平成27年度広島市下水道事業決算概要

平成27年度 広島市下水道事業決算概要
1 総 括 事 項
下水道事業は、快適な生活環境の確保や川や海の水質を保全するとともに、浸水から市民
の生命・財産を守るという重要な役割を担っている。さらに、近年は、良好な水環境の創出
や下水道資源の有効利用など、循環型社会の形成に向けて取り組んでいる。
本市の下水道整備の状況については、引き続き、太田川処理区、瀬野川処理区における未
整備地区の整備や市街化区域外の汚水処理事業に取り組んでおり、本市における平成27年度
末の汚水処理人口普及率は 95.4パーセントとなった。
また、市街地の浸水対策として、幹線管きょの建設工事を行い、合流式下水道の改善とし
て、雨水滞水池等の建設工事を行うとともに、老朽化した施設の改築に取り組んだ。
一方、下水道施設の管理運営に当たっては、引き続き適正かつ効率的な維持管理を行うと
ともに、水洗化の向上に努めるなど、事業経営の健全化に努めた。
(1) 業 務 実 績
本年度の業務実績は下表のとおりである。
区
平成27年度
分
(A)
平成26年度
(B)
増 △ 減
伸び率 (%)
(A-B=C)
(C/B)
1,193,307
1,190,446
2,861
0.2
(1,190,877)
(1,188,067)
(2,810)
(0.2)
1,138,332
1,131,944
6,388
0.6
(1,135,902)
(1,129,565)
(6,337)
(0.6)
①
行政区域内人口
(人)
②
処理区域内人口
(人)
③
汚水処理人口普及率
(%)
④
処 理 区 域 面 積
(ha)
⑤
管 き ょ 総 延 長
(m)
⑥
年 間 処 理 水 量
(㎥)
160,492,260
156,302,229
4,190,031
2.7
⑦
年 間 有 収 水 量
(㎥)
118,609,407
118,288,838
320,569
0.3
⑧
水 洗 化 世 帯 数
(世帯)
506,147
498,427
7,720
1.5
(504,992)
(497,290)
(7,702)
(1.5)
⑨
水
洗
化
率
(%)
95.4
95.1
0.3
-
(95.4)
(95.1)
(0.3)
-
14,167
14,088
79
0.6
(14,130)
(14,051)
(79)
(0.6)
5,949,809
5,918,893
30,916
0.5
(5,943,611)
(5,912,695)
(30,916)
(0.5)
97.0
96.8
0.2
-
(97.0)
(96.8)
(0.2)
-
(注) 1 各数値は、公共下水道に特定環境保全公共下水道、農業集落排水及び市営浄化槽分を加えた
ものである。ただし、④処理区域面積は、公共下水道及び特定環境保全公共下水道分の区域で
ある。
2 ( )内の数値は、本市に係るものであり、上段の数値は、府中町大須地区分を加えたもの
である。
3 ⑥年間処理水量及び⑦年間有収水量には、広島県東部浄化センター及び廿日市市廿日市浄化
センター分を含む。
(2) 建設改良事業
本年度施行した重要な事業内容は、次のとおりである。
ア 公共下水道整備事業
管きょ整備については、宇品、井口、千田、八幡、狩留家地区等で総延長 1 万 7,864 メートル
の布設工事及び改良工事を行い、処理区域を 59 ヘクタール拡大した。
ポンプ場整備については、大州雨水滞水池、旭町雨水滞水管等の建設工事や、旭町、大州、尾
和ポンプ場等の改良工事を行った。
水資源再生センター整備については、西部、旭町、千田水資源再生センター等の改良工事を行
った。
イ 排水設備整備事業
五日市地区の管きょ改良工事を総延長 100 メートル施工するとともに、
取付管設置等を行った。
ウ 都市下水路整備事業
本市が受益する府中町都市下水路事業に対して、一定の負担率でその建設費を負担した。
エ 流域下水道整備事業
広島県が事業主体である太田川流域下水道事業に対して、一定の負担率で府中、海田、坂、熊
野の各町とともに建設費を負担した。
オ 市街化区域外汚水処理施設整備事業
(ア) 特定環境保全公共下水道
管きょ整備については、安佐、湯来、瀬野、五日市地区等で総延長 9,204 メートルの布設工
事を行い、処理区域を 20 ヘクタール拡大した。
ポンプ場整備については、魚切、勝木第一、中河内ポンプ場の建設工事を行った。
(イ) 農業集落排水
管きょ整備については、戸山地区で総延長 1,113 メートルの布設工事を行った。
処理施設整備については、戸山農業集落排水処理施設の建設工事を行った。
(ウ) 市営浄化槽
浄化槽整備については、5人槽17か所、7人槽7か所、10人槽1か所の計25か所の設
置工事を行った。
(3) 財 政 状 況
ア 収益的収支
収益的収支は、下水道使用料などの収益と下水道事業活動に伴い必要となる維持管理費などの
費用を計上している。
本年度の収益的収入は 459 億 7,877 万 730 円で、前年度と比較して、0.3 パーセントの減少と
なった。
一方、収益的支出は 450 億 8,606 万 1,768 円で、前年度と比較して、1.4 パーセントの減少と
なり、差引き 8 億 9,270 万 8,962 円の純利益を生じた。
収 入 総 額
支 出 総 額
円
45,978,770,730
※
差 引 利 益
円
備
考
円
45,086,061,768
892,708,962
消費税及び地方消費税を含まない。
イ 資本的収支
資本的収支は、施設の建設及び企業債の元金償還などに係る経費と、これらに必要となる国庫
補助金、企業債収入などの財源を計上している。
収入総額から支出総額を差し引くと、183 億 5,532 万 14 円の差引不足額が生じているが、
「不
足額の補塡財源内訳」のとおり措置をしている。
収
入
総
前
年
度
財 源 充 当 額
収 入 総 額
額
翌 年 度 繰 越
充 当 財 源 額
支 出 総 額
差
差 引 不 足 額
引
円
円
円
円
円
円
41,081,552,472
0
130,533,000
40,951,019,472
59,306,339,486
18,355,320,014
不 足 額 の 補 塡 財 源 内 訳
当年度分消費税及び地方
消費税資本的収支調整額
繰越工事資金
円
円
619,168,660
93,900,000
過年度分損益
勘定留保資金
円
0
当年度分損益
勘定留保資金
補 塡 財 源
合
計
減債積立金
円
円
円
16,653,355,866
988,895,488
18,355,320,014
※ 消費税及び地方消費税を含む。
ウ 利益剰余金
前年度からの利益剰余金について、9 億 3,094 万 484 円の資本金への組み入れを行い、さらに
本年度の純利益を加算した結果、本年度末の利益剰余金は、22 億 7,676 万 9,046 円となった。