「いちおし!」情報 日系社会ボランティア派遣30周年記念(PDF

JICA いちおし号外
日系社会ボランティア派遣 30 周年記念
2016 年は、日系社会ボランティア派遣 30 周年です。元日系社会ボランティアと現
在活動中の日系社会ボランティアの活動を、パラグアイ、ボリビア、ブラジルの 3 国
からお届けします。
パラグアイ
ボリビア
パラグアイへの日本人移住のスタート地であるラ・コルメ
ナ移住地に対する JICA の支援
高齢化が進む移住地で、認知症予防に活躍
ブラジル
・元プロ野球選手がボランティアとして野球を指導!
・ブラジル初!剣道を指導するボランティア来伯!
・日系社会ボランティア派遣 30 周年記念ロゴ作成エピソ
ード
*国名にはリンクを貼っております。
JICA は、北・中南米の国々を中心に移住し、
そこに根を下ろした移住者とその子孫である日
系人を支援するため、1986 年に日系社会青年ボ
ランティアの前身となる海外開発青年の派遣か
ら、現地の日系人社会や周辺地域の発展に向け積
極的な活動を行ってきています。
ブラジル
日系社会ボランティア派遣 30 周年記念ロゴ
パラグアイ
いちおし日系社会ボランティア!
パラグアイへの日本人移住のスタート地である
ラ・コルメナ移住地に対する JICA の支援
現在、パラグアイには 10 名の日系社会ボランティア(青年 6 名及びシニア 4 名)が
活動しています。指導分野は、日本語学校教師、高齢者福祉、ソーシャルワーカー、日
本文化などですが、今年のパラグアイ日本人移住 80 周年記念行事を支援するため、日
本舞踊や編集部門のシニア海外ボランティアも活動しています。
パラグアイで最初の日本人移住地ラ・コルメナの地で、日系社会青年ボランティアと
して 2 年間活動を行った和田谷光輝(Mitsuteru Wadatani)さんが再びこの地に戻って
きました。和田谷さんは、「コミュニティー開発」分野の日系社会青年ボランティアと
して、日系社会を中心とした地域の活性化に向け、週末市の運営管理、植林活動、地域
の小学校を対象とした環境教育や交通教育のコーディネートなど、様々な活動を行って
いました。
今年 9 月からは、ラ・コルメナで JICA と横浜国立大学が協力して開始した草の根技
術協力「パラグアイ農村女性生活改善プロジェクト」の現地コーディネーターとして活
動をしています。パラグアイの日系社会と日本の関係が一層強化されることを期待しま
す。
表紙へ
ボリビア
いちおし日系社会ボランティア!
高齢化が進む移住地で、認知症予防に活躍
ボリビアへの日本からの移住の歴史は、約 100 年前に遡ります。特に戦後には、沖縄
や九州等からの多数の移住が行われ、ボリビア東部のサンタクルス県に二つの移住地が
形成されました(サンフアン移住地及びオキナワ移住地)。
これらの移住地が抱えている問題の一つが、住民の高齢化です。日本から遠く離れた
ボリビアの移住地でも、日本と同じ課題に直面しています。
とはいえ、移住地のお年寄りは、元気な方が多いです。そうした高齢者への支援に取
り組んでいるのが、今年8月からサンフアン移住地内の高齢者福祉施設「憩いの里」に
派遣されている岩永幸夫シニアボランティア(60)です。活動のひとつに、公文式の「読
み書き」「計算」「すうじ盤」などを使って、認知症予防教室があります。このクラス
に通っているのは、平均年齢 80 歳の 13 人です。「頭を使いながら認知症を予防して、
いつまでも住み慣れた我が家で暮らしてもらうことが、自分たち職員の願いです」と話
しています。
岩永シニアボランティアの認知症予防クラスで、公文式に取り組む高齢者たち
表紙へ
ブラジル
いちおし日系社会ボランティア!
元プロ野球選手がボランティアとして野球を指導!
與浦幸二(Koji Youra)さんはプロ野球選手として活躍していました。この経験を最大
限に活かし、未来ある青少年に野球の楽しさや、団体競技としての心構えを伝えたいと
いう想いからボランティアの道へ。配属先はサンパウロ州のマリリア日系クラブで、対
象野球競技者は子供から大人までの約 150 名。與浦さんには技術的指導とともに規律・
礼儀など精神面強化のための支援も期待されています。
いちおし日系社会ボランティア!
ブラジル初!剣道を指導するボランティア来伯!
ブラジル初の剣道指導をする淺木賢介(Kensuke Asaki)さんは「剣道七段」の腕前を
活かし、サンパウロ市にある 8 か所の道場で巡回指導を行っています。配属されたブラ
ジル剣道連盟は国内約50支部を統括する組織で、会員数約900名。今後は地方への
巡回も視野にいれた指導計画を検討中。ブラジル剣道の発展は、さらなる日系コミュニ
ティーの発展とブラジルにおける地位向上に貢献し得ると期待されています。
ちょっと気になる話!
日系社会ボランティア派遣 30 周年記念ロゴ作成エピソード
2016 年の今年、日系社会ボランティア派遣 30 周年を記念したイベントをブラジル各
地で開催し、同時に、ボランティアが活動先で実施する 30 周年記念イベントを支援し
ています。
日系社会ボランティアについて多くのブラジル人に知ってもらうため、日系研修員た
ちに協力を呼びかけ、30 周年記念ロゴを作成しました。それらを事務所フェイスブッ
クページで紹介し人気投票を行いました。
その結果、2011 年にコンピューターグラフィックスのクリエーター養成(3DCG)コー
スに参加した日系人の Carolina Kano さんのロゴが選ばれました。彼女は、現在はコン
ピューターグラフィックスのフリーランスとして活躍し、研修員出発前オリエンテーシ
ョンに参加するなど精力的に活動を続けています。
このロゴとともに日系社会ボランティアの活動をもっとブラジル人に知ってもらう
ことを期待します。
表紙へ