金融市場ウィークリー 2016 年 12 月 9 日号 [経済・金融市場動向] ◆ 金融市場見通し・内外経済指標 最高値圏の米株高のモメンタムは来週も持続を予想。 米債券市場と為替市場では米国の利上げを既に織り 込み済みだが、年3回の利上げ予想ならドル高圧力に [トピックス] ◆ 流動化するイタリア政局 イタリアの国民投票は、大差で憲法改正に「反対」 の結果になり、レンツィ首相は辞任した。組閣の行 方や、金融機関再編の行方などが注目される ◆ ECBは緩和策の延長を決定 ECBは資産購入プログラムの9カ月間の延長と資 産購入額の600億ユーロへの減額を発表。ECBの決 定は実質的にはテーパリング開始への第一歩である ✣[目次]✣ 今週の注目チャート ···················································· 1 Ⅰ.経済・金融市場動向 ················································ 3 金融市場見通し·································································· 3 金融市場レビュー ································································ 4 内外経済指標の解説と予測 ························································ 5 Ⅱ.トピックス ························································ 9 流動化するイタリア政局 ·························································· 9 ECBは緩和策の延長を決定 ····················································· 11 Ⅲ.参考資料 ························································· 13 今週・来週の主要経済指標 ······················································· 13 月次・四半期のスケジュール ····················································· 15 今週の金融市場の動き ··························································· 18 最新リポート一覧 ······························································· 19 〰〰 マーケット時流潮流 〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰 平和の配当は続くのか 調査本部本部長代理 長谷川克之 「アメリカを再び偉大にする」 、 「力による平和を目指す」と豪語するトランプ次期大統領が国防長官 に海兵隊出身で「狂犬」の異名をとるジェームズ・マティス元中央軍司令官を指名した。次期政権下 では、国防費は歳出自動削減(セクエスター)の対象外となり、増額されることが見込まれている。 1カ月前の 11 月 9 日に始まったトランプ相場では、ロッキード・マーチン、ゼネラル・ダイナミ クスといった防衛・軍需関連銘柄を物色する動きが続いている。航空宇宙・防衛株に連動する上場投 資信託(ETF)は1カ月で約 15%も値を上げ、過去最高値を更新している。日本でもトランプ大 統領誕生に伴い、駐留米軍の経費負担問題が浮上。軍事費の更なる拡大観測が根強い中で、防衛関連 銘柄は総じて堅調に推移している。 振り返れば、冷戦の象徴でもあったベルリンの壁が崩壊したのが 1989 年 11 月 9 日。27 年後の米 大統領選挙によって世界はどう変わるか。米国の内向き志向の強まりが地政学上の空白を生み、世界 を不安定化させる恐れもある。次期政権が通商政策面での強硬路線を担保するために、あるいは、国 内での閉塞感や経済停滞を打破するために、軍備拡張を志向する可能性もない訳ではない。軍備拡張 策は保護主義的な政策と同様に、グローバル資本主義にとっての重大な脅威ともなり得るものだ。 しかし、軍事費拡大は必ずしも持続可能とは思えない。米国はもはや世界の警察官ではない。一触 即発の新冷戦とも言われた米露関係は、トランプ、プーチン両首脳の下で劇的に改善するとの見方も ある。大規模減税やインフラ投資を打ち出すビジネスマン大統領にとっては軍事よりも経済の方が重 要なはずである。トランプノミクスにより拡大する財政赤字のファイナンスのために、国防費削減が 求められる日も何時か来るに違いない。平和の配当を放棄する愚策が採られるとは考えたくない。 〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰 金融市場ウィークリー(2016 年 12 月 9 日号) ~今週の注目チャート~ 【 南欧 10 年国債利回り 】 南欧の 10 年国債利回りは高水準が継続 4.5 (%) ポルトガル 4.0 3.5 3.0 2.5 イタリア 2.0 1.5 1.0 0.5 スペイン 0.0 16/4 16/5 16/6 16/7 16/8 16/9 16/10 16/11 16/12 (年/月) (資料)Bloomberg より、みずほ総合研究所作成 【解説】南欧の 10 年国債利回りが高水準で推移している。