(第2次改訂版)素案(概要)

長崎人権教育・啓発基本計画(第2次改訂版)素案(概要)
第Ⅰ章 基本的な考え方
1 計画策定の趣旨
・ 平成12年施行の「人権教育及び人権啓発の推進に関する法律」(以下、「人権教育・啓発
推進法」)で人権教育啓発の理念、地方公共団体の責務が明記されたことを受け、平成18
年3月に「長崎県人権教育・啓発基本計画」を策定し、平成24年2月に改訂。
・ 改訂後5年を経過し、この間の社会変化や人権問題に関する環境変化、新たな県の総合
計画、人権に関する個別分野の計画見直しなどに対応するため必要な見直しを行う。
2 基本計画の性格
(1) 人権教育・啓発推進法第5条に基づく、人権教育・啓発の推進にかかる本県の施策であ
り、さらに「長崎県総合計画 チャレンジ 2020」の基本理念を踏まえた人権教育・啓発の基
本方針と具体的施策の方向を示すもの。
(2) 本計画は、県の様々な施策における諸計画に対して、人権教育・啓発に関する基本計画
とするもの。
(3) 市町をはじめ県内の公的団体、マスメディア、企業、地域等で活動する民間の諸団体に
おいても、この基本計画の趣旨を踏まえた自主的な人権教育・啓発を期待するとともにそ
の指針となるもの。
第Ⅱ章 人権尊重をめぐる取組
1 国際社会(国連)での取組
・ 国際社会では、第二次世界大戦後、国連設立、国連憲章、世界人権宣言やその後様々な
人権に関する取組がなされてきた。
・ 平成7年からの「人権教育のための国連10年」では、「人権教育を推進することによって、
世界のあらゆる地域において、人権という普遍的文化をめざす」具体的プログラムとしての
行動計画が報告されて各国でも連携した取組がなされた。
・ 平成17年からは、「人権教育のための国連10年」の取組を継続させるために「人権教育
のための世界計画」が始まった。
2 国内での取組
・ 国は、憲法が定めるすべての国民に保障する基本的人権の確立と擁護を図るため、種々
の人権施策を推進するとともに、国際的な動向に呼応・連携した取組を進めてきた。
・ 平成12年施行の人権教育・啓発推進法に基づき、平成14年に「人権教育・啓発に関する
基本計画」が策定され、個別分野での法整備などが進展している。
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3 長崎県での取組
・ 平成11年に「人権教育のための国連10年 長崎県行動計画」を、平成18年に「長崎県人
権教育・啓発基本計画」を策定し、学校、地域社会などにおいて、人権教育・啓発の取組を
進めてきた。
・ 平成17年に「長崎県人権教育啓発センター」を開設し、広報・啓発、教育・研修活動、相
談・情報提供活動や交流・連携活動などを効果的に推進している。
第Ⅲ章 計画の目標と基本方針
1 計画の目標
温もりと心の豊かさが実感できる人権尊重社会の実現
2 基本方針
①国、市町、民間団体、企業等と連携協力し、学校や家庭、職場、地域社会等あらゆる
場、あらゆる機会をとらえて人権教育・啓発を推進
②幼児期からの発達段階を踏まえた人権教育・啓発の推進
③各人権課題に関する知識や理解を深め、解決に向けた実践的な態度を培われていく
ような人権教育・啓発の推進
④人権に深い関わりを持つ公務員、教職員、警察官、消防職員、医療関係者、福祉保健
関係者等に対する人権研修の推進
第Ⅳ章 人権教育・啓発の推進
1 あらゆる場における教育・啓発
(1)学校等における人権教育
(2)家庭、地域社会における人権教育
(3)企業、団体等における人権教育・啓発
(4)総合的かつ効果的な人権教育・啓発に向けた取組
2 特定職業従事者に対する人権研修の推進
(1)公務員、(2)教職員、(3)警察官、(4)消防職員、(5)医療関係者、(6)福祉保健関係者、(7)マス
メディア関係者に対する人権研修の推進
3 推進環境の整備
(1)ネットワークの構築
(2)人材の育成
(3)学習プログラムと教材の開発と活用
(4)情報提供システムの充実
(5)市町の実態に応じた教育・啓発の推進
4 相談・支援体制の整備
(1)相談機能の整備・充実
(2)教育・研修や交流・連携活動等の支援
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第Ⅴ章 重要課題別の施策の推進 <具体的施策の方向>
1 女性の人権
①男女共同参画社会の実現に向けた啓発・普及の推進
②政策・方針決定過程への女性の参画拡大
③雇用における女性の人権尊重
④女性等に対するあらゆる暴力の根絶
2 子どもの人権
①子どもの意見表明・参加が尊重される社会づくりの推進
②地域全体で取り組む子育ての支援と支援サービスの充実
③子どもの健やかな成長のための教育環境の整備
④子どもの貧困対策の推進
3 高齢者の人権
①高齢者が自らの知識・技能を生かしていきいきと活躍できる社会の構築
②住み慣れた地域で安心して暮らせる社会の構築
4 障害のある人の人権
①啓発・広報等の推進
②障害を理由とする差別の解消の推進
③建物や交通機関等及び文化・情報などのバリアフリー化の推進
④就労支援等による自立支援の推進
⑤特別支援教育等の推進
5 同和問題
①同和問題に対する正しい理解と認識を深めるための啓発の推進
②学校や社会教育における人権・同和教育の推進
6 外国人の人権
①国際理解を促進するための交流や教育の推進
②外国人が暮らしやすい環境づくりの推進
③核兵器廃絶と世界恒久平和に向けた発信及び国際協力の推進
7 HIV感染者・ハンセン病回復者等の人権
〔1〕HIV感染者等
①偏見や差別を解消するための普及・啓発活動の推進
②相談・支援体制の充実
〔2〕ハンセン病回復者等
①偏見や差別を解消するための普及啓発活動の推進
②相談・支援や里帰り事業等福祉事業の推進
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8 犯罪被害者等の人権
①県民の理解増進のための広報・啓発
②関係機関・団体等との連携・協力
9 インターネットによる人権侵害
①関係機関と連携した対策の実施
②利用に際してのルール等の啓発と教育
③個人情報保護についての意識向上と啓発活動の推進
10 性的マイノリティの人権
①県民に対する取組
②学校教育における取組
11 その他の人権問題
(1)原爆被爆者に関する問題
(2)災害時における人権尊重
(3)その他の問題
第Ⅵ章 計画の推進体制
1 県の推進体制
(1) 本計画に基づく人権教育・啓発の取組を全庁的な体制で、総合的・計画的に推進する
ための組織「長崎県人権教育・啓発推進会議」により、適切な進行管理を図る。
(2) 主な項目についての数値目標を設定し、効果的な事業の進捗を図る。
2 国、市町との連携
(1) 国の取組とも連携を図りながら、人権教育・啓発施策を推進する。
(2) 市町に対する情報提供、具体的な教育・啓発活動、独自の指針の策定に対する支援など
行うとともに、十分な連携を図りながら取組を推進する。
(3) 国(長崎地方法務局)、県、人権擁護委員会連合会等で構成する長崎県人権啓発活動ネ
ットワーク協議会や法務局各支局、管内の市町で構成する地域人権啓発ネットワーク協議
会での連携を強化し、効果的な取組の推進を図る。
3 企業・団体、NPO等との連携
(1) 企業や人権関係団体、NPOなどとの連携を図り、実効ある取組を推進する。
(2) 長崎県人権教育啓発センターの機能拡充を進め、センターを中心にした幅広いネットワー
クづくりを進める。
4 計画の目標年度
平成32年度を目標年度とする。
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