*グローバル投資環境 No.1522* ご参考資料 髙木証券投資情報部 景気は市場の想定以上に悪化、前年同 トルコの第3四半期GDP~ 期比でマイナス成長に転落 2016年12月13日作成 トルコ統計局が12日に発表した2016年第3四半期(7-9 《GDPの推移》(需要項目別、前年同期比、%) 月期)のGDPは前年同期比1.8%減少、第2四半期(3.1% 家計最終 政府最終 総固定資 GDP 輸出 輸入 消費支出 消費支出 本投資 増から4.5%増へ上方修正)から急減速、市場予想(0.3% 3.5 6.2 -5.2 3.3 5.1 6.0 増)をも大きく下回る結果となった。なお、GDPの算出基準が 2015/1Q 2015/2Q 7.2 6.9 7.4 13.4 6.7 4.6 今回から変更になったことに伴って、過去の成長率が大きく 2015/3Q 5.9 3.7 0.9 9.1 7.0 2.4 修正されているほか、前期比の成長率等については、今後 2015/4Q 7.4 5.4 11.6 10.4 7.6 2.4 2016/1Q 4.5 0.2 11.1 7.8 3.5 4.6 のリリースを通じて発表される模様である。 2016/2Q 4.5 3.7 13.7 4.7 0.0 9.1 成長率を需要項目別でみると、政府最終消費支出が 2016/3Q -1.8 -3.2 23.8 -0.6 -7.0 4.3 第1四半期の11.1%増、第2四半期の13.7%増から 23.8%増へ一段と加速したものの、家計最終消費支出 が第2四半期の3.7%増から3.2%減へ、総固定資本投資 が第2四半期の4.7%増からから0.6%の減少に転じたほ か、第2四半期には横這いだった輸出も7.0%減少した。 11月8日の米国の大統領選挙でトランプ氏が勝利し たことをきっかけにした新興国の金融市場の混乱は、 とりあえず一巡しつつあるようにみえるが、その過程 では、独自のネガティブ要因を抱えている国からの資 金流出が相対的に大きくなる傾向があったため、7月 15日に発生したクーデター未遂以降、非常事態宣言が 継続する中で、しばしばテロが発生しているトルコの 通貨リラは、メキシコのペソとともに、新興国の通貨 では最も大きく売られた通貨の一つとなって過去最安 値を更新しているほか、債券市場、株式市場ともに軟 調に推移、とりわけ債券市場では、10年国債利回りが、 データを遡れる2010年1月以降での最高を更新(つま り価格は下落)している。 トルコの中央銀行は、3月以降続けてきた翌日物貸 出金利の引き下げを10月の金融政策会合で休止したが、 先月24日に開かれた前回会合では、エルドガン大統領 が中銀に対して、景気の減速傾向に対応した利下げの 実施を呼びかける中で、前述した通貨安が「インフレ 見通しのアップサイドリスクを高める」という理由で、 翌日物貸出金利を一転して引き上げただけではなく、 2014年1月以来となる政策金利(1週間物レポレート) の引き上げを実施した。このことに対しては中央銀行 の独立性に対する投資家の信頼を保持するという点で は前向きな評価が可能だが、金融引き締めが景気にさ らなる悪影響を与えかねないほか、大統領からの利下 げ圧力がさらに強まる可能性も否定できないなど、中 銀は引き続き難しい政策対応を求めれよう。 11月+7.00% 11月+6.99% (文責:勇崎 聡) (出所:トルコ統計局及びBloomberg等より髙木証券作成) 《ご注意いただきたいこと》当資料は投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資の最終決定はご自身でなさるようお願い いたします。当資料は信頼できると思われる各種データに基づいて作成されていますが、その正確性・完全性を保証するものではありませ ん。株式、債券、投資信託等は、価格の変動や発行者の信用状況の悪化等により投資元本を割り込むおそれがあります。また、当資料の いかなる部分も一切の権利は髙木証券に帰属しており、電子的または機械的な方法を問わず、いかなる目的であれ、無断で複製または転 送等を行わないようお願いいたします。 当社で取り扱う商品等へのご投資には、当該商品等の契約締結前交付書面、上場有価証券等書面、目論見書、お客様向け資料等をよく お読みください。 商号等:髙木証券株式会社 金融商品取引業者 近畿財務局長(金商)第20号 【広告審査済】 加入協会:日本証券業協会 髙木証券インターネットホームページ:http://www.takagi-sec.co.jp/
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