居住誘導区域
居住推奨区域(仮称)
※居住推奨区域は仮称であり、正式な名称は平成 30 年度に公表する計画書で定めます。
4
4.計画対象区域
本計画の区域は、都市再生特別措置法第81条第1項に基づき、福島市の都市計画区域とします。
なお、都市機能区域、居住推奨区域(仮称)は市街化区域内に設定します。
都市計画区域=立地適正化区域
市街化区域
行政界
福島市立地適正化計画の対象区域
5.計画期間
本計画の期間は、福島市人口ビジョンにおける将来展望との整合性を図り、平成 22 年の国勢調査を基
準として、概ね 30 年後とします。
計画の目標年次:平成 52 年(2040 年)
5
第Ⅱ章 上位・関連計画の整理
1.福島市総合計画後期基本計画(計画期間 平成 28 年度~平成 32 年度)
将来都市像 「ときめきとやすらぎ 希望にみちた人間尊重のまち 福島市」
まちづくりのための基本的な考え方
市民との協働のまちづくり
地域の個性を生かしたまちづくり
土地利用の基本方針
土地利用にあたっては、自然環境の保全をはかりつつ、各地域の自然的、社会的、経済
的および文化的条件に配慮しながら、市民の健康で文化的な生活環境の確保と各地域の
均衡ある発展をはかることを基本とします。
そのため、周辺部に無秩序に土地利用が拡散するまちではなく、生活環境を重視したコ
ンパクトで効率的なまちづくりを進める中で、市街地と郊外の既存集落との連携・共生
をはかります。
都市的機能を中心部のみに集中させることなく、市域に広がる各地域の特徴や個性を守
り発展させ、それらを相互に結ぶことにより、市域全体の活力あるまちづくりに向けた
土地利用の促進に努めます。
主要な課題と重点施策
【主要な課題】
1. 東日本大震災及び原子力災害からの希望ある復興
2. 定住人口の保持
3. 人口減少、人口構成の変化に対応した地域活性化
4. 高齢者施策、環境施策など多様化する市民ニーズへの対応
【重点施策】
1. 安心して住めるまちづくりの推進
2. 子育て支援の推進
3. 産業振興、交流人口拡大による雇用機会の創出
4. 高齢者がいきいきと暮らせるまちづくりの総合的推進
5. 環境にやさしい美しいまちづくりの推進
6
2.県北都市計画区域マスタープラン(平成 26 年度策定)
福島県の都市政策における基本理念・基本方針
【基本理念】都市と田園地域等の共生
【基本方針】
都市と田園地域等が共生する都市づくり
広大な自然的環境の中に都市が点在しているあり方が、本県の個性と魅力を形成している
現状を踏まえた上で、各地域の豊かさと活力を向上させ、ふくしまの魅力を一層高めてい
くため、都市と田園地域等が交流し、共生していく都市づくりを推進する。
地域特性に応じたコンパクトな都市づくり
人口の減少など都市を取り巻く環境が大きく変化している中で、経済性や効率性のみが重
視された拡散型の都市づくりを転換し、生活環境を重視した持続可能な集約型の都市を実
現するため、地域の特性や実状等に対応したコンパクトな都市づくりを推進する。
ひと・まち・くるまが共生する都市づくり
今後の超高齢社会等を見据え、自動車への過度な依存を改め、
「ひと」を重視した生活環境
の形成を進めていくため、「ひと」と「くるま」とともに、様々な活動の場となる「まち」
を一体的に捉えながら、
「ひと」と「まち」と「くるま」が共生する都市づくりを推進する。
県北都市計画区域における都市づくりの基本理念
活気にあふれ、豊かな自然環境と共生する、学術・文化都市
にぎわいのある都市づくり
商業業務機能、居住機能等が集積し多様な顔を持つ市街地に、若い人が集まり、子ども
やお年寄りの笑顔が絶えない都市づくり
福島市、伊達市、桑折町、国見町の、各市街地が、お互いに関連を持つ都市として連携
することで、魅力を高めあう都市づくり
市街地と豊かな自然・田園が調和した都市づくり
吾妻連峰の雄大な山並み、もも・なし・りんご等の果樹園が織り成す田園風景、阿武隈
川や信夫山等親しみのある身近な自然等、多様な自然とともに育む都市づくり
地域の人々の心に刻まれた原風景を後世に継承する都市づくり
学術・文化機能を生かした都市づくり
福島大学や県立医科大学等の学術研究機能、県立美術館や県立図書館等の文化機能等の
高次都市機能が強化され、都市計画区域内外の人が利用しやすい都市づくり
7
出典:県北都市計画区域マスタープラン
都市構造図(県北都市計画区域)
8
主要用途の配置方針
① 商業業務地
ア.中心商業業務地
福島駅を中心に、多様な都市機能の集積を誘導。
イ.一般商業地
各地区の中心地に日常の購買需要を賄う商業地を配置。
中心市街地から放射状に延びる国道、県道等の沿道は、沿道サービス機能を高めるよう配
置。
飯坂町の観光温泉施設が集積する地区は、その中心地に商業地区を配置。
② 工業地
工業団地は、特に周辺住宅市街地に配慮しつつ、操業環境を維持。
工業系以外の建物の立地が進んでいる地区は、周辺の土地利用との整合を図りつつ、工業以
外の土地利用へ転換。
③ 流通業務地
東北自動車道福島西、福島飯坂の各インターチェンジ付近、並びにそれに接続する幹線道路
沿道に流通業務地を配置。
④ 住宅地
ア. 既成市街地内の住宅地
福島市の中心部は、都心居住を促進。
中心部の周辺は、中低層の住宅地として良好な環境を形成。
イ. 住工複合型住宅地
土地利用の純化を目指すことを原則とし、土地利用の規制・誘導により、住宅以外の用途と
の調和に配慮しながら、良好な居住環境を向上。
9
出典:県北都市計画区域マスタープラン
土地利用方針図(県北都市計画)
10
3.福島市都市マスタープラン(平成 12 年度策定、平成 28 年度改定中)
都市づくりの将来像
【都市づくりの基本理念】
「みんなが誇れる県都ふくしまの創造」
【目指す都市像】
① 安全で安心して住み続けられる都市
② 豊かな自然や歴史・文化などを生かし、地域の個性や活力を育む、市民が誇れる都市
③ 県都として人々が集い、にぎわい、交流する都市
【都市づくりの基本目標】
① コンパクトな市街地と豊かな自然・田園が調和した都市づくり
② 県都福島の発展を先導する中心市街地や産業拠点の活力ある都市づくり
③ 集い・にぎわい・交流を活性化する拠点連携型の都市づくり
④ 歴史・文化を大切にする都市づくり
⑤ 安全で安心な人にやさしい都市づくり
⑥ 美しい景観を育む都市づくり
