米国REIT各セクターの 米国REIT各セクターの

米国REIT各セクターの
決算結果 2016年 第3四半期(7-9月期)
2016年12月
情報提供資料
・米国REITの代表的な指数であるFTSE NAREIT All Equity REITs インデックス構成銘柄(9月30日時点166社) の2016年第3四
半期(7-9月期)決算が発表されました(11月30日現在)。
 当四半期の米国REIT各社の調整済みFFO(注)成長率は全体で前年同期比+4.8%となり、前四半期から伸びが鈍化しました。
保有する不動産の質を高めるために一部の米国REITが非中核資産の売却を積極的に行っており、その結果賃貸料収入の減
少を通じて全体の成長率を押し下げました。非中核資産の売却によって得た資金は、債務の返済や新たな物件の開発・買
収などに充てており、こうした動きは将来の収益の増加につながります。セクター別では良好な需給環境を背景に産業施
設REITや貸倉庫REITなどが高い収益の伸びをみせました。一方で、オフィスREITや特殊施設REITは収益の伸びがマイナス
に転じました。
各セクターの調整済みFFO成長率推移(前年同期比)
2014年
Q2
Q3
8.7% 13.0%
9.2% 7.8%
11.3% 13.4%
4.7% 9.9%
7.0% 15.2%
11.0% 6.2%
11.6% 30.1%
13.0% 13.1%
12.5% 11.7%
15.4% 23.1%
16.3% 9.2% 9.8%
-3.2% 2.9% 11.0%
2013年
Q4
7.2%
6.1%
3.1%
8.0%
7.7%
13.8%
-3.0%
14.9%
8.6%
14.8%
-2.7%
全体
オフィス
産業施設
商業・小売
住居
複合施設
ホテル・レジャー
貸倉庫
医療施設
インフラス トラクチャー
データセンター
特殊施設
Q1
10.3%
5.6%
2.8%
10.9%
6.9%
4.4%
40.1%
13.0%
6.5%
期間:2013年第4四半期~2016年第3四半期
小数第2位を四捨五入して表示。
Q4
9.5%
5.3%
8.3%
7.9%
11.1%
6.9%
23.4%
9.6%
7.1%
-21.4%
4.1%
13.8%
Q1
10.0%
5.6%
9.8%
4.8%
9.7%
8.8%
43.1%
10.7%
6.1%
10.7%
12.6%
6.6%
2015年
Q2
Q3
9.1% 8.5%
7.3% 5.2%
4.8% 11.9%
9.3% 9.5%
15.5% 11.8%
5.4% 11.3%
12.6% 8.9%
12.2% 12.0%
5.5% 5.7%
-27.8% 5.4%
10.4% 5.4%
-5.5% -2.5%
Q4
10.1%
10.1%
18.2%
8.2%
10.9%
8.2%
5.9%
15.2%
8.1%
12.8%
12.3%
2.7%
Q1
9.3%
16.9%
16.6%
11.6%
7.4%
3.5%
16.6%
15.7%
5.8%
-21.3%
-16.3%
1.6%
2016年
Q2
8.3%
17.9%
10.6%
7.5%
3.7%
0.2%
7.3%
13.6%
4.6%
33.6%
13.0%
0.8%
Q3
4.8%
-1.0%
19.4%
3.9%
3.7%
2.6%
4.6%
11.6%
1.0%
6.4%
11.5%
-3.9%
出所:SNL、FTSEのデータを基にアセットマネジメントOne作成
米国REITの調整済みFFO成長率推移(前年同期比)
15.0%
10.0%
5.0%
0.0%
Q4
2013年
Q1
Q2
Q3
2014年
期間:2013年第4四半期~2016年第3四半期
Q4
Q1
Q2
Q3
Q4
2015年
Q1
Q2
Q3
2016年
出所:SNL、FTSEのデータを基にアセットマネジメントOne作成
(注)調整済みFFOとは、一時的あるいは不定期に発生した損益を加味・控除したもの。ただし、各社により定義が異なる場合があります。
※FFO(Funds From Operations)とは、不動産売却などの影響を除いた賃貸事業からどれだけのキャッシュフローが生み出されているかを測る
指標です。(FFO=REITの純利益+減価償却費-不動産売却益+不動産売却損)
※各四半期の成長率は、各四半期末時点における個別REITの特別損益などを除いた調整済みFFO成長率を、各四半期末のFTSE NAREIT All
Equity REITs インデックス全銘柄の時価総額構成比率で加重平均して算出しています。(調整済みFFOのデータがないREIT(SNLが未集計の
