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平成28年度(第60回) 北海道開発技術研究発表会 発表要旨 一覧
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代表発表者
要旨
道路
ビッグデータによる高規格幹線道路のストック効果分析
-携帯位置情報データを用いた広域周遊観光への影響把握-
道路
国道38号赤平バイパスにおける切土法面コンクリート法枠の緑化について
-在来種のつる植物・低木を用いた緑化手法-
道路
橋脚フーチング下面洗掘対策工の施工事例
-一般国道231号 石狩河口橋-
道路
高耐久型SMAの試験施工について-ポットホールの抑制に向けて-
建設部
道路計画課
札幌開発建設部
滝川道路事務所
札幌開発建設部
札幌道路事務所
札幌開発建設部
札幌道路事務所
森本 敏弘
佐々木 晋一
森本 匡晶
澤田 悠奈
道路
一般国道233号深川橋床版劣化・損傷調査に関する取り組み
-長寿命化対策に向けた調査手法-
札幌開発建設部
深川道路事務所
中嶋 尚志
道路
札幌大通地区における共同配送社会実験の取組
-エリアマネジメントによる道路パフォーマンス向上に向けた取組-
札幌開発建設部
都市圏道路計画課
小池 敦史
道路
道路
道路
ICT土工における実際の効果と課題について
-i-Constructionの取組事例-
支笏湖特有の気象特性に対する維持管理の検討
女性技術者が活躍できる土木現場の取組みについて
札幌開発建設部
千歳道路事務所
札幌開発建設部
千歳道路事務所
札幌開発建設部
千歳道路事務所
1
亀山 崇
新保 貴広
川岸 由布子
近年、ストック効果の分析手法としてビッグデータの活用が注目されており、その中
のひとつとして携帯位置情報サービスが存在する。これらのデータは観光目的の
利用だけでなく、日常生活やビジネス目的の利用も含まれるため、旅行者のみの
観光行動を把握することは難しい。本報告では、多様な利用目的のある携帯位置
情報データから、観光利用を抽出し、より正確な広域周遊観光行動の変化を把握
する手法について検討する。
切土法面保護工として広範に採用されているコンクリート吹付枠工は、露出したコ
ンクリート法枠が目立ち、緑化による周辺環境との調和や景観への配慮が必要で
ある。本報告は、国道38号赤平バイパスにおいて、コンクリート法枠の被覆を目的
とし、在来種であるつる植物・低木での緑化を実施したことによる課題や有効性に
ついて報告するものである。
石狩川下流に位置する国道231号の石狩河口橋において過年度より洗掘対策を実
施している。本稿は、平成27年度施工及び平成28年度に施工する橋脚フーチング
下面の洗掘対策工について、調査設計・仮設・施工・施工後の点検について事例
報告するものである。
近年、道路舗装の老朽化が進行し、ポットホールの発生が増加している。その結
果、ポットホールを原因とする交通事故も多数発生していることから、ポットホール
の抑制が急務な状況となっている。そこで、現在標準的に用いられている混合物よ
りも耐久性が高くポットホールが発生しにくいと考えられる混合物の試験施工を行っ
たことから、その配合設計から試験施工の結果までを報告するものである。
深川橋は供用後53年が経過した長大橋で、橋梁点検で床版内部の土砂化が確認
されS1判定となった。調査対象が広範囲で、従来の舗装開削、コア採取による健全
度評価では限界がある。よって新技術を用いた非破壊試験(電磁波探査「スケルカ」
赤外線探査「Jシステム」)で床版全体を把握し、精度向上のため微破壊試験(Single
i)を行った。調査結果から床版補修方針など長寿命化対策に取組んだので報告す
る。
本実験は札幌都心部で路面電車ループ化や、自転車の車道通行の阻害に伴う自
転車利用者の安全性低下、バス走行の阻害による利便性の低下等の要因となる
路上駐停車問題に対し、路上荷さばき駐停車の低減のため、既存ストックポイント
を活用した共同配送の仕組みについて、その実現可能性・持続性・拡張性を検証
するものである。本稿では、その仕組みや検証について報告する。
国土交通省では、今年を「生産性革命元年」と位置づけ、調査・測量、設計、施工、
検査及び維持管理、更新のあらゆるプロセスにICTを取り入れることで生産性を向
上する「i-Construction」を推進しています。ここでは、i-Construction対応型
工事の全国第1号として、ICT技術を積極的に活用し、実際に施工現場で得られた
効果や課題をとりまとめて紹介します。
支笏湖周辺に位置する国道453号では、越波の発生により、度々通行規制を実施
している。淡水湖における越波の発生事例は国内でも珍しいうえ、国立公園内であ
るため対策工の実施にも制約が課せられている。 本稿は、越波の観測結果や支
笏湖の気象条件等から発生要因を分析することにより、事前の通行規制等、国道
の維持管理体制について考察するものである。
現在、建設現場において女性技術者の登用が進められているが、未だ第一線で活
躍する場は少ない。そこで、女性技術者が活躍できる環境とはどういったものなの
か、女性技術者がいることによる男性技術者への影響について一例を取り上げる。
これから女性技術者が活躍でき、工事に関わる全ての人にとって働きやすい環境
づくりとは何かについて考察し、発表する予定である。
平成28年度(第60回) 北海道開発技術研究発表会 発表要旨 一覧
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道路
マスコンクリートにおける強度発現に注目した打設方法
トンネル掘削に伴う湧水対策について
一般国道5号赤松街道における倒木発生時の対応について
-H28.8.30台風10号による倒木被害の課題検証-
一般的な適用支間を超えるPC単純箱桁橋における施工・品質管理について
-函館新外環状道路笹流橋(仮称)での事例-
自然地形を活かしたアーチカルバートの設計・施工について
-ニホンザリガニとの共存共栄のために-
(仮題)後志における自転車施策の取組について
円滑な事務所間連携による通行止めの実施を目指して
-事務所共催による国道230号中山峠除雪出陣式など-
常温合材試験施工について
-維持管理の高度化・コスト縮減に向けて-
札幌開発建設部
千歳道路事務所
函館開発建設部
函館道路事務所
函館開発建設部
函館道路事務所
函館開発建設部
函館道路事務所
函館開発建設部
函館道路事務所
小樽開発建設部
小樽開発建設部
道路計画課
倶知安開発事務所
小樽道路事務所管内
維持工事連絡協議会
2
梅津 宏志
マスコンクリート打設時のひび割れ制御は、ひび割れ指数による事が多いが必ずし
も実打設と一致しないのが現状であるため、コンクリートの早期強度に注目した打
設方法を試みた。事前試験により打設時温度、発現強度、発現時間の関係を推測
し、それらに基づいて実施工における施工手順(リフト厚,打設作業間隔等)を決定
した後、打設を実施しひび割れが生じなかったので現場測定(歪み,温度)に基づ
き理由を考察する。
宗山 徳史
北海道縦貫自動車道 七飯~大沼で計画している(仮称)オオヌマトンネルは、本
坑及び避難坑からなる延長約7kmの長大トンネルである。本トンネルは、破砕帯、
低強度地山、酸性湧水等、種々の課題を有しており、有識者から助言をいただきつ
つ検討を進めている。本報告では、函館開発建設部において実施した、トンネルの
設計施工に向けた課題解決の内、トンネル掘削により酸性湧水が発生するプロセ
スの検討結果について述べる。
小西 健斗
一般国道5号赤松街道において、平成28年8月30日に発生した台風10号による
被害で15本もの赤松が倒木し、国道が通行止めとなる事象が生じた。通行止区間
には、道道等の幹線道路の他に多くの市道及び町道が存在するが、全ての道路で
交通規制を行うことは困難なため、通行止め区間内に進入する車両が多く見られ
た。これらを解消するため、事象が生じた場合の規制方法の課題点及び検討状況
について報告するものである。
坂ノ上 有紀
笹流橋(仮称)は、地域高規格道路函館新外環状道路の赤川IC~日吉IC間に位
置し、二級河川亀田川水系亀田川を渡河する単純PC一室箱桁橋である。本橋梁
は上下分離構造であり、上り線のR橋は支間長65mで国内最大級となる。
大断面箱桁におけるマスコンクリートの施工検討、標準適用支間長を超える固定
支保工における主桁のたわみ管理、PC鋼材の緊張・グラウト管理手法について報
告する。
石澤 克典
函館江差自動車道(茂辺地木古内道路)の事業区間内において、ニホンザリガニ
の生息が多く確認されており、その生息維持を確保することを目的に構築される各
種構造物の形状に配慮が必要であった。
一般的にカルバートの底盤部分はコンクリートとなるが、事業区間内に計画された
一部のカルバートについてニホンザリガニの生息状況からカルバートの底盤部分
に自然地形を活かした構造形状としたものである。
向上 啓
小樽開発建設部では平成28年度に後志管内を対象とした自転車に関わる取り組
みを進めてきており、その一環として、①後志管内自転車走りやすさマップ作成②
自転車利用ルールアンケート等を実施してきた。本稿では、これまでの取組みを通
じて得られた知見をとりまとめるとともに、今後の自転車施策への活用等について
検討を行う。
坂本 尚弘
平成28年2月末に北海道に接近した低気圧に伴う暴風雪により、小樽開建倶知安
開発事務所管内の4路線6区間が通行止めとなり、隣接する建設部をまたぐ路線
の通行止めが発生した。今後も増加が見込まれる暴風雪災害へ対応するために
は、建設部間の緊密な連携が重要となる。当事務所では連携の強化の例として、
札幌開建札幌道路事務所と合同で開催した「国道230号中山峠除雪出陣式」など
について報告する。
松田 光司
舗装にポットホールが発生した場合、至急穴埋めが必要なことから常温合材で応
急措置を行い改めて耐久性のある加熱合材により補修を行っている。しかし、発生
位置や発生時期によっては輪荷重や水等の影響で常温合材が数時間で飛んでし
まい再施工を余儀なくされるため、耐久性及び再施工による費用増加等が課題と
なっている。この課題解決に向け多種多様な常温合材を試験施工し耐久性や経済
性、施工性等について比較検証した。
平成28年度(第60回) 北海道開発技術研究発表会 発表要旨 一覧
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道路
道路
道路
道路
道路
郊外部での自転車用路面標示の安全性に関する効果検証
-路面標示による交通挙動変化と意識に関する調査-
台風の影響により被災した高原大橋の仮復旧について
-工期短縮を可能にした受発注者の協力体制-
旭川冬まつりと連携した、除雪イベント等による観光振興について
-除雪のプロ・TEAM「ド・ボ・ク」屋さんの取り組み事例-
北海道縦貫自動車道における希少植物の保全対策について
-伐り株移植によるカタクリの生育環境の再生-
メッシュシートを用いたイタドリ生育抑制手法の開発
-国道239号線盛土法面における試験施工結果-
音威子府バイパスにおける蛇紋岩の盛土利用について
-セメント改良検討・施工状況-
北の峰トンネルにおけるウォータータイト区間を含めた施工状況報告
-トンネル周辺の地下水位回復に向けて-
国道274号橋梁の被災状況について
-(自然の猛威からの知見)-
旭川開発建設部
道路計画課
旭川開発建設部
道路整備保全課
旭川開発建設部
旭川道路事務所
旭川開発建設部
士別道路事務所
旭川開発建設部
士別道路事務所
旭川開発建設部
旭川開発建設部
士別道路事務所
富良野道路事務所
室蘭開発建設部
道路整備保全課
3
山本 裕基
上川地域は、自転車による観光振興が行われ、国内外からのサイクリング利用
ニーズが高まっているが、国道郊外部の自動車走行速度の高さなど自転車利用環
境の課題がある。 本論文は、国道39号の上川層雲峡地域に矢羽根型路面標示
を施工し、自転車と自動車の挙動の変化や道路利用者の実感を把握し自転車走
行の安全性を検証するとともに、見やすさやコストを考慮した路面標示内容の検討
結果について報告するものである。
渡邊 一悟
国道273号高原大橋は、8月の台風による豪雨の影響でP2橋脚の沈下などによ
り通行止めとなった。被災後、仮橋での通行規制解除の見込みを10月上旬として
いたが、当該地域は9月中旬以降に紅葉が見頃となり、多くの観光客で賑わうこと
もあり、地域への影響を極力少なくするため、工期を短縮し9月中に開通させること
が出来た。
本稿は被災状況と工期短縮を実現した工夫点などについて報告するものである。
阿部 浩一
上田 真代
酒井 聡佑
谷 祥吉
柴田 寛和
藤野戸宏樹
観光立国の推進・インバウンド観光時代を視野に入れ、雪のない地域や外国から
の観光客の方々にも、北国ならではの『雪』への取り組みの体験をしてもらうととも
に、地域住民への除雪についてのご理解、土木従事者の担い手確保も目的に、約
90万人が来場する「旭川冬まつり」のイベントの一部として実施した除雪のプロ・T
EAM「ド・ボ・ク」屋さんの取り組み事例について紹介する。
北海道縦貫自動車道(士別剣淵~名寄間)の事業において、希少植物であるカタク
リの保全と道路緑化を図るため、平成22~24年度にカタクリの移植及び伐り株移
植を行い、モニタリング調査を継続実施している。最初の移植から6年が経過し、移
植効果の評価を行った結果、移植地のカタクリは、他の草本の侵入が少なく、伐株
が順調に生育していることにより、一定の個体数、被覆度、開花結実数を維持して
いると評価した。
北海道の広い範囲に自生するオオイタドリは、地下茎によって群落を形成するほ
か、夏季には草丈が2mを超える高さまで成長するため、視距阻害要因として道路
維持管理上の課題となっている。士別道路事務所では今年度、メッシュシートを用
いたオオイタドリの生育抑制試験を管内の道路盛土法面において実施した。
本論文はその定期的な観察結果と生育抑制効果について報告するものである。
現在建設中の音威子府バイパスでは、蛇紋岩が分布する長大トンネルが2本あり、
蛇紋岩の掘削ズリが発生している。蛇紋岩ズリは、脆弱化し易い性状から盛土へ
の流用が困難と考えていたが、盛土材料不足と建設リサイクルの観点から、固化
材配合による路体盛土への流用を計画・検討し、事業進捗の円滑化を図った。
本報告は、蛇紋岩の固化材配合の検討結果と現地の施工状況をとり纏めたもので
ある。
旭川十勝道路のうち「富良野道路」にて現在施工中の北の峰トンネル(仮称)L=
2,928mは、周辺の水資源が豊富であり水文環境への影響に配慮するため、全
国的にも施工例が少ない真円断面によるウォータータイト構造を採用している。
本トンネルは現在掘削作業が完了し、本体工完了に向けて覆工作業を施工中であ
るため、その掘削実績と覆工の施工状況について報告するものである。
8月17日~23日の1週間に3個の台風が北海道に上陸。また、8月29日から前
線に伴う降雨があり、その後、台風第10号が北海道に接近した30日から31日の深
夜にかけて、日勝峠周辺で局地的に猛烈な雨量を記録。この影響により河川が増
水し国道274号千呂露橋、大颱橋、岩瀬橋が落橋し、その他多くの橋梁も被災し
た。本論文では、千呂露橋、大颱橋、岩瀬橋の落橋状況、その他橋梁の被災状況
と傾向について報告するものである。
平成28年度(第60回) 北海道開発技術研究発表会 発表要旨 一覧
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道路
道路
道路
道路
道路
道路
道路
千呂露橋の被災から応急復旧橋の設置について
-(地域住民の安心確保に向けて)-
白鳥大橋における舗装補修工事について
-予防保全を考慮した舗装補修の事前調査から施工まで-
ボックスカルバートの基礎地盤対策について
-カルバート基礎補強工法の施工-
北海道横断自動車道(音別阿寒間)における工事前~供用後の猛禽類生息状況評価
釧路外環状道路別保地区における大規模切土について-ICT活用工事の施工事例-
ICTを活用した現場管理について