⑦ 環境にやさしい都市づくり
⑧ 市民参加・協働による都市づくり
将来都市構造
【将来の都市構造のあり方に関する基本的な考え方】
中心市街地や各地域の拠点地区における都市機能・人口集積などの既存ストックを最大限
に生かしつつ、拠点地区等への居住や都市の生活を支える機能の適切な誘導と充実を図り、
歩いて暮らせる範囲の中に高齢者や子育て世代も含めた住民等の賑わいや安心を支援する
機能が確保され、各地域の人口密度の維持や活力の増進を図るようなコンパクトなまちづ
くりを進める。
地域交通の再編との連携により、それらを相互利用しやすいネットワーク環境の充実を図
る、コンパクトシティ・プラス・ネットワークのまちづくりを進める。
都市機能などの立地の適正化を図る新たな仕組み(改正都市再生特別措置法による立地適
正化計画)が創設されたことから、立地適正化計画の策定に向けて、今後具体的に検討して
いくものとする。
11
出典:福島市都市マスタープラン
将来都市構造図
12
4.福島市地域公共交通網形成計画(平成 27 年度策定)
基本理念
「市民・事業者・行政の連携により、まちづくりと一体になった持続可能な公共交通の実現」
~公共交通軸と拠点性の向上により、交流を高めるまちづくりに貢献する~
基本方針
日常生活を支える「使える」移動手段としての公共交通の構築
地域内外の交流を促進し、地域と人を元気にする公共交通の構築
まちづくりと連携した公共交通の構築
多様な主体の連携により、将来につなげる公共交通の構築
地域公共交通網の将来イメージ
【路線の階層化】
市内の地域公共交通網の階層化を行い、戦略的にサービス向上とPRを図る「幹線軸」
、広域的
な移動を支える「広域交通」、地域内の移動を支える「支線交通」を定めて、地域公共交通ネット
ワークの再構築を図る。
役 割
幹線軸
戦略的にサービス向上とPRを図る路線・区間
交通モード
鉄道
路線バス
広域交通
広域的な移動(主に日常生活)を支える路線
鉄道
路線バス
支線交通
地域内の移動(主に日常生活)を支えるとともに、幹線・広
路線バス
域路線に接続することで域外への移動を支える路線
タクシー活用
地域協働バス
【幹線軸の設定】
下記の考え方に基づいて、幹線軸を設定。
① 民間の交通事業者にとって安定した収支が得られると考えられる路線・区間
② 現在及び将来の人口分布状況からある程度の需要が見込まれる路線・区域
③
都市計画の取り組みとの連動(都市マスタープラン・立地適正化計画など)
幹線軸
経由地・方面
交通モード
(仮称)北信幹線軸
福島駅~伊達長岡(伊達総合支所)※
路線バス
(仮称)月の輪台幹線軸
福島駅~月の輪台団地
路線バス
(仮称)蓬
福島駅~医大病院
路線バス
(仮称)西幹線軸
福島駅~西方面※
路線バス
(仮称)庭坂幹線軸
福島駅~庭坂方面※
路線バス
(仮称)飯坂幹線軸
福島駅~飯坂温泉駅
鉄道(飯坂線)
幹線軸
※伊達方面と西方面、庭坂方面の起終点については現在協議中
13
【広域交通の設定】
下記の考え方に基づいて、広域路線を設定します。
市域を跨ぎ、隣接市町との広域的な移動を担う路線
市内の郊外部の生活拠点や観光地と中心部を結ぶ路線
広域交通
起終点・経由地
交通モード
隣接市町
市内
東北本線
二本松~福島駅~伊達~桑折~国見
鉄道
奥羽本線
福島駅~米沢
鉄道
阿武隈急行線
福島駅~瀬上~保原~梁川
鉄道
桑折・国見方面
福島駅~伊達~桑折~国見
路線バス
保原・梁川方面
福島駅~保原~梁川
路線バス
霊山方面
福島駅~霊山
路線バス
川俣方面
福島駅~小倉寺~川俣
路線バス
二本松方面
福島駅~医大病院~金谷川~二本松
路線バス
飯野町方面
福島駅~飯野町
路線バス
土湯温泉方面
福島駅~佐倉~土湯温泉
路線バス
高湯温泉方面
福島駅~上姥堂~高湯温泉
路線バス
信夫方面
福島駅~信夫
路線バス
【交通拠点の設定】
拠点の機能
・
中心
拠点
・
拠点名
福島市の玄関口、都市機能
福島駅
が集積する中心市街地
(大町)
鉄道・幹線・一般路線が集
備 考
-
中する交通ターミナル
・
飯坂温泉駅
拠点
1次
拠点
幹線軸と支線交通の乗継
・
継拠点
市民の生活・交流機能を備
医大病院
えた拠点
2次
拠点
・
飯坂線と路線バス(支線交通)の乗
路線バス(幹線軸)と路線バス(支
線交通)の乗継拠点
交通手段間の乗り継ぎ機
能を備えた拠点
松川駅
乗合タクシーなど(支線交通)と鉄
道・路線バスの乗継拠点
14
出典:福島市地域公共交通網形成計画
地域公共交通網の将来イメージ図
15
第Ⅲ章 福島市の都市構造上の課題と方向性
1.福島市の現状
(1)人口
1)人口及び世帯数の推移
国勢調査による昭和 50 年から平成 22 年までの推移をみると、本市の人口は平成 12 年以降に減
少傾向(実際は平成 13 年をピークに減少)にある一方、世帯数は昭和 50 年以降増加傾向にあり
ます。
総人口が減少するなか、年少人口(15 歳未満)
、生産年齢人口(15 歳以上 64 歳以下)が減少し、
老年人口(65 歳以上)が増加する少子高齢化が進行しています。
国勢調査における人口・世帯数の推移
年齢 3 階層別人口割合
資料:国勢調査
16
2)人口集中地区の変遷
人口集中地区の人口、面積は増加傾向にある一方で、人口密度は減少傾向にあります。
特に御町駅、笹木野駅、福島駅~南福島駅間周辺において、人口集中地区が段階的に拡大してき
ており、平成 22 年では、笹谷地区、飯坂南部地区において、土地区画整理事業の実施に伴い人口
集中地区が拡大しています。
人口密度の推移
昭和60年
総人口(人)
人口(人)
市街化
区域
人口
集中地区
面積(k㎡)
平成2年
平成7年
平成12年
平成17年
平成22年
278,229
284,768
292,696
297,894
297,357
292,590
202,313
198,396
204,511
207,903
220,399
219,589
44.85
46.56
48.34
48.34
50.30
50.30
人口密度(人/k㎡)
4,510.9
4,261.1
4,230.7
4,300.8
4,381.7
4,365.6
人口(人)
148,370
164,413
179,744
182,966
186,332
187,906
面積(k㎡)
人口密度(人/k㎡)
