2016/ マーケット・フォーカス 12/5 投資情報部 シニアコモディティアナリスト 津賀田 真紀子 商品:原油 OPEC減産合意、ご祝儀相場に踊るWTI原油 OPECの減産合意を受け、WTI原油先物は1年5ヵ月ぶりの水準を回復 今後の注目点は非OPEC最大産油国であるロシアの協調姿勢 クリスマス休暇を控えたショートポジションの買い戻しに押し上げられる可能性も OPEC減産合意。実際 11/30 の石油輸出国機構(OPEC)定時総会で減産が合意されたことを受け、原油相 に順守されるかどうか 場が急反発している。国際指標であるウエスト・テキサス・インターミディエイト(WTI)原 油先物の先週末の終値は 1 バレル=51.68 ドルと、中心限月としては 2015 年 7 月中旬 が今後を左右 以来、約 1 年 5 ヵ月ぶりの高水準となった。 OPEC の 10 月の生産量は日量 3,364 万 3,000 バレルと過去最高であったが、来年1 月から半年間は上限が日量 3,250 万バレルに設定され、効果を見極めたうえで来年 5/25 の OPEC 定時総会で延長するかどうかが決められるという。 ただし、今回の減産合意ではイラン、ナイジェリア、リビアが特例として除外された。各 国が生産枠を守っても、減産を免れた国が増産すれば、全体としての目標達成は不 可能となる。また、OPEC は前回 2011 年 12 月に日量 3,000 万バレルの生産枠で合意 したものの、その後ほとんどの月でそれを上回り、2015 年末に生産枠が撤廃された経 緯があるということを考えると、今回も結果的にぬか喜びに終わる可能性がある。減産 の実効性を保証するため、OPEC は順守状況を監視する委員会を設置するとしている が、どこまで効力を発揮するかも疑問視されている。 原油先物価格動向 W T I原油先物価格とドルインデックス 2016/11/21 期間 WTI 120 前週比 76 110 WTI原油先物(左目盛) 78 ドルインデックス(右逆目盛) 80 2016/12/2 2016/11/25 始値 45.43 45.83 ▲ 0.40 100 高値 51.80 49.20 2.60 90 84 86 82 安値 44.82 45.77 ▲ 0.95 80 終値 51.68 46.06 5.62 70 ▲ 0.21 60 92 4.57 50 94 始値 北海 ブレント (週次:2014/1/3~2016/12/2) (1バレル=ドル) ~ ~ 2016/11/28 高値 46.71 54.53 46.92 49.96 安値 45.92 46.85 ▲ 0.93 40 終値 54.46 47.24 7.22 30 88 90 96 98 100 20 14/1 (注)価格は 1 バレル=ドル 出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成 14/7 15/1 15/7 16/1 出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成 この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 1 1 16/7 102 (年/月) 2016/12/5 マーケット・フォーカス ロシアの協調姿勢も注 また、非 OPEC 最大の生産国であるロシアの出方にも注目だ。OPEC は 12/9 にカ タールで非加盟国と閣僚会合を開き、減産協調の枠組みを固めるとしている。 目ポイント ロシアのプーチン大統領の任期(6 年)は 2018 年で満了することになっており、再選 を目指すためには 2017 年から 2018 年春先にかけて景気を浮揚させる必要がある。ロ シアは長引く原油安の影響で歳入が減少傾向にあるが、増税や歳出削減による財政 再建にも限界があると考えられることから、ここで日量 30 万バレル程度の減産に協力 し、原油価格の安定を図る方が得策であると判断するのではないかと思われる。 ただし、一部報道によると、ロシアは 11 月の生産高を減産の起点にすると伝えられて おり、合意後も高水準の生産量を維持することに変わりはない。 当面は OPEC 減産合意を好感した買い戻しや、クリスマス休暇前のショートポジション の買い戻しにより、相場が一時的に押し上げられる可能性が考えられるが、実際の減 産が確認されるまでは上昇余地が限定されるのではないかとみている。 OPEC 目標生産量と実際の生産量 ロシ ア 原油生産量 (千バレル/日) (月次:2012/1~2017/1) (千バレル/日) 11,400 34,000 11,300 33,500 33,000 目標生産量 11,200 実際の生産量 11,100 32,500 2016年 11,000 32,000 過去3年平均 10,900 31,500 過去3年最高 10,800 31,000 過去3年最少 10,700 30,500 10,600 30,000 10,500 29,500 10,400 29,000 12/1 12/7 13/1 13/7 14/1 14/7 15/1 15/7 16/1 16/7 17/1 (年/月) 10,300 1 (注)実際の生産は 2016 年 10 月まで 出所:OPEC 月報よりみずほ証券作成 