大阪労働局 Press Release 北大阪労働基準監督署発表 平 成 28年 12月 15日 労働安全衛生法違反の疑いで書類送検 ( 重機による激突災害) 平 成 2 8 年 1 2 月 15 日 、北 大阪 労 働 基 準 監 督 署(署 長 三浦 一 志 )は 、下 記 の と お り 株 式 会 社 翔 慶 及 び 同 社 の現 場 代 理 人を 労 働 安全 衛 生 法 違反 の 疑 いで 、 大阪 地 方 検 察 庁 に 書 類 送 検し た 。 記 1 被疑者 しょうけい (1)株式会社 翔 慶 本 社 所 在 地 大 阪 市 大 正 区 南恩 加 島 事 業 内 容 産 業 廃 棄物 処 理 業 及び 解 体 工事 業 ( 2 ) 株 式会 社 翔 慶 現 場 代 理人 2 違反条文 労 働 安 全 衛生 法 違 反 同 法 第 2 0 条 第 1号 ( 事 業者 の 講 ず べき 措 置 ) 労 働 安 全 衛 生 規 則第 1 6 4条 第 1 項 (主 た る 用途 以 外 の 使用 の 制 限) 同 法 第 1 1 9 条 第1 号 ( 罰則 ) 同 法 第 1 2 2 条 (両 罰 ) 3 事件の概要 被 疑 者 で ある 株 式 会 社翔 慶 の 現場 代 理 人 は、 同 社 が請 け 負 っ た大 阪 府 門真 市 桑 才 新 町 の解 体 工 事 現 場 に お いて 安 全 管 理を 行 う 者で あ る が 、平 成 2 8年 8月 2 日 、 同 人は 車 両 系 建設 機 械 であ る ド ラ グ・ シ ョ ベル を 使 用 して 、 バ ケッ トア タ ッ チ メ ント( 以 下「荷 」と いう 。)の つ り上 げ の 作業 を 行 う にあ た り 、作 業 装 置 た る ド ラグ ・ シ ョ ベ ル の バ ケッ ト フ ッ クに つ い て、 つ り 上 げた 荷 が 落下 する お そ れ が ない 外 れ 止 め装 置 等 がつ い た フ ック を 使 用せ ず 、 車 両系 建 設 機械 を 主 た る 用 途 以外 の 用 途 に使 用 し 、も っ て 機 械に よ る 危険 を 防 止 する た め 必要 な 措 置 を 講 じ なか っ た も の で あ る 。 4 参考事項 ( 1 ) 平 成 2 8 年 8 月2 日 、 大阪 府 門 真 市桑 才 新 町の 解 体 工 事現 場 に おい て 、ダ ンプトラックに荷を積み込むため、ドラグ・ショベルを使用して荷をつり上 げたところ、つり上げられた荷がダンプラックの荷台のあおりに接触して落 下し、当該荷の近くにいた下請事業場の労働者に激突し死亡する労働災害が 発生している。 ( 2 )ドラ グ・シ ョ ベル は 、掘 削 を 主 た る用 途 と する 車 両 系 建設 機 械 であ る た め 、 同機を使用して荷のつり上げ作業を行うことは、原則禁止されている。例外 として、①作業の性質上やむを得ないとき又は安全な作業の遂行上必要なと きで、かつ、②つり上げた荷が落下するおそれのないよう法令で定められた 措置を講じた場合においては、車両系建設機械を主たる用途以外の用途に使 用 す る こ と が 認 め ら れて い る 。 ( 3 ) 適 用 法 条 文 等 は、 別 紙 のと お り 。 (適用法条文等) 労働安全衛生法 第20条 事 業 者 は 、 次 の 危 険を 防 止 する た め 必 要な 措 置 を講 じ な け れば な ら ない 。 第 1 号 機 械 、 器 具 その 他 の 設備 ( 以 下 「機 械 等 」と い う 。 )に よ る 危険 労働安全衛生規則 第 1 6 4 条 (主 た る 用 途 以 外 の 使 用 の 制 限 ) 第1項 事 業 者 は、車両 系 建設 機 械 を、パワ ー・シ ョ ベル に よる 荷 のつ り 上 げ、クラ ム シェルによる労働者の昇降等当該車両系建設機械の主たる用途以外の用途に使 用 し て は なら な い 。 