28.60
34.00
37.70
38.40
39.24
39.81
5,187.8
4,835.7
4,774.1
4,764.7
4,748.5
4,720.1
資料:国勢調査
資料:国土数値情報
人口集中地区変遷図
17
3)将来人口推計
今後 30 年間で 2 割強(約 6 万 6 千人)の厳しい人口減少が見込まれています(対平成 20 年)
。
老年人口(65 歳以上)は総人口の約 4 割を占めることが見込まれています。
福島市の将来人口推計
実績
2010年
平成22年
推計
2040年
平成52年
総人口(人)
292,590
226,623
年少人口(人)
40,233
21,611
(0~14歳)
13.8%
9.5%
182,877
114,858
生産年齢人口(人)
(15~64歳)
62.5%
50.7%
老年人口(人)
69,479
90,154
(65歳以上)
23.7%
39.8%
人口ビジョンでは
2040 までを展望
資料:国ワークシートによる将来人口推計(国立社会保障・人口問題研究所推計手法に準拠し行った推計)
福島市の将来人口推計(年齢 3 階層別人口)
資料:国ワークシートによる将来人口推計(国立社会保障・人口問題研究所推計手法に準拠し行った推計)
18
人口メッシュで見る比較(総人口)
2010 年(平成 22 年)
40 人/ha 以上の人口集積の高い
メッシュ ※ は概ね市街化区域に
飯坂
含まれています。
将来的には市全域で減少する推
北信
計ですが、特に飯坂地区の減少
信陵
が大きくなりそうです。
清水
※
東部
吾妻
吉井田
西
信夫
同じ面積のマス目を単位とした集計
区分
(本計画では 100m 四方の地域メ
ッシュを使用)
渡利
杉妻
30 年後
蓬
2040 年(平成 52 年)
土湯温泉町
松川
飯坂
北信
信陵
清水
東部
吾妻
吉井田
西
2010年(平成22年)
人口(人)
292,590
2040年(平成52年)
推計人口(人)
226,623
増減
(2040-2010年)
-65,967
増減率
-22.5%
信夫
渡利
杉妻
蓬
土湯温泉町
松川
19
人口メッシュで見る比較(年少人口[0~14 歳])
2010 年(平成 22 年)
将来的には多くのエリアで年少
人口が減少し、少子化社会とな
飯坂
ることが見込まれます。
北信
信陵
清水
東部
吾妻
吉井田
西
信夫
渡利
杉妻
蓬
30 年後
2040 年(平成 52 年)
土湯温泉町
松川
飯坂
北信
信陵
清水
東部
吾妻
吉井田
西
2010年(平成22年)
年少人口(人)
40,233
2040年(平成52年)
推計年少人口(人)
21,611
増減
(2040-2010年)
-18,622
増減率
-46.3%
信夫
渡利
杉妻
蓬
土湯温泉町
松川
20
人口メッシュで見る比較(老年人口[65 歳以上])
2010 年(平成 22 年)
ほとんどの地域で老年人口の増
加が予測されています。
飯坂
中心市街地などの旧市街地で老
年人口が増加するほか、郊外部
の住宅団地などでも老年人口の
北信
信陵
増加が予測されるなど、高齢化
の進行が見込まれます。
清水
東部
吾妻
吉井田
西
信夫
渡利
杉妻
30 年後
蓬
2040 年(平成 52 年)
土湯温泉町
松川
飯坂
北信
信陵
清水
東部
吾妻
吉井田
2010年(平成22年)
老年人口(人)
69,479
2040年(平成52年)
推計老年人口(人)
90,154
増減
(2040-2010年)
20,675
増減率
29.8%
西
信夫
渡利
杉妻
蓬
土湯温泉町
松川
21
(2)地域公共交通
1)鉄道
①JR
JRにおける平成 12 年から平成 26 年までの乗車人員(一日平均)の推移をみると、福島駅は
震災のあった平成 23 年以降増加傾向にあり、その他の駅は横ばいで推移しています。
駅別一日平均乗車人員の推移
東日本大震災発生
※笹木野駅、庭坂駅は無人駅のため乗車人員は公表されていない
資料:東日本旅客鉄道株式会社
22
② 阿武隈急行線
阿武隈急行線における平成 12 年から平成 26 年までの乗車人員の推移をみると、東日本大震災
で被災した平成 23 年に大きく減少しましたが、その後は各駅ともに増加傾向にあります。
駅別乗車人員数の推移
東日本大震災発生
資料:阿武隈急行株式会社
23
③ 福島交通飯坂線
福島交通飯坂線における平成 12 年から平成 26 年までの乗車人員の推移をみると、平成 12 年以
降減少傾向にある中、平成 25 年からやや増加傾向に転じています。
乗車人員の推移
資料:福島交通株式会社
2)福島交通バス
福島市内における福島交通バスの平成 12 年度から平成 26 年度までの乗車人員の推移をみると、
平成 12 年度以降減少傾向で推移しており、平成 23 年度に一度は増加に転じましたが、それ以降
は横ばいで推移しています。
乗車人員の推移
資料:福島交通株式会社
24
3)公共交通の徒歩圏エリア
本市における公共交通路線(鉄道・バス)における充足状況を徒歩圏(鉄道駅から半径 800m、バ
ス停から半径 300m)で確認すると、市街化区域内は概ね網羅しています。
一方、サービス水準の高い路線(日 30 本以上の運行頻度)に限定すると、バスは中心市街地の循
環バスルートや国道などの主要ルート、鉄道駅は福島駅のほか、「福島交通飯坂線」
「阿武隈急行
線」に限定されます。
公共交通路線(鉄道・バス)の徒歩圏域
サービス水準の高い公共交通路線(鉄道・
バス)の徒歩圏域
25
4)交通手段の利用状況
平成 22 年に実施された福島都市圏パーソントリップ調査結果によると、本市においては、約 72%
が自動車に依存している状況になっています。
福島都市圏の周辺市町村と比較して、自動車の分担率が低くなっている一方で、自転車や徒歩な
どの割合が高くなっています。
代表交通手段分担率
その他:飛行機、車いす等
資料:福島都市圏 PT データに基づいた「第 3 回福島都市圏都市交通推進協議会資料」
26
(3)日常生活サービス徒歩圏
1)医療施設
医療施設を徒歩圏内(半径 800m)で利用できる範囲は概ね市街化区域内を網羅していますが、部
分的には福島大学が立地するJR金谷川駅周辺、しのぶ台団地、南向台ハイタウンなどの飛び市