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 (月) 出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成 C FT C非商業筋建玉とWTI原油先物価格 ロシ ア 財政収支12ヵ月平均 (月次:2014/1~2016/10) (10億ルーブル) 1,500 2 1,400 0 1,300 ▲ 50 1,200 ▲ 100 (週次:2015/1/6~2016/12/2) (万枚) (10億ルーブル) 50 (1バレル=ドル) 45 65 買残-売残(左目盛) 40 60 WTI原油先物(右目盛) 55 35 50 45 30 40 ▲ 150 1,100 25 35 ▲ 200 1,000 900 14/7 15/1 15/7 25 ▲ 250 15 800 14/1 30 20 歳入-歳出(右目盛) 歳入12ヵ月平均(左目盛) 歳出12ヵ月平均(左目盛) 16/1 16/7 20 15/1 ▲ 300 (年/月) 15/4 15/7 15/10 16/1 16/4 16/7 16/10 (年/月) (注)CFTC 非商業部門建玉は 11/29 現在 出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成 出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成 この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 22 2016/12/5 マーケット・フォーカス ■ エネルギー関連統計 日付 国・地域 12 月 6 日 12 月 6 日 12 月 6 日 12 月 6 日 12 月 6 日 12 月 7 日 12 月 7 日 12 月 7 日 12 月 7 日 12 月 7 日 12 月 7 日 12 月 7 日 12 月 7 日 12 月 7-8 日 12 月 7-8 日 12 月 7-8 日 12 月 7-8 日 12 月 7-8 日 12 月 9 日 12 月 9 日 12 月 9 日 米国 米国 米国 米国 米国 米国 米国 米国 米国 米国 米国 米国 米国 中国 中国 中国 中国 中国 米国 米国 米国 イベント 短期見通し 原油(ドル/バレル) 短期見通し 自動車用ガソリン(ドル/ガロン) 短期見通し ディーゼル(ドル/ガロン) 短期見通し ヒーティングオイル(ドル/ガロン) 短期見通し 天然ガス(ドル/千立方フィート) 米国原油在庫(前週比・千バレル) オクラホマ州クッシング原油在庫(前週比・千バレル) 米国ガソリン在庫(前週比・千バレル) 米国中間留分在庫(前週比・千バレル) 米国製油所稼働率(前週比) 米国原油推定需要(千バレル/日) 米国ガソリン推定需要(千バレル/日) 米国留出燃料推定需要(千バレル/日) 原油輸入量(トン) 石油精製品輸出量(トン) 石炭/褐炭輸入量(トン) 石油精製品輸入量(トン) 重油輸入量(トン) ベーカー・ヒューズ掘削リグ稼働数 ベーカー・ヒューズ米国ガス・ロータリーリグ稼働数 ベーカー・ヒューズ米国石油ロータリーリグ稼働数 期間 前回 12 月 12 月 12 月 12 月 12 月 12 月 2 日 12 月 2 日 12 月 2 日 12 月 2 日 12 月 2 日 12 月 2 日 12 月 2 日 12 月 2 日 11 月 11 月 11 月 11 月 11 月 12 月 9 日 12 月 9 日 12 月 9 日 49.91 2.27 2.69 2.60 10.85 ▲884 2,419 2,097 4,957 ▲1.0% 16,373 9,959.1 4,681.9 28,790,000 4,070,000 21,580,000 1,760,000 810,000 597 119 477 ■ 今週の経済指標 日付 国・地域 12 月 5 日 12 月 5 日 12 月 6 日 12 月 6 日 12 月 6 日 12 月 6 日 12 月 6 日 12 月 6 日 12 月 6 日 12 月 6-7 日 12 月 7 日 12 月 7-8 日 12 月 7-8 日 12 月 7-8 日 12 月 8 日 12 月 8 日 12 月 8 日 12 月 8 日 12 月 8 日 12 月 9 日 12 月 9-15 日 12 月 9-15 日 欧州 米国 欧州 欧州 欧州 米国 米国 米国 米国 中国 米国 中国 中国 中国 欧州 米国 米国 中国 中国 米国 中国 中国 イベント 小売売上高(前月比) ISM 非製造業景況指数(総合) GDP(季調済/前年比) 政府支出(前期比) 家計消費(前期比) 貿易収支 耐久財受注(前月比) 製造業受注-資本財(非国防/除航空機) 製造業出荷-資本財(非国防/除航空機) 外貨準備高 MBA 住宅ローン申請指数 貿易収支 輸出(前年比) 輸入(前年比) ECB 主要政策金利 新規失業保険申請件数 失業保険継続受給者数 消費者物価指数(前年比) PPI 前年比 ミシガン大学消費者マインド 資金調達総額(中国元) マネーサプライ M2(前年比) 期間 10 月 11 月 7-9 月期 確報 7-9 月期 7-9 月期 10 月 10 月 確報 10 月 確報 10 月 確報 11 月 12 月 2 日 11 月 11 月 11 月 12 月 8 日 12 月 3 日 11 月 26 日 11 月 11 月 12 月 速報 11 月 11 月 前回 ▲0.2% 54.8 1.6% 0.1% 0.2% ▲36,400,000,000 4.8% 0.4% 0.2% 3,120,700,000,000 ▲9.4% 49,060,000,000 ▲7.3% ▲1.4% 0.0% 268,000 2,081,000 2.1% 1.2% 93.8 896,300,000,000 11.6% (注)記載事項はすべて「予定」ないし「見込み」であり、予告なく変更されることがあります。