-北海道横断自動車道 陸別町 日宗橋下部工事での活用事例-
帯広広尾自動車道(中札内大樹道路)整備における希少猛禽類への影響評価
-工事前~供用後の生息状況比較から-
紋別協働型道路マネジメントの取組について
室蘭開発建設部
日高道路事務所
室蘭開発建設部
室蘭道路事務所
釧路開発建設部
釧路道路事務所
釧路開発建設部
釧路道路事務所
釧路開発建設部
釧路道路事務所
帯広開発建設部
足寄道路事務所
帯広開発建設部
帯広道路事務所
道路計画課
網走開発建設部
4
菊地 智宏
8月17日~23日の1週間に3個の台風が北海道に上陸。また、8月29日から前
線に伴う降雨があり、その後、台風第10号が北海道に接近した30日から31日の深
夜にかけて、日勝峠周辺等で局地的に猛烈な雨量を記録。この影響により河川が
増水し、国道274号千呂露橋が落橋した。本論文では、千呂露橋の落橋から林道
を利用した迂回路の設定、1車線の応急復旧橋架設までを報告するものである。
福田 孝志
白鳥大橋は室蘭港に架設されている長大吊橋であり、橋梁各部材の交換は非常
に困難である。そのため予防保全を中心とした戦略的維持管理計画が必要とされ
ている。白鳥大橋の舗装は変形追随性、低温時疲労抵抗性を有する耐久性に優
れた舗装を採用しているが、近年、舗装表面に損傷が広範囲で確認された。 本稿
では、予防保全を考慮した舗装の事前調査から、施工方法の検討及び施工につい
て報告する。
富田 直樹
北海道横断自動車道阿寒釧路間(L=17km)は、全区間の約75%が泥炭性軟弱地
盤上の盛土区間で、そこに40基のボックスカルバートが計画されている。しかし、指
針改訂に伴い、従来のプレロード工法では支持力不足となることが課題となり、解
決策として「プレロード+カルバート基礎補強工法(ジオシンセティックス使用)」を26基のカ
ルバートで計画した。本論文では、ここに至るまでの新工法のフィールド試験と本施
工での計測結果を報告する。
山田 友也
北海道横断自動車道(音別阿寒間)では、路線周辺に生息するクマタカ、オジロワ
シ等に配慮を行いながら工事を実施し、平成27年3月に浦幌IC~白糠IC間、平成
28年3月に白糠IC~阿寒IC間が開通した。
本稿では、工事中~供用後の保全対策の内容について報告するとともに、モニタリ
ング結果を踏まえ、工事前~供用後にかけての猛禽類生息状況及び生息環境の
変化について評価を行った結果を報告する。
河合 俊幸
山口 翔吾
宮葉 斗夢
佐藤 明
釧路外環状道路の別保地区の地山は、土砂、軟岩、中硬岩、硬岩により構成され
ており、総切土量約40万m3を掘削する大規模切土法面であり本年度は約25万m3
の掘削を行った。こうした複数の土質により構成された切土においてICTを活用し掘
削、法面整形を行った施工事例について報告する。
国交省では今年度より、建設現場における建設生産システム全体の生産性向上を
図り、魅力ある建設現場を目指す取組であるICT(i-Construction)を積極的に推進
している。
本文では、事業中の北海道横断自動車道足寄~北見間の建設現場においてICT
を活用した際の現場管理の手法及び課題等について紹介する。
帯広広尾自動車道中札内大樹道路では、路線周辺に生息するオオタカ、ハイタカ
に配慮を行いながら工事を実施し、平成25年3月に中札内IC~更別IC、平成27
年3月に更別IC~忠類大樹ICが開通した。本事業では、工事前から供用後まで継
続的に希少猛禽類の生息状況について確認を行ってきた。本稿では、本事業にお
ける工事前後の猛禽類の生息状況をとりまとめ、道路整備による影響評価を行っ
た結果を報告するものである。
網走開発建設部では、紋別地域において、地域特有のニーズに即した使いやすい
道路づくりを目指し、平成24年から協働型インフラ・マネジメントを導入した。地域
住民・団体、学識者、行政、道路管理者からなる組織を設置し、目指すべき姿であ
る基本プランの策定・実現に向けた活動を実践している。本稿では、PDCAサイクル
により継続的に取り組んできた約5年間の活動と得られた知見について報告する
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北海道横断自動車道における不良土に対する安定処理工について
8月17日から30日にかけての大雨による網走開発建設部の道路災害について
大重量ポストテンションT桁の施工について
-一般国道232号築別橋での事例報告-
ETC2.0データ活用による観光動向分析の試み
~ 観光推進方策検討へのアプローチ ~
過疎・高齢化社会における地域除雪の現状と課題
一般国道232号臼谷地区における地すべり対応について
沿岸部における簡易カメラの実証実験結果
-従来型カメラとの視認性比較-
斜杭基礎の新基準による斜杭設計施工法
-計測管理による杭支持機構検証-
北見道路事務所
網走開発建設部
道路整備保全課
網走開発建設部
留萌開発建設部
羽幌道路事務所
留萌開発建設部
道路計画課
留萌開発建設部
道路計画課
留萌開発建設部
留萌開発事務所
稚内開発建設部
施設整備課
稚内開発建設部
稚内道路事務所
5
池内 祐太
北海道横断自動車道(網走開建側)では、不良土を安定処理し、盛土材として使用
している。混合にはロータリースタビライザーを使用し、他現場へ搬出前に現場内
にて混合し、所定の強度を確保している。その際の、セメント配合の決め方、施工
方法、メリット・デメリットについて発表する。
逢坂 秀継
8月17日から30日にかけて、道東を中心に台風7号、11号、9号、10号の影響により、
大雨が降った。当該事象により、網走開発建設部管内の国道において、通行止め
が多数発生した。本稿は、当該事象にける道路被害状況及び応急復旧状況につい
て報告するものである。
千葉 哲也
一般国道232号羽幌町に架かる築別橋の架替にあたり、橋長178.2m、4径間
連結ポストテンションT桁橋を採用した。
施工にあたり、施工時期が冬期間となることから主桁をセグメント化し、現場作業の
効率化を図り主桁の施工効率を向上させ、さらに大重量桁を抱込式架設桁架設工
法により架設し、工事を円滑に完了させた。
本稿は、築別橋の架設計画から工事完成までの一連の過程を報告する。
森 俊之
過年度より『ETC2.0』に関する環境整備やユーザーへのサービス提供、許諾を得た
車両の経路情報、挙動履歴データ収集などが開始されている。
本論文では、『ETC2.0』により収集された車両情報を用いて、近年活発な『北海道ド
ライブ観光』における動向分析などを基に『ETC2.0データ』及び他の関連データ活
用も併せた留萌管内への効果的なドライブ観光の誘導方法や広報戦略などの検
討を試みるものである。
原田 小雪
近年、過疎・高齢化により流雪溝等の除排雪システムが効果的に機能しない状況
が生じ、冬の快適な生活空間の維持に支障を来す地域が出始めている。
苫前町古丹別地区では、地域住民が一体となり、地域除雪体制の再構築の検討を
開始した。本論文では、地域との協働で地域除雪の課題を調査し、過疎・高齢化地
域における地域除雪の論点整理及び今後の地域除雪のあり方を考察するもので
ある。
兒嶋 啓太
一般国道232号臼谷地区の地すべりは、今年度、集水井や鋼管抑止杭等の施工
により対策が完了する。
当該箇所では、現道交通の安全確保のため、パイプ歪計等による定期観測や、地
下水位観測と自動メール配信を取り入れた常時自動観測などにより、地すべり状
況の把握を行ってきた。
本稿では、当該箇所における、管理および対策工完了までの一連の過程を報告す
る。
土岐 尚広
山﨑 周
国土交通省では道路情報を収集する手段の一つとして、道路監視用カメラを整備
している。カメラ設備は全国統一仕様にて整備を行っているが、平成26年11月、
新たに旋回式簡易カメラ装置仕様が制定された。そこで、この旋回式簡易カメラ装
置を日本最北端の地である宗谷岬に設置し、沿岸部における降雨、潮風及び積雪
等による視認性を検証したので、その結果について報告する。
稚内開発建設部管内の幌延IC橋(仮称)において、当該地盤の軟弱性より建設コ
スト縮減を念頭とした新技術活用を目的に、斜杭基礎を採用した。本論では、本橋
梁の合理的設計手法の考え方を精査するとともに、同時に基準改訂後北海道内で
初めての適用現場となる事から、杭応力計測工等を併用した施工管理技術を示
す。さらに、今後のデータ計測の継続を踏まえ、斜杭基礎の現場条件に応じた有る
べき方向性を展望した。
平成28年度(第60回) 北海道開発技術研究発表会 発表要旨 一覧
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一般国道238号浜猿防災事業における環境配慮の取り組み
-供用に向けたチュウヒ・オジロワシへの環境配慮-
浜頓別道路事務所管内道路防雪林維持管理計画の作成
稚内開発建設部
稚内開発建設部
浜頓別道路事務所
浜頓別道路事務所
施工時にシラン系表面含浸材の含浸深さを非破壊で管理する方法の開発に向けての基礎 (国研)寒地土木研
実験
究所
経済的な地盤改良技術の改良効果および設計法の提案
~グラベル基礎補強併用低改良率地盤改良について~
「道の駅」の現地調査から把握した計画・設計の現状と課題について
理論的設計方法を用いたアスファルト舗装設計に関する一検討
室内試験における凍結融解サイクルと実環境における供用年数との関係把握に向けた基
礎実験
ラウンドアバウトのエプロン端部形状の違いによる乗り上げ抑制効果の検証
耐寒材料チーム
寒地地盤チーム
(国研)寒地土木研究所
(国研)寒地土木研
究所
(国研)寒地土木研究所
地域景観ユニット
寒地道路保全チーム
寒地技術推進室
(国研)寒地土木研究所
(国研)寒地土木研究所
寒地機械技術チーム
6
古市 直人
一般国道238号浜猿防災事業(浜頓別工区)では、整備路線周辺に希少猛禽類で
あるチュウヒやオジロワシが存在していることから、生息環境に配慮を行いながら
事業を進めている。
今後の供用開始に向けて、現在までの現地調査結果や有識者の助言等に基づ
き、供用によるチュウヒやオジロワシへの影響について予測・評価を行うとともに、
生息環境の確保へ向けた取り組みを計画・実施している。本論では、その内容につ
いて報告する。
渡邊 博彦
浜頓別道路事務所管内の一般国道238号では、昭和61年度に浜頓別町山軽地区
等で道路防雪林の造成に着手し、以来5箇所で延べ延長11.7kmが造成された。こ
れまでも下草刈り・間引き・管理用道路設置などの維持管理作業を行ってきたが、
下枝の枯れ上がり等が目立つ工区も散見されている。このため、生育状況に応じ
た維持管理計画を策定し、今年度より計画に基づき維持管理作業を開始したの
で、ここに報告する。
遠藤 裕丈
近年、コンクリート構造物の凍・塩害抑制対策として、シラン系表面含浸材が広く使
用されている。一般に施工で管理されるのは主に塗布量で、含浸深さは直接的に
は管理されていない。含浸深さは施工後、部材からコアを
採取することで確認できるが、効率的な管理方法とは言い難い。そこで施工の際、
大凡の含浸深さを非破壊で簡易に把握できる技術の開発に向け、現場で打設・塗
布されたコンクリートを使用して実験を行った。
橋本 聖
軟弱地盤上の盛土の安定対策としてセメント等による固化改良体を採用する際、
経験的に改良率ap=50%以上が用いられる。この場合、改良効果は十分に期待でき
るが、他の地盤改良技術と比較して建設費が割高となるケースが多い。
本報告は経済的な軟弱地盤対策工法である「グラベル基礎補強併用低改良率地
盤改良」について、試験施工及び二次元弾塑性FEM解析結果から改良効果、設計
法について述べる。
吉田 智
「道の駅」は設計自由度が高く、独自性も強いことに加えて設計事例も少なく、計画
や設計を支援する技術資料が存在しない。そのため地域振興などに寄与していな
い計画・設計事例も少なくない。また近年「道の駅」へのニーズは多様化し、これら
に対応した適切かつ一定水準の計画・設計ノウハウを提供する必要がある。
本報告では、現地調査や関係者ヒアリングから把握した「道の駅」の計画・設計上
の現状と課題について報告する。
安倍 隆二
アスファルト舗装の理論的設計方法は、環境条件などの設計条件にも柔軟に対応
でき舗装各層の厚さを自由に設定可能なため、新材料・新工法の導入を検討する
際には有効な手法である。本研究では、理論的設計方法によって設計したアスファ
ルト舗装の供用性状やアスファルト混合物の弾性係数の設定方法等について検討
した結果を報告する。
川村 浩二
一般にコンクリートの耐凍害性評価は、室内で実施される凍結融解試験の結果を
もとに行われる。しかし、室内試験は実際の環境条件を再現したものではなく、中に
は温度勾配などの諸条件が実環境に対して厳しいという意見もある。ここでは過年
度に開発した凍害進行予測式を活用し、同じ材料・配合のコンクリートを実環境に
曝した際の予測式と、室内実験で得られる予測式を比較し、本論の範囲でサイクル
と供用年数の関係把握を試みた。
佐藤 信吾
ラウンドアバウトの環道とエプロンの境界は、利用者がそれを認知できるように段
差をつけることが有効と考えられている。
過年度、段差をすりつけ形状にすることで、除雪装置の接触による段差の損傷を抑
制できることを定量的に確認した。本稿では、すりつけ形状の段差における、車両
の乗り上げ抑制効果について、被験者走行による主観評価試験を行い検証したの
で報告する。
平成28年度(第60回) 北海道開発技術研究発表会 発表要旨 一覧
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道路
道路
道路
道路
道路
道路
道路
道路
凍結融解と凍結防止剤の複合作用を受ける道路橋コンクリート部材における
塩化物イオン浸透予測の試み
沿道の屋外広告物が景観へ与える影響と広告効果に関する被験者実験
数種の防錆方法を施した鉄筋による腐食促進実験
北海道における冬期の交通事故傾向および交通事故リスク要因の分析
アスファルト再生骨材の凍上抑制層材料としての検討
積雪寒冷地救急医療支援からみた道路空間・付帯施設の活用の効果
北海道における短時間多量降雪に起因する雪崩発生の気象の特徴
コンクリートの乾燥収縮に及ぼす材齢初期の養生の影響
道北支所
(国研)寒地土木研究所
地域景観ユニット
(国研)寒地土木研究所
耐寒材料チーム
(国研)寒地土木研究所
寒地交通チーム
(国研)寒地土木研究所
(国研)寒地土木研究所
寒地道路保全チーム
寒地交通チーム
(国研)寒地土木研究所
雪氷チーム
(国研)寒地土木研究所
耐寒材料チーム
(国研)寒地土木研究所
7
高田 尚人
田宮 敬士
清野 昌貴
齊田 光
上野 千草
宗広 一徳
コンクリート構造物の維持管理を計画的に行うには、コンクリートの耐久性が時間
軸に沿ってどのように低下するかを適切に把握する必要がある。特に寒冷地では
凍結融解と塩化物の複合作用を考慮した評価が求められる。
ここでは、北海道の道路橋下部コンクリートを対象に、過年度に得た研究成果を活
用し、当該調査の結果から塩化物イオン拡散係数の経時変化を求め、塩化物イオ
ン浸透予測を試みた。
景観阻害となる屋外広告物に関して、自治体条例による規制等も実施されている
が十分とは言えない。そこで広告事業者等への主体的な取組みを促すために、地
域の魅力を低下させる広告物は広告効果自体も低下する事を示すのが有効と考
える。本研究では、沿道の屋外告物が景観へ与える影響と広告効果との関係を把
握する被験者実験を行った。
海岸部の飛沫塩分や凍結防止剤の影響箇所における補修を念頭に置き、数種の
異なる鉄筋防錆方法を施した鉄筋を使用して塩水での乾湿繰り返し条件による比
較検討実験を行った。その結果、防錆処置による一定の防錆効果を確認し、塗布タ
イプの防錆方法では、塗布量の多少による腐食速度の違いを確認した。また、各防
錆方法を施すことによりマクロセル腐食が発生する可能性があることを確認した。
北海道内における交通事故件数は減少を続けているものの,近年になりその傾向
は鈍化しつつある.特に北海道の冬期における気象条件は全国で最も厳しく,冬期
交通事故の傾向を捉えることは更なる交通事故の減少を目指す上で重要である.