街地や市街化区域外縁部などで徒歩圏外になる場所が見受けられます。
飯坂
医療施設は病院・診療所で内
科または外科を有する施設
を対象
北信
信陵
東部
清水
吾妻
吉井田
西
信夫
渡利
杉妻
南向台ハイタウン
蓬
しのぶ台団地
金谷川駅周辺
土湯温泉町
松川
医療施設徒歩圏カバー圏域図
27
徒歩圏の人口カバー率は81%、徒歩圏内の平均人口密度は22人/ha であり、本市と同規模の
30 万人都市の平均と比較して高い水準となっています。
福島市
全国平均
政令市
概ね50万人
概ね30万人
81%
85%
91%
86%
76%
福島市
全国平均
政令市
概ね50万人
概ね30万人
利用圏平均人口密度
22人/ha
39 人/ha
37 人/ha
24 人/ha
20 人/ha
【備考】徒歩圏は半径 800m として設定。医療施設は病院・診療所で内科または外科を有する施設を対象。
徒歩圏人口カバー
率
医療施設徒歩圏カバー圏域とメッシュ人口密度分布図
28
2)福祉施設
福祉施設を徒歩圏内(半径 800m)で利用できる範囲は概ね市街化区域内を網羅していますが、福
島大学が立地するJR金谷川駅周辺やJR松川駅周辺、福島交通飯坂線医王寺前駅周辺、東部地
区など、飛び市街地において徒歩圏外になる場所が見受けられます。
飯坂
福祉施設は通所系、訪問系、
小規模多機能施設を対象
東部地区
医王寺前駅周辺
北信
信陵
東部
清水
吾妻
吉井田
西
信夫
渡利
杉妻
蓬
金谷川駅周辺
松川駅周辺
土湯温泉町
松川
福祉施設徒歩圏カバー圏域図
29
徒歩圏の人口カバー率は82%、徒歩圏内の平均人口密度は18人/ha であり、本市と同規模の
30 万人都市の平均と比較して、徒歩圏の人口カバー率は高い水準となっていますが、利用圏平均
人口密度は同程度となっています。
福島市
全国平均
政令市
概ね50万人
概ね30万人
82%
79%
90%
85%
73%
福島市
全国平均
政令市
概ね50万人
概ね30万人
利用圏平均人口密度
18人/ha
38 人/ha
35 人/ha
22 人/ha
19 人/ha
【備考】徒歩圏は半径 800m として設定。福祉施設は通所系、訪問系、小規模多機能施設を対象。
徒歩圏人口カバー率
福祉施設徒歩圏カバー圏域とメッシュ人口密度分布図
30
3)商業施設
商業施設を徒歩圏内(半径 800m)で利用できる範囲は、概ね市街化区域内を網羅していますが、
福島大学が立地するJR金谷川駅周辺やJR松川駅周辺、あさひ台団地、桜台団地、南向台ハイ
タウン、しのぶ台団地などの飛び市街地において徒歩圏外になる場所が見受けられます。
商業施設は大店立地法の届出店
舗のうち 1,500 ㎡以上の店舗面
積を対象
飯坂
(※スーパーのみ面積制限なし)
北信
信陵
東部
清水
吾妻
吉井田
西
信夫
渡利
杉妻
南向台ハイタウン
あさひ台団地、桜台団地
蓬
しのぶ台団地
金谷川駅周辺
松川駅周辺
土湯温泉町
松川
商業施設徒歩圏カバー圏域図
31
徒歩圏の人口カバー率は70%、徒歩圏内の平均人口密度は29人/ha であり、本市と同規模の
30 万人都市の平均と比較して、徒歩圏の人口カバー率、利用圏平均人口密度ともに高くなってい
ます。
福島市
全国平均
政令市
概ね50万人
概ね30万人
70%
75%
82%
75%
65%
福島市
全国平均
政令市
概ね50万人
概ね30万人
利用圏平均人口密度
29人/ha
42 人/ha
43 人/ha
29 人/ha
24 人/ha
【備考】徒歩圏は半径800mとして設定。商業施設は大店立地法の届出店舗のうち1,500㎡以上の店舗面積を対象。
(※スーパーのみ面積制限なし)
徒歩圏人口カバー率
商業施設徒歩圏カバー圏域とメッシュ人口密度分布図
32
4)保育所
保育所を徒歩圏内(半径 800m)で利用できる範囲は概ね市街化区域内を網羅していますが、福島
大学が立地するJR金谷川駅周辺や松川地区、南向台ハイタウン、しのぶ台団地などの飛び市街
地において徒歩圏外になる場所が見受けられます。
飯坂
北信
信陵
東部
清水
吾妻
吉井田
西
信夫
渡利
杉妻
南向台ハイタウン
蓬
しのぶ台団地
金谷川駅周辺
土湯温泉町
松川
松川地区
保育所の徒歩圏カバー圏域図
33
保育所の徒歩圏 0~5 歳人口カバー率は 78%であり、本市と同規模の 30 万人都市と比較して非常に
高くなっています。
福島市
保育所の徒歩圏0~5
歳人口カバー率
78%
【備考】徒歩圏は半径 800m として設定。
全国平均
74%
政令市
80%
概ね50万人
76%
保育所徒歩圏カバー圏域とメッシュ 0~5 歳人口分布図
34
概ね30万人
66%
(4)財政
本市の自主財源のうち、市税が約 7 割を占めていますが、自主財源の決算額は減少しています。
高齢化の進展などの影響により民生費が増加傾向にある一方、新たな公共投資や維持管理費用な
どの土木費は横ばいの状況です。
一般会計決算額(財源別)の推移
平成25年度
金額
構成比
科 目
市
自
主
財
源
税
36,856,164
23.3%
分
担
金
及
び
負
担
金
1,237,202
0.8%
使
財
用
料 及
産
び
手
収
数
料
入
1,757,804
297,308
1.1%
0.2%
寄
附
金
36,660
0.0%
繰
入
金
1,357,432
0.9%
繰
諸
越
収
金
入
6,186,879
4,125,242
3.9%
2.6%
計
地
利
方
子
割
配
当
割
32.8%
交
税
金
1,019,791
88,248
0.6%
0.1%
交
付
金
115,532
0.1%
株 式 等 譲 渡 所 得 割 交 付 金
156,381
0.1%
地 方 消 費 税 交 付 金
ゴ ル フ 場 利 用 税 交 付 金
2,824,929
11,975
1.8%
0.0%
金
280,043
0.2%
国有提供施設等所在市町村助成交付金
2,218
0.0%
130,177
18,124,077
0.1%
11.5%
自
依
存
財
源
51,854,691
与
付
譲
地
地
動
車
方
取
特
方
得
例
交
税
交
交
付
付
付
金
税
交 通 安 全 対 策 特 別 交 付 金
国
県
庫
支
支
出
出
59,635
0.0%
金
金
14,532,179
61,471,832
9.2%
38.8%
