1 - 平成28年12月15日 関係者各位 筑波大学大学研究センター長 德 永

平成28年12月15日
関係者各位
筑波大学大学研究センター長 德 永
保
筑波大学大学研究センター第60回公開研究会のご案内
-大学研究センター・プロジェクト研究成果報告-
貴職におかれましては、日頃から当センターの諸活動に対してご理解ご支援を賜り、誠に有り
難うございます。
筑波大学 大学 研究センターは、大学に関する諸機 能について研究することを通じて、我が国
の大 学改 革に資することを目 的として研 究活 動 を行っており、創設 以 来 、高 等 教 育に関する研
究上の課題について、広く高等教育に関心をお持ちの方々を対象に、公開研究会を開催してま
いりました。
今回は、当センターで実施して参りましたプロジェクト研究のうち、今年度に成果が得られたプ
ロジェクトの成果報告会を、別紙1のとおり開催することといたしました。
つきましては、関係者への周知方お願いするとともに、多数の皆様のご参加をお願い申し上げ
ます。
参加される場合は別紙3の参加申込書により、2月20日(月)までにお申し込みくださいますよ
うお願い申し上げます。
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別紙1
筑波大学大学研究センター 第60回公開研究会
-大学研究センター・プロジェクト研究成果報告-
1 日時
2017 年 2 月 28 日(火)13 時~17 時
2 場所
筑波大学東京キャンパス文京校舎1階 134 教室 (東京都文京区大塚 3-29-1)
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プログラム
(受付 12:30~13:00)
各報告には質疑応答の時間を含みます(司会:稲永由紀)
~各プロジェクトの概要については別紙2をご覧下さい
13:00~13:10
開会挨拶:大学研究センター長 德永保
13:10~13:55「高度専門職業人を対象としたリーダーシップ開発の方法に関する研究」
報告者:佐野享子
13:55~14:40 「大学マネジメントを担う高度人材の養成に関する研究」
報告者:加藤毅
14:40~14:50
休 憩
14:50~15:35 「大学組織の評価指標のあり方に関する国際研究」
報告者:田中正弘
15:35~16:35 「大学組織の構造機能とその変容可能性」
報告者:金子元久
16:35~17:00
総括討論
【参加費】無料
【お申し込み方法】 先着順で定員に達し次第、受付を締め切りますので、別紙3の参加
申込書により2月20日(月) までに事前の申し込みをお願いします。
【アクセス】東京メトロ丸ノ内線茗荷谷駅駅下車「出口1」徒歩5分
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別紙2
報告される各プロジェクトの概要(敬称略)
「高度専門職業人を対象としたリーダーシップ開発の方法に関する研究」
プロジェクトリーダー:佐野享子(大学研究センター)
プロジェクトメンバー:稲永由紀(大学研究センター)浜田博文(筑波大学人間系)
末松裕基(東京学芸大学)水本徳明(同志社女子大学・京都教育大学)
曽余田浩史(広島大学)佐古秀一(鳴門教育大学)
【概要】
組織においては、リーダーシップの在り方がその組織文化や業績に大きな影響をもた
らすことから、日本においてもリーダーシップ開発のための教育実践が、専門職大学院
等の高度専門職業人養成課程や各種研修等の場において様々に取り組まれてきた。しか
しながら、職業人を受講者とする大学院レベルの授業を対象とした授業研究や、リーダ
ーシップ開発に焦点を当てた授業研究は、国内・国外を通じて成果の蓄積が乏しいのが
現状である。
本研究は、高度専門職業人のリーダーシップ開発を目的とした大学院レベルの教育に
おいて、どのようなプログラムが効果的であり、いかにして効果的なプログラムを開発
すればよいのか明らかにすることを目的とした、経営学分野と教育学分野による学際的
な研究である。具体的には、大学職員や学校の教員などを対象としたリーダーシップ開
発プログラムのアクション・リサーチを行って、係るプログラムの効果を高める要因と
なる授業方略を抽出することにより、係るプログラム開発に資する実践知を提示するこ
とができた。(報告書『大学研究オンライン』第 3 号, 2016 年7月)
「大学マネジメントを担う高度人材の養成に関する研究」
プロジェクトリーダー:加藤毅(大学研究センター)
プロジェクトメンバー:田中正弘(大学研究センター)稲永由紀(大学研究センター)、
村上義紀(元早稲田大学副学長・常務理事) 上杉道世(大正大学理事長特別補佐)