そこで本研究では,交通事故分析システムを用いて冬期における交通事故の発生
傾向を明らかにするとともに,交通事故リスクに影響を及ぼす要因について検討を
行った.
道北地域では、アスファルト塊のストック量が著しく増大し、ストックヤードの確保が
困難な状況にあり、再生加熱アスファルト混合物用骨材としての使用量が減少傾
向にある中、アスファルト混合物以外の用途による利用促進が期待されている。
そこで、アスファルト再生骨材を国道本線上の凍上抑制層に用いるため、試験施工
を実施し、支持力等を確認した結果を報告する。
北海道内における過去6年間の救急医療用ヘリコプターの緊急離着陸場の利用実
態について調査したところ、道路付帯施設である除雪ステーションや駐車帯の利用
回数が増加傾向を示した。また、患者の疾患別に、救急医療時の医師現場到着時
間と、患者の退院後のQOL(生活の質)についてデータを整理した。その結果、医
師現場到着時間の短縮は、事後のQOLの改善に貢献することが示された。
原田 裕介
近年、北海道では急激に発達した低気圧の接近通過に伴う短時間多量降雪によ
り、山間部では雪崩発生による通行止めが散見される。今後、冬期道路の安全・安
心を考慮するうえで、短時間多量降雪による雪崩の発生条件の解明が重要であ
る。本発表では、北海道における過去の道路雪崩発生履歴をもとに、短時間多量
降雪による雪崩を抽出のうえ、気象観測データと地上天気図よりこれらの特徴につ
いてとりまとめる。
吉田 行
コンクリートは材齢初期に乾燥の影響を受けると収縮量が大きくなり、ひび割れが
生じる確率が高くなる。コンクリートに生じた材齢初期のひび割れは、構造物の耐
久性を低下させる要因となるため、コンクリートの収縮挙動を把握することは極めて
重要となる。本研究では、材齢初期の湿潤養生期間や養生温度を変えたコンク
リートを用いて乾燥収縮試験を行い、乾燥収縮に及ぼす材齢初期の養生の影響を
調べた。
平成28年度(第60回) 北海道開発技術研究発表会 発表要旨 一覧
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道路
道路
道路
道路
道路
道路
道路
高齢運転者を対象とした道路附属物配置実験
-製品開発の改善点抽出手法を用いて-
道路の維持管理における街路樹の効果的なマネジメント手法について
-札幌市の街路樹管理からみた考察-
凍結防止剤散布における作業判断支援技術に関する研究
新しい非塩化物系凍結防止剤の融氷性能および植物への害に関する研究
トンネル内コンクリート舗装の摩擦係数低下要素と粗面化技術による対策効果
-ダイヤモンドグラインディング工法による改善効果-
近赤外線およびマイクロ波を用いた路面状態の評価について
暴風雪災害における情報提供が行動判断に与える影響について
凍害劣化したコンクリート表面に対する表面強化材の修復効果検証実験
寒地交通チーム
(国研)寒地土木研究所
地域景観ユニット
(国研)寒地土木研究所
寒地交通チーム
(国研)寒地土木研究所
寒地交通チーム
(国研)寒地土木研究所
(国研)寒地土木研究所
寒地道路保全チーム
寒地交通チーム
(国研)寒地土木研究所
雪氷チーム
(国研)寒地土木研究所
耐寒材料チーム
(国研)寒地土木研究所
8
高田 哲哉
認知判断機能が低下する高齢運転者の増加に伴い、道路空間に数多く整備され
た道路附属物の分かり易さが求められている。分かり易さを評価する手法の一つ
に、製品開発分野で採用が進むユーザテストがある。これは、利用者視点から評
価と改善を繰返し製品の使い勝手を高めるものである。そこで、高齢運転者を対象
に、本テストによる道路附属物の配置実験を実施した。本稿は、本テストの道路交
通分野への適用性及び実験結果を述べる。
蒲澤 英範
街路樹は景観形成や快適な街並みの創出などに大きな役割を担っている。しかし
道路整備の実施から年数が経ち、当時植えられた街路樹は大きく成長した一方で
老朽化した樹木も少なくない。更に維持管理コストの削減から、過度な剪定がなさ
れ樹木の健全度や道路緑化機能が低下した例もみられる。
そこで安全で良好な道路空間の創出を目的とする街路樹の管理、更新を効率的で
効果的に行うマネジメント手法を提案する。
徳永ロベルト
著者らは、凍結防止剤散布において作業員の熟練度に左右されずに的確な判断
が可能な支援技術を確立するため、被験者実験を行い、熟練・未熟作業員の判断
等の違いを調べた。また、車載端末による情報提供方法が判断等に与える影響の
違いも調べた。実験結果は、熟練・未熟作業員の判断等に違いを示した。また、情
報提供は両者の判断等の改善に寄与し、情報提供方法として音声と画像の組み合
わせによる効果が最も大きいことを示した。
佐藤 賢治
プロピオン酸ナトリウム(プロナト)は、塩化ナトリウム(塩ナト)と混合することで、塩
ナトより金属腐食が抑えられる物質である。本研究では、プロナトの凍結防止剤利
用に向けた検討の一環として、融氷量試験およびこまつなへ与える害に関する試
験を行った。その結果、塩ナトとプロナトの重量比8:2混合物は、塩ナトと比べて融
氷効果が同程度であり、こまつなの発芽および生育に与える害が小さいことを確認
した。
井谷 雅司
トンネル内コンクリート舗装は,供用からの時間経過に伴い路面摩擦が低下する事
例が見られる.本報告では,コンクリート舗装の表層成分の変化に着目し,すべり
抵抗値の低下に起因する要素について考察する.また,北海道開発局管内の国道
231号のトンネル内コンクリート舗装において,ダイヤモンドグラインディング工法
による路面摩擦改善に関する試験施工を実施しており,その追跡調査結果につい
ても併せて報告する.
中島 知幸
本研究では、道路交通の支障とならず雪氷路面の状態を評価可能な方法として、
光学式センサーを使用した路面状態の評価に取り組む。本論文では、平成27年度
の夏期および冬期に北見工業大学と共同で実施した、近赤外線およびマイクロ波
を使用した野外試験の結果について報告する。計測結果から、近赤外線およびマ
イクロ波ともに、路面上の水および氷の有無を判別できる可能性が示された。
西村 敦史
災害時の注意喚起情報を受けた時の行動は、過去の経験など様々な要因に影響
される。しかし、吹雪災害においては、過去の経験が行動判断に与える影響が分
かっていない。そこで、この点を明らかにするためアンケートを実施した結果、全く
前が見えない視界不良を経験したことのある回答者より、軽度の視界不良を経験し
たことのある回答者の方が視程障害の発生予測情報を受けた時に「運転しない」と
回答する割合が高いことがわかった。
内藤 勲
コンクリート表面が凍害劣化によって徐々に剥がれ落ちるスケーリングの補修に
は、現在、断面修復工が主に実施されている。しかし、劣化部を破砕器等で除去す
る際に建全部に微細ひび割れが発生し、コンクリートを損傷させている可能性もあ
る。そこで本研究では、表面を劣化させた供試体に種々の表面強化材を塗布する
ことで劣化部を破壊せずに修復させる実験を行い、その修復効果を超音波や曲げ
試験によって検証した結果を報告する。
平成28年度(第60回) 北海道開発技術研究発表会 発表要旨 一覧
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要旨
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道路
道路
道路
道路
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道路
国縫橋の地覆コンクリートの部分打替えにおける耐寒剤の適用
気温と路面温度の相関に基づく路面温度予測の広域化手法に関する研究
積雪寒冷地における橋梁用伸縮装置の劣化損傷とその対策について
ひび割れ抑制シートの効果と適用方法に関する検討
景観まちづくりにおける無電柱化の整備効果に関する事例分析
XバンドMPレーダを用いた吹雪検知の可能性について
-レーダデータと地上観測結果の比較-
観光地の魅力向上に寄与する屋外公共空間のあり方について
北海道型SMAのきめ深さと走行安全性の関係に関する研究
耐寒材料チーム
(国研)寒地土木研究所
寒地交通チーム
(国研)寒地土木研究所
寒地構造チーム
(国研)寒地土木研究所
(国研)寒地土木研究所
寒地道路保全チーム
地域景観ユニット
(国研)寒地土木研究所
雪氷チーム
(国研)寒地土木研究所
地域景観ユニット
(国研)寒地土木研究所
(国研)寒地土木研究所
寒地道路保全チーム
9
嶋田 久俊
国縫橋の冬期補修工事は、地覆の部分打替えのため施工箇所が点在しており、コ
ンクリート工の中に占める給熱養生のための雪寒仮囲い費用の割合が大きくなる
等の理由により、簡易なシート養生が可能なコンクリート用混和剤の耐寒剤を用い
た。その結果、コンクリート温度は、外気に近い上部よりも既設コンクリートと接する
下部の方が低くなることがわかった。また、積算温度により圧縮強度の推定が可能
であること等が明らかとなった。
藤本 明宏
本研究では、近年の気象メッシュ予報の空間分解能の精緻化に着目し、新たな路
面温度予測の広域化手法を構築している。本論文では、気温と路面温度の相関関
係を明らかにし、実測値との比較から気温メッシュデータを用いた路面温度予測の
広域化手法を検証した。
本研究により、夜間であれば気温と路面温度の相関性は高く、従来手法と同程度
の予測精度で気温メッシュデータを用いて広域に路面温度を予測できる可能性が
示された。
佐藤 孝司
積雪寒冷地における道路橋の伸縮装置は凍結防止剤散布による腐食の影響や除
雪車による衝撃を伴う損傷等劣化損傷を受けやすい部材である。近年、それらの
劣化損傷による伸縮装置の取替工事が急増しており、その原因究明と対策が強く
求められている。本報告では現地調査等から、積雪寒冷地における伸縮装置の劣
化損傷原因を推定し、それを踏まえた対策技術と更新時の留意事項について報告
する。
丸山 記美雄
本研究は,ひび割れ抑制シートのひび割れ抑制効果を,供用中の道路において長
期追跡調査によって評価し,今後の適用方法を検討したものである.
長期追跡調査の結果,引張強度が高く伸び率の少ないシートのひび割れ再発抑制
効果が高いことが確認された.特に,低温ひび割れと亀甲状の疲労ひび割れの補
修時には,引張強度が高く伸び率の小さいシートを適用することが有効であると考
えられる.