寄
附
金
254,256
0.2%
諸
収
入
51,175
0.0%
債
7,262,710
106,385,158
4.6%
67.2%
額
158,239,849
100.0%
市
計
総
自主財源の約 7 割が市税
民生費と土木費の推移
資料:福島市統計書(平成 24 年版)
、福島市各会計歳入歳出決算及び基金運用状況審査意見書
35
2.課題の整理とまちづくりの方向性
(1)課題の整理
【人口】
人口減少が続くことで、さらなる市街地の低密度化の進行が懸念されます。
【地域公共交通】
人口減少によって公共交通の衰退(維持困難)が進展し、公共交通の利便性の低下が懸念さ
れます。
高齢化の進展によって、今後、車を運転しない交通弱者が増加することで、買い物や通院、
公共施設利用などの活動機会が減少する市民等が増加することが懸念されます。
【地域生活サービス】
人口減少によって各種生活サービス機能の衰退(維持困難)が進展し、身近な生活サービス
を受けられない居住地の増加が懸念されます。
【財政】
年々自主財源比率が減少しており、今後の人口減少などによる税収減により、更に自主財源
の確保が困難になる恐れがあります。
高齢化の進展による民生費の増加により、新たな公共投資や維持管理費用の捻出が困難にな
る恐れがあります。
一定の人口密度を確保するためには、生活利便性の高い居住環境の創出が必要です。
日常生活サービス機能及び公共交通を維持するためには、利用圏の人口密度を維持・確
保することが必要です。
都市構造と一体となった公共交通の構築による利用促進、利便性の向上が必要です。
厳しい財政状況の中、新たな公共投資は難しいため、既存施設の有効活用が必要です。
(2)課題解決に向けたまちづくりの方向性
人口減少社会へ移行し、少子・高齢化が進行する中においては、住宅や集客施設などの開発・建築
活動の無秩序な拡散による中心部の活力低下、市街地などでの空き地・空き家の増大による住環境の
悪化、新たな公共基盤整備などによる公共投資の非効率化などを抑制し、持続可能な都市経営の実現
を図ることが大切です。
今後は、都市機能の既存ストックを最大限に生かしつつ、利便性の高い交通体系が確保されたコン
パクトなまちづくりを進めながら、公共交通沿線を中心として居住を集約し人口密度を確保すること
で、一定の人口密度に支えられている都市機能などの生活サービスを持続的に受けられるようにする
ことが重要です。
36
上位・関連計画による今後のまちづくりの考え方
【福島市総合計画後期基本計画】
生活環境を重視したコンパクトで効率的なまちづくり
市域に広がる各地域の特徴や個性を守り発展させ、それらを相互に結ぶことにより、市域
全体の活力あるまちづくりに向けた土地利用の促進
【県北都市計画区域マスタープラン】
地域の特性や実状等に対応したコンパクトな都市づくり
自動車への過度な依存を改め、
「ひと」を重視した生活環境の形成を進めていくため、
「ひ
と」と「くるま」とともに、様々な活動の場となる「まち」を一体的に捉えながら、
「ひと」
と「まち」と「くるま」が共生する都市づくり
【福島市都市マスタープラン】
コンパクトシティ・プラス・ネットワークのまちづくり
【福島市地域公共交通網形成計画】
まちづくりと一体になった持続可能な公共交通の実現
都市構造上の課題
一定の人口密度を確保された生活利便性の高い居住環境の創出
日常生活サービス機能及び公共交通の利用圏の人口密度を維持・確保
都市構造と一体となった公共交通の構築による利用促進、利便性の向上
既存施設の有効活用
【福島市が目指すまちづくりの方向性】
利便性の高いコンパクトな拠点市街地の形成
各地域の均衡ある発展に向けたネットワーク型の都市構造の形成
【課題解決に向けた方向性】
利便性の高い公共交通沿線に居住や都市機能をつなぐ
つながる
人⇔公共交通、人⇔都市機能
人⇔人、拠点⇔拠点
アクセス性UP
つどう
つかう
人口の低密度化を抑制
コミュニティの維持
まちの活性化
にぎわいUP
高齢者や子育て世代でも
各施設を利用しやすくなる
利便性UP
展開イメージ
37
第Ⅳ章 基本方針
1.基本理念
福島市都市マスタープランでは、市民ニーズに対応し子どもから高齢者まで、全ての市民が幸せに生活
できる環境をつくり、現在も未来もふくしまに住んで良かったと「誇れるような」にぎわいのある元気な
まちづくりを進めていくことや、希望ある復興を牽引し、未来へ向け持続的に発展・成長していくために
は効率的・効果的な都市経営を図り、
「県都ふくしま」の魅力強化を一層推進していくことが重要である
ことから、総合計画・後期基本計画における基本理念を踏まえ、「みんなが誇れる県都ふくしまの創造」
を都市づくりの基本理念に設定しています。
また、将来の都市構造のあり方に関する基本的な考え方として、
「拠点地区等への居住や都市の生活を
支える機能の適切な誘導と充実を図り、歩いて暮らせる範囲の中に高齢者や子育て世代も含めた住民等
の賑わいや安心を支援する機能が確保され、各地域の人口密度の維持や活力の増進を図るようなコンパ
クトなまちづくり」を進めることや、
「各地域が相互利用しやすいネットワーク環境の充実など、コンパ
クトシティ・プラス・ネットワークのまちづくり」を進めることとしています。
これらの考え方は、立地適正化計画が目指す「コンパクト・プラス・ネットワーク」のまちづくりの概
念に合致するものであるため、本計画では福島市都市マスタープランの基本理念、将来都市像を継承す
るものとします。
基本理念
みんなが誇れる県都ふくしまの創造
2.将来都市像
① 安全で安心して住み続けられる都市
計画的・効率的な除染による原子力災害からの復興、地震や火山活動などの大規模な自然災害への
防災対策を進めるとともに、高齢者や子供たち、子育て層が暮らしやすい環境づくりを進めるなど、
誰もが快適で安全・安心に住み続けられる都市を目指します。
② 豊かな自然や歴史・文化などを生かし、地域の個性や活力を育む、市民が誇れる都市
吾妻連峰・阿武隈山系、阿武隈川・荒川・摺上川・松川などの豊かな自然や、果樹園、温泉地、歴
史文化、景観などを資源として大切に生かしながら魅力の向上を図るとともに、身近な生活環境にお
ける個性や地域内外の交流やコミュニティなど、市民による多様な活動などが都市の活力源となって
