千葉県歯科衛生士会たよりvol.18 ネット版

CDHA
Vol.18
2016.12.4
Vol.18
発行所 一般社団法人 千葉県歯科衛生士会 〒261-0002 千葉県千葉市美浜区新港 32-17 千葉県口腔保健センター内
TEL & FAX 043-241-9903 http://www.chiba-dha.net mailto: [email protected]
印刷所 障害福祉サービス事業所 はばたき職業センター
平成 28 年度(第 23 回)
「かむ子・のびる子・元気な子」料理コンクール
今年度も本会主催の第 23 回「かむ子・のびる子・元気な子」
料理コンクールが行われ、県内各地域の学校や一般の方など、
212 作品の応募があり、第1次の書類審査で 11 作品が選考され、
第2次審査が平成 28 年 11 月 20 日(日)千葉県口腔保健センター
において行われました。
当日は、11 名の入賞者の方々がお弁当を持参され、自分の
お弁当が映し出されたスクリーンの前で、工夫した点やおすす
めのポイントなどを3分間で発表しました。小学生が4名いま
したが、とてもしっかりとした発表で、関係者一同感心する場
面もありました。
その後、審査・試食が行われましたが、今回は全体的に彩りや噛
みごたえなど良く考えられていて、甲乙つけがたい審査になりました。
各賞が下記のとおり決まり、午後の千葉県歯科衛生士大会の
中で、表彰式を行いました。
地域保健担当理事 植田佐知子
平成 28 年度(第 23 回)「かむ子・のびる子・元気な子」
料理コンクール 受賞者
千
葉
県
知
事
賞
千葉県歯科医師会長賞
千葉県歯科医師会長賞
千葉県栄養士会長賞
千葉県調理師会理事長賞
千葉県学校給食会理事長賞
千葉県歯科衛生士会長賞
千葉県歯科衛生士会長賞
千葉県歯科衛生士会長賞
千葉県歯科衛生士会長賞
千葉県歯科衛生士会長賞
城 鈴奈さん
久保寺淳之助さん
米井 優羽さん
渡辺 恵さん
田中 光太さん
堀 こころさん
川名 果歩さん
森本 美紀さん
田中 陽香さん
屋嶋 愛美さん
佐々木実香さん
千葉県知事賞 受賞作品
彩りゆたかなたのしい弁当
★受賞者インタビュー
千葉県知事賞を受賞した感想は?
-嬉しいです。
普段から料理はしますか?
-します、お弁当は週に1回作ります。
作品で工夫した点は?
将来は料理関係の道へ進みたい?
-彩りや、見た目を可愛くしました。 -調理師か製菓へ進みたいです。
よく噛むために選んだ食材は?
-(おにぎりに入っている)
ちりめんじゃこです。
千葉県知事賞 城 奈さん
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多職種連携
歯科衛生士が、介護の現場で仕事をするにあたり、多職種連携を取る必要があります。
まずは、歯科衛生士はどういう事が出来るのか、また口腔ケアがどれだけ重要なのか、様々な職種の方に理解してい
ただくことがカギとなります。
今回は、多職種連携における本会の取り組みと、また本会会員で、早くから他の職種と連携を図りながら、訪問口
腔ケアにあたっている、山口朱見さんの紹介を致します。
平成 28 年9月 11 日(日)9時半より、
千葉県教育会館にて、平成 28 年度 在宅
歯科医療を行う歯科医師等育成研修会が行
われました。
その中で、多職種連携、在宅歯科医療の
実際についてというグループワークがあ
り、本会役員6名が参加しました。
他にも、介護支援専門員や薬剤師の方が
参加されました。
今回のグループワークでは、“多発性脳
梗塞で介護が必要となった 60 代男性”と
“末期の肺癌で在宅の訪問看護による緩和ケアを受けている 80 代女性”の2症例について検討しました。
このようなグループワークでの症例検討は、正解を出すというものではなく、どうしたら、その患者さんに最善
の処置が出来るのか、それぞれの職種の立
場から、どのようにアプローチをしていっ
たらいいのかを検討していくものです。
特に歯科衛生士は、口腔内だけを見がち
ですが、その患者さんの疾患や全身の状態
を把握しなければ、何も処置は出来ません。
事前の情報交換が非常に重要だと、改め
て理解出来る貴重な時間となりました。
今後もこのようなグループワークに参加
していけたらと思います。
広報担当理事 市川美和子
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医師との同行訪問から歯科訪問診療へ
山口 朱見(本会会員・日本歯科衛生士会理事)
歯科衛生士は「歯科診療所で働く人」というイメージだと思います。
主な勤務先は歯科診療所ですが、最近では介護保険施設や通所介護施設等に勤務する
歯科衛生士も少しずつ増えており、高齢化社会に即した勤務の形態が見られるように
なっています。
私の勤務するのは在宅療養支援診療所で医師、看護師が在宅訪問する医科の診療所で
す。
ここでは歯科衛生士が医師の訪問診療に同行、診察後にお口の中を拝見して口腔清掃
状態、歯や義歯、飲み込みや食事に関すること等の問題を拾い上げます。
そして治療の必要な方は地域歯科医師会の中で訪問可能な歯科医師に依頼をしていま
す。継続して口腔ケアの必要な方については歯科医師に繋げ、指示を受けた歯科衛生士
が訪問しています。
地域で最期まで過ごす中、美味しく食べる、また快適なお口で過ごしていただけるよ
う歯科衛生士が在宅訪問口腔ケアを行うとともに歯科と医科を繋ぐコーディネーターの役目を果たしています。
ご存知ですか?
