第 3 回札幌支部講演会/北海道支部共催のご案内 今回は北海道医療大学で保健衛生学分野の教授をされている千葉逸朗先生をお招きして 下記の予定で開催いたします。 是非ご出席下さいますようお願いいたします。 ≪演 題≫ フッ化物洗口の効果を判定する際の「壁」 講師 北海道医療大学歯学部口腔構造・機能発育学系保健衛生学分野 教授 千葉 逸朗 先生 日時 2016 年 12 月 3 日(土)16:30~18:00 場所 ホテルポールスター札幌 4 階 ラベンダー 札幌市中央区北 4 条西 6 丁目 Tel 011-241-9111 講演抄録 北海道における8020推進条例の施行に伴って、道内の教育施設においてフッ化物洗口 が普及してきています。フッ化物の効果についてはすでに多くの科学的根拠となるデータが 報告されています。今回皆様にお示し致します「ある地区」はフッ化物洗口の重点地域に指 定されており、平成 22 年より全ての保育園、幼稚園、小学校でフッ化物洗口を開始し、現在、 その効果について考察、解析しています。ところが、事実を正確に評価しようとする際に様々 な壁に直面しており、その1つが歯科検診の経時な追跡の中で明らかになる矛盾です。我々 の教室では、歯科検診結果にどの程度矛盾が生じているか、またその影響の大きさについて 検討することを目的に歯科検診結果の分析を行いました。 平成 23、25、27 年度の歯科検診を受診した、のべ 2,928 名を分析対象としました。歯科検 診で齲歯もしくは処置歯だった永久歯が他の年度の歯科検診で健全歯だった場合に矛盾とし てカウントしました。その結果、24.1%の受診者に矛盾が見つかりました。矛盾の影響は、 フッ化物洗口において最もその効果を見るべき第一大臼歯で顕著に表れていました。データ をそのまま解釈すると「むし歯が自然治癒する」ということになってしまう場合もあります。 このような矛盾は全国各地で見られることであると想像できます。皆様が期待するような 学問的なお話ではなくて大変恐縮ですが、フッ化物の効果として、いわゆる学問的な「科学 的根拠」とされているデータにどれほどの信頼性があるのか、このような矛盾が起こる原因、 解消する方法などについて、皆様と、ここには書けない「裏の裏」のお話まで議論できれば と思います。 *同窓外の先生も聴講可能です。 *日歯生涯研修カードをご持参ください。
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