量的金融緩和の規模を縮小し - 三井住友アセットマネジメント

2016年12月9日
(No.2,627)
〈マーケットレポートNo.5,151〉
ECBの金融政策(2016年12月)
量的金融緩和の規模を縮小し、終了時期を延長
量的緩和期間を9カ月延長
購入規模は縮小
(%)
政策金利、ドイツ国債利回り、ユーロ円(円/ユーロ)
4
150
ユーロ対円レート(右軸)
3
140
■欧州中央銀行(ECB)は8日の理事会で、国債
2
130
などを買って市場に資金を供給する量的緩和政策
ドイツ10年国債(左軸)
1
120
の実施期間を9カ月間延長し、17年12月末まで
政策金利(左軸)
続けることを決定しました。ただし、17年4月から国
0
110
預金金利(左軸)
債などの購入規模を現在の月800億ユーロから月
100
▲1
600億ユーロに減額します。ECBが量的緩和の規
(年/月)
14/1
14/7
15/1
15/7
16/1
16/7
模縮小に踏み切るのは初めてです。政策金利、中 (注)データは2014年1月1日~2016年12月8日。 政策金利はMain
Refinancing Operations 金利。預金金利はDeposit Facility
銀預金金利(金融機関がECBに余剰資金を預け
金利(翌日物)。
入れた際に適用する金利)は、それぞれ0.00%、 (出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成
▲0.40%に据え置きました。
(兆ユーロ) ECB資産残高、消費者物価上昇率
(%)
5
テーパリングは議論せず
経済見通しのリスクは下振れ
4
4
3
ECB資産残高(左軸)
3
(予想)
2
■ドラギ総裁は記者会見で、経済見通しについては
2
1
前回9月と概ね同じであり、下振れリスクがあること
1
0
を指摘しました。物価は、原油価格の上昇などに後
消費者物価指数(前年比)(右軸)
押しされて上向くと説明しつつも、上昇トレンドに
0
▲1
10/12
12/12
14/12
16/12
入ったとは言えない状況にあるとしました 。また、
(年/月)
「(量的緩和を段階的に終わらせる)テーパリング (注)ECB資産残高は、2010年12月末~2017年12月末(週次、
2016年12月以降2017年3月まで月800億ユーロ、2017年4月以降
12月まで月600億ユーロの資産購入を前提に計算)。消費者物価上
は議論していない」と強調しました。
昇率は、2010年12月~2016年11月(月次)。
(出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成
今回の決定は市場予想よりもハト派的、当面現状維持
■ 今 回 の 金 融政 策 に つい て は 、 市 場 の予 想 通り ■ECBは8日の声明で、市場の状況などで物価が上
がらない場合は、買い入れ規模の再拡大や実施期
17年4月以降の資産購入の延長が決定されました
間を延長する考えも示しました。しかし、足元の欧
が、購入ペースは600億ユーロに減額されました。
州景気は底堅く推移していることから、中国など新
減額だけとればタカ派と見えますが、期間を勘案した
興国経済が大きく不安定化しない限り、現状の金
購入額や記者会見の内容を含めて考慮すると、市
融政策が当面維持されると見られます。
場予想よりもハト派的な内容と考えられます。
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