12月12日号 商品 原油 駆け込み増産合意で相場上昇に

2016/
マーケット・フォーカス
12/12
投資情報部
シニアコモディティアナリスト
津賀田 真紀子
商品:原油
駆け込み増産合意で相場上昇に拍車
 非OPECの減産合意を受け、WTI原油先物は1年5ヵ月ぶりの水準を回復
 OPEC最大産油国であるサウジアラビアが一段の減産を示唆したことも好材料に
 ただし、米追加利上げ実施でドル高が進行した場合は下押し圧力となる可能性あり
非OPEC、15年ぶりに減 石油輸出国機構(OPEC)とロシア等の主要産油国が 12/10 に開いた閣僚会合で 15
年ぶりに協調減産で合意したことを受け、原油相場の上昇に拍車がかかっている。国
産合意
際指標であるウエスト・テキサス・インターミディエイト(WTI)原油先物相場は日本時間
12 日に一時1バレル=54.51 ドルと 2015 年 7 月以来の高値を付けた。
OPEC は 11/30 の総会で 2017 年1月から半年間、加盟国全体の生産量の上限を
日量 3,250 万バレルにすることで合意したが、原油価格の上昇を確実なものにする
ため、非加盟の産油国にも減産を求めており、これが実際に合意されるかどうかが
注目されていた。
非 OPEC 最大の生産国であるロシアのプーチン大統領の任期(6 年)は 2018 年で満
了することになっており、再選を目指すためには 2017 年から 2018 年春先にかけて景
気を浮揚させる必要がある。ロシアは長引く原油安の影響で歳入が減少傾向にある
が、増税や歳出削減による財政再建にも限界があると考えられることから、ここで日量
30 万バレル程度の減産に協力し、原油価格の安定を図る方が得策であると判断した
ものと思われる。
原油先物価格動向
W T I原油先物価格とドルインデックス
2016/11/28
期間
WTI
120
前週比
76
110
WTI原油先物(左目盛)
78
ドルインデックス(右逆目盛)
80
2016/12/9
2016/12/2
始値
51.46
45.43
6.03
100
高値
52.42
51.80
0.62
90
84
86
82
安値
49.61
44.82
4.79
80
終値
51.50
51.68
▲ 0.18
70
7.69
60
92
0.80
50
94
始値
北海
ブレント
(週次:2014/1/3~2016/12/9)
(1バレル=ドル)
~
~
2016/12/5
高値
54.40
55.33
46.71
54.53
安値
52.81
45.92
6.89
40
終値
54.33
54.46
▲ 0.13
30
88
90
96
98
100
20
14/1
(注)価格は 1 バレル=ドル
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
14/7
15/1
15/7
16/1
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する
最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全
性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随
時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。
1
1
16/7
102
(年/月)
2016/12/12
マーケット・フォーカス
また、12/10 に OPEC 最大の産油国であるサウジアラビアのファリハ・エネルギー
サウジアラビア、追加
減産の用意があると
示唆
産業鉱物資源相が 11/30 の OPEC 総会で合意した水準よりも大幅な減産の用意
があると示唆したことも市場参加者に好材料視されているようだ。OPEC 総会以降、
WTI 原油先物は既に 20%以上も上昇しているが、この発言はサウジアラビアがより
高い原油価格を望んでいることの証であると考えられる。なお、OPEC 総会後の報
告書によると、サウジアラビアの 10 月時点の原油生産量は日量 1,054 万 4,000 バ
レル、2017 年 1 月からの減産量は日量 48 万 6,000 バレルとされている。
ただし、ロシアは 11~12 月の生産高を基準に減産に応じるとしており、合意後も高水
準の生産量を維持することに変わりはない。また、サウジの追加減産量も具体的な数
字が示されたわけではない。現在の相場反応はやや過剰であると考えられる。
なお、今週は米連邦公開市場委員会(FOMC)が予定されており、追加利上げがほ
ぼ確実視されている。ドル高進行により相場に下押し圧力がかかりやすい状況となっ
ていることは注意が必要だ。ここから先の上昇は限定される可能性が高いとみている。
OPEC 目標生産量と実際の生産量
(千バレル/日)
ロシ ア 原油生産量
(千バレル/日)
(月次:2012/1~2017/1)
11,400
34,000
11,300
33,500
目標生産量
33,000
11,200
実際の生産量
11,100
32,500
2016年
11,000
32,000
過去3年平均
10,900
31,500
過去3年最高
10,800
31,000
過去3年最少
10,700
30,500
10,600
30,000
10,500
29,500
10,400
29,000
12/1 12/7 13/1 13/7 14/1 14/7 15/1 15/7 16/1 16/7 17/1
(年/月)
10,300
1
2
3
4
5
6
7
8
9 10 11 12 (月)
(注)実際の生産は 2016 年 10 月まで
出所:OPEC 月報よりみずほ証券作成
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
C FT C非商業筋建玉とWTI原油先物価格
米エ ネルギー省(DOE)
1 年先予想原油価格とWTI原油先物
(1バレル=ドル)
120
(月次:2011/1~2017/12)
(週次:2015/1/6~2016/12/9)
(万枚)
(1バレル=ドル)
40
買残-売残(左目盛)
40
110
100
60
WTI原油先物(右目盛)
55
20
35
90
80
(1バレル=ドル)
65
45
50
45
0
30
70
40
60
5 0 .66
▲ 20
25
35
50
40
②-① 差(右目盛)
① DOE 1年先予想価格(左目盛)
② WTI原油先物(左目盛)
30
20
11/1
12/1
13/1
14/1
15/1
30
▲ 40
20
▲ 60
(年/月)
15
25
16/1
17/1
15/1
15/4
15/7
15/10
16/1
16/4
16/7
20
16/10 (年/月)
(注)CFTC 非商業部門建玉は 12/6 現在
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する
最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全
性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随
