はじめに (PDF形式, 88.58KB)

は じ め に
ここに平成 28 年版名古屋市環境白書を公表します。
この冊子は、市民の健康と安全を確保する環境の保全に関する条例第 11 条の規定に基づき、
平成 27 年度における環境の状況及び環境の保全に関して講じた施策を取りまとめ、報告するもの
です。
昨年 12 月、フランス・パリで開催された国連気候変動枠組条約第 21 回締約国会議(COP21)
において、京都議定書に代わる温室効果ガスの削減に向けた新たな国際的枠組みとして「パリ協定」
が採択されました。この協定では、世界の温室効果ガスの排出量を今世紀後半に実質ゼロにすると
いう目標に向けて、地球の未来を守るために世界が協力して取り組むことが約束されました。
本市では、2020 年までの地球温暖化対策についての手順をまとめた「低炭素都市なごや戦略実
行計画」に基づき、再生可能エネルギーの導入拡大や省エネルギーの推進といった取組みを進めて
まいりましたが、
「パリ協定」の採択により大きく動き始めた世界や国の動向を踏まえ、計画の改
定を進めていくこととしております。これまでの取組みをより一層進めるとともに、すでに起こり
つつある地球温暖化の影響に備えるための適応策や、環境にやさしいエネルギーとして期待されて
いる水素の利活用などにも取り組むことで、地球温暖化対策の充実を図ってまいります。
また、環境に関する問題は地球温暖化のみならず、ごみ問題のような身近なものから、生物多様
性の損失や大気汚染などといった地球規模のものまで多岐にわたっております。こうした環境問題
の多くは、私たちの日々の活動に起因しており、その解決のためには、一人ひとりが環境に対する
意識を高め、行動していくことが必要となります。
本市では、今後の環境学習の進め方を示すため、今年 3 月に「なごや環境学習プラン」を策定い
たしました。環境学習を通じて、今日の環境問題を自らの課題として捉え、分野や主体、世代を超
えて、その解決に向けて主体的に行動する人づくり・人の輪づくりを進めてまいります。
この冊子が皆さんに広く活用され、本市の環境の現状や取組みについての理解を深めていただく
一助となることを願っております。
平成 28 年 12 月
名古屋市長 河村 たかし