岩田 圭佑
無電柱化推進の機運が高まる一方、景観向上効果をはじめ、無電柱化の様々な
整備効果を定量的に示すことは難しく、無電柱化推進の支障となっている。
本研究では、景観面での無電柱化整備効果を具体的に示すことを目的として、市
街地や農村自然域を対象に景観まちづくりを主たる目的とした無電柱化事例を抽
出し事業効果を分析した。そのうえで、事業スケールや関連施策に着目し、景観面
の整備効果が発現する要件について考察した。
大宮 哲
本研究では、XバンドMPレーダを用いた吹雪検知の可能性を明らかにすることを
目的とし、レーダデータと地上降雪観測結果の比較を行った。その結果、総じて
レーダ値は地上観測値を過大評価する傾向があることを確認した。また、降雪検知
のタイミングのズレについても確認した。これらの要因について、上空風による雪粒
子の移流効果や降雪種の違いに着眼した検討を行った。
笠間 聡
観光地としての魅力向上を考える上で、観光地の景観や空間の質および機能は大
変重要である。これらの改善のポイントを明らかにしていくことは、将来の観光地の
競争力向上のために不可欠である。
実施した全国で評価の高い6温泉街型観光地の調査からは、それらの屋外公共空
間について「6の共通点」のあることが見つかった。その他の観光地の分析からも、
これらの共通点への適合が観光地の高評価に寄与している可能性を確認できた。
田中 俊輔
北海道型SMAは、密実な構造による耐久性と粗いきめ深さによる走行安全性の機
能を有する。耐久性と走行安全性を確保するためには、高い締固め度と十分なき
め深さを確保することが必要であるが、両者は相反する関係を持つことが確認され
ており、品質・出来形管理の規格値について更なる検討が必要である。本研究は、
北海道型SMAのきめ深さと走行安全性の機能との関係を明らかにし、走行安全性
確保に必要なきめ深さを検討した。
平成28年度(第60回) 北海道開発技術研究発表会 発表要旨 一覧
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治水
治水
治水
治水
治水
治水
治水
治水
平成28年8月洪水を踏まえた再度災害防止に向けた河川整備の考え方について
河川構造物設計のための軟弱地盤の地盤条件把握の向上に向けて
-柔構造樋門詳細設計を事例として-
水生生物等の生息環境に配慮した河道掘削工事の事後検証について
―漁川を事例として―
多地点水位観測を用いた流入量算定精度向上の検討について
―多地点水位による平均断面法―
自治体との図上訓練による防災力向上に向けた取り組み
長沼町における魅力あるまちづくりに向けた取組みについて
-タンチョウが飛来する舞鶴遊水地を軸に-
平成28年台風第10号 空知川上流堤防決壊における氾濫メカニズムについて
平成28年台風第10号による南富良野町幾寅築堤の被災状況とその特性について
泥炭掘削土を活用した高水敷樹林化抑制試験について(第2報)
建設部
札幌開発建設部
札幌開発建設部
札幌開発建設部
札幌開発建設部
河川計画課
千歳川河川事務所
千歳川河川事務所
千歳川河川事務所
漁川ダム管理支所
岩見沢河川事務所
札幌開発建設部
河川計画課
札幌開発建設部
河川計画課
札幌開発建設部
河川計画課
札幌開発建設部
河川計画課
10
佐藤 裕介
平成28年8月に北海道に9年ぶりとなる台風が相次いで上陸し、道東を中心に各
地で記録的な大雨となり、道内の5水系6河川で既往最大の水位を更新し、河川の
氾濫や土砂災害等、甚大な被害を発生させた。本報では今夏の水災害を受け、災
害発生後の早急な復旧に向けて、十勝川及び常呂川の被災事例を元に、災害復
旧事業を活用し、河道の上下流バランスを考慮した災害復旧の考え方について報
告するものである。
濱田 悠貴
千歳川流域の多くの地域は、泥炭や粘土等の軟弱地盤層が広がり、正確な地盤条
件を踏まえた河川構造物の設計・施工を実施しなければ、施工後に沈下やクラック
等の変状が発生する可能性がある。本報では、千歳川河川整備計画に基づく堤防
整備で全面改築予定の近接2樋門の設計にあたり、土質定数設定の方法を整理
し、両樋門下の地質調査結果の整合化により、地盤条件をより正確に捉え、設計に
反映させた事例を報告するものである。
伏屋 豪
漁川では、平成17年に策定された千歳川河川整備計画に基づき、平成19年度か
ら平成25年度まで河道掘削を実施したところである。一方、同流域はサケ、サクラ
マス等をはじめ多様な水生生物が生息していることから、掘削工施工時にこれら生
息環境の早期回復を期待した工法を採用した。本報では、漁川の河道掘削箇所の
河川環境事後調査結果を取りまとめ、報告するものである。
杉村 大輔
ダム流入量は、ダムを管理する上で重要なデータである。漁川ダムは、ダム堤体に
設置した貯水位計の1地点において、その水面勾配が一定であるものとして貯水
位変化量を計測し流入量を算出している。しかし、流入量が急激に増加する洪水
の初期では、貯水面に縦断的な水位変動が生じている事が考えられる。このことか
ら、貯水池内の多地点に水位計を設置し、水面勾配を捉えた観測手法の効果につ
いて取りまとめ報告するものである。
與田 直斗
近年、局地的豪雨などに起因し増加傾向にある大規模な降雨災害に関して、住民
の避難行動をより迅速かつ的確に行うために平時から北海道開発局と自治体等の
情報の共有・連携が重要である。本論文は、自治体との連携強化・地域防災力向
上の観点から洪水時の堤防決壊緊急時対策シミュレーションの一環で実施したDIG
訓練等の岩見沢河川事務所の取り組みについて述べるものである。
飯島 直己
長沼町は、かつて多数の沼地があり、タンチョウ等の生息地だった。近年、開拓等
の影響によりその姿は見られなくなったが、平成27年に供用された舞鶴遊水地で、
タンチョウの飛来が確認された。札幌開発建設部では、長沼町と連携し、地域の多
様な主体が参画する「タンチョウも住めるまちづくり検討協議会」を設立し、豊かな
環境を有する魅力ある地域形成に向け検討を始めた。本稿では、これらの取組み
に関して概報する。
松本 勝治
平成28年8月洪水では、空知川上流域の観測所で既往最大雨量の2倍近くに達
する降雨となり、金山ダムでは建設後最大の流入量を記録した。この洪水により空
知川の堤防(2カ所)が決壊し、南富良野町幾寅地区で甚大な浸水被害が発生し
た。 本研究は、堤防決壊時における氾濫解析を行い、氾濫流の挙動、浸水範囲
など洪水による氾濫現象を把握し、再度災害防止に向けて、今後の治水計画に反
映させるものである。
本郷 将輝
平成28年8月、3個の台風が北海道に上陸した後、台風第10号が接近し、串内観
測所で3日間累加雨量が515㎜を超えるなど各地で大雨となった。石狩川流域で
は、特に空知川の幾寅築堤が破堤し、南富良野町で甚大な浸水被害が発生した。
本報告は、堤防被災状況とその特性についてとりまとめ、考察を加えて報告するも
のである。
熊木 朋子
石狩川下流の高水敷はヤナギ類が繁茂している区間が多く、流下断面の阻害や
河岸への接近困難等、河川管理に支障をきたしていると共に、生態系を画一的な
ものにしている。そこで昨年度、石狩川下流幌向地区自然再生を通じて得た高位
泥炭や高層湿原に関する知見をもとに、千歳川江別太遊水地内の掘削で発生する
高位泥炭等を活用して高水敷上の樹林化を抑制する試験を計画し、今年度試験地
を造成したので、第2報として報告する。
平成28年度(第60回) 北海道開発技術研究発表会 発表要旨 一覧
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部門
演題名
所属
筆頭所属
代表発表者
要旨
治水
治水
治水
治水
石狩川水系空知川における破堤箇所の災害復旧工事について
-緊急復旧工事及び本堤復旧の工事報告-
平成28年台風10号空知川上流における画像処理型流量観測の適用性
-大規模出水に対応した流量観測高度化(その2)-
石礫河川の二次元河床変動解析法を用いた流域河床変動予測
-奔別川(三笠ぽんべつダム)を事例として-
新桂沢ダムの温度応力対策について
-同軸嵩上げダムにおける温度応力対策試験施工-
札幌開発建設部
河川工事課
札幌開発建設部
河川管理課
札幌開発建設部
札幌開発建設部
河川計画課
幾春別川ダム建設事業所
大島 圭佑
佐藤 匡
平成28年8月洪水は、空知川上流域において空知川の堤防2カ所が決壊する既
往最大の出水となった。幾寅水位流量観測所の施設が被災し、水位自動計測およ
び、現行法(浮子観測)による流量観測が不可能な事態が生じたため、画像解析に
よる流量算定を試みた。本研究は、想定を超えた大規模出水時におけるカメラ画像
処理法(STIV法)と力学的内外挿法(DIEX法)の適用性を、空知川での出水にて検
討したものである。
山川 貴大
ダムの建設にあたっては、土砂環境へ及ぼす影響の的確な把握と貯水池・ダム下
流河道等での適切な対応が重要である。また、流水型ダムである三笠ぽんべつダ
ムが建設される奔別川は石礫のある河川であり、それを踏まえた検討が必要であ
る。そこで本研究は、平面二次元河床変動解析モデルを構築し、石礫河川におけ
る流水型ダムでの土砂の補足・流下現象を的確に予測し、貯水池・下流河道の適
切な管理に資するものである。
菅野 裕也
新桂沢ダムは、直轄初の同軸嵩上げ式の重力式コンクリートダムである。寒冷地ダ
ムの施工では越冬時に発生するコンクリートの温度応力によるひび割れ発生を抑
制する対策が必要となる。これに加え嵩上げダムでは、新旧堤体接合部の一体性
確保という技術的課題がある。本報告は、新桂沢ダム温度応力対策工検討におい
て、大型コンクリート供試体を使用した試験施工結果、および応力緩和のための対
策工検討手法を報告する。
治水
金山ダムの異常洪水時防災操作について
札幌開発建設部
空知川河川事務所
金山ダム管理支所
成田 健
治水
利水放流ゲート遠隔操作装置の運用について
函館開発建設部
美利河ダム管理支所
上田 晃
治水
治水
治水
北海道駒ヶ岳火山山体構造解析について
-空中物理探査及び高密度電気探査等による山体構造解析について-
平成28年豪雨による土砂流出と石狩川上流の砂防施設について
-減災効果と今後の課題-
石狩川上流における河床低下プロセスを踏まえた順応的管理について
函館開発建設部
今金河川事務所
旭川開発建設部
治水課
旭川開発建設部
旭川河川事務所
11
平成28年8月、3個の台風が北海道に上陸した後、台風第10号が北海道に接近
し、串内観測所では3日間の累加雨量が515mmを超えるなど各地で大雨となり、
石狩川水系空知川の幾寅築堤では堤防2箇所が破堤し、南富良野町で甚大な浸
水被害が発生した。本報告は、空知川幾寅築堤の破堤から緊急復旧工事及び本
堤復旧工事発注までの対応について報告するものである。
澤谷 裕貴
金山ダムでは、台風10号により累計流域平均雨量約270㎜を観測し、8月31日
には計画高水流量1,000m3/sに対し既往最大約1,600m3/sの流入があり、
常時満水位を越えることが予想されたので異常時防災操作を行った。
本発表は、洪水前の運用、異常時防災操作および下流被害軽減のために行った2
回の特別防災操作、それらの今後の課題・対応策について述べるものである。
美利河ダム管理支所の利水放流ゲート遠隔操作装置について、これまでの運用事
例を通じ当該設備の概要と設備運用に際し必要となる関連設備についての紹介を
行う。
北海道駒ヶ岳は過去に複数回の山体崩壊が発生している。また、山麓には人家や
観光資源など数多く分布し大規模崩壊が発生した場合の社会的影響は非常に大
きいものになると想定される。この論文は火山山体については、その内部構造など
不明確な点が多くあるため空中物理探査や高密度電気探査結果等から山体内部
構造の解析を行い大規模崩落発生の可能性について報告するものである。
吉川 契太郎
平成28年8月の台風9号・11号がもたらした短時間豪雨により北海道内では斜面
崩壊や浸食による通行止め、土石流、農地への河川氾濫、床上浸水、橋梁被害、
大量の流木流下等の被害が発生した。豪雨に伴い、一部の渓流では土石流や流
木流出が発生したが、砂防施設が効果を発揮し下流への影響を軽減した。ここで
は先般の豪雨災害の状況を概観しつつ、今後の土砂災害軽減に向けた最新の知
見と課題を報告する。
武井 隼人
石狩川上流では、河床砂礫が流出し、岩盤洗掘を伴う河床低下の進行により河川
管理施設の安定性低下が懸念されることから、河床低下対策工を実施している。
対策工実施後の順応的管理に向けて、河床低下が進行するプロセスを整理し、露
岩後の局所洗掘を早期発見し対策を講ずることが肝要である。本論文では、河床
低下プロセスを踏まえたモニタリングの留意点を考察し、管理基準及びモニタリン
グ計画案を策定したので報告する。
平成28年度(第60回) 北海道開発技術研究発表会 発表要旨 一覧
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治水
治水
治水
治水
治水
治水
治水
治水
天塩川流域のオジロワシとの共生について
-基礎調査データの検証と保全対策-
サンルダムにおける台形CSGダムの品質管理について
胆振海岸における人工リーフ施設の機能について
-水産生物との共生について-
地中連続壁工の施工について
-試験施工結果を踏まえた本施工の状況について-
鵡川における地域活力を活かしたかわづくりの今後の展開
平成29年度釧路川総合水防演習・広域連携防災訓練に向けて
-釧根地区沿岸自治体の防災訓練実施状況-
釧路川の堤防法面被災における対応
-平成28年8月の大雨による堤防法面被災状況の報告-
平成28年8月洪水における十勝川水系での対応について
旭川開発建設部
旭川開発建設部
室蘭開発建設部
室蘭開発建設部
名寄河川事務所
サンルダム建設事業所
苫小牧河川事務所
沙流川ダム建設事業所
室蘭開発建設部
治水課
釧路開発建設部
釧路河川事務所
釧路開発建設部
治水課
帯広開発建設部
帯広河川事務所
12
大塚 康平
辻 弘平
「北海道遺産」天塩川は、幹線流路延長256㎞を誇る北海道第2の大河である。
その流域は豊かな自然が色濃く残り、オジロワシの内陸部有数の営巣地として知
られている。 名寄河川事務所では、専門家の助言のもと、オジロワシの繁殖に最
大限の配慮をしながら工事を実施している。本報文では、これまでの基礎調査から
得られた天塩川中・上流域のオジロワシの生態に関する知見と名寄河川事務所が
実施した保全対策について報告する。
サンルダムは洪水調節、流水の正常な機能の維持、水道用水の供給、発電を目的
として天塩川水系サンル川に建設中の多目的ダムで平成26年度から堤体建設工
事に着手したところである。
本報告は、台形CSGダムの堤体材料として用いる河床材料の表面水量について、
現地条件により異なる表面水量を調整する取組みと施工状況を報告する。
山上 翔吾
直轄胆振海岸では海岸侵食及び越波対策として、面的防護方式による海岸整備
を進めている。白老地区では人工リーフを従来型式の1山構造からタンダム型(2山
構造)を採用した。これにより、表面積が広くなり、コンブ類等着生によりウニ類等の
水産有用種の増殖に効果が現れている。本報告は、これまでに完成した4基の人
工リーフが水産生物との共生の効果について整理する。また、新たに改良を加えた
ブロックについて紹介する。
佐々木 寛
平取ダム左岸段丘部には、高透水性を示す「基質流失部」が存在しているため、最
大深度25m以上の地中連続壁工による止水対策を施工中である。地中連続壁の
施工にあたっては、現地地質条件より安定液の逸液が懸念されたため、過年度に
試験施工を行い安定液の仕様および逸液発生時の対応策を検討した。本報告は、
その仕様および対策に基づき実施した本施工において、逸液の発生状況および逸
液対策の状況について報告する。
捧 雅章
鵡川は、むかわ町のまちづくり計画の一端を担う河川である。河口干潟保全につい
ては、施策検討及び保全活動実施を地域住民と協働で実施してきた。一方、地域
の人口減少や活動者の高齢化などもあり持続的な行動について課題が残る。本稿
では、地域と一体となったかわづくり、まちづくりを進めるために、これまでの行政や
地域との連携した取組から、好事例や課題を抽出して、今後のあり方について検討
を行う。
齊藤 仁史
釧路川流域が属する釧根地区沿岸は、地震多発地帯であり、日本海溝・千島海溝
周辺海溝型地震防災対策推進地域に指定されている。また、大規模地震発生に伴
う津波被害を受ける可能性が高い地域であることから、各自治体は、津波避難訓
練等を毎年実施している。本報告は、平成29年度釧路川総合水防演習・広域連携
防災訓練に向け、釧根地区沿岸自治体の防災訓練の実施状況について各自治体
の協力を得て整理した内容を報告する。
川岸 秀敏
釧路地方では、停滞する前線の影響により8月20日から各地で雨が降り続き、8
月21日には台風第11号の影響により釧路川流域に強い雨が降り続いた。特に標
茶雨量観測所における8月の降水量は観測史上最多となる雨量を記録し、この大
雨により釧路川左岸46k付近の堤防で法面すべりが発生した。本報告では、この
被災に対して被災原因を究明し、再度の被災防止に向けた復旧及び対策を検討し
ている内容を報告するものである。
舘野 奈々
8月に3つの台風が北海道に連続して上陸し、さらにその1週間後、台風10号に伴
う大雨により、十勝川及び札内川では5箇所で計画高水位を超過、札内川及び音
更川では堤防が流出するなど昭和56年災害以来の大きな出水となった。
今出水での対応を踏まえて、出水概要、被災箇所における緊急復旧の状況、治水
効果の検証、出水対応経験からの課題抽出と今後に向けた取組について報告す
る。
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治水
治水
治水
治水
治水
治水
治水
治水
ロックフィルダム堤体部における除草範囲の把握に関する一考察
-堤体法面除草とロック材風化の関連性-
十勝川下流掘削工事における希少トンボの移植事例
平成28年8月出水に対する常呂川の各種検討について
留萌川における河道内樹木維持管理方針の検討について
結氷する汽水湖の冬期水質挙動の研究
新しい技術を用いた盛土監視手法の提案
3Dハザードマップについて
湿性植生に及ぼす旧川復元効果における正準対応分析の活用
-順応的管理手法への適用に向けて-
帯広開発建設部
帯広河川事務所
十勝ダム管理支所
帯広開発建設部
池田河川事務所
網走開発建設部
治水課
留萌開発建設部
(国研)寒地土木研究所
治水課
水環境保全チーム
寒地河川チーム
(国研)寒地土木研究所
寒地河川チーム
(国研)寒地土木研究所
道東支所
(国研)寒地土木研究所
13
安藤 慎吾
ロックフィルダム堤体部の上下流面に植生が繁茂し、毎年広範囲にわたる堤体法
面除草を行い、堤体法面管理を行っている。
ロックフィル堤体部の除草範囲算定手法とフィル堤体表面部(リップラップ材)の細流
化範囲との関係について十勝ダムでの調査検討結果について報告するものであ
る。
齋藤 弘明
十勝川下流域では,流下能力不足箇所について,河川整備計画に基づき、順次、
河道掘削工事を進めているが、十勝川下流域には止水環境が多く残存し,多様な
動植物が生息することから、掘削区間において事前の環境調査を実施したところ、
希少種を含むトンボの生息が確認された。
工事に先立ち実施した稀少トンボの移植について、移植箇所の抽出,移植作業,
移植後の追跡調査結果を報告する。
松田 聖彦
8月17日から1週間に3つの台風が連続して北海道に上陸し、常呂川流域では累計
雨量が観測史上第1位を記録した。この降雨により、常呂川では2箇所の水位観測
所で計画高水位を超過し、越水による堤防決壊や河岸侵食、漏水等の被害が発生
した。
本報告は、今回出水の雨量や流量についての検討結果及び、被災箇所の本復
旧に向けて実施した各種調査や今後の対策工における検討結果の報告を行うもの
である。
渡辺 哲理
留萌川は、中上流部の河道内にヤナギ類を主体とする樹林が分布し流下阻害と
なっていることから、河川整備計画に基づき一部区間において河道の流下能力確
保を目的とした河道内樹木の伐採・管理が計画されている。本件では、平成22年度
以降実施されたヤナギ類の萌芽抑制試験について5年後の状況を検証した現地調
査結果から、課題とされる治水面と環境面のバランス及び維持管理コストを考慮し
た樹木維持管理方針について報告する。
杉原 幸樹
網走湖で結氷下の水質連続観測を実施した.結氷下では塩分躍層が破壊され,水
温と塩分は連続勾配を持つが,溶存酸素は躍層分布を維持し,躍層位置に高濃度
の濁度層が観測された.水質分析の結果から栄養塩は溶存酸素の躍層位置に依
存し,躍層を通過する化学種の拡散が非常に小さいことがわかった.結氷下の汽
水湖では塩水層に栄養を蓄え,淡水層にほぼ影響せず,湖内の栄養塩循環は解
氷期の躍層攪乱が重要であると示唆される.