いるため、これらを育み市民が誇りと愛着をもてる都市づくりを目指します。
③ 県都として人々が集い、にぎわい、交流する都市
商業・業務・行政・学術・文化など都市機能の集積を生かし、県都として高次都市機能の充実を図
り、国際・広域的な情報発信や交流の活性化を図るとともに、若者などにも生きがいを感じられる産
業・雇用環境の強化を図るなど、にぎわいあふれる都市づくりを目指します。
38
3.都市づくりの基本方針
本計画における都市づくりの基本方針についても、基本理念、将来都市像と同様、福島市都市マスター
プランで掲げる基本方針を継承するものとしますが、立地適正化計画を策定することで「コンパクトシ
ティ・プラス・ネットワーク」のまちづくりを一層推進するための内容を一部追加するものとします。
① コンパクトな市街地と豊かな自然・田園が調和した都市づくり
既存の人口・都市機能・基盤集積を生かした効率的な都市経営を進めるため、従来の拡大・拡散
型の都市づくりを転換し、生活環境を重視した持続可能な集約型の市街地誘導・形成と中心部や
地域生活拠点などが連携するコンパクトシティ・プラス・ネットワークのまちづくりを目指しま
す。
また、市街地内の生活環境の向上や各地域の市民生活を支える地域生活拠点の強化を図るととも
に、周辺部における農業生産環境の整備、豊かな自然の保全、既存集落の維持・活性化を図り、
市街地と周辺の自然・田園が調和した都市づくりを目指します。
② 県都福島の発展を先導する中心市街地や産業拠点の活力ある都市づくり
中心市街地においては、県都にふさわしい商業・業務・医療・介護福祉・コンベンション・教育
文化・交流・情報発信・まちなか居住などの都市機能の集積強化を図り、福島駅を中心とした賑
わいと回遊性あふれる中心拠点の形成を目指します。
また、地域産業や学術機関などとの連携を図り、医療・工業・流通・研究・業務などの産業拠点
の形成や、農商工が観光・レクリエーションと連携した拠点形成を図るなど、雇用基盤の強化と
産業振興を目指します。
③ 集い・にぎわい・交流を活性化する拠点連携型の都市づくり
各地域の自然・農業・歴史文化・景観・観光などの資源を最大限に生かしながら、憩いや生涯学
習などの場として日常的に利用しやすい環境づくりを図り、地域内コミュニティの育成や観光交
流人口の拡大を目指します。
また、都市の骨格となり、かつ各拠点間や他都市との連携を図る都市軸となる道路網を整備し、
人やモノ、車、情報などの移動を活性化させるとともに、公共交通サービスの維持・向上により
子どもや高齢者なども移動・活動しやすい環境づくりを進めることにより、集い・にぎわい・交
流のある都市づくりを目指します。
さらには、中心拠点や地域生活拠点などにおいて、歩きたくなる環境や自転車利用環境の充実を
図り、健康でいつまでも元気に暮らせるまちづくりや回遊・滞留性を高める都市づくりを目指し
ます。
④ 歴史・文化を大切にする都市づくり
多様な地域の風土や生活の中で本市が培ってきた多彩な歴史・文化を保存しながら、生涯学習や
交流などの場として活用促進を図り、個性的でうるおいのある都市づくりを目指します。
39
⑤ 安全で安心な人にやさしい都市づくり
自然災害などへの予防対策や地域の避難体制の強化、公共施設などの耐震化・老朽化対策など減
災まちづくりを進めるとともに、交通事故・犯罪などから高齢者を始めとするすべての市民の生
命と財産を守る都市づくりを目指します。
特に、放射能対策や地震災害からの復興、広域避難者への支援、復興を先導する拠点整備など、
希望ある復興を目指します。
また、高齢者向け住宅、医療・保健・福祉サービス、ユニバーサルデザインの視点に立ったバリ
アフリー化など環境の充実や、子育て支援環境の充実など、健康で快適に生活できる安全で安心
な人にやさしい都市づくりを目指します。
将来にわたり一定以上のサービス水準を確保した公共交通を維持する居住エリアを設定し、利便
性の高い中心市街地にネットワークさせることで、車を運転しない方々についても、買い物や通
院、公共施設利用などの都市機能サービスが享受しやすい都市づくりを目指します。
(追加)
⑥ 美しい景観を育む都市づくり
吾妻連峰・阿武隈山系の山並みや信夫山・阿武隈川・荒川・摺上川・松川などの美しい自然景観
や眺望景観の保全を図り、周辺の自然に映える美しい都市づくりを目指します。
また、各地域に点在する花の名所、歴史的資源、温泉郷、商店街、公共施設などを生かしながら、
街並みデザインの誘導などにより、個性的で魅力的な都市景観の形成を目指します。
⑦ 環境にやさしい都市づくり
吾妻連峰や阿武隈川・荒川・摺上川・松川などの豊かな自然に囲まれた都市として、水・空気・
土・緑などかけがえのない自然環境・地球環境と共存する、環境にやさしい都市づくりを目指し
ます。
地球温暖化防止と環境負荷の軽減のため、緑の保全・創出、コンパクトなまちづくり、公共交通
利用促進とともに、再生可能エネルギーの導入や資源循環など、環境負荷の少ない低炭素まちづ
くりの推進を目指します。
⑧ 市民参加・協働による都市づくり
多様な市民ニーズを踏まえた住みやすい都市の実現を図り、まちづくりの計画づくりやその実現
に際して、市民参加を得ながら、創造性豊かな都市づくりを目指します。
特に、市民・企業等の創意工夫を生かしたハード・ソフト両面からの取組みの活性化を図り、市
民ニーズを踏まえた市民満足度の高い協働まちづくりの推進を目指します。
40
4.目指すべき都市構造イメージ
都市マスタープランで位置づけられている中心拠点、地域生活拠点と地域公共交通網形成計画で検討
されている交通軸をもとに、本市の目指すべき都市構造を以下のように設定します。
拠点の配置
中心拠点:中心市街地
高次都市機能、各種生活サービス機能の充実、まちなか居住を促進する。
地域生活拠点:幹線軸上にある各地域の支所を中心としたエリア
将来的にも戦略的・重点的に高頻度サービスを維持していく基幹軸上にある各支所を中心に、地
域特性に応じた生活利便施設など地域の日常生活を支える機能を維持する。
地域生活拠点:幹線軸上にない各地域の支所を中心としたエリア
各地域の支所を中心とした主な公共公益施設が集約するエリアに、それぞれの機能が発揮できる
よう、地域資源を生かした魅力ある環境を形成する。
交通軸の設定
幹線軸
