Vol.35

新国際時代を読むための情報・解説がここに
新国際時代を読むための情報・解説がここに
Vol. 35
トランプ秩序と
2016/12
400
¥
世界政治
イー・ワールドプレミアム Vol.35
cover story
ドナルド・
トランプ氏が1月に大統領に就任する。大統領選
中の発言にみられた米国第一主義、民族差別、ユニラテラリ
ズム、気候変動懐疑主義、国際協調への消極姿勢などに対す
る懸念は尽きない。
「トランプ秩序」は、世界政治の中心に地
殻変動を起こそうとしている。写真は、選挙戦中の16年7
月、
オハイオ州で演説するトランプ氏。
(AFP=時事)
e-World Premium Vol.35
4
in sight
特集 I
8
INDEX
夜景を背に紅の美
松谷 稔 フォトグラファー
トランプ秩序と世界政治
トランプ時代に身構える世界
中国、
北朝鮮、
ロシア、
そして日本はどう対峙するか
道下 徳成 政策研究大学院大学教授
14
より奔放になる中国、のしかかる大国の責任
トランプ政権下の米中、
その激動を展望
高口 康太 ジャーナリスト
18
紛争関与に慎重な安全保障政策
「負担増」求める同盟関係、
方向見えず
福田 毅 国立国会図書館調査員
24
パワーポリティクス回帰図るトランプ大統領
日本への役割拡大要求必至か
北井 邦亮 時事通信社外信部編集委員
30
プーチン、
トランプへの片思い?
米ロの利害相反早々に露呈か
国際情勢への影響 ロシアの視点から
小泉 悠 未来工学研究所客員研究員
(写真はAFP=時事、
EPA=時事、時事)
孤立主義強めるトランプ政権
36
中東の混乱拡大に拍車も
立山 良司 防衛大学校名誉教授
トランプノミクスの米金融政策への影響
40
真壁 昭夫 信州大学教授
特集 II
翻弄するフィリピン
暴言大統領支える経済の好調
46
改革志向のフィリピン、
環境生かせるか
高岡 秀一郎 時事通信社外経部記者
実利優先も国際協調の影薄く
51
見えてきたドゥテルテ外交の課題
鈴木 有理佳 日本貿易振興機構(ジェトロ)アジア経済研究所
56
S.Korea
地に落ちた「孤高の指導者」
朴韓国大統領はなぜ支持を失ったのか
木村 幹 神戸大学教授
62
Middle East
ムハンマドの戦勝故事引用で鼓舞
劣勢のIS、
バグダディ声明で殉教攻撃多発か
池滝 和秀 在英ジャーナリスト
スー・チー氏と面会果たしたコシノジュンコさん
66
西川 恵 毎日新聞社客員編集委員
70
国別好感度調査
トランプ氏当選が影響か
米国「嫌い」
「重要」いずれも増
鈴木 克彦 時事通信社外信部記者
神奈川県伊勢原市の大山寺と大山阿夫利神社下社のライトアップ。ミ
シュラン・グリーンガイドで2つ星を獲得した眺望の、紅葉したモミジ
の先には湘南の夜景が浮かび上った。( フォトグラファー 松谷 稔)
in sight
夜景を背に紅の美
特集
I トランプ秩序と
世界政治
6
フロリダ州の遊説先で、支持者の持っていた
自らをかたどったマスクを見せるトランプ氏
(11月7日、AFP=時事)
7
道下 徳成氏に聞く
トランプ時代に
身構える世界
中国、北朝鮮、ロシア、
そして日本は
どう対峙するか
に 応 じ、 米 国 の ト ラ ン プ 政 権 発 足
政策研究大学院大学の道下徳成
教授は時事通信社のインタビュー
うな空気は感じられまし
トランプ氏が当選するよ
─米国に一年滞在され
て い ま し た。 ド ナ ル ド・
日、
と 今 後 の 外 交・ 安 全 保 障 政 策 な ど
月
たか。
ター写真部 石塚マリコ)
─ 外 交・ 安 全 保 障 も 本
音で進めるでしょうか。
いと思いました。
スマン独特の感覚がすご
か 嗅 覚 と い う か、 ビ ジ ネ
る。 そ の 辺 は 直 感 と い う
のかをちゃんと読んでい
人々がどういう気持ちな
こ を ス パ ッ と 突 い て き た。
ンプ氏は頭がいいからそ
き な く な っ て い る。 ト ラ
課題でも本音の議論がで
が あ り ま す。 重 要 な 政 策
誰も本音で話せない空気
コ レ ク ト ネ ス 」 に よ っ て、
学 院 大 学 教 授 今、 米 国
で は、「 ポ リ テ ィ カ ル・
道 下 徳 成・ 政 策 研 究 大
に つ い て 見 解 を 示 し た。 内 容 は 次
の通り。(インタビューは