岡部 博一
河川堤防など盛土の監視は基本的に目視で行われており、地震や洪水時など発
災時にその変状を把握するためには一定の時間を要するもの。一方で、迅速な情
報収集による通行止め等の対策、早期の復旧対応など、より早い状況把握手段の
構築を検討してゆくことが必要。このような視点から近年の技術動向を踏まえた新
たな盛土の監視手法について検討、提案を行うもの。
井上 卓也
2015年12月に示された社会資本整備審議会の答申「大規模氾濫に対する減災の
ための治水対策のあり方について」において、洪水氾濫の切迫度や土地ごとの情
報がより伝わりやすくなるように、ソフト対策を住民目線のものへ転換する必要性
が強く述べられている。本研究では、Googleストリートビューに浸水範囲や浸水深を
表示させ、浸水時の世界を自由に探索できる可視化手法と浸水域を回避するルー
ト検索機能を構築した。
鳥谷部 寿人
釧路湿原自然再生事業では、実践的な施策として順応的管理手法を取り入れた旧
川復元の取り組みを進めている。順応的管理を進める上で、目標を達成するため、
現状と今後の変化を評価していく必要がある。
本研究では、地下水位、グライ層深度、高木層の群落高などの観測値を用い、植
生と環境要因を正準対応分析で解析し、順応的管理を支援するための手法の開発
を試みた。
平成28年度(第60回) 北海道開発技術研究発表会 発表要旨 一覧
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代表発表者
要旨
治水
治水
治水
治水
治水
治水
治水
治水
濁度計を用いた浮遊土砂・栄養塩の連続観測
平成28年8月豪雨により黒岳沢川で発生した土石流に関する考察
河道内林地面積と鳥類確認数の関係について
堤体形状の相違が破堤進行過程に与える影響
高速流条件下で発生する水面波と河床波に関する研究
河川水辺の国勢調査結果(魚類)を用いた
河道条件および流況と魚類生息環境に関する一考察
山間部における積雪分布の特徴
-複数回の航空レーザ測量結果から-
生態学的混播・混植法で植樹した樹林における間伐等の維持管理による影響評価につい
て
(国研)寒地土木研究所
水環境保全チーム
寒地河川チーム
(国研)寒地土木研究所
(国研)寒地土木研究所
水環境保全チーム
寒地河川チーム
(国研)寒地土木研究所
寒地河川チーム
(国研)寒地土木研究所
(国研)寒地土木研究所
(国研)寒地土木研究所
(国研)寒地土木研究所
水環境保全チーム
水環境保全チーム
水環境保全チーム
14
水垣 滋
山地から沿岸域まで河川を通じて流出する浮遊土砂や栄養塩は、陸域・海域の自
然環境の形成に重要な役割を果たす。したがって、水系一貫した総合的な水・土砂
管理を考える上で、浮遊土砂・栄養塩の流出データの蓄積と実態把握が必須とな
る。本研究では、鵡川及び沙流川水系において2012~2016年にわたり多地点・同
時・合同で実施した水文・水質調査の結果と濁度計を用いた観測手法について検
討した。
阿部 孝章
平成28年8月豪雨により層雲峡黒岳沢川で発生した土石流は、砂防堰堤に捕捉さ
れ下流への被害は未然に防がれた。本報告では、今年発生した土石流現象につ
いて水理・水文学的見地から土石流の発生や流動に関する定量的な考察を行い、
今後黒岳沢川で発生する可能性のある土石流について留意事項をまとめることを
目的とする。具体的には、観測されたデータや発生後の痕跡調査、追跡調査の結
果から流動深・流量規模の推定を行った。
谷瀬 敦
島田 友典
岩崎 理樹
矢野 雅昭
西原 照雅
柏谷 和久
河道内樹木の伐採が鳥類の生息に与える影響を検討するため、石狩川本川上流
と忠別川で実施された河川水辺の国勢調査結果等を用いて、河道内の林地面積と
鳥類確認総数、確認種数の整理を行った。その結果、石狩川本川と忠別川では傾
向は異なるが、森林性の鳥類の確認種数は林地面積等と関係があると認められ
た。一方、鳥類の全確認種数と林地面積の間には明瞭な関係は確認出来ず、他の
要素を考慮する必要があると示唆された。
堤防決壊時における被害軽減技術の構築にあたっては破堤現象の解明が不可欠
である。実物大規模の千代田実験水路を用いた破堤実験等を行うことで様々な知
見を得てきている.しかしながら限られた条件であるため、今後これらの知見を実
河川へと拡張することが重要である。
そこで縮尺模型を用いて様々な堤体形状での破堤実験を行った。本論文では実験
結果を整理し、堤体形状が破堤現象に与える影響について検討を行った。
急流河川における洪水時の流れは高速流となり、河川地形や堤防を著しく変形さ
せる可能性がある。特に、近年高速流条件化においては、河床に反砂堆が発生す
ると同時に、水面が急峻に切り立つ三角波が形成されることが明らかにされてお
り、橋梁、堤防、河川構造物に対する影響が懸念されている。本論文は、このよう
な水面波と河床波の発生条件や特徴について報告を行うものである。
平水位以下の低水路河道掘削に当たっては、魚類生息環境への影響を事前に予
測し、対策を行うことが望ましいが、河川環境の評価技術が確立されておらず、定
量的な検討が困難である。また、魚類調査には多くの労力が必要とされている。
本研究は、河川環境の評価技術の開発に資するため、データが蓄積されている河
川水辺の国勢調査結果を用いて、河道条件および流況と魚類生息環境との関係を
検討したものである。
積雪寒冷地においては,融雪水をダムに貯留して水需要をまなかっていることか
ら,山間部の積雪分布を精度良く把握することが重要である.本研究では,忠別ダ
ム流域において2012年3月及び2015年3月の2回にわたり航空レーザ測量を行い,
積雪分布を計測した.これらの計測結果を用いて積雪分布と地形との関係を分析
し,2カ年の積雪分布の特徴を比較した結果,計測年に関わらず,ほぼ同様の特徴
が見られたことを報告する.
生態学的混播・混植法は樹木の生長による複層林化等の過程を経て、植生遷移に
よる自然林に近い森林を再生を目的としている。しかし、樹木の旺盛な生長により
植生遷移が進んでいない樹林は間伐や枝打ち等の維持管理を実施することで既
存樹を母樹とする二次遷移が確認できた。本論文は、このような樹林への維持管
理による影響を評価したので報告する。
平成28年度(第60回) 北海道開発技術研究発表会 発表要旨 一覧
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所属
筆頭所属
代表発表者
要旨
新千歳空港国際線ターミナル地域再編事業
港湾・漁港・空港
-増え続ける国際線需要に対応した施設整備-
港湾・漁港・空港 北海道における内貿ユニットロードを取り巻く動向
港湾・漁港・空港
北海道産品の輸出拡大について
-北海道国際輸送プラットホームの取組と成果-
港湾空港部
空港課
港湾空港部
港湾計画課
港湾空港部
港湾計画課
中村 友哉
新千歳空港は、旅客数の増加やLCCの就航に伴い、年間利用客が年々増え続け
ている。 特に国際線需要の増加が著しいが、誘導路の混雑や駐機スポットの不
足など、航空需要に対する空港施設の能力不足が顕在しており、これらの課題に
対し適切な時期に効果的な整備を行うことが必須となっている。本論文は、増加す
る国際線需要に対応した新千歳空港の施設整備について報告するものである。
島谷 奈緒美
近年、北海道における内貿ユニットロードを取り巻く情勢は、高速道路の延伸やト
ラックドライバー不足、規制強化等により変化している。
昨年度実施した内貿ユニットロード調査結果を基に、北海道の内貿ユニットロード
の動向について把握し、前回(平成22年度)調査結果との比較を行うことにより、
物流環境の変化について考察する。
藪田 憲二
北海道産品の輸出拡大を図るため、平成25年9月に「北海道国際輸送プラット
ホーム(HOP)推進協議会」を設立し、初心者でも簡単に輸出できるよう、輸出手続
きの代行及び小口冷凍・冷蔵輸送サービスを全国で初めて開始した。
本稿では、5カ年計画の最終年度を迎えたHOP構築事業について、これまでの取
組内容、成果及び課題とともに、更なる輸出拡大に向けて必要となる機能について
報告する。
近年、急激に発達しながら北海道を通過する爆弾低気圧や超大型の台風などによ
り、北海道地域での災害リスクの増加や港湾施設に対しての利用障害の発生な
ど、過去に経験のない現象が発生していることが報告されている。
本報告では、北海道内のナウファス観測地点における波高や周期、波向に関する
観測データをとりまとめ、海象条件の経年変化傾向について検証を行うものであ
る
水産庁は、これまで蓄積した漁港施設の設計に係る新たな知見を反映した技術実
港湾・漁港・空港 北海道沿岸域における海象条件の変化について
港湾空港部
港湾建設課
船橋 雄大
港湾・漁港・空港 漁港施設の耐津波性能検討とその課題
農業水産部
水産課
一政 悟
務書「漁港・漁場の施設の設計参考図書」を平成27年に公表し、その中で防波堤等
の耐津波強化対策に関する設計の考え方を示した。今般、漁港施設にこの考え方
を適用するにあたり、モデル漁港において耐津波性能照査を実施するとともに”粘
り強い構造”の設計津波として防波堤の安定限界津波水位を適用した場合の検討
結果とその課題について報告する。
亀尾 実愛
江良漁港西防波堤は、大型の中空三角ブロックを使用しているが、当該ブロック打
設時に、梁水平部の天端部において効率的な締固めが出来ないため、ブリージン
グ現象に伴うレイタンスが滞留し、コンクリート表面の品質の低下が課題となってい
た。本報告は、監督職員、現場代理人及び現場作業員による「消波ブロック出来映
え検討会」を立ち上げ、現場の経験を通じた品質向上対策及びその評価手法につ
いて報告するものである。
佐藤 篤志
久遠漁港周辺海域は、磯焼けの進行に伴い藻場の消失が著しく、海藻を餌とする
ウニ・アワビの漁獲への影響が深刻化している。この課題に対して、「磯焼け対策
緊急整備事業計画」を策定し、南防波堤・南護岸に越波対策を図るとともに藻場創
出機能を確保するため背後小段を備えた潜堤構造を取り入れ、平成26年度まで
に一部を概成させた。本報告では、計画概要から概成後1年のモニタリング調査結
果について報告するものである。
秋田谷 肇
北海道の日本海沿岸では、栄養塩の乏しい海域特性及び海水温上昇に伴うウニ
の食害に起因する磯焼けが深刻となっている。
寿都漁港では、磯焼けに起因する問題解決の一助として、背後小段付傾斜堤の天
端水深を変更し、平成26年度に完成している。
本報告は、背後小段への藻場が回復した要因及び食害生物に対する効果につい
て、継続して調査した結果を報告するものである。
福田 俊
石狩湾新港は札幌圏に隣接する重要港湾であり、札幌圏の物流拠点として重要な
役割を担っている。しかし、石狩川からの供給土砂による航路付近での埋没が近
年進行し、本港を利用する船舶の安全航行に支障を来すと考えられる。本報告で
は、漂砂外力として波浪・海浜流に加え、長周期波流動・吹送流・潮流を導入した
手法を用いて本港の漂砂特性を解明することを試みた。また、本港における有効な
漂砂対策工法案について考察した。
港湾・漁港・空港
港湾・漁港・空港
コンクリート打設時における締固め困難な大型消波ブロックの品質向上に向けた取組につ
いて
久遠漁港における藻場機能回復への取り組みについて
-背後小段を備えた潜堤構造の効果-
港湾・漁港・空港 寿都漁港における背後小段の藻場回復効果について
港湾・漁港・空港 石狩湾新港における漂砂特性と対策工法について
函館開発建設部
函館港湾事務所
函館開発建設部
江差港湾事務所
小樽港湾事務所
第2工務課
小樽開発建設部
小樽開発建設部
小樽港湾事務所
15
平成28年度(第60回) 北海道開発技術研究発表会 発表要旨 一覧
16/12/16時点
所属情報
部門
演題名
所属
筆頭所属
代表発表者
要旨
港湾・漁港・空港 庶野漁港人工地盤 施工上の留意点について
港湾・漁港・空港 苫小牧港岸壁改良での石炭灰を有効活用した改良土の配合設計における一考察
港湾・漁港・空港 室蘭港における控えアンカー鋼管矢板構造による岸壁改良
港湾・漁港・空港 苫小牧港西港区外港航路における漂砂機構の検討について
港湾・漁港・空港
釧路空港滑走路の舗装老朽化改良について
-滑走路におけるブリスタリング対策-
港湾・漁港・空港 歯舞漁港(温根元地区)における防波堤老朽化対策について
港湾・漁港・空港 釧路港岸壁(-14m)における耐久性を考慮した設計について
港湾・漁港・空港 紋別港親水地区活性化の課題と取り組みについて
室蘭開発建設部
室蘭開発建設部
浦河港湾事務所
苫小牧港湾事務所
室蘭開発建設部
室蘭開発建設部
室蘭港湾事務所
苫小牧港湾事務所
釧路開発建設部
釧路港湾事務所
釧路開発建設部
根室港湾事務所
釧路開発建設部
釧路港湾事務所
港湾課
紋別市役所 建設部
16
佐藤 佑弥
庶野漁港人工地盤は、直接基礎+PCaPc造の建築構造物である。当施設は基礎
工から躯体の建造、付帯施設設置に至るまで、施工上の留意点が多岐に亘るほ
か、他の漁港施設と近接していることから施工方法についても配慮が必要である。
本報告は庶野漁港人工地盤の工事に際して施工上の課題と、検討して実施した内
容についてとりまとめ、今後、他漁港で人工地盤を施工する際の参考とするため、
報告するものである。
石田 大和
苫小牧港西港区及び東港区では、岸壁改良工事のうち改良が必要な埋立には、
入手が容易な火力発電所から発生する石炭灰を活用した土砂改良工法を継続し
採用している。このことについては過去に「配合設計と施工方法」、「強度特性」につ
いて各々報告を行っているところである。本報告ではこれまでに蓄積された全ての
実施データから特に土砂の性状と固化材料の配合に着目し、それらの関係性につ
いてとりまとめた結果を報告する。
石橋 克典
室蘭港築地地区西3号ふ頭は、港奥に位置し静穏が確保されているため、荷役作
業と伴に休憩のニーズが高い岸壁である。当該岸壁は昭和38年に整備されたこと
から老朽化による抜本的な改良が必要であるが、前面水域が狭く、さらに岸壁背後
に上屋があるなど改良工事における制約が多い。よって、北海道の港湾で初となる
控えアンカー鋼管矢板構造を採用した。本報告は控えアンカー鋼管矢板構造の施
工に関する工事報告である。
近藤 栞
苫小牧港西港区では、近年、漂砂による外港航路の一部水深減少が確認されてお
り、今後航行船舶への支障となることが懸念されている。過年度の報文では、平成
25年度までの調査結果により土砂流入のメカニズムについて報告した。その後、