中心拠点を中心として、各地域生活拠点や交通結節点などを結び、将来にわたり一定以上のサー
ビス水準を確保していくとともに、戦略的・重点的な利用促進を図っていく。
準幹線軸(路線バス)
既に一定の人口が分布しており、現在のサービスを維持していく。
地域生活路線(路線バス、市内循環バス)
幹線軸、準幹線軸のほか、概ね片道 30 本/日以上のサービス水準を有するバス停についても、将
来にわたり一定以上のサービス水準を維持していく。
広域交通軸(鉄道)
隣接自治体や市内生活拠点と市中心部を結ぶ広域移動を確保する、通院、買い物、通学、まちな
かへのお出かけなど、市民の日常生活に欠かせない路線として維持していく。
支線軸(路線バス等)
地域内の移動(主に日常生活)を支えるとともに、幹線軸、準幹線軸、地域生活路線、広域交通
軸に接続することで域外の移動を支える路線として維持していく。
また、将来的にバス路線の維持が困難なエリアについては、地域の実情・特性を踏まえ、乗合タ
クシーなどの交通手段の確保についての制度・仕組みを構築する。
41
目指すべき都市構造イメージ
42
第Ⅴ章 立地適正化計画で設定する区域及び誘導施設
1.都市機能区域の設定
(1)本市における都市機能区域設定の基本的な考え方
原則として、本市においては都市マスタープランで位置づけられた中心拠点、地域生活拠点を基本
とした設定が考えられます。
なお、都市機能区域の設定は、都市機能区域外の日常生活を低下させるものではなく、今後、人口
減少が進展しても、郊外部を含む広域的な地域生活圏の暮らしを守るために、周辺からの公共交通に
よるアクセスの利便性が高いエリアに日常生活などに必要となるサービス施設を維持・誘導すること
で区域内外の暮らしやすさを確保するものです。
本市の市街化区域内については概ね日常生活サービス施設(医療、商業等)を享受できるエリアと
なっています。
このため、例えば、都市マスタープランに位置づけられた各地区の地域生活拠点に都市機能区域を
設定した場合、その中に誘導施設を設定し誘導することによって、身近な場所での利便性が現状より
低下することも懸念されます。
このようなことを踏まえ、本市では都市機能のうち、日常生活の圏域を超えた広域地域を対象とす
る多くの人々を対象にした質の高いサービスを提供する高次都市機能を誘導施設として設定するもの
として、都市機能区域の設定にあたっては、以下の条件を満たすエリアに設定します。
[都市機能区域の設定条件]
福島市都市マスタープランで位置づけられている中心拠点、地域生活拠点
公共交通でのアクセス性が高い区域
高次都市機能が一定程度充実している区域
43
(2)都市機能区域の設定条件による整理
1)公共交通により容易にアクセスが可能な拠点
地域公共交通網形成計画に位置づけられた幹線軸上に位置し、公共交通により容易にアクセスが
可能な拠点を整理すると、中心拠点のほか、地域生活拠点 5 拠点(「渡利地区」
「杉妻地区」
「蓬 地
区」「清水地区」
「飯坂方部」)が該当します。
公共交通により容易にアクセスが可能な拠点の整理
都市マス
地域区分
幹線軸上に位置し、公
共交通により容易にア
クセスが可能な拠点
拠点の概ねの位置
中心拠点
中心市街地
〇
渡利地区
渡利支所周辺
〇
杉妻地区
杉妻支所周辺地区、南福島駅周辺地区
〇
蓬
蓬 支所、蓬
区センター
〇
地区
学習センター、商業業務施設、公園等が集積する地
備考
清水地区
泉駅、岩代清水駅周辺
〇
東部地区
東部支所やもちずり学習センターの周辺
×
北信地区
北信支所や東北本線東福島駅及び阿武隈急行線卸町駅・福島学院
前駅・瀬ノ上駅周辺地域
×
北信支所は市街化調整区域に立地
吉井田支所・吉井田学習センター・国体記念体育館周辺
×
吉井田支所等は市街化調整区域に立地
西支所や西学習センター周辺
×
西支所は市街化調整区域に立地
信陵地区
信陵支所・信陵学習センター周辺
×
信陵支所・信陵学習センターは市街化調
整区域に立地
飯坂方部
飯坂温泉駅や飯坂支所を含む地域
〇
松川駅周辺地区
×
松川支所周辺地区
×
松川支所は市街化調整区域に立地
信夫支所周辺
×
南福島駅も地区の地域生活拠点の位置
づけがあるが、杉妻地区と重複するため、
杉妻地区で整理
庭坂駅周辺地区
×
笹木野駅周辺地区
×
吉井田地区
西地区
松川地区
信夫地区
吾妻地区
※網掛け地域は幹線軸上に位置しない拠点
※南福島駅周辺地区は福島市都市マスタープランにおいて、信夫地区の地域生活拠点にも位置づけ
られているが、南福島駅が杉妻地区管内にあるため、ここでは杉妻地区で整理する。
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2)高次都市機能が一定程度充実している区域
高次都市機能は、都市機能のうち日常生活の圏域を超えた多くの人々を対象にした、質の高いサー
ビスを提供する機能と捉え、以下の考え方で、中心拠点、地域生活拠点における高次都市機能施設の
集積状況を整理します。
種別
考え方
文化機能
文化サービスの拠点となる機能(文化ホール、図書館、美術館等)
教育機能
教育サービスの拠点となる機能(大学等)
医療機能
総合的な医療サービス(二次医療)を受けることができる機能(総合病院等)
商業機能
様々なニーズに対応した買い物、食事を提供する機能(百貨店等)
行政機能
中枢的な行政機能(本庁舎等)
※福祉施設、子育て支援施設については、居住者の生活を支える重要な機能ですが、高次都市機能と
しての整理は行いません。
各拠点における高次都市機能の立地状況の整理
都市マス
地域区分
中心拠点、地域生活拠点の
概ねの位置
各拠点の中心施
設対する市街化
区域内外の判定
地域生活拠点の徒歩圏に立地する高次都市機能施設
文化施設
教育施設
県立美術館、県立図
書館、市民会館、市
福島学院大学(まち
立図書館、市公会
なかキャンパス)、
堂、福島テルサ、福
桜の聖母短期大学、
島体育館、A・O・Z、
こむこむ館
音楽堂、古関裕而記
念館 他
医療施設
商業施設
行政施設
大原綜合病院
福島赤十字病院
MAXふくしま、新福島
駅ビル、中合、AXC、
イトーヨーカドー
福島市役所
福島県庁
福島合同庁舎 他
中心拠点
中心市街地
〇
渡利地区
渡利支所周辺
〇
-
福島総合衛生学院
-
-
福島県総合社会福祉
センター
杉妻地区
杉妻支所周辺 地区 、南 福島 駅周
