資料2-2 研究開発計画(案)に関するライフサイエンス委員会委員からの御意見(概要)について 第 82 回ライフサイエンス委員会の書面審議において、委員からいただいた御意見の概要は以 下のとおり。 【資料1 ライフサイエンス委員会部分について】 (中目標や、中目標達成のために重点的に推進すべき研究開発の取組について) ・ 「HFSP 採択後、ノーベル賞を受賞した研究者数(累積数)」について、このような価値の大き な賞を数値目標として取り上げるのであれば、ライフサイエンス分野で国際的に高く評価され るラスカー賞、ガードナー賞、ウルフ賞、日本賞など複数の賞を含めると、目標値として安定 すると思われる。あるいは、「ノーベル賞およびそれに準じる国際賞」という指標が、数値目 標としてはよいのではないか。 ・知的財産は事業化して初めて価値が出ることから、知的財産・標準化戦略については、 「事業 化を見据えた」特許と追記し、橋渡し研究支援拠点の戦略を明確にして支援することが今後の 研究開発により有効に機能すると考えられる。 ・世界最先端の医療の実現に向けた取組について、脳イメージングやゲノム編集を追記すべき。 また、ゲノム医療の実現に向けた取組について、遺伝カウンセリング体制の整備を記載すべき。 ・「ライフサイエンス分野における人材育成について」について、臨床研究エキスパートとしての 医師や、バイオインフォマティシャン、生命倫理の専門家、レギュラトリーサイエンスに精通し た人材の確保などを追記するとともに、橋渡し研究支援拠点等について、 「全国及び地域での ネットワークの構築」を追記すべき。 ・オープンサイエンスの推進について脳イメージング、バイオマーカー情報等も追記すべき。 ・オープンイノベーション(産学連携)の推進について、橋渡し支援拠点等を中心としたオープ ンイノベーションの推進のための取組の支援を記載するとともに、橋渡し研究支援拠点等につ いて、「バイオデザイン部門の強化による産学連携および法務専門家の確保」を記載すべき。 (中目標達成状況の評価のための指標について) ・ 「創薬支援の取組における化合物提供件数(累積)」について、治療薬として新規開発された 化合物の総数と、そのうち有用性が臨床的に実証された化合物の総数とした方が良い。 ・ 「革新的医療機器の実用化に資する成果の件数(累積)」について、 「革新的診断法」も追加 すべき。 ・「橋渡し研究支援拠点の支援により基礎研究の成果が薬事法に基づく医師主導治験の段階に 移行した数」について、企業への導出も追記すべき。 ・「iPS 細胞等幹細胞を用いた課題の臨床研究への移行(累積)」について、Proof of Concept 取 得数などの指標を追加すべき ・「発見された疾患関連遺伝子候補及び薬剤関連遺伝子候補数(累積)」について、病態モデ ル数や、ヒト生体データベースを活用して成果を上げた論文数、創薬開発の数を追加すべき。 ・ 「研究基盤として整備している実験動物・植物等の系統、保存数」について、脳イメージング、 ゲノム編集などに資する系統、保存数を追加すべき。 ・脳科学に関するアウトカム指標として、 『精神・神経疾患の診断・治療に関する企業や海外の アカデミアとの共同研究数』や、『難病の診断・治療に関する企業や海外のアカデミアとの共 同研究数』を追加してはどうか。 ・創薬研究は国内で薬事承認が得られても、外貨を稼がなければ真の国益にならないため、国 内の研究で得られた医薬品・医療機器の国際治験を推進し、海外での認可を得ることが必要。 このため、国際共同研究のアウトカム指標として、「国際共同治験を経て薬事承認が得られた 医薬品・医療機器の数」を追加すべき。 【資料2 その他委員会の関連部分について】 ・ 「医療・創薬に資する高度な解析や、病気の早期発見・治療等へつなげるための新たな情報 科学技術、また、ゲノム情報等を含む膨大な患者情報と治療記録を集約・解析するための技 術」について、既存の R&D と根本的に異なる新しい技術開発のメソッドなので、既存の評価 方法では評価できない可能性が高い。既に欧米は、評価方法についても検討を進めている気 配であり、これまでの単一の新規技術(薬とか機器とか)ではなく複数の技術を融合させた「シ ステム」として開発されると、現状の評価では追いつかず、結局のところ、現場に出せないで 研究のままで終わってしまうということも起こり得ると思われる。 逆に、あいまいな評価のまま、新しい技術として世に出てしまい、コストベネフィットバランス が良いのか悪いのかわからないまま、消費され続けるということも起こり得るため、評価する技 術の開発を並行して進めることが重要。 ・「健康医療問題に対応した新たな情報科学技術の研究開発」については、進まない理由とし て、制度的、組織的な要因が強いと思われますので、本研究開発がより有効となるためにも、 へこうしてルール作りや関係組織の連携などの社会環境的な整備を強く進めていただきたい。
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