第2項 前 項 の 規 定は 、 次 の いず れ か に該 当 す る 場合 に は 適 用 し な い 。 第1号 荷 の つ り 上げ の 作 業 を行 う 場 合 で あ っ て 、次 の い ずれ に も 該 当 す る と き 。 イ 作 業 の性 質 上 や むを 得 な い と き 又 は 安全 な 作 業の 遂 行 上 必 要 な と き 。 ロ ア ー ム 、バ ケ ッ ト等 の 作 業装 置 に 次 のい ず れ にも 該 当 す る フ ッ ク 、シ ャ ッ ク ル 等 の 金具 そ の 他 のつ り 上 げ用 の 器 具 を取 り 付 けて 使 用 す ると き 。 (1) 負 荷 さ せ る荷 重 に 応 じ た十 分 な 強 度を 有 す る も の で あ るこ と 。 (2) 外 れ 止 め 装 置 が 使 用 さ れ て い る こ と 等 に よ り 当 該 器 具 か ら つ り 上 げ た 荷が 落 下 する お そ れ のな い も の で あ る こ と。 (3) 作 業 装 置 から 外 れ る お それ の な い も の で あ る こ と 。 第2号 荷 の つ り 上げ の 作 業 以 外 の 作 業を 行 う 場 合で あ っ て、 労 働 者 に危 険 を 及ぼ す お そ れ の ない と き 。 第3項 事 業 者 は 、前 項 第 一 号イ 及 び ロに 該 当 す る荷 の つ り上 げ の 作 業 を 行 う 場 合 に は、 労 働 者と つ り 上 げた 荷 と の接 触 、 つ り上 げ た 荷の 落 下 又 は車 両 系 建設 機 械 の転 倒 若 しく は 転 落 によ る 労 働者 の 危 険 を防 止 す るた め 、 次 の措 置 を 講じ な け れば な ら ない 。 第1 号 荷の つ り 上 げの 作 業 につ い て 一 定の 合 図 を定 め る と とも に 、 合図 を 行 う 者 を 指 名し て 、 そ の者 に 合 図を 行 わ せ るこ と 。 第2 号 平た ん な 場 所で 作 業 を行 う こ と 。 第3 号 つり 上 げ た 荷と の 接 触又 は つ り 上げ た 荷 の落 下 に よ り労 働 者 に危 険 が 生 ず る お そ れ の あ る 箇所 に 労 働者 を 立 ち 入ら せ な いこ と 。 第4 号 当該 車 両 系 建 設 機 械 の構 造 及 び 材料 に 応 じて 定 め ら れた 負 荷 させ る こ と が で き る 最 大 の 荷 重を 超 え る荷 重 を 掛 けて 作 業 を行 わ な い こと 。 第5 号 ワイ ヤ ロ ー プ を 玉 掛 用具 と し て 使用 す る 場合 に あ っ ては 、 次 のい ず れ に も 該 当 する ワ イ ヤ ロー プ を 使用 す る こ と。 イ 安 全 係数 (クレ ー ン 則 第 二 百 十 三 条 第二 項 に 規 定 す る 安 全係 数 を いう 。 ) の 値 が 六 以上 の も の であ る こ と。 ロ ワ イ ヤロ ー プ 一 より の 間 に お い て 素 線(フ ィラ 線 を 除く 。)の うち 切 断 し て い る も の が 十 パ ー セン ト 未 満の も の で ある こ と 。 ハ 直 径 の減 少 が 公 称径 の 七 パ ー セ ン ト 以下 の も の で あ る こ と 。 ニ キ ン クし て い な いも の で ある こ と 。 ホ 著 し い形 崩 れ 及 び腐 食 が な い も の で ある こ と 。 第6 号 つり チ ェ ー ン を 玉 掛 用具 と し て 使用 す る 場合 に あ っ ては 、 次 のい ず れ に も 該 当 する つ り チ ェー ン を 使用 す る こ と。 