REITなど)、森林REIT、調整済みFFOが黒字から赤字に転じた(またはその逆)REIT、および調整済みFFOがゼロのREITなどを除く。)
※一部の銘柄は、決算時期がずれている場合があります。
当ページの表・グラフは過去の実績を示したものであり、将来における特定ファンドの投資成果を示唆あるいは保証するものではありません。
巻末の投資信託に係るリスクと費用およびご注意事項を必ずお読みください。
商 号 等 / アセットマネジメントOne株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第324号
加入協会/ 一般社団法人投資信託協会、
一般社団法人日本投資顧問業協会
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米国REIT各セクターの
決算結果 2016年 第3四半期(7-9月期)
オフィス
情報提供資料
都市部の良好なファンダメンタルズが郊外や中規模の都市に波及
 テクノロジー関連企業が集積する地域やサンベルト地帯と呼ばれる米国南部の
中規模の都市、郊外などでオフィスに対する需要が高まっており、不動産ファ
ンダメンタルズは全体的に良好な状況です。こうした地域を中心に物件を保有
するキルロイ・リアルティは大幅な増益となりました。一方で、物件の供給増
加や雇用の伸びの鈍化によってニューヨークやサンフランシスコなど沿岸部の
大都市ではファンダメンタルズの改善ペースに減速の兆しがみられます。
ニューヨークを中心に物件を保有するSLグリーン・リアルティは高い水準の賃
貸料の伸びを維持しているものの、NOI(純営業収益)の伸びが鈍化しました。
非中核資産の売却などによって一部のREITで調整済みFFO成長率がマイナスの
伸びとなったため、セクター全体の成長率はマイナスとなりました。
産業施設
需給環境は依然として良好であり、高い収益の伸びが継続
 物流施設に対するEコマース企業からの需要の伸びが加速しているほか、企業に
よるサプライチェーン戦略の見直しにより人口密度が高い地域にある高機能の
施設が不足しているため、稼働率は高水準で推移し、賃貸料は大きく上昇しま
した。最大手のプロロジスはこうした強い需要を受けて新規の物件開発が想定
よりも早いペースで進んでいることを明らかにし、2016年通期の業績見通しを
上方修正しました。また、他の産業施設REITも同様に今後の業績について明る
い見通しを示しており、大手のデューク・リアルティなどは四半期配当額の増
配を発表しました。
商業・小売
テナントの破綻などの悪影響を受けるも、
ファンダメンタルズは依然として健全な水準を維持
 テナントの破綻や米ドル高を背景とした海外からの買い物客の消費低迷により、
一部のREITは稼働率が低下し、テナント売上高が減少しました。しかし、立地
の良い、優良なテナントを有するAクラスの物件へのテナントの出店意欲は旺盛
です。ショッピング・モール(アウトレット・モールを含む)を保有・運営する
REITでは、こうした優良な物件を多く保有する最大手のサイモン・プロパ
ティー・グループは2016年通期の業績見通しを上方修正し、同業のゼネラル・
グロース・プロパティーズは四半期配当額の増配を発表しました。
 ショッピング・センターを保有するREITでは、スポーツ用品大手のスポーツ・
オーソリティの破綻により稼働率は低下したものの、賃貸料は全体的に高い伸び
を見せました。最大手のキムコ・リアルティは2016年通期の業績見通しは据え
置いたものの、将来の収益の伸びに自信を示すとともに、四半期配当額の増配を
発表しました。
住居
物件を保有する地域によって、明暗が分かれる結果に
 物件の供給増加や雇用の伸びの鈍化によってニューヨークやサンフランシスコ
の一部地域で不動産ファンダメンタルズが悪化しており、こうした沿岸部の都市
に物件を多く保有する大手のアバロンベイ・コミュニティーズやエクイティ・レ
ジデンシャルはやや冴えない決算となりました。一方で、保有する物件の地域が
分散しており、中規模の都市を中心に物件を保有するエセックス・プロパ
ティー・トラストなどの中堅REITの多くは良好な決算を発表し、2016年通期の
業績見通しを上方修正する動きも多くみられました。大規模な非中核資産の売却
によってエクイティ・レジデンシャルが減益となったため、セクター全体の調整
済みFFO成長率は小幅な伸びに留まりました。
出所:各REITのホームページ・資料、各種データを基にアセットマネジメントOne作成