ECB政策理事会(12/8)では資産購入額が縮小 される一方、購入対象債券が拡大されたことから、ドイツやフランスの 10 年国債利回りは小幅な上昇にとど まった。他方、南欧ではそれらよりも上昇幅が大きくなっている。経済や政治などの先行き不透明感の高ま りが利回り上昇に繋がっている可能性があり、目先はイタリアの銀行問題や政権の行方が注目される。 【 欧米投資家の地域別投資比率の推移 】 日本株の投資比率を高める動き (12/10=100) 160 北米 ユーロ圏 日本 アジア(除く日本) 150 140 130 120 110 100 90 80 70 60 13/01 13/07 14/01 14/07 15/01 15/07 16/01 16/07 (年/月) (資料)ロイター国際分散投資戦略調査より、みずほ総合研究所作成 【解説】欧米の機関投資家に対するアンケートによれば、足元で日本株の投資比率を引き上げる動きが見ら れる。米大統領選挙後の円安進行により業績改善期待が高まり、相対的に割安であった日本株に資金が流入 したようだ。安定した政権基盤も好感され、11 月第 2 週以降 4 週連続で海外投資家は日本株(現物)を買い 越し、日本株は年初来高値を更新した。こうした日本株への再評価から年末に向け一段高も期待できそうだ。 1 金融市場ウィークリー(2016 年 12 月 9 日号) 【 2017 年末までの米利上げ予想回数とドル円相場 】 来年 2 回の利上げは相応に織り込み済 (回) (円/ ドル) 120 3.5 2017年末までの利上げ予想回数 3.0 115 ドル円相場(右目盛) 2.5 110 2.0 105 1.5 100 1.0 95 0.5 90 16/12 (年/ 月) 0.0 16/7 16/8 16/9 16/10 16/11 (注)FF金利先物相場に織り込まれた 2017 年末までの利上げ予想。25bp の利上げ予想を 1 回として計算。 (資料)Bloomberg より、みずほ総合研究所作成 【解説】FF金利先物相場から算出される 2017 年末までの米利上げ予想回数は 3 回弱となり、FRBが 9 月 に公表したドットチャート(金利予想)の中央値である年内 1 回、来年 2 回の利上げを既に相応に織り込ん でいるようだ。そのため来週予定される FOMC で利上げが市場予想通り実施されても、FRBから来年以降の 利上げペース加速を示唆するような発表がなければ、ドル高の更なる進展は限定的になるだろう。 【 中国の経済指標 】 一部に持ち直しの動きが見られる中国経済 (前年比、%) 15 (Pt) 53 輸入額 10 52 財新製造業PMI(右目盛) 5 51 0 50 ▲5 49 ▲ 10 48 ▲ 15 47 ▲ 20 46 ▲ 25 45 14/1 14/4 14/7 14/10 15/1 15/4 15/7 15/10 16/1 16/4 16/7 16/10 (年/月) (資料)Bloomberg より、みずほ総合研究所作成 【解説】12 月 8 日に発表された中国の貿易統計によれば、11 月の中国の輸出額(ドルベース)は前年比+0.1% と今年 3 月以来のプラス、輸入も同+6.7%と 3 カ月ぶりにプラスとなった。その他にも製造業PMIや自動 車販売など、中国経済の持ち直しを示す指標が出始めている。ただし、他の新興国に目を向けると、台湾や ロシアを除けば、製造業PMIが 50 を下回ったままの国も多く、新興国は総じて厳しい状況が続いている。 2 金融市場ウィークリー(2016 年 12 月 9 日号) Ⅰ.経済・金融市場動向 ~金融市場見通し~ 株高のモメンタムは来週 も持続 米国の大統領選挙から1カ月が経ち、この間、金融市場では米国株をは じめとする先進国株の上昇が続いている。減税、インフラ投資、規制緩和 といったトランプ政権の経済政策に対する期待が株高のサポート材料とな っているのは間違いない。年明け後のトランプ政権発足に向けて人事選考 が進むなか、市場の期待も持続しており、米国株は来週も最高値圏で推移 した今週のモメンタムを維持すると見ている。ただし、足元で、米国の金 利上昇とドル高の流れに一服感が見られる点には留意が必要であろう。ト ランプノミクスの効果が実際に出てくるのは、早くとも来年半ば以降にな ると予想されることから、市場では急速に進んだ株高とドル高がいずれか の時点で一旦調整される可能性も意識されているはずである。トランプラ リー(株高)が一時的なものになるか、それとも持続的なものになるかは、 トランプノミクスの実像が明らかになるまで未知数な部分も多いが、経済 効果への期待を背景とした株高は当面続くと見ている。 米 FOMC で年 3 回の利上げ 予想ならドル高圧力に そうした株高トレンドが続く中、来週は米国でFOMC(12/13・14)が開催 される。市場はすでに利上げを織り込んでおり、実際に利上げが実施され ても、米国の10年債利回りの上昇幅は限られ、ドル相場も横ばい圏での推 移を予想する。来週発表される11月の米鉱工業生産は前月を下回る可能性 があるものの、米国経済が堅調に推移しているとの見方は変わらず、米10 年債利回りは引き続き2.4%前後を維持するだろう。利上げが既定路線と目 される中で注目されるのが、FOMCメンバーによる来年の利上げ予想だ。利 上げ予想が年2回の緩やかなペースなら日米ともに株高要因となる。