イ 安 全 係数 (クレ ー ン 則 第 二百 十 三 条 の二 第 二 項に 規 定 す る 安 全 係 数 を い う 。)の 値 が 、次 の (1)又 は (2)に 掲 げる つり チ ェ ーン の 区 分 に応 じ 、当 該 (1)又 は (2)に 掲 げ る 値以 上 の もの で あ る こと 。 (1) 次 の い ず れ に も該 当 す るつ り チ ェ ーン 四 (i) 切 断 荷 重 の 二 分の 一 の 荷重 で 引 っ 張っ た 場 合に お い て 、そ の伸 び が 〇・ 五 パ ーセ ン ト 以 下の も の であ る こ と 。 (ii) そ の引 張 強 さ の値 が 四 百ニ ュ ー ト ン毎 平 方 ミリ メ ー ト ル以 上 で あ り、か つ 、その 伸 び が 、次 の 表の 上 欄 に掲 げる 引 張 強 さ の 値 に 応じ 、 それ ぞ れ 同表 の 下 欄 に掲 げ る 値以 上 と な る も の で あ る こ と 。 引張 強 さ 伸び (単 位 ニ ュ ー トン 毎平 方 ミ リメ ー ト ル ) (単 位 パ ー セ ント ) 四百 以 上 六 百 三 十 未 満 二十 六百 三 十 以 上 千 未 満 十七 千以 上 十五 (2) (1)に該 当 し な い つ り チ ェー ン 五 ロ 伸 び が、 当 該 つ りチ ェ ー ンが 製 造 さ れた と き の長 さ の 五 パー セ ン ト以 下 の も の で ある こ と 。 ハ リ ン ク の 断 面 の 直径 の 減 少が 、 当 該 つり チ ェ ーン が 製 造 され た と きの 当 該 リ ン ク の断 面 の 直 径の 十 パ ーセ ン ト 以 下の も の であ る こ と 。 ニ き 裂 がな い も の であ る こ と。 第7 号 ワイ ヤ ロ ー プ 及 び つ りチ ェ ー ン 以外 の も のを 玉 掛 用 具と し て 使用 す る 場 合 に あ って は 、 著 しい 損 傷 及び 腐 食 が ない も の を使 用 す る こと 。 ( 適 用 法 条 文 [罰 則 ] ) 労働安全衛生法 第119条 次 の 各 号 の い ず れ か に 該 当 する 者 は 、6 月 以 下 の懲 役 又 は 50 万 円 以下 の 罰 金に 処する。 第1号 第14条、第20条から第25条まで、第25条の2第1項、第30条 の3第1項若しくは第4項、第31条第1項、第31条の2、第33 条第1項若しくは第2項、第34条、第35条、第38条第1項、第 40条第1項、第42条、第43条、第44条第6項、第44条の2 第7項、第56条第3項若しくは第4項、第57条の3第5項、第5 7条 の 4 第5 項 、第 59 条 第 3項 、第 6 1条 第 1 項、第 6 5 条第 1 項、 第65条の4、第68条、第89条第5項(第89条の2第2項にお いて準用する場合を含む。)、第97条第2項、第104条又は第1 08 条 の 2第 4 項 の 規定 に 違 反し た 者 第122条 法 人 の 代 表 者 又 は 法人 若 し くは 人 の 代 理人 、使 用 人そ の 他 の従 業 者 が 、そ の 法 人 又 は 人 の 業 務 に 関 し て、第 11 6 条 、第 11 7 条、第 1 19 条又 は 第 12 0 条 の 違 反 行 為 を し た と き は 、行 為 者を 罰 す るほ か、そ の法 人 又 は人 に対 し て も、各 本条 の 罰金刑を科する。 ( 参 考 資 料 : ド ラ グ ・シ ョ ベ ル略 図 ) バケット
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