効果的な対策の検討に必要となる再現性の高い漂砂モデルの構築に向けて現地
観測、漂砂解析を行っているところである。本報文では、その漂砂モデルの検討状
況と今後の課題について報告する。
山岡 広幸
釧路空港では、平成18年度にブリスタリングの発生が確認され、調査と対策手法
の検討を行い、平成19年度よりアスファルト舗装の切削・打換えによる改良工事を
実施している。また、平成18年度よりアスファルト舗装の老朽化に関する調査を行
い、釧路空港のブリスタリング発生の推移や改良工事後の状況を把握している。本
報は、釧路空港滑走路におけるブリスタリングに関する調査内容と改良工事内容
について報告するものである。
坂本 進
本港は北海道東部に位置し、周辺海域で操業する漁船の避難基地、貝殻島コンブ
漁業などの前進基地である。ただし、既存の漁港施設は、建設後の時間経過に伴
い老朽化が進行し、一部倒壊の恐れのある施設がある。このため、施設の適切な
機能を維持するために早急な長寿命化対策が必要である。本報告では、戦略的な
維持管理を進める上で、施設のライフサイクルコストの低減を図る補修工法の選定
について中間報告するものである。
森谷 佳太
本施設は桟橋構造を採用しており、大水深に適応可能な構造としている。一方で腐
食の激しい干満帯等に鉄筋コンクリート部材や鋼材が必要な構造となることから、
その腐食対策が重要となってくる。このため各部材の耐久性の向上を意図し、鉄筋
の変わりに炭素繊維複合材を用いるなど耐候性に優れた資材や防食塗装を採用
するなど対策を講じている。
本報告では、採用した耐久性向上策についてとりまとめ、報告するものである。
中島 悠介
紋別港の「ガリア地区」は整備されて20年が経過し、地域の活性化・交流拠点とし
て機能する一方、ハード・ソフト両面のリニューアルに向けた課題が顕在化してきて
いる。
本報告では、この親水地区の利用の現状と課題について触れ、地域イベントの開
催状況、クルーズ誘致のポートセールス、シルバー世代対象の市民アンケート結
果など、みなとオアシス「もんべつ」の活動とも連携した活性化に向けた取り組み事
例について述べる。
平成28年度(第60回) 北海道開発技術研究発表会 発表要旨 一覧
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要旨
港湾・漁港・空港 紋別港中央船溜の整備について
港湾・漁港・空港
羽幌港フェリー岸壁の静穏度対策について
-現地調査から対策工決定までのプロセス-
港湾・漁港・空港 稚内空港における冬期の視程向上を目的とした防雪柵の効果検証について
港湾・漁港・空港 高波作用時の海氷および波の遡上特性と対策の検討
港湾・漁港・空港 スリット式直立消波護岸におけるうねり性波浪の越波対策とその水理特性
港湾・漁港・空港
積雪寒冷地の沿岸域におけるコンクリート構造物の複合劣化について
-既往研究・調査の現状把握と劣化対応策の概略検討の報告-
港湾・漁港・空港 消波護岸における防波フェンスに作用する水塊の水理特性
網走開発建設部
紋別港湾事務所
見上 謙二
留萌開発建設部
築港課
仁田 敦
稚内開発建設部
稚内港湾事務所
水上 一生
(国研)寒地土木研究所
寒冷沿岸域チーム
本間 大輔
(国研)寒地土木研究所
(国研)寒地土木研究所
(国研)寒地土木研究所
寒冷沿岸域チーム
寒冷沿岸域チーム
寒冷沿岸域チーム
羽幌港のフェリーターミナルは、平成25年4月に移転供用開始し、離島住民や観
光客の唯一の交通手段として重要な役割を有している。しかし、フェリー岸壁では
海象条件の変化に伴う係留障害が発生し、避難行動を繰り返している状況にあっ
た。
本報告は、要因を分析するための現地調査を行い、港湾関係者を一堂に会した合
同会議を通じて避難や港内擾乱の関係性を共有化し利用者の意見を反映した対
策工を決定した
稚内空港では、冬期に低下する就航率を改善するため、滑走路の延長や除雪体
制の強化を実施してきた。更に、地吹雪発生時における滑走路視程の向上を目的
とした防雪柵の適用効果について、試験防雪柵を設置し検討をしてきた。
本報告では、現地観測により得られた風向・風速、視程などの数値データから防雪
柵が視程を向上させ、稚内空港の冬期欠航便を減少させる効果について検証し
た
近年、地球温暖化などの影響により、流氷勢力の減少に起因する波高増大が懸念
されている。しかしながら、沖合部に海氷が少なく沿岸部に海氷が卓越した状況で
高波が作用した際の海氷および波の遡上特性やその対策についての研究はほと
んどされていない。本研究では、実海域に多く見られる海氷の大きさや厚さを考慮
し、海氷による海氷および波の遡上特性を明らかとし、これらの対策について検討
するものである。
酒井 和彦
スリット式直立消波護岸の諸元は主に消波対象周期で決まる.一方,気候変動に
伴う波高増大やうねり性波浪の頻度増加及び海面上昇が懸念されている.そこで,
スリット式直立消波護岸を対象に周期と波高を変化させた場合及び越波対策として
嵩上げ・波返工付断面について越波・波圧実験を行った.その結果,周期が長いほ
ど越波流量が増加傾向にあること及び波圧特性を明らかにした.また,上記対策の
越波流量低減効果を明らかにした.
増田 亨
積雪寒冷地の沿岸コンクリート構造物は、他に設置されている構造物と比較して凍
害、海氷等の作用が加わる過酷な環境に曝され、その複合的な劣化メカニズムの
詳細は未だ解明されていない。本報告では、特に寒冷海域の構造物劣化に関する
過去の知見と今後の課題を整理した。また、既往の北海道の港湾・漁港構造物の
劣化状況調査結果を概略分析し傾向を調べた。さらに、劣化対応策を概略検討し、
今後の研究課題を整理した。
上久保 勝美
消波護岸の防波性能に関しては,越波流量の低減効果はすでに実証されている
が,水塊や飛沫の飛散を完全に抑えることはできないことが知られている.こうした
水塊や飛沫を防止するための付帯施設として,防波フェンスが設置されてきた.し
かしながら,衝撃的な水塊の作用によって防波フェンスが被災する事例も少なくな
い.本報告では,水理模型実験結果に基づき,防波フェンスに作用する水塊の水
理特性について報告する.
港湾・漁港・空港 漁港整備によるアサリ生息場の創出効果について
(国研)寒地土木研究所
水産土木チーム
牧田 佳巳
港湾・漁港・空港 藻場創出機能に関する機能診断手法の改良
(国研)寒地土木研究所
水産土木チーム
丸山 修治
17
紋別港では、港町地区第2船溜内の混雑解消が課題となっていた。
そのため、大型漁船である沖合底引き網漁船の新たな係留箇所となる中央船溜ま
りにおいて、利用率を確保する必要が生じ、波除堤の整備を計画した。
本報告では、沖合底引き船の移動に際して行った既存利用者との調整や静穏度対
策としての南波除堤整備にあたり、配慮した事項について報告する。
根室市の落石漁協では、作り育てる漁業に積極的に取り組むべく、根室半島の付
け根に位置する落石湾内においてアサリの増養殖事業の検討を行っている。しか
し、この水域は今後の漁港整備に伴う流況環境の変化が予想されている。
本報告は、湾内の流速変化予測および振動流発生装置を用いた砂面低下速度実
験より推測された漁港整備によるアサリ生息場の創造効果について報告するもの
である。
藻場創出機能を付加した北海道内の港湾・漁港構造物の維持管理手法として、生
物的な面から系統的に評価が可能な機能診断手法が提案され、日本海側の寿都
漁港を対象とした現地検証によりその妥当性が確認されている。
本報告では、提案されている機能診断手法について、北海道の他海域への適用に
向け評価体系および評価指標を改良するとともに、オホーツク海側に位置し藻場環
境の創出を図っている漁港施設へ適用した結果を報告する。
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代表発表者
要旨
農業
農業
旧石狩川頭首工の排砂門及び固定堰の撤去工事について
農業用水用ダクタイル鋳鉄管(AL1種)の現地施工について
札幌開発建設部
札幌開発建設部
札幌北農業事務所
札幌南農業事務所
川本 誠
石田 咲子
農業
雨竜暑寒地区「中島工区」基本設計について
-旧河川の埋め立てと区画整理工事-
札幌開発建設部
深川農業事務所
井上 総
農業
積雪寒冷地における用水路の補修工法について
-コンクリート表面被覆工法のモニタリング結果-
札幌開発建設部
農業計画課
砂原 勝美
農業
農業
農業
農業
農業
コンクリート開水路の補修工法に関する評価について
国営緊急農地再編整備事業における夏期施工の評価について
-今金南・今金北地区の事例より-
管水路における管路更生工法の適応性と評価について
-試験施工初年度目の事例-
北海道初の美土里(みどり)災害派遣隊の活動記録について
-南富良野町における被災状況調査-
当麻ダムの改修工事について
-供用中ダムにおける堤体盛立施工-
函館開発建設部
農業開発課
函館開発建設部
函館農業事務所
小樽開発建設部
農業開発課
旭川開発建設部
農業整備課
旭川開発建設部
旭川農業事務所
18
佐藤 大輔
平成25年11月から石狩川頭首工が供用を開始したことに伴い、平成26年度から旧
石狩川頭首工の撤去工事を実施している。本報では、旧石狩川頭首工の排砂門及
び固定堰の撤去計画並びに撤去工事について報告する。
現在、農業用パイプラインの施工において規格開発が行われている材料強度の高
い農業用ダクタイル鋳鉄管は、管体土工を簡素化することにより、コスト縮減のほ
か、将来の補修・更新整備が容易になると考えられる。本報告では、道央用水(三
期)地区のパイプライン工事において、当該管の現地施工を実施した事例を紹介す
る。
雨竜暑寒地区では水田地帯における農地の再編を目的に区画整理工事を実施し
ている。本地区の中島工区は、工区中央部を河川が蛇行していることで農地が分
断され、不整形で狭小な区画を形成している。そのため、本事業では河川の切替え
及び旧河川を埋め立てることにより、ほ場の大区画化を実現することとしている。
本報では、旧河川埋め立てを実施するにあたっての課題と対策について報告す
る。
積雪寒冷地におけるコンクリート用水路凍害対策としての補修工法の有効性を検
証するため、幌加内幹線用水路において選定した工法についての経年変化等を検
証したので本報で報告する。
農業水利施設のライフサイクルコストの低減と施設の長寿命化を図るストックマネ
ジメントにおいては、診断、評価、対策工法などの関係技術を確立させる必要があ
る。函館開発建設部では、寒冷地における農業用コンクリート開水路の対策工法を
確立させるため、平成27年度に表面被覆工法の施工を行っており、今回その概要
とモニタリング結果を中間報告するものである。
田中 峻也
担い手への農地集積・集約化を推進するため、集積・集約化の率に応じて交付され
る促進費の対象事業に国営農地再編整備事業も平成25年度補正予算から追加さ
れた。この措置により、これまで農業所得確保のため収穫後に施工を行っていたも
のが、夏期施工が可能となった。本報では、発注者、受注者、受益者等の立場か
ら、今金南・今金北地区での夏期施工に係る工程、品質、地元調整等に関する評
価について報告する。
佐々木 文華
FRPM管等のとう性管における管路更生工法(パイプインパイプ)による補修及び
補強については、これまで施工実績が少なく、適応性の検証が必要となっている。
本報告は、国営かんがい排水事業「共和地区」により造成された管水路においてス
トックマネジメント技術高度化事業で実施した管路更生工法の試験施工について、
工法選定、設計と施工管理、施工状況及び今後のモニタリング計画の考察を報告
するものである。
池田 好之
上川地方では、平成28年8月29日からの台風10号による大雨に見舞われ、特
に、南富良野町では、公共施設や農地・農業施設が甚大な被害を受けた。
旭川開発建設部では、南富良野町から土地改良施設の被害状況の調査依頼を受
け、北海道初となる美土里(みどり)災害派遣隊を組織し、農業用排水路や農地の
被災状況を調査した。本報では、現地活動内容、今後に向けた課題及び対応策を
報告する。
今西 智幸
当麻ダムは、国営開墾建設事業「当麻地区」により昭和34年度に完成したが、洪
水流下能力の不足を解消するため、国営総合農地防災事業「とうま地区」により平
成19年度から洪水吐等の改修工事を行っており、平成29年度の竣工を目指して
いる。
既設洪水吐の撤去に伴い造成する新設堤体は、狭小な造成範囲や既設堤体との
接合など特殊な条件下での盛立施工となる。
本報では、この施工結果を報告する。
平成28年度(第60回) 北海道開発技術研究発表会 発表要旨 一覧
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代表発表者
要旨
農業
農業
農業
農業
農業
農業
農業
農業
上士別地区における集落営農組織の取り組みについて
-効率的かつ安定的な農業経営を目指して-
大規模土地改良事業の実施地区における事業効果
-富良野盆地地区における地域への波及的効果-
頭首工におけるワイヤーロープの診断技術の有効性について
排水路建設に伴う道路横断工の基礎杭打設工法について
―杭打設工法の事例紹介―
希少植物に配慮した排水路整備の取組について
-カワユエンレイソウの移植事例(第2報)-
別海地域における肥培施設の防食・補修対策工法の評価と適用について
-比較試験とモニタリング方法の検討-
環境保全型かんがい排水事業における肥培施設整備後の効果検証
-第十報
斜里地域における農地の排水被害要因の検討
旭川開発建設部
名寄農業開発事業所
旭川開発建設部 富良野地域農業開発事業所
室蘭開発建設部
室蘭開発建設部
農業開発課
胆振東部農業開発事業所
釧路開発建設部
釧路農業事務所
釧路開発建設部
農業開発課
釧路開発建設部
根室農業事務所
農業計画課
網走開発建設部
19
奥山 郷
上士別地区は、古くから稲作が盛んな地域であるが、経営拡大に伴う耕地の分
散、圃場区画の狭小・不整形などが、効率的な農業経営の確立に大きな支障と
なっている。このため、国営農地再編整備事業による圃場の大区画化に合わせ、
集落営農の組織化によって担い手を確保し、効率的な機械化作業体系によるス
ケールメリットを活かした農業経営の確立を目指している。本報告では、上士別地
区において取り組む事例を報告する。
柴田 亮
国営農地再編整備事業「富良野盆地地区」は、生産性の高い農業基盤を形成する