時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。
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2016/12/12
マーケット・フォーカス
■ エネルギー関連統計
日付
国・地域
12 月 14 日
12 月 14 日
12 月 14 日
12 月 14 日
12 月 14 日
12 月 14 日
12 月 14 日
12 月 14 日
12 月 16 日
12 月 16 日
12 月 16 日
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
イベント
米国原油在庫(前週比・千バレル)
オクラホマ州クッシング原油在庫(前週比・千バレル)
米国ガソリン在庫(前週比・千バレル)
米国中間留分在庫(前週比・千バレル)
米国製油所稼働率(前週比)
米国原油推定需要(千バレル/日)
米国ガソリン推定需要(千バレル/日)
米国留出燃料推定需要(千バレル/日)
ベーカー・ヒューズ掘削リグ稼働数
ベーカー・ヒューズ米国ガス・ロータリーリグ稼働数
ベーカー・ヒューズ米国石油ロータリーリグ稼働数
期間
前回
12 月 9 日
12 月 9 日
12 月 9 日
12 月 9 日
12 月 9 日
12 月 9 日
12 月 9 日
12 月 9 日
12 月 16 日
12 月 16 日
12 月 16 日
▲2,389
3,783
3,425
2,501
0.6%
17,341
9,749.4
4,831.7
624
125
498
■ 今週の経済指標
日付
国・地域
12 月 13 日
12 月 13 日
12 月 13 日
12 月 13 日
12 月 13 日
12 月 13 日
12 月 14 日
12 月 14 日
12 月 14 日
12 月 14 日
12 月 14 日
12 月 14 日
12 月 14 日
12 月 14 日
12 月 14 日
12 月 14 日
12 月 15 日
12 月 15 日
12 月 15 日
12 月 15 日
12 月 15 日
12 月 15 日
12 月 15 日
12 月 15 日
12 月 15 日
12 月 15 日
12 月 15 日
12 月 15 日
12 月 16 日
12 月 16 日
12 月 16 日
中国
中国
中国
欧州
欧州
米国
欧州
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
欧州
欧州
欧州
欧州
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
欧州
米国
米国
イベント
鉱工業生産(前年比)
小売売上高(前年比)
固定資産投資(除農村部/年初来/前年比)
雇用(前年比)
ZEW 調査(期待)
輸入物価指数(前月比)
鉱工業生産(季調済/前月比)
MBA 住宅ローン申請指数
小売売上高速報(前月比)
PPI 最終需要(前月比)
鉱工業生産(前月比)
製造業(SIC)生産
設備稼働率
企業在庫
FOMC 政策金利(上限)
FOMC 政策金利(下限)
EU27 カ国新車登録台数
マークイット ユーロ圏製造業 PMI
マークイット ユーロ圏サービス業 PMI
マークイット ユーロ圏コンポジット PMI
経常収支
ニューヨーク連銀製造業景気指数
消費者物価指数(前月比)
実質平均週賃金(前年比)
新規失業保険申請件数
失業保険継続受給者数
フィラデルフィア連銀景況
マークイット米国製造業 PMI
貿易収支(季調前)
住宅着工件数(前月比)
住宅建設許可(前月比)
期間
11 月
11 月
11 月
7-9 月期
12 月
11 月
10 月
12 月 9 日
11 月
11 月
11 月
11 月
11 月
10 月
12 月 14 日
12 月 14 日
11 月
12 月 速報
12 月 速報
12 月 速報
7-9 月期
12 月
11 月
11 月
12 月 10 日
12 月 3 日
12 月
12 月 速報
10 月
11 月
11 月
前回
6.1%
10.0%
8.3%
1.4%
15.8
0.5%
▲0.8%
▲0.7%
0.8%
0.0%
0.0%
0.2%
75.3%
0.1%
0.50%
0.25%
0.0%
53.7
53.8
53.9
▲119,900,000,000
1.5
0.4%
0.9%
258,000
2,005,000
7.6
54.1
26,500,000,000
25.5%
0.3%
(注)記載事項はすべて「予定」ないし「見込み」であり、予告なく変更されることがあります。海外イベントおよび経済指標は現地日程で掲載しています
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
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2016/12/12
金融商品取引法に係る重要事項
マーケット・フォーカス
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をご負担いただきます。ただし、売却時に限り、約定代金が 2,700 円未満の場合には、約定代金に 97.2%(税
込み)を乗じた金額を委託手数料としてご負担いただきます。
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む)、国や地域の経済情勢等のカントリーリスクがあります。それぞれの状況悪化等により投資元本を割り込
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却してお客さまの口座に売却代金を支払うことになります。ただし、権利売却市場が存在しない場合や売却市
場があっても当該証券の流動性が低い場合等は、権利売却ができないことがあります。また、権利が発生し
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お客さまの購入単価および売却単価を当社が提示します。単価には手数料相当額が含まれていますので別
途手数料および諸費用はかかりません。
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取引口座管理料は無料です。
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定した為替レートによるものとします。
商品ごとに手数料等およびリスクは異なりますので、当該商品等の契約締結前交付書面や目論見書または
お客さま向け資料等をよくお読みください。
商 号 等 : みずほ証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第 94 号
加入協会 : 日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、
一般社団法人第二種金融商品取引業協会
広告審査番号 : MG5690-161212-21
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