ガス事業経営戦略(素案)の概要(PDF形式:222KB)

福井市ガス事業経営戦略(素案)
第1章
(概要版)
策定の背景
第6章
・福井市ガス事業は、需要家数の減少が長く続き、厳しい経営状態が続いています。さらに、ガスの
小売全面自由化が迫っており、これまでにない経営環境の変化を迎えようとしています。こうした
中、経営基盤の強化と財政マネジメントの向上を実現するため、
「経営戦略」を策定します。
・経営戦略は、中長期的な経営の基本計画と位置づけ、平成25年度に策定した福井市ガス事業経営
改善プランや福井市総合計画をはじめとする各種計画と整合を図ります。
・計画期間は、平成29年度から平成40年度の12年間とします。
第2章
【財源目標1】
企業債残高
経営戦略の基本理念と方針
・基本理念:
「快適な暮らしと豊かな地域社会を支える、環境にやさしい都市ガスを安全・安定的に供
給します。
」
・基本的方向:①営業の強化、②保安の確保、③施設の耐震化、④経営(財政)の健全化
・経営戦略は、
「投資・財政計画」を中心に策定し、投資と財源を均衡させます。
H27
56億円
H40
34億円
H27比増減
△22億円
→ 75%(H28以降)
増減率
△39%
【財源目標2】
平成40年度まで収益的収支の黒字を維持することで、企業債の借入減(財源目標1)による投資財源
の減少を積立金(=利益)で補い、財源を確保します。
【投資試算と財源試算】
財源試算(H40までの資本的収入及び補てん財源の合計額)
投資試算(H40までの建設改良費及び企業債等償還金の合計額)
差 引(H40末資金(積立金)残高)
将来の需要予測
・ガス小売全面自由化後、本市の都市ガス事業への新規参入の可能性は、本市ガス事業の供給方式、
地理的条件、市場規模等の理由から非常に低いと予想しています。
・需要家数の減少や1件あたりの使用量の減少により、今後も販売量の減少は続く見通しです。
平成40年度販売量見込
14,130千㎥(H27
比△26%)
第4章
・投資計画による事業を実施するために必要となる財源の確保を図ります。
・企業債残高は、公営ガス事業者平均と比較すると高い水準です。今後は、企業債残高を縮減する中
でも、投資財源を安定的に確保するため、2つの財源目標を設定します。
・投資試算と財源試算の結果、平成40年度までは、財源不足は発生しない見込みです。
企業債の対象事業への充当率(企業債依存率)を低下させます。 95%
ガス事業の現状と課題
1 販売量の減少 販売量は減少を続けています。
(H27 販売量19,103千㎥ )
・H17比 家庭用・・・△37%、商業用・・・△31%
2 経営の状況
未処理欠損金(累積赤字)は、料金値上げ等により約5億円まで減少しました。
・天然ガス転換事業やその後の需要家数減少の影響により平成24年度末の未処
理欠損金(累積赤字)は約29億円でした。そこで、福井市ガス事業経営改善
プランを策定し、①料金徴収等業務の民間委託、②組織のスリム化、③自己資
本金の取崩しによる累積赤字の穴埋め、④料金値上げ(H26)などを行った
結果、未処理欠損金(累積赤字)は減少しました。
3 施設の現況
ガス導管の耐震化が遅れています。
・ガス導管の耐震化率 64%(H26末) ※全国平均87%(H26末)
第3章
財政計画
130.4億円
129.0億円
+1.4億円
※平成40年度までは財源不足は発生しませんが、このままだと平成42年度に財源が不足する見込みです。
第7章
効率化・経営健全化の取組
・これまでも組織見直しや民間活用等の経営の効率化と健全化に取り組んできましたが、今後さらに、
営業活動の強化や経営効率化・健全化に向けて取り組みます。
1 組織・人材に関する事項
研修体制の充実、資格取得の促進、情報・通信技術の活用など
2 民間活用に関する事項
業務委託の適正な管理・見直し、民間ノウハウの習得
3 経営基盤の強化に関する事項 営業活動強化、保安の維持強化、料金収納率の維持など
第5章
投資計画
・ガス工作物更新計画に基づき、計画的な更新・耐震化と投資規模の平準化を図ります。
事 業(H28~H40)
目
製造設備
製造プラント制御装置等の更新
ガス導管
白ガス管入替、
中・低圧導管耐震化対策など
その他供給設備
整圧器(ガバナ)
、災害用無線
0.7億円
事務費等
人件費、負担金など
9.1 億円
合 計
0.6億円
51.0億円
61.4億円
標(H27 → H40)
現設備の修繕・部分更新により長寿命化
≪進捗率≫
白ガス管 83% → 100%(H32)
中圧導管 82% → 100%(H33)
整圧器の改善、無線のデジタル化
―
4 情報公開に関する事項
情報発信の強化、経営戦略に関する情報公開
5 その他の事項
危機管理体制の強化など
◎重要課題 「今後の事業形態の選択」
経営戦略により平成40年度までの事業見通しは立っています。しかしながら、電力・ガス小売
全面自由化後の民間事業者とのサービス格差拡大や人材育成・技術継承の限界が懸念されることか
ら、公営という事業形態が市民にとってベストなのかどうかも含めた「今後の事業形態の選択」が
重要課題となります。
第8章
経営戦略の推進
・経営戦略の進捗は、「計画策定→実施→検証→見直し」のサイクルを活用して管理していきます。
・3年から5年ごとに中期的な見直しを行います。
・市政広報、企業局広報誌、ホームページなどを通じ、経営に関する情報を発信します。