海外イベントおよび経済指標は現地日程で掲載しています 出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成 この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 33 2016/12/5 金融商品取引法に係る重要事項 マーケット・フォーカス ■国内株式のリスク リスク要因として株価変動リスクと発行者の信用リスクがあります。株価の下落や発行者の信用状況の悪化 等により、投資元本を割り込むことがあり、損失を被ることがあります。 ■国内株式の手数料等諸費用について ○国内株式の売買取引には、約定代金に対して最大 1.134%(税込み)、最低 2,700 円(税込み)の委託手数料 をご負担いただきます。ただし、売却時に限り、約定代金が 2,700 円未満の場合には、約定代金に 97.2%(税 込み)を乗じた金額を委託手数料としてご負担いただきます。 ○株式を募集等により購入する場合は、購入対価のみをお支払いいただきます。 ○保護預かり口座管理料は無料です。 ■外国株式のリスク ○外国株式投資にあたっては、株価変動リスク、発行者の信用リスク、為替変動リスク(平価切り下げ等も含 む)、国や地域の経済情勢等のカントリーリスクがあります。それぞれの状況悪化等により投資元本を割り込 むことがあり、損失を被ることがあります。 ○現地の税法、会計基準、証券取引に関連する法令諸規則の変更により、当該証券の価格に大きな影響を与 えることがあります。 ○各国の取引ルールの違いにより、取引開始前にご注文されても、始値で約定されない場合や、ご注文内容が 当該証券の高値、安値の範囲であっても約定されない場合があります。 ○外国株式において有償増資等が行われた場合は、外国証券取引口座約款の内容に基づき、原則権利を売 却してお客さまの口座に売却代金を支払うことになります。ただし、権利売却市場が存在しない場合や売却市 場があっても当該証券の流動性が低い場合等は、権利売却ができないことがあります。また、権利が発生し ても本邦投資家が取り扱いできないことがあります。 ○外国株式の銘柄(国内取引所上場銘柄および国内非上場公募銘柄等を除く)については、わが国の金融商 品取引法に基づいた発行者開示は行われていません。 ■外国株式の手数料等諸費用について ○外国委託取引 国内取次手数料と現地でかかる手数料および諸費用の両方が必要となります。現地でかかる手数料および 諸費用の額は金融商品取引所によって異なりますので、その金額をあらかじめ記載することはできません。 詳細は当社の担当者までお問い合わせください。国内取次手数料は、約定代金 30 万円超の場合、約定代金 に対して最大 1.08%+2,700 円(税込み)、約定代金 55,000 円超 30 万円以下の場合、一律 5,940 円(税込み)、 約定代金 55,000 円以下の場合、約定代金に対して一律 10.8%(税込み)の手数料をご負担いただきます。 ○国内店頭(仕切り)取引 お客さまの購入単価および売却単価を当社が提示します。単価には手数料相当額が含まれていますので別 途手数料および諸費用はかかりません。 ○国内委託取引 当社の国内株式手数料に準じます。約定代金に対して最大 1.134%(税込み)、最低 2,700 円(税込み)の委託 手数料をご負担いただきます。ただし、売却時に限り、約定代金が 2,700 円未満の場合には、約定代金に 97.2%(税込み)を乗じた金額を委託手数料としてご負担いただきます。 ○外国証券取引口座 外国証券取引口座を開設されていないお客さまは、外国証券取引口座の開設が必要となります。外国証券 取引口座管理料は無料です。 外貨建商品等の売買等にあたり、円貨と外貨を交換する際には、外国為替市場の動向をふまえて当社が決 定した為替レートによるものとします。 商品ごとに手数料等およびリスクは異なりますので、当該商品等の契約締結前交付書面や目論見書または お客さま向け資料等をよくお読みください。 商 号 等 : みずほ証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第 94 号 加入協会 : 日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、 一般社団法人第二種金融商品取引業協会 広告審査番号 : MG5690-161205-08 この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 44
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