※上記は特定のセクターおよび銘柄の推奨を目的としたものではありません。また、写真は米国のREITのイメージとして表示しています。
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決算結果 2016年 第3四半期(7-9月期)
複合施設
情報提供資料
物件の種別や保有する地域によってまちまちの結果に
 複合施設REITは様々なタイプの商業用不動産を保有・運営しています。ニュー
ヨークやワシントンDCでオフィスや商業・小売施設を保有する最大手のボルナ
ド・リアルティー・トラストは、ニューヨークで安定した賃貸料の伸びがみら
れたものの、ワシントンDCではオフィスの稼働率が低下し、賃貸料の伸びがマ
イナスになるなど厳しい市場環境が続いていることが明らかになりました。同
社はワシントンDC事業をスピンオフ(分離・独立)し、不動産開発会社のJBG
Companiesとの統合後にREITとして上場させることを発表しました。
ホテル・レジャー
市場環境は低迷も、企業収益の改善により回復に向かう可能性あり
 雇用環境や家計のバランスシートの改善などにより消費者信頼感は良好な状況
にあり、国内のレジャー需要は堅調でした。一方で、企業収益の低迷や米ドル
高を受けて出張客や米国外からの宿泊者数が減少しました。こうした事象は
ニューヨークやフロリダなどの都市部や観光地の高級ホテルなどで多くみられ
ました。その結果、一部のホテル・レジャーREITはREVPAR(宿泊可能な客室
あたりの売り上げ)の伸びが鈍化し、2016年通期の業績見通しを下方修正しま
した。しかし、米国の主要企業500社の7-9月期決算は増益になるとみられ、ビ
ジネス需要が高まる可能性があります。
貸倉庫
収益の伸びは鈍化したものの、貸し手優位な状況が継続
 物件の供給増加によってNOIの伸びは鈍化したものの、貸倉庫に対する需要は
強く、貸し手優位な状況が続いています。こうした良好な市場環境を受け、最
大手のパブリック・ストレージは四半期配当額の増配を発表しました。また、
同業のエクストラ・スペース・ストレージは2015年に買収したスマートストッ
プ・セルフ・ストレージの保有物件からの収益が想定以上に伸びたため、2016
年通期の業績見通しを上方修正しました。
医療施設
非中核資産の売却や保有資産の多様化により、収益見通しが改善
 大手のHCPは高齢者向け住宅の供給増加や高度看護施設の市況悪化などの悪影
響を受け、調整済みFFO成長率がマイナスの伸びとなりました。その結果、セ
クター全体の成長率は小幅な伸びに留まりました。同社は収益の重石となって
いる高度看護施設事業のスピンオフ(分離・独立)を完了し、高齢者向け住宅
の一部を売却することを明らかにしました。一方で、新規の参入が困難な地域
に物件を保有し、研究施設や病院を買収するなど保有資産の多様化を進めてい
る他の大手2社のベンタスとウェルタワーは相対的に良好な決算となり、ベン
タスは2016年通期の業績見通しを上方修正しました。
出所:各REITのホームページ・資料、各種データを基にアセットマネジメントOne作成
※上記は特定のセクターおよび銘柄の推奨を目的としたものではありません。また、写真は米国のREITのイメージとして表示しています。
巻末の投資信託に係るリスクと費用およびご注意事項を必ずお読みください。
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決算結果 2016年 第3四半期(7-9月期)
インフラストラクチャー
情報提供資料
通信キャリアによる積極的な設備投資により、
通信基地局の保有・運営REITの決算は良好な結果に
 インフラストラクチャーREITの多くは調整済みFFOを発表しておらず、発表し
た小規模のREITはまちまちの結果になりました。通信基地局を保有・運営する
最大手のアメリカン・タワーは、テナントである通信キャリアが新興国で積極
的に設備投資を行ったほか、米国においても4G(第4世代移動通信システム)
ネットワークのサービスエリア拡大やデータ通信量増加のための設備投資を積
極的に行っているため、大幅な増収となりました。また、スモールセルと呼ば
れる小型の通信基地局に力を入れている同業大手のクラウン・キャッスル・イ
ンターナショナルは、同社の事前予想よりも良好な決算となりました。両社は
共に2016年通期の業績見通しを引き上げると共に、四半期配当を増配する方針
を明らかにしました。
データセンター
クラウドサービス企業からの需要拡大が引き続き収益に寄与
 データセンターに対するクラウド・コンピューティング・サービスを提供する