ため、既耕地を再編整備する区画整理と水田の地目転換による農地造成を一体的
に施工してきた。それら基盤整備を契機として、農地の大区画化による大型機械作
業体系への転換が図られた。また、生産活動の誘発や雇用の創出による産地収益
力が向上し、地域への経済波及効果が確認された。本報では、これらの効果内容
を報告する。
稲本 晃
頭首工やダムのワイヤーロープ診断は、概略診断では目視調査、詳細診断ではノ
ギスによる外径計測を行っているが、ロープ内部の断線・腐食が原因の断面減少
等による強度劣化の確認はできていない状況である。
このため、ストックマネジメント技術高度化事業で実施した、ワイヤーロープの強度
を診断する技術について、本地区で実施した調査内容、調査結果、有効性を報告
する。
五味慎太郎
清水 秀成
渡邉 一浩
井本 浩平
大田 真平
国営かんがい排水事業「新鵡川地区」の田浦第2幹線排水路における道路横断工
の施工にあたり、施工位置が住宅に近接していることから、基礎杭打設工法は騒
音及び振動の家屋に対する影響を考慮して、中堀工法(セメントミルク噴出攪拌方
式)を採用した。
本報では、基礎杭工法の選定経緯と施工事例について紹介する。
国営総合農地防災事業「美留和地区」は、排水路周辺に生息する動植物の生息・
生育環境との調和に配慮を行いながら、事業を進めている。本地区では、地域固
有種のカワユエンレイソウの生息が確認されており、平成26年度に移植試験を実
施している。
本報告は、カワユエンレイソウの移植試験に係るモニタリングの結果とこの結果等
を基に今年度実施した移植の内容について報告するものである。
別海地域において、国営環境保全型かんがい排水事業で整備された肥培施設の
調整槽内壁コンクリート部に、硫化水素の影響による劣化現象が発生している。そ
のため、ストックマネジメント技術高度化事業により、肥培施設の機能維持及び長
寿命化に向け、コンクリートの防食及び補修に関する対策工法の比較試験を行っ
ている。本報告では、対策工法の評価と適用条件検討に向けた比較試験の内容と
モニタリング方法について報告する。
我が国を代表する大規模酪農地帯である別海町、根室市では、国営環境保全型
かんがい排水事業により肥培かんがい施設等を整備し、家畜ふん尿の適正な利活
用とともに地域環境への負荷軽減を図っている。別海西部、別海北部および根室
の計3地区に試験ほ場を設置し、スラリー散布と施肥を行い、牧草収量や品質調査
を実施した。本報告では、この結果をもとに、スラリー散布の妥当性、有効性につい
て報告する。
オホーツク総合振興局管内東部の斜里地域においては、融雪時や降雨時に農地
の排水被害が生じており、この被害要因の分析と解消方策の検討を地域整備方向
検討調査にて行っている。
本年、8月に北海道へ上陸した台風に伴う大雨により、斜里地域でも農地の排水被
害が生じており、本報では、8月の台風に伴う大雨時における本地域の排水状況を
報告するものである。
平成28年度(第60回) 北海道開発技術研究発表会 発表要旨 一覧
16/12/16時点
所属情報
部門
演題名
所属
筆頭所属
代表発表者
要旨
農業
農業
農業
農業
農業
農業
農業
農業
国営施設機能保全事業「宇遠別川地区」について
国営かんがい排水事業「兵村地区」について
天塩沿岸地区における空気弁保護工内の滞留水対策工法の適用性検証
-空気弁保護工の調査方法と滞留水対策-
産士地区における暗渠排水整備について
-疎水材に石灰石を用いた水質改善対策の概要-
国営農地再編整備事業「東宗谷地区」における環境配慮の事例について
泥炭地盤におけるパイプライン周辺地盤の診断調査
大規模酪農地帯における効率的なふん尿スラリー調整技術の開発に関する研究
-肥培かんがい施設におけるふん尿スラリーの温度変化-
大区画泥炭圃場の沈下抑制対策に関する研究
-沈下実態の計測方法について-
網走開発建設部
網走農業事務所
網走開発建設部
留萌開発建設部
留萌開発建設部
北見農業事務所
土地改良情報対策官付
天塩地域農業開発事業所
稚内開発建設部
稚内農業事務所
水利基盤チーム
(国研)寒地土木研究所
資源保全チーム
(国研)寒地土木研究所
資源保全チーム
(国研)寒地土木研究所
20
小野 和也
地区内の軽量鋼矢板水路においては、水位変動に伴う乾湿の繰り返しにより腐食
が進行しており、部分的に開孔も生じている状況である。今後、この変状が進行す
ることにより、矢板の倒壊につながる恐れがあることから、予防保全対策が必要と
なっている。
本報では、施設の機能回復及び劣化の進行を抑制するとともに、可能な限り既存
施設を有効利用した予防保全対策の実施方針について紹介する。
岩渕 雄大
兵村地区は、紋別群湧別町の排水設備が未整備な農地の湛水及び過湿被害の解
消を目的に排水路を新設する事業を実施中である。
事業の実施により既設井戸の枯渇等が懸念されたため、工事に先立ち解析により
地下水変動を予測し、工事の実施による地下水位変動を観測しながら、工事を進
めている。
本報では、排水路整備による、地下水変動の予測値と実測結果を基に、排水路の
新設による農地の地下水変動について報告する。
蘒原 浩
渡邉 充
舘村 立
山口 健
中山 博敬
新津 由紀
一般的に空気弁工は、路線の高位部に位置し、保護工内に水が滞留することはな
い。しかし、天塩沿岸地区の天塩第1送水路及び北川口用水路は、多くの空気弁
保護工内に滞留水があり、空気弁の機能が発揮できない状況になっている。空気
弁保護工内への水の侵入状況把握のため、可視・熱画像並列処理を行って侵入
経路を特定し、また、侵入水の防止策、滞留水の排除策等を検討した。本稿では、
これら調査・検討内容について報告する。
国営総合農地防災事業「産士地区」は、排水路改修と併せて暗渠排水、不陸整正
等の施工を行う事業である。本地区の暗渠排水の施工においては、排水本川の下
流域の漁業への影響を考慮し、泥炭土からの鉄分流出を抑制するため、暗渠排水
の疎水材に石灰石を使用している。本報では、隣接する先行地区の暗渠排水整備
による水質改善効果を参考に、本地区における暗渠排水整備計画を報告するもの
である。
「東宗谷地区」では、ほ場の区画整理による土地利用の整序化、排水不良の解消
等を一体的に行うことにより、大型収穫機械の導入に対応した生産基盤体制の整
備を図っている。事業の実施にあたっては、本地域の生物の生息環境等に配慮し
た整備を行っている。
本報では、「東宗谷地区」における環境配慮の事例を紹介する。
泥炭地盤に埋設されたパイプラインでは、時間経過に伴い管体の沈下が進み、漏
水事故に到る場合がある。このような管の沈下には、管周辺地盤の変形特性が関
係している。そこで、パイプ周辺地盤の変形特性を地上から調べる方法として、各
種コーン試験に着目し、変形係数とコーン貫入抵抗との相関性を検討した。その結
果、相関性が認められ、コーン貫入抵抗で、地盤剛性の低下が推定でき、機能診
断に使用できることが示唆された。
北海道東部の大規模酪農地帯では、かんがい用水を用いた家畜ふん尿の有効活
用と、地域環境保全を目的とした国営環境保全型かんがい排水事業が進められて
いる。家畜ふん尿に水を加えて曝気する肥培かんがい施設では、腐熟の目安とし
てふん尿スラリーの温度が指標の一つとして示されている。本報告では、実際に稼
働中の肥培かんがい施設の流入口および調整槽で測定した液温の推移を報告す
る。
北海道の泥炭農地では、大区画化・汎用化が進められている。泥炭土は農地の転
作利用など、圃場環境条件の変化により分解や乾燥収縮、圧密が生じるため、長
期的には沈下する懸念がある。そこで、泥炭農地の沈下実態を把握するため、利
用形態の違う大区画圃場において沈下量や地下水位の計測、土壌調査を開始し
た。本報では、主に沈下量を継続調査するための方法について述べる。
平成28年度(第60回) 北海道開発技術研究発表会 発表要旨 一覧
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所属情報
部門
演題名
所属
筆頭所属
代表発表者
要旨
機械
機械
除雪機械の老朽化の現状と見える化の検討
豪雨災害時における除雪機械の冠水リスクに関する考察
事業振興部
機械課
事業振興部
機械課
大上 哲也
中條 高司
機械
新型1人乗り除雪グレーダの導入について
札幌開発建設部
札幌道路事務所
石道 国弘
機械
ダム取水放流ゲート設備の維持管理におけるCIMの試行計画について
-ゲート運転計測データの活用方法(維持管理へ)-
旭川開発建設部
サンルダム建設事業所
黒野 寛之
機械
機械
機械
コラム形水中ポンプの状態監視技術について
除雪機械劣化度の評価手法について
除雪グレーダ操作における安全確認行動調査について
(国研)寒地土木研究所
(国研)寒地土木研究所
(国研)寒地土木研究所
寒地機械技術チーム
寒地機械技術チーム
寒地機械技術チーム
21
小林 勇一
北海道において雪が人々の生活に与える影響は大きく、除雪機械には高い信頼性
が求められている。しかし、近年の除雪機械は平均使用年数が大幅に延び、老朽
化による故障件数の増加や、部品調達の遅延等による修理期間の長期化など、潜
在していた老朽化リスクが表面化している。
本稿では、除雪機械の現状と老朽化リスク、老朽化リスクを視覚的に表現するた
めの手法(見える化)について検討したので報告する。
広域分散型社会を形成している北海道では、都市間を結ぶ道路ネットワークは重
要で、特に冬期間の機能性確保は、除雪機械力によって担保されている。しかし、
近年多発している豪雨災害等によって、保管状態の除雪機械が受ける冠水リスク
に関して、考察するものである。
除雪グレーダによる冬期路面管理作業は運転手・助手で作業してきたが、昨今の
排ガス規制強化に伴うメーカー製作方針の大幅な変更により、助手が搭乗できな
い1人乗りとなり、ベース車両も除雪幅によらず単一となった。そのため、当局にお
いては助手が担っていた安全対策の代替措置を確保した上で平成27年度より1人
乗り除雪グレーダを導入している。本件では、従来機種と比べて1人乗りグレーダ
の使用状況や課題等を報告する。
現在建設中の天塩川サンルダム建設事業の内、取水放流ゲート設備工事はCIM
の試行対象工事である。
CIMは調査・測量・設計・施工・維持管理の活用サイクルがあるが、当設備におい
ては維持管理において適用し、構造上の不可視部分や通常の点検が行えない箇
所の対策としてCIMを活用することとした。
本報告では、サンルダム取水放流設備でのCIM試行計画について概要を報告す
る。
救急排水機場は、内水を排水し洪水被害を軽減する非常に重要な施設である。
救急排水機場で使用されているコラム形水中ポンプは、コラムパイプ内に設置し排
水作業を行うことから、稼働中の状態監視を行うことが極めて困難である。
設備の信頼性を維持するため、状態を的確に把握する必要がある。そこで、コラム
形水中ポンプに適用可能な状態監視技術を調査し、適用について検討を行った。
伊藤 義和
近年、除雪機械の老朽化の進行により、重大故障発生が増加し、除雪体制の確保
に支障を来している。そこで、寒地土木研究所では適切かつ効率的な除雪機械の
維持管理手法の提案に向けて、道路管理者所有の除雪機械の稼働・故障データを
収集・分析し、除雪機械で発生する故障の傾向を把握するとともに、除雪機械劣化
度の定量的評価手法を検討している。本稿では、除雪機械の故障傾向と劣化度の
定量的評価への取組みについて報告する。
村上 和也
除雪作業の主力機械である除雪グレーダについては、オフロード法第4次規制等
への対応に伴い、今後2人乗りの運転室を製作しない方針がメーカーより示され
た。併せて、運転手の高齢化や熟練者不足が深刻な状況となってきており、除雪作
業における安全性や作業効率の低下が危惧される。そこで、今まで助手が担って
きた安全確認等の作業を代替する技術を検討するため、除雪グレーダ操作時の安
全確認行動に関する調査を行った。
平成28年度(第60回) 北海道開発技術研究発表会 発表要旨 一覧
16/12/16時点
所属情報
部門
演題名
所属
筆頭所属
代表発表者
要旨
営繕
営繕
営繕
営繕
道内における小規模木造事務庁舎の梁に関する一考察-
構造形式による調達条件の比較検討-
建築工事完成後の故障・不具合発生傾向について
-過去の対応記録から傾向を探る-
海岸地域に建設する建築物におけるコンクリートの塩害推定試験
-海水がコンクリートに及ぼす影響-
建物の色彩計画が周囲に与える影響についての一考察
営繕部
営繕整備課
営繕部
技術・評価課
室蘭開発建設部
施設整備課
釧路開発建設部
施設整備課
22
坂井 文哉
山本 章博
山田 泰宏
千 大二郎
営繕部において官庁施設の木材利用を推進しているところであるが、今後一層の
推進を図る上で、木造庁舎の構造形式に関する技術的事項の把握が必要であると
考えている。本報告では、木造の梁の構造形式の特徴について整理し、調達条件
の把握やコストに関する比較検討から今後の設計における課題を把握することに
より、庁舎の木造化の一層の推進に資する事を目的とする。
営繕部では国民の共有財産である官庁施設に関して、良質な施設及びサービスを
効率的に提供することを目標に、施設整備を行っており、更には施設完成後は初
期不良や後々発生する故障・不具合の相談等に対応している。そこで営繕部が整
備した、施設の故障・不具合対応記録の部位及び事象に着目し、統計的に整理す
ることで、故障・不具合の発生傾向を考察する。
海岸地域に建設する建築物は、塩害による影響が大きいことが推量され各種対策
を要する。しかし、海水に長期間曝された状態におけるコンクリートへの実際の影
響については、不可視部分もあることから劣化状況を確認することは困難である。
本研究では、海水がコンクリートに及ぼす影響を現場検証により確認し、塩害環境
下の建築物を建設する上での配慮事項について考察するものである。
外壁改修時の色彩計画は、建物の利用者や周囲の景観に与える影響を考慮し、
現状を踏襲するのが一般的である。
当部において、同一敷地内で色彩の異なる既存建物を外壁改修の際に統一し、周
囲の景観と調和を図った事例がある。
本論文は、建物の色彩計画が周囲に与える影響を、外壁改修前後の当部の事例
を基に考察するものである。
平成28年度(第60回) 北海道開発技術研究発表会 発表要旨 一覧
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要旨
事務
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事務