横田利久(関西国際大学事務局長)
【概要】
18 歳人口の減少や教育研究のグローバル化、財政危機などの環境変化を受けて、大学
に対して、 ガバナンスやマネジメントの強化を通じた改革の進展、そして高度化するマ
ネジメントを担うべき大学職員の養成が求められている。
インテンシブなインタビュー調査等を通じて浮かび上がってきたのが、大学マネジメ
ントの現場では、職員を中心とした意欲的なプロジェクトが多数展開されているという
事実である。そこでは、様々な困難に直面しながらも着実に成果が積み上げられており、
この厳しい実務経験を通じた職員の成長(高度人材化)が実現している。本研究では、
若手や中堅職員における仕事と学びの有機的リンクや、職場を離れた自主的な学びが成
果に繋がるプロセス、中間管理職が現在直面している問題点とそこで進められているチ
ャレンジ等を明らかにした。(報告書『大学研究オンライン』第 2 号, 2016)
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「大学組織の評価指標のあり方に関する国際研究」
プロジェクトリーダー:田中正弘
プロジェクトメンバー:稲永由紀(大学研究センター)德永保(大学研究センター)
林隆之(大学評価・学位授与機構研究開発部)浅野茂(山形大学学術研究院)
嶌田敏行(茨城大学大学戦略・IR 室)西郡大(佐賀大学アドミッションセンター)
【概要】
筑 波 大 学 に は , 平 成 29 年 度 に 組 織 評 価 を 主 に 定 量 的 な 指 標 ( Key Performance
Indicators: KPI)に 基 づ く も の へ 転 換 さ せ る 計 画 が あ る 。こ の 計 画 実 施 に 向 け て ,
平 成 28 年 度 は , 組 織 評 価 に 利 用 す る デ ー タ の 収 集 を 進 め る 予 定 で あ る 。 そ こ で ,
本研究において,組織評価で先駆的な取り組みを既に実施している,広島大学,
金沢大学,神戸大学,フランスのボルドー大学,アメリカのカリフォルニア大学
(バークレー校,アーバイン校)に着目し,訪問調査を実施した。
訪 問 調 査 から得られた示唆は,次の通りである。定量的な指標に基づく組織評価は,
組織全体の活動を数量化することで,組織の現状や課題を浮き彫りにできるだけでなく,
組織ごとに期待する活動の水準を数値化できるため,将来計画(ゴール)が明確になる
というメリットがある。しかし,定量的指標に基づく組織評価にはデメリットもある。
一つは,指標化されなかった活動は評価から抜け落ちてしまうことである。もう一つは,
質の保証・向上には活用しにくいこともあることである。従って,定量的指標に基づく
組織評価のメリットを活かしつつ,定性的な判断(ピアレビュー)に基づく組織評価を
適宜組み合わせることで,より有効な組織評価の制度を構築できると思われる(報告書
「大学組織の評価指標のあり方に関する国際研究」2016 年 3 月)。
「大学組織の構造機能とその変容可能性」
プロジェクトリーダー:金子元久(大学研究センター(協力教員))
プロジェクトメンバー:吉武博通(大学研究センター(兼担))
稲永由紀(大学研究センター)
【概要】
社会環境の変化に大学が十分に適応していないことが、政府やメディアなどから批判
されている。一方で大学の組織形態の構造と機能、そして変容の可能性については、こ
れまで実証的な研究はきわめて少なかった。それは現実の大学組織が、歴史的な経緯と、
現実的な環境変化、そして内部の様々な要因の複雑な相互作用によって形成されており、
それを分析的にとらえることが困難なことによっている。しかし日本の大学の将来を考
えれば、こうした問題にあえて正面から向き合うことは不可避となっている。
そうした観点からこの研究は、(1)大学組織のあり方について、関係法令、国際比較、
関連の研究のレビューなどを通じて、基本的な枠組みを整理し、(2)とくに「新構想大学」
としての筑波大学における、新組織形態の導入の意図と初期の形態、そしてその後の変
化の経緯とその要因を分析することによって、(3)日本の大学組織構造の基本的な問題点
と、その変容の条件を明らかにする、ことを目的とした。この目的にしたがって、これ
までドイツ、オーストラリア、さらに国内 7 大学において調査をおこなった。
な お こ の プ ロ ジ ェ ク ト は 、 科 学 研 究 費 A「 大 学 組 織 の 構 造 機 能 と そ の 変 容 可 能 性 」
(2015-17 年度)と有機的に連携しつつ実施している。
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