事業会社(以下、クラウドサービス企業)からの需要は強く、データセンター
REITの多くは調整済みFFO成長率が2桁の伸びになりました。また、2016年通
期の業績見通しを上方修正する動きも多くみられました。積極的な買収により
事業規模を拡大している最大手のエクイニクスはクラウドサービス企業だけで
はなく、大手企業や金融サービス会社とのリース契約も堅調でした。
特殊施設
娯楽施設を保有・運営するREITなどは良好な決算を発表
 特殊施設REITが保有・運営する物件は、娯楽施設や刑務所・更生施設、文書・
データの保管施設など様々です。主に文書・データの保管施設などを運営する
アイアン・マウンテンは豪州の同業他社の買収や不動産ファンダメンタルズの
改善によって大幅な増収となりました。しかし、買収関連の費用が重石となり、
調整済みFFO成長率はマイナスの伸びとなりました。そのため、セクター全体
の調整済みFFO成長率はマイナスとなりました。一方で、娯楽施設を運営する
EPRプロパティーズは、エンターテイメント・レクリエーション・教育施設の
主要3事業が共に堅調でした。同社はスキーリゾートやウォーターパーク、遊
園地などを新たに取得することを発表するなど、物件の買収を積極的に行って
おり、2016年通期の業績見通しも上方修正しました。
出所:各REITのホームページ・資料、各種データを基にアセットマネジメントOne作成
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投資信託に係るリスクと費用およびご注意事項
【投資信託に係るリスクと費用】
● 投資信託に係るリスクについて
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クもあります。)に投資をしますので、市場環境、組入有価証券の発行者に係る信用状況等の変化により基準価額は変動
します。このため、購入金額について元本保証および利回り保証のいずれもありません。
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■お客さまが直接的に負担する費用
購入時手数料 :上限4.104%(税込)
信託財産留保額:上限0.5%
公社債投信およびグリーン公社債投信の換金時手数料:取得年月日により、1万口につき上限108円(税込)
その他の投資信託の換金時手数料:ありません
■お客さまが信託財産で間接的に負担する費用
運用管理費用(信託報酬):上限 年率2.6824%(税込)
※ 上記は基本的な料率の状況を示したものであり、成功報酬制を採用するファンドについては、成功報酬額の加算
によってご負担いただく費用が上記の上限を超過する場合があります。成功報酬額は基準価額の水準等により変
動するため、あらかじめ上限の額等を示すことができません。
■その他費用・手数料
上記以外に保有期間等に応じてご負担いただく費用があります。投資信託説明書(交付目論見書)等でご確認ください。
※上記に記載しているリスクや費用項目につきましては、一般的な投資信託を想定しております。
費用の料率につきましては、アセットマネジメントOne株式会社が運用するすべての投資信託のうち、徴収するそれぞれ
の費用における最高の料率を記載しております。
※税法が改正された場合等には、税込手数料等が変更となることがあります。
【ご注意事項】
●当資料は、アセットマネジメントOne株式会社が作成したものです。
●当資料は、情報提供を目的とするものであり、投資家に対する投資勧誘を目的とするものではありません。
●当資料は、アセットマネジメントOne株式会社が信頼できると判断したデータにより作成しておりますが、その内容
の完全性、正確性について、同社が保証するものではありません。また掲載データは過去の実績であり、将来の運用
成果を保証するものではありません。
●当資料における内容は作成時点のものであり、今後予告なく変更される場合があります。
●投資信託は、
1.預金等や保険契約ではありません。また、預金保険機構および保険契約者保護機構の保護の対象ではありません。
加えて、証券会社を通して購入していない場合には投資者保護基金の対象ではありません。
2.購入金額について元本保証および利回り保証のいずれもありません。
3.投資した資産の価値が減少して購入金額を下回る場合がありますが、これによる損失は購入者が負担することと
なります。
161205JS米国REIT決算セクター別
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