ス マ イ ル ア ッ プ ちば体操
“スマイルアップちば体操”は平成 19 年に、介護予防事業の一環として作成された、健口体操です。
千葉県歯科医師会のオリジナルソング“GO! GO! 8020”の軽快な
リズムに合わせ、口腔だけではなく、顔や肩周りの運動が手軽に出来る、
アンチエイジングにもぴったりな体操です。
平成 22 年に、ゆっくりバージョン・洗口(うがい)バージョンを作成
してからは、幼稚園や保育園、障害者施設など、様々な場所で、広く行わ
れるようになりました。
本会では、“8020シスターズ”による普及活動を行なっており、平
成 28 年 11 月6日(日)に開催された、千葉県口腔保健大会の公開講座に
て、披露しました。
これからも千葉県民の口腔機能向上を図るため「スマイルアップちば体
操」を広めていきたいと思います。 広報担当理事 市川美和子
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千葉県歯科衛生士大会
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平成 28 年 11 月 20 日(日)千葉県口腔保健センター
6月のフレッシュ&リフレッシュセミナーで大変ご好評いただいた 高橋 喜久雄先生
(独立行政法人地域医療機能推進機構 船橋中央病院副院長 歯科口腔外科部長兼務)をお
招きし「理解できていますか? 全身疾患と薬の知識」~抗血栓薬やその他の薬剤について
~と題しまして、第2弾をご講演いただきました。
はじめに、歯科治療を行う上で気をつけなければならない全身投与されている二つの薬剤
群の抗血栓薬と骨吸収抑制剤について、抗血栓薬の抗血小板薬(バイアスピリンなど)と抗
凝固薬(ワーファリンや NOACs)は分けて考え対処することをガイドラインと先生の臨床
の経験から具体的に説明くださいました。
6月にもお話しいただいた、ビスフォスホネートによる顎骨壊死に関する話では、最近で
高橋 喜久雄 先生
は新たながん治療の薬剤としてデノスマブによる顎骨壊死の症例発表もあり、米国では BP
系薬剤関連顎骨壊死(BRONJ)から薬剤関連顎骨壊死(MRONJ)に名称の変更があったそうです。
今年5月には内耳にも MRONJ が起きやすいと発表があったそうで、薄い軟組織が覆っているところには起きやすい
という最新の報告もお話しくださいました。
骨吸収抑制剤投与中の休薬については、がんに対する注射薬の投与は原則として休薬しないことと骨粗鬆症に対する
投与とは異なることを意識することが大切とのことでした。
気をつけるべきその他の薬剤・疾患では、
・ 高血圧症で服用されるカルシウム拮抗剤での歯肉増殖
・ β - 遮断薬での扁平苔癬
・ ペースメーカーを植え込んでいる場合
→抗血栓薬を服用している場合もあるため、SRP などの出血に注意する
→電気メス、超音波スケーラ―は禁忌
・ 感染性心内膜炎ハイリスク群の患者は口腔衛生状態を良好に保つこと
が日本循環器学会のガイドラインで推奨されている
など、具体的にご説明下さいました。
基礎疾患のない方が、予防のために持続的に薬を服用している場合が
増えており、そういった方々は疾患を有していないということで、見逃
されがちだが、服薬に関する問診は、きちんとやって欲しい、歯科では
全身に目がいかないことが多いので、と先生はおっしゃっていました。
全身に目を向け活躍する歯科衛生士が求められています。
その為に必要な、全身疾患と薬の知識を深める事が出来ました。 研修担当理事 那須 啓子
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