辺地区
〇
-
-
-
-
-
蓬
蓬 支所、蓬 学 習セ ンタ ー、
商業業務施設 、公 園等 が集 積す
る地区センター
〇
-
県立医科大学
県立医科大付属病院
-
-
清水地区
泉駅、岩代清水駅周辺
〇
-
-
-
-
-
東部地区
東部支所やもちずり学習セン
ターの周辺
〇
福島市東部体育館
-
-
-
-
北信地区
北信支所や東 北本 線東 福島 駅及
び阿武隈急行 線卸 町駅 ・福 島学
院前駅・瀬ノ上駅周辺地域
×
-
福島学院大学
-
-
-
吉井田地区
吉井田支所・吉井田学習セン
ター・国体記念体育館周辺
×
国体記念体育館
-
-
-
-
西支所や西学習センター周辺
×
-
-
南東北福島病院
-
-
信陵地区
信陵支所・信 陵学 習セ ンタ ー周
辺
×
-
-
-
-
-
飯坂方部
飯坂温泉駅や 飯坂 支所 を含 む地
域
〇
パルセいいざか
-
-
-
飯坂消防署
松川支所周辺地区
×
-
-
-
-
-
松川駅周辺地区
〇
-
-
-
-
-
信夫地区
信夫支所周辺、南福島周辺
〇
-
-
-
-
-
吾妻地区
庭坂駅周辺地 区、 笹木 野駅 周辺
地区
〇
-
-
-
-
-
地区
西地区
松川地区
※網掛け地域は拠点の中心施設(支所等)が市街化区域外にある拠点
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東部地区
飯坂方部
渡利地区
中心拠点
※ 中心拠点は中心市街地活性化区域を基本としたエリア内の高次都
市機能施設を抽出
※ 中心拠点以外は、地区の中心施設である市役所支所の最寄り駅また
は最寄りバス停から半径 800m 圏域内の高次都市機能施設を抽出
※中心市街地活性化区域を基本とした区域:
福島市中心市街地活性化基本計画(第 2 期)の区域に県立美術館、
県立図書館が立地する区域を含めた区域
高次都市機能施設の立地状況
46
蓬
地区
幹線軸上にある拠点
47
(3)本市における都市機能区域の設定
(2)の整理を踏まえると、高次都市機能が一定程度充実している区域は、福島の中心都市として
行政、商業、業務、医療、文化などの多様な高次都市機能を有し、鉄道やバスなど各地域からの路線
が集中する交通ターミナルである福島駅を有する中心拠点(中心市街地)が該当します。
このため、本市では中心市街地を基本とした以下の区域を都市機能区域として設定することとしま
す。なお、その他の都市機能区域については、福島市都市マスタープランの地域生活拠点を基本とし
て今後検討を行います。
美術館図書館前駅
曽根田駅
福島駅
福島市の都市機能区域
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2.都市機能誘導施設の設定
(1)都市機能誘導施設とは
都市機能誘導施設は、都市再生特別措置法において「医療施設、福祉施設、商業施設その他の都市
の居住者の共同の福祉又は利便のため必要な施設であって、都市機能の増進に著しく寄与するもの」
とされています。
また、都市計画運用指針では、居住者の共同の福祉や利便性を図るという観点から、以下のような
施設が示されています。
病院・診療所等の医療施設、老人デイサービスセンター等の社会福祉施設、小規模多機能型居
宅介護事業所、地域包括支援センターその他の高齢化の中で必要性の高まる施設
子育て世代にとって居住場所を決める際の重要な要素となる幼稚園や保育所等の子育て支援
施設、小学校等の教育施設
集客力がありまちの賑わいを生み出す図書館、博物館等の文化施設や、スーパーマーケット
等の商業施設
行政サービスの窓口機能を有する市役所支所等の行政施設 など
(2)都市機能誘導施設の設定
都市機能区域内に設定する都市機能誘導施設については、都市機能区域外に同じ機能を持つ施設
を整備するときは、市への届出が必要となります。
なお、市内に立地する小規模な日常生活サービス施設などを誘導施設に設定すると、今後、都市機
能区域外での立地が難しくなることで、逆に身近な場所での利便性が低下することも想定されます。
このため本市の誘導施設の設定は、福島県や県北地域の拠点として、また市内の各地域に立地す
る生活サービス施設との連携や補完を行う施設で、その立地や転出により、都市構造や公共交通の
維持などに大きく影響を及ぼす規模の大きな施設を誘導施設として、以下のように設定します。
なお、新たに都市機能区域の設定が行われた場合は、都市機能誘導施設について検討します。
都市機能区域内の既存施設で、今後も集積すべき施設
都市機能
医療施設
文化施設
誘導施設
面積規模等
医療法第4条の2に定める地域医療支援病院
延床面積:10,000 ㎡以上
地域における第一線の医療機関であるかかりつけ医・かか
りつけ歯科医師への支援などをとおし、地域医療の充実を
図る病院で、県知事の承認を受けた病院
ベッド数:200 床以上
図書館法第2条第1項に定める図書館
延床面積:6,000 ㎡以上
博物館法第2条第1項に定める美術館
地方自治法第244条に定める公の施設
商業施設
福島県商業まちづくりの推進に関する条例第2条
売場面積:6,000 ㎡以上
の6に定める小売商業施設
行政施設
地方自治法第4条第1項に定める施設
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延床面積:6,000 ㎡以上
都市機能区域内に新たに必要と思われる施設
都市機能
誘導施設
教育施設
学校教育法第1条に定める学校のうち、大学(短期
大学含む)
、同法第 124 条に定める専修学校
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面積規模等
延床面積:6,000 ㎡以上
第Ⅵ章 実現化方策
1.届出制度
1)都市機能区域外における都市機能誘導施設の建築行為又は開発行為の届出
都市機能区域外で都市機能誘導施設を有する建築物の開発行為又は建築行為を行なおうとする場
合には、市への届出が義務付けられます。
下記の開発行為又は建築行為が行われる土地の全部又は一部が都市機能区域外にある場合は届出
の対象となります。
イメージ図(誘導施設:地域医療支援病院の場合)
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