事務
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通勤災害の未然防止に向けて
道路占用許可電子申請システムにおける電子化率向上のための取組みについて
-現在までの具体的取組みと今後の課題についての考察-
多数相続の用地処理外注化による事業効果の早期発現について
災害対応における課題等の検証について
-これからの総務課の災害対応に活かすために-
むろけん用地課RUNの取組
-迅速な用地取得で事業効果の早期発現-
「発信」する広報から「受信」される広報へ
-新人職員が思う新たな広報の視点-
事務官に与えられた社会的使命の達成に向けて
-大規模災害への対応から学ぶ-
開発監理部
職員課
建設部
建設行政課
札幌開発建設部
用地業務第1課
旭川開発建設部
総務課
室蘭開発建設部
用地課
帯広開発建設部
広報官付
帯広開発建設部
総務課
23
飯澤 聖也
国家公務員が公務上又は通勤途上において災害を受けた場合、その災害により
生じた身体的損害について国家公務員災害補償法に基づく補償が行われることに
なっている。この公務上の災害と通勤による災害を合わせて「公務上等災害」とい
う。本論は、平成21年度以降、北海道開発局で発生した「公務上等災害」のうち5
割以上を占める「通勤災害」の原因を検証し、「通勤災害」の未然防止について考
察するものである。
小林 恵美子
道路占用の許可申請等については、申請手続の簡便化、審査の迅速化及び効率
化を図るため、電子化を推進することが求められている。北海道開発局では、平成
24年度より道路占用許可電子申請システムの利用促進を行い、電子化率の向上
に向けて取組みを強化してきたところである。本論文では、今後の取組みのあり方
を検討するため、現在までの具体的取組みと電子化率の推移及び今後の課題に
ついて考察するものである。
大久保 友也
公共事業用地の取得に際して、相続人が多数生じている事案に直面し、相続人の
把握、相続人への説明開始から用地取得までに多大な時間と労力を要している実
態がある。本件は、職員数が減少している中、事業概要や補償内容の説明等の外
注化により、用地取得事務の質を落とすことなく、省力化・迅速化に寄与し、業務軽
減を図りつつ事業効果の早期発現に至った事例を発表するものである。
金森 かおる
4月に発生した熊本地震に対するTEC-FORCE派遣、8月中旬からの相次ぐ台
風上陸によるリエゾンの派遣及びTEC-FORCE受入などの災害対応が続いたた
め、災害に対する総務課としての役割・対応手順、課題・問題点等をいかに改善す
るかなど、総務課としての災害対応を検証することにより、当部及び他の開発建設
部の今後の対応に活かすとともに、派遣職員の負担軽減や業務改善に資すること
を発表の趣旨とする。
小西 真人
室蘭開発建設部では、地域の方々にむろけんの姿を知ってもらうため、広報の取
組として「むろけんRUN」を進めている。用地課においては文字どおりRUN=走る
に着目して「現場に向かって走る」「業務改善に向かって走る」「地域活性化に向
かって走る」を合い言葉に「むろけん用地課RUN」に取り組む事にした。本稿では
用地を巡る諸問題を検証し、事業の推進を図る本取組の効果について考察するも
のである。
平田 一紗
中西 瞳
平成28年度より、国土交通省および北海道開発局において「広報改革」の取組が
スタートした。この取組では、国民目線に立った広報を命題とし、「伝える」広報から
「伝わる」広報への転換が目指されている。
本発表では新人職員の新鮮な目線から、現在の北海道開発局における広報活動
が本当に国民へ「伝わって」いるのかへの疑問を投げかけ、真に国民に「伝わる」
広報を行うために必要となる視点について提案・報告する。
帯広開発建設部は、平成28年熊本地震災害におけるTEC-FORCE活動を始
め、管内に甚大な被害をもたらした台風10号の発生、北海道開発局としては初め
てとなる地方整備局からのTEC-FORCEの受入れ等、様々な業務に従事するこ
ととなった。
本論は、事務官の視点から一連の対応を振り返り、浮上した課題を検証するととも
に、与えられた社会的使命の達成に向けて考察するものである。
平成28年度(第60回) 北海道開発技術研究発表会 発表要旨 一覧
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共通・その他
共通・その他
北海道開発局における情報セキュリティ対策について
-インシデントの現況と今後の取り組み-
デジタルVHFの概要について
-アナログVHFに代わる移動通信システム-
新しい北海道総合開発計画の推進に向けて
~インフラ整備のストック効果の見える化の視点から~
新しい北海道総合開発計画の展望
-「世界の北海道」を目指すためのデンマーク分析-
北海道における持続可能な都市の形成について
-20年先も持続可能な都市であるために-
新しい北海道総合開発計画の推進に向けて
-北海道における歴史を活用したインバウンド観光の可能性-
新しい北海道総合開発計画の推進
-「公共施設見学ツアー」4年目の課題とこれからの取組-
新しい北海道総合開発計画の推進に向けて
-北海道の人口低密度地域における農村の維持・活性化-
開発監理部
情報管理室
事業振興部
機械課
開発監理部
開発計画課
開発監理部
開発計画課
事業振興部
都市住宅課
開発監理部
開発連携推進課
開発監理部
開発調整課
開発監理部
開発調査課
24
佐々木 聖記
北海道開発局では、「情報セキュリティポリシー実施手順書」を定め、情報セキュリ
ティの確保に取り組んでいるところである。近年、政府機関等に対するサイバー攻
撃の脅威は増大し、その手法は一層複雑化・巧妙化しているが、当局では依然とし
て記録媒体等の使用に起因するセキュリティインシデントが多く発生している。当局
等のインシデント発生状況を踏まえ、情報セキュリティ対策の課題と今後の取組に
ついて報告する。
田所 剛
国土交通省では、河川・道路の維持管理や災害時の自営通信手段として超短波無
線電話装置(アナログVHF)の整備を行ってきた。しかし、設備の老朽化による信
頼性低下や、IP統合網への適合という課題に対応するために新たな移動通信設備
「国土交通省デジタル陸上移動通信システム(K-λ)」の仕様が策定され、北海道
開発局では平成28年度から整備を開始している。本論文では、その概要と機能に
ついて紹介する。
本間 薫
今年閣議決定された新しい北海道総合開発計画は、国土審議会から広報を分かり
やすく積極的に展開し、実現に向けて取り組むこと等が付言される等、計画の推進
が欠かせない。
これまで実施した及び将来のインフラ整備について、そのストック効果の見える化を
進め、広く理解頂くことが、計画の実現に向け欠かせないものと考える。ここでは、
計画の推進の一環として、ストック効果の内容及び関係する広報の取り組みについ
て紹介する。
清水 敏史
北海道と人口規模の類似したデンマークの産業連関表を分析すると、食品、製薬、
物流、電力関連が強い輸出産業となっている。デンマークは外需で稼いだ資金を
公共サービスなどの大きな内需へ回すことで、経済の好循環を作り出している。デ
ンマークの労働生産性、出生率は先進国内でも上位にあり、北欧特有の労働市場
や保育政策が奏功しているのではないか。北海道とデンマークとは歴史的な共通
点もあり、参考とすべき要素が多くある。
小栗 憲人
日本の都市では、今後の急激な人口減少や高齢化が課題となっている。
このような課題に対する国の施策として、平成26年8月に都市再生特別措置法が
改正され、コンパクトなまちづくりを促進するための立地適正化計画制度が創設さ
れた。
本稿では、他県より低密度で小規模な市街地が多いという特徴を踏まえて、北海道
の都市に立地適正化計画を適用する際の課題とその対策について考察する。
大西 凜
新たな北海道総合開発計画の推進に向けて、北海道における独自性のある歴史・
文化を観光資源として活用したインバウンド観光の振興の可能性について調査を
行った。
北海道の歴史文化に関心を持つ外国人は多く、観光資源としても活用可能である
と考えられるが、現時点において知名度は高くない。効果的なイメージ形成と地域
の意識醸成により、その魅力を磨き上げていくことが、歴史文化観光の発展には不
可欠である。
髙井 敢
北海道開発局では、旅行会社との連携の下、公共施設を観光資源として活用し、
そこを訪れる方々に公共施設の役割を知って頂く「公共施設見学ツアー」に取り組
んでいる。
観光振興は、地域社会全体の利益につながる重要な政策分野であり、新たに策定
された北海道総合開発計画でも戦略的産業として観光を掲げている。本稿では、
同計画推進の観点から「公共施設見学ツアー」に関し、これまでの課題と今後の改
善点について考察する。
佐々木 大輔
主として農林水産業が営まれている北海道の人口低密度地域においては、人口減
少等の進行により、地域社会の活力や社会的サービスの低下が懸念されている。
農業を基幹産業とする地域が多く、今後更なる人口減少が見込まれる北海道にお
いては、その特色を活かした農村地域づくりを進め定住人口の減少抑制や交流人
口の増加を促進することにより、農村の維持を図っていく必要がある。
平成28年度(第60回) 北海道開発技術研究発表会 発表要旨 一覧
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部門
演題名
所属
筆頭所属
代表発表者
要旨
共通・その他 「きた住まいる」制度について
共通・その他 鋼橋架設現場における3DCGとVRを用いた見学会の試み
共通・その他
共通・その他
災害現場における情報収集の移り変わりについて
-公共ブロードバンド移動通信システム(公共BB)の活用-
次世代を担う若手建設技術者確保・育成のための取組
-「日胆地区これからの建設技術者を育てる会」の活動-
共通・その他 大規模災害時における広域後方支援に関する考察
共通・その他 トンネル照明設備の維持管理
共通・その他
共通・その他
全国に向けた寒地土木技術の普及活動
-寒地土木技術が積雪寒冷地以外でも有効な事例-
発生材料による試験施工
-アスファルト廃材および高含水不良土-
北海道建設部 住宅局
建築指導課
清水 浩史
札幌市水道局
給水部 工事課
鈴木 聖人
札幌開発建設部
防災課
室蘭開発建設部
技術管理課
釧路開発建設部
防災対策官
施設整備課
網走開発建設部
寒地技術推進室
(国研)寒地土木研究所
寒地地盤チーム
(国研)寒地土木研究所
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北海道では、北国の暮らしの実現にを目指した「北方型住宅」制度を平成2年にス
タート、平成17年からは住宅履歴保管を開始、するなど、住宅の質の向上に取り
組んできた。そして、平成26年からは、北方型住宅での成果を更に広く道民に普
及させるため、優良な住宅事業者を登録・公開する「きた住まいる」制度に取り組ん
でいる。本稿では、「北方型住宅」から「きた住まいる」への変遷と、道の住宅施策
の方向性について紹介する。
見学会は公共事業のPR、技術の知識向上等を目的に開催されるが、工期の中の
ごく限られた作業や構造物の構築過程しか見ることができず、見学者に対し工事を
分かり易く伝えられない状況にあると考えられる。そこで、鋼橋架設現場において
3DCGとVRを用いた見学会を開催した。アンケート調査の結果、工事内容、構造物
の完成に関して約9割の見学者が過去の見学会に比べ分かり易いと回答しており、
3DCGとVRの導入効果が高いことを検証した。
三浦 賢二
災害時における情報収集及び提供は、災害対応の中でも重要な役割のひとつであ
る。 情報収集及び提供の手段は従来の音声から映像が主体となり、リアルタイム
に現場状況を把握することが可能となってきた。 公共BBは、通信回線の確保が
困難な場所で様々な運用が期待されているシステムであり、今年度の通信訓練に
おいて実施した、公共BBを用いたTV会議による自治体との情報共有について事
例を発表する。
吾田 洋一
近年、若手建設技術者の減少、担い手不足が深刻化している。そこで、室蘭開発
建設部ではこれらに対する様々な取組を行っている。特に今年度、新たに官民連
携によるインターンシップ、学生及び保護者を対象とした現場見学会を実施した。あ
わせて、土木や就職に関するアンケート調査分析も行い、今後の取組内容の課題
を取りまとめた。
本報告は、若手建設技術者確保・育成のための取組について紹介する。
佐 藤 仁
東日本大震災をはじめ大規模災害における甚大な被害により、被災自治体の行政
機能が完全に喪失し被災者救護等の初動対応が困難になる状況が発生した。この
場合、災害時に比較的被害の少ない地域から被災地域を支援する、いわゆる広域
後方支援体制の確立が急務である。本報告は釧路根室地域を対象に防災対策強
化の一環として大規模災害(地震・津波・火山災害等)発生時における広域後方支
援のあり方について考察したものである。
末吉 拓磨
私達が管理する電気通信設備は毎年増加しているが、維持管理費は削減されて
いる。
点検においては、点検回数や新技術の採用に伴う点検内容の見直しにより、維持
管理費の削減に対応している。 しかし、トンネル照明設備は、光源のLED化が進
んでいるが、点検内容については、従来のまま行われ、見直しは行われていない。
本発表は、点検内容の見直しにより、点検費の削減が可能か検討したものである。
林田 寿文
寒地土木研究所寒地技術推進室は、寒地土木研究所で所有する研究開発成果・
技術の普及最大化を目指し、様々な取り組みを全国に向けて行っている。本論文
は、これら活動のうち、寒地土木研究所にとってなじみが薄い場所だと考えられる
北海道外で開催する土研新技術ショーケースや開発技術説明会などのイベント活
動の概要と、積雪寒冷地以外でも有効な開発技術数例を報告し、開発技術普及と
普及活動のより一層の促進を目的とする。
佐藤 厚子
工事現場で発生する様々な材料について、資源の有効利用および環境保全の観
点からリサイクルして使用することが求められている。舗装補修の切削作業にとも
ない発生するアスファルト廃材と建設現場での掘削作業により発生する高含水不
良土を有効利用することを目的として、各種試験施工を行った。その結果、アスファ
ルト廃材は盛土材および不良土の改良材として、高含水不良土は緑化基盤材とし
て使用できることがわかった。