アンケート結果(PDF:253KB)

「ケータイ・スマホアンケート」及び「インターネット夢中度調査」結果
兵庫県では、昨年度に引き続き、県内約 4,500 人の小・中・高校生から日常のインターネッ
ト利用やその夢中度(依存度)を調査するアンケートを下記のとおり実施しました。
※ アンケートは、日常の携帯電話の使用等に関する質問項目のケータイ・スマホアンケートとアメリ
カのヤング博士が開発した8項目の【Diagnostic Questionnaire for Internet Addiction(DQ), Young K,1998】
をインターネット夢中度アンケートとして2種類実施し、その結果をクロス集計したものです。この
インターネット夢中度アンケートのうち、5項目以上「はい」と回答した小・中・高校生を「インター
ネット依存の疑いあり(依存傾向にある)」として計上し、本資料では「依存傾向」と表記しています。
1
兵庫県内の小・中・高校生のインターネット依存傾向について
アンケートの結果、全体の 7.7%
H28年度
インターネット依存傾向の割合
の生徒がインターネット依存傾向
H27年度
にあることが分かりました。
9.1%
高校生
右図は、校種別に依存傾向にある
8.3%
生徒の割合をまとめたもので、上段
7.5%
が本年度、下段が昨年度の結果です。 中学生
6.6%
全校種、昨年度を上回る結果とな
3.5%
小学生
り、特に小学生では昨年比 2.5 倍の
1.4%
割合となっています。
7.7%
全体
インターネット依存の問題が低年
6.4%
齢層にまで広がっていることが分か
0.0%
2.0%
4.0%
6.0%
8.0%
10.0%
ります。
下の図は、依存傾向にある生徒の男女比です。小学生では男子の割合が高くなっていま
すが、学年が上がるほど女子の割合が高くなり、全体でも女子が男子を上回る結果となり
ました。
〈依存傾向にある生徒の男女比〉
全
体
中学生
小学生
高校生
男子
女子
55.4%
2
44.6%
36.4%
63.6%
54.7%
41.6%
45.3%
57.4%
携帯電話の所有率について
携帯電話の所有状況
携帯電話の所有率は、小学生 50.8%、
1.1%
中学生 67.2%、高校生 97.2%、うち、ス 高校生 3.2%
95.0%
1.1%
マートフォンの所有率は、小学生 20.1%、
5.8%
中学生 50.4%、高校生 96.1%と、スマー 中学生
32.3% 16.8%
44.6%
6.2%
トフォンが青少年に広く普及しているこ
小学生
47.9%
30.7%
13.9%
とが分かりました。
0%
なし
1
50%
ガラケー スマホ
100%
両方
3
ネット接続端末について
右のグラフは、普段インターネット
に接続している端末についての調査結
果です(複数回答式)。
依存傾向の生徒、全体共にスマート
フォンが最も多くなっています。
学識別では、小学生ではゲーム機が
53.1%と最も多くなっていますが、中
学生、高校生ではスマートフォンが最
も多く、中学生で 59.0%、高校生では、
94.2%となっています。
また、パソコンやタブレット、音楽
プレーヤーも広く普及しており、青少
年にとって重要なツールとなっている
ことが分かります。
インターネット接続端末
85.4%
90.0%
全体 依存傾向
74.1%
80.0%
70.0%
61.3%
60.0%
50.3%
49.4%
50.0%
39.6%
35.7%
40.0%
27.3%
23.2%
30.0%
15.1%
20.0%
10.0% 6.3%6.0%
0.0%
4
インターネット利用時間について
右図は、1日に4時間以上インター
ネットを利用する長時間利用者の割合
を示したものです。
依存傾向にある生徒の長時間利用は
顕著で、中学生で依存傾向でない生徒
の約3倍、小学生、高校生でも2倍以
上の割合となっています。
1日4時間以上インターネットを利用する割合
45.0%
40.0%
35.0%
30.0%
25.0%
20.0%
15.0%
10.0%
5.0%
0.0%
5
小学生
中学生
高校生
全体
全体
7.9%
14.0%
19.8%
16.0%
依存傾向
31.8%
41.9%
37.1%
38.4%
何時まで携帯電話を使用しているか
携帯電話の夜間の使用について
次に、携帯電話を何時まで使用して
依存傾向でない
依存傾向
30.0%
いるか調査しました。
24.6%
23.5%
依存傾向でない生徒は、午前0時ま 25.0%
21.4%
22.6%
でに使用を終了する生徒が大半ですが、20.0% 19.5%
18.5%
16.5%
14.6%
依存傾向にある生徒は、約4割が午前
15.0%
12.3%
0時以降も携帯電話を使用しているこ
9.5%
7.4%
10.0%
とが分かりました。
4.6%
5.0%
依存傾向にある生徒が、深夜に至る
まで携帯電話を使用している実態が明
0.0%
らかとなりました。
2
6
日常生活への影響について
右図は、日常生活についての全体と
依存傾向にある生徒とを比較したもの
です。
依存傾向にある生徒は、全体より就
寝時間が遅く、8割以上の生徒が「イ
ライラする」
「勉強に自信がない」と回
答しおり、ストレスや悩みを持ってい
ることが分かります。
90.0%
80.0%
70.0%
60.0%
50.0%
40.0%
30.0%
20.0%
10.0%
0.0%
日常生活への影響
12時以降に
就寝
イライラ
する
勉強に
自信がない
全体
30.5%
62.4%
74.1%
依存傾向
58.0%
83.9%
83.3%
7