22
聞 き 手 = 時 事 通 信 社 解 説 委 員 市
川 文 隆、 写 真 = ニ ュ ー ス 映 像 セ ン
11
8
Interview
い る。 日 本 は 駐 留 経 費 と
かけてミサイル防衛を導
う の は、 よ り 大 国 間 政 治、 い、 さ ら に 総 額 1 兆 円 を
して毎年2000億円払
か ら、 オ バ マ 政 権 以 前 の
グ ロ ー バ ル な バ ラ ン ス・
国防費を増やしつつも
関与を減らしていくとい
ポ リ テ ィ カ リ ー・ コ レ ク
旧来の米国外交に戻ると
統 領 補 佐 官 に マ イ ケ ル・
道 下 氏 オ バ マ 政 権 は
建 前 論 で 政 治 を 進 め て、 フ リ ン 氏 起 用 な ど の 人 事
トなことは一生懸命やり
入して米軍基地を守って
い る わ け で す。 こ れ を 説
オ ブ・ パ ワ ー を 重 視 す る
こ と を 意 味 し ま す。 そ の
明 す れ ば、 ト ラ ン プ 氏 も
の見方があります。
点 で は、 米 同 時 多 発 テ ロ
ま し た が、 批 判 を 受 け や
すい案件は安全策に終始
し ま し た。 そ の た め ロ シ
9・ 以前のブッシュ(子) 理 解 す る と 思 い ま す。 さ
独裁政権の北朝鮮と仲良
ま す。 確 か に 非 人 道 的 な
で語るべきだと言ってい
そ の 点 で、 ト ラ ン プ 氏
は 外 交・ 安 全 保 障 も 本 音
取れませんでした。
何をしても有効な対応を
朝 鮮 は 放 置 状 態、 中 国 が
立 主 義 で す。 要 塞 の よ う
が、 米 国 外 交 の 伝 統 は 孤
義に変わると言われます
る 点 で す。 米 国 が 孤 立 主
関与はしないと言ってい
深 い の は 強 い 米 国、 強 い
は 見 当 た り ま せ ん。 興 味
的な関心があるような方
と思います。
ので最終判断は待ちたい
ン シ ン グ に も な り 得 ま す。 議 論 を 進 め て い く べ き で
う と い う 方 向 な の で、 そ
ん。 ロ シ ア と 仲 良 く し よ
政権に近いかもしれませ
日米同盟には日本を守る
悪 く な い の で す が、 ま だ 他方、韓国の方は、より
政 策 議 論 が 熟 し て い な い 「 た だ 乗 り 」 の 側 面 が 強 い。
その辺は日本にとっても
という面もありますが、実
る 方 向 に 行 っ て い る の で、
より積極的に貢献をす
ら に、 日 本 は 軍 事 的 に も
道 下 氏 現 在 の 段 階 で
は、 あ ま り ア ジ ア に 積 極
くするのが良くないこと
にがっちり自分は守るけ
は韓国防衛や台湾防衛が
ア と の 関 係 は 悪 化 し、 北
は道徳的観点からはその
れ ど も、 外 の こ と に は そ
ようさい
道 下 氏 お 金 に つ い て
日本は米国に相当払って
ず、韓国が払っている駐留
盟です。それにもかかわら
さに韓国を守るための同
それに対し、米韓同盟はま
より重要なわけで、地域防
しょう。
米国も巻き込んでその
通 り で す が、 そ れ だ け で
衛 の た め の も の な の で す。
トランプ大統領が政策全
体の整合性をどう取るの
かというのが最大の不安
事項です。
います。
国 防 と 言 っ て い る 半 面 で、 れ は 中 国 に 対 す る バ ラ
政策を作っていいのかと
れほど関与しないという ─日本や韓国に米軍駐
発 想 で す。 い ず れ に せ よ、 留 経 費 を 増 や せ と 言 っ て
いう疑問があります。
伝統的孤立主義へ回帰
─国家安全保障担当大
9
11
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平和構築、現状と課題
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英、EU 離脱を選択
無人兵器の功罪
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オバマ広島訪問の衝撃
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