ルールづくりの浸透状況について
下図の①は、ルールづくりの浸透状況について全体と依存傾向にある生徒とを比較した
ものです。割合は、普段インターネットに接続している生徒のうち、保護者とのルール、
学校・地域でのルール、友達とのルール、自分の中でのルールをそれぞれつくっている生
徒の割合を表しています。
全体的に依存傾向の生徒は、ルールづくりがなされていない傾向にありますが、全体と
比較してそれほど大きな差はありません。
また、ルールの内容について、「保護者とのルール」を例にとって見たものが図の②に
なります。依存傾向であるか否かに関わらず、いずれの項目も低い割合であることが分か
ります。
特に、依存傾向にある生徒は、
「使って良い金額」
「連絡する相手」については、ほとん
どルールづくりがなされていません。
①
ルールづくりの浸透状況
②
40.0%
70.0%
35.0%
60.0%
30.0%
25.0%
50.0%
20.0%
40.0%
15.0%
30.0%
10.0%
20.0%
5.0%
10.0%
0.0%
保護者
学校・
地域
友達
自分
35.5%
13.5%
5.0%
32.1%
依存傾向 33.4%
11.1%
5.6%
25.4%
全体
ルールの内容(保護者とのルール)
0.0%
3
決めて
いない
使用
アプリ
金額
連絡
相手
時間
全体
62.1%
12.9%
6.6%
7.9%
16.2%
依存傾向
65.6%
13.3%
6.2%
5.9%
14.6%
更に、右図は学識別のルールづくり
の浸透状況を表したものです。
学年が上がるにつれ、ルールづくり
がなされていない傾向が顕著に現れて
おり、高校生では全項目共に低い割合
となっています。
学識別ルールづくりの浸透状況
80.0%
70.0%
60.0%
50.0%
40.0%
30.0%
20.0%
10.0%
0.0%
次に、決めたルールを守れているか
否かを調査してみました。
依存傾向にある生徒では「一度はあ
る」
「何度もある」と答えた生徒が約7
割にのぼり、全体と比較してもルール
を守れていない状況が顕著に見て取れ
ます。
ルールを守れない理由については、
「勝手に決められたから」
「ルールを破
ってもバレないから」
「ルールを破って
も怒られないから」といった理由が多
数を占め、形式的なルールは効果が薄
いことが分かりました。
保護者
学校・
地域
友達
自分
小学生
74.5%
34.8%
12.9%
48.2%
中学生
55.0%
22.0%
9.1%
41.8%
高校生
21.2%
6.2%
1.8%
26.1%
決めたルールを破ったことがある
70.0%
60.0%
50.0%
40.0%
30.0%
20.0%
10.0%
0.0%
フィルタリングの利用状況
右図は、フィルタリング利用率につ
いて、全体と依存傾向にある生徒とを
比較したものです。
フィルタリングを設定していない生
徒は、全体で 45.0%、依存傾向で 51.1%
とどちらもおよそ半数にのぼりました。
また、設定しているフィルタリング
の内容についてですが、その多くが有
害サイトアクセス制限のみで、使用時
間や使用アプリについて細かく設定し
ている生徒はわずかでした。
一度もない
一度はある
何度もある
全体
62.8%
26.6%
10.6%
依存傾向
33.7%
33.1%
33.1%
8
フィルタリング利用状況
60.0%
50.0%
40.0%
30.0%
20.0%
10.0%
0.0%
設定
なし
サイト
制限
時間
制限
アプリ
その他
制限
45.0%
40.7%
3.9%
11.3%
6.6%
依存傾向 51.1%
36.8%
2.5%
8.0%
4.3%
全体
4
9
インターネットの危険性について
ここからはインターネットの危険性について見ていきます。
下のグラフは、動画投稿の経験率、課金サービスの利用率、有害サイトへのアクセス経
験率を学識別に示し、依存傾向にある生徒と比較したものです。
いずれの項目も学年が上がるに従い経験率が増加していることが分かります。
依存傾向の学生の経験率は、いずれの項目も全体と比較して顕著に高くなっており、イ
ンターネットの危険にさらされている状況がうかがえます。
インターネットの危険性Ⅰ
60.0%
50.0%
40.0%
30.0%
20.0%
10.0%
0.0%
動画投稿あり
課金経験あり
有害サイトアクセスあり
小学生
10.5%
21.5%
5.5%
中学生
19.6%
30.9%
16.1%
高校生
27.6%
34.7%
25.7%
依存傾向
37.8%
51.3%
40.6%
更に、下のグラフは、ネット上でのけんか・トラブルの経験、会ったことがない人とネ
ット上でやり取りした経験、ネットで知り合った人と実際に会った経験を調査したもので
す。
これらの行為は、犯罪と隣り合わせの危険な行為ですが、依存傾向にある生徒の実に
72.8%が会ったことがない人とネット上でやり取りし、22.9%が実際に会ったことがある
と回答しています。
これらの結果からも、依然としてインターネット依存は青少年にとって大きな問題であ
ることが分かります。
80.0%
70.0%
60.0%
50.0%
40.0%
30.0%
20.0%
10.0%
0.0%
インターネットの危険性Ⅱ
ネット上でのけんか・ト
ラブル経験あり
会ったことがない人と
ネット上でやりとり
ネットで知り合った人と
実際に会った
小学生
8.4%
24.6%
3.1%
中学生
19.3%
43.6%
8.4%
高校生
16.5%
52.6%
13.9%
依存傾向
38.7%
72.8%
22.9%
5