仮に、 予想ペースが年3回であっても、FOMCの景気判断がそれだけ良好であると受 け取られやすいため株高が持続しやすい点は変わらないが、為替について は米金利の上昇とともに一旦は一服していた円安・ドル高がさらに進む可 能性がある。すぐに米国経済のドル高耐性や新興国の資金流出が意識され ることはないと見られるが、潜在的なリスクとして留意が必要だ。 (井上淳) 【 来週の予想 】 項目 内外金利 内外株式 為 替 予想レンジ USD LIBOR 3カ月(%) 米10年国債(%) 円 TIBOR 3カ月(%) 10年国債(%) ダウ平均(ドル) NASDAQ総合指数(ポイント) 日経平均(円) TOPIX(ポイント) 円/ドル ドル/ユーロ 円/ユーロ 3 0.930 2.20 0.03 0.00 19,300 5,250 18,400 1,460 112.0 1.045 118.0 ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ 0.980 2.60 0.07 0.10 19,800 5,450 19,400 1,560 116.0 1.085 124.0 金融市場ウィークリー(2016 年 12 月 9 日号) ~金融市場レビュー~ <内外金利動向> 先週末以降の米 10 年国債利回りは概ね横ばい圏で推移した。12 月 FOMC 米 10 年国債利回りは横ば (12/13・14)での利上げが確実視されるなか、経済指標の底堅さから 2.4% い圏で推移。12 月ECB 前後の推移となった。12 月ECB理事会(12/8)では、資産購入プログラ 理事会での政策変更を受 ムの期間延長・月間資産購入額の縮小・購入対象債券の変更(残存期間の け、欧州ではイールドカ 条件緩和、下限金利の撤廃)などが決定された。購入対象債券の拡大を受 ーブがスティープ化 けて、ドイツやフランスでは短・中期国債の利回りが低下する一方、期間 の長い国債の利回りが上昇した。日本の 10 年国債利回りはプラス圏での推 移が続いている。他方、30 年債入札(12/8)の結果が弱かったこともあり、 超長期国債の利回りが上昇している。 <内外株式動向> (坂中弥生) 先週末以降の米株式相場は上昇した。11 月米雇用統計(12/2)は強弱入 日米株ともに良好な経済 り混じる内容となり株価への影響は限定的であった。週明け以降、予想以 指標、ECB量的緩和プ 上に改善した 11 月米非製造業ISM指数等、良好な経済指標が相次いだも ログラムの延長を好感し のの上値は重く小幅な上昇に留まった。週半ばからは次期政権での政策期 上昇基調 待が再び意識された他、ECBの量的緩和プログラム延長も好感され、ダ ウ平均は大幅に上昇、過去最高値を更新した。日本株は上昇した。週初は 伊国民投票の結果を受け円高推移となり下落したが、市場の混乱は短期的 に留まり、上昇基調に転じた。週後半は米株上昇を受け、日本株も上昇幅 を拡大させ、日経平均株価は一時 19,000 円台を回復した。 <為替動向> (小池睦子) 今週 のドル円相場はもみ合う展開。伊国民投票後にリスクオフによる円 ドル円、ユーロドルは共 高が進む場面もあったが、伊首相辞任表明後も国際金融市場で大きな混乱 にもみ合う展開 がみられなかったことから、円安に戻した。10 月米貿易収支は市場予想通 りの結果となり、ドル円相場への影響は限定的であった。ユーロドル相場 はもみ合い。伊国民投票直後にユーロ安地合いとなるも、その後伊大手銀 行への公的支援に関する報道などから、安心感が高まりユーロ高となった。 また 12 月ECB政策理事会で来年 4 月からの資産購入規模減額の発表を受 け一旦ユーロ高となるも、その後ドラギ総裁から理事会でQE縮小は議論 されなかった旨の発言などを材料に、ユーロ安に戻した。 (有田賢太郎) <新興・資源国動向> 米国株が最高値圏で推移するなか、新興国株も反発している。メキシコ、 米株高を受け新興国株も トルコ、南アフリカ、韓国、フィリピンなど、これまでトランプラリーの 反発 流れから取り残されていた感のあった国で株価の上昇が顕著だ。先週すで に通貨安に歯止めがかかっていた新興国通貨も、ユーロ反落の影響を受け た中東欧通貨を除いて、今週は小幅に上昇している。トランプ政権への期 待やECBによる金融緩和の延長、中国での輸出入の持ち直しが支援材料 となっている。ただし、通貨安に対する懸念は払しょくされておらず、ト ルコのリラ買い運動、中国とマレーシアの外貨規制など防衛策が実施され ており、インドでは今週(12/7)利下げが見送られた。 4 (井上淳) 金融市場ウィークリー(2016 年 12 月 9 日号) ~内外経済指標の解説と予測~ <国 内> 7~9 月期の実質GDP(2 今週発表された指標は、概ね日本経済の持ち直しを示すものだった。 次速報)は、1 次速報から 7~9月期の実質GDP(2次速報、12/8)は、前期比年率+1.3%と、1次 下方修正も、消費の持ち直 速報(年率+2.2%)から下方修正された。在庫投資の下方修正(前期比寄 しが明確に 与度▲0.1%Pt⇒同▲0.3%Pt)が主因だが、これは先行きの在庫調整圧力 の緩和を示すものと前向きに評価することも可能だ。また、個人消費(前 期比+0.1%⇒同+0.3%)が上方修正されており、家計部門の持ち直しが 明確になった点は明るい材料といえる。今回の実質GDPは、1次速報値か ら下方修正されたが、内容としては悪くないと評価できる。 基準改定によりアベノミ なお、今回は2005年基準から2011年基準への基準改定が合わせて行われ クス開始後の経済成長率 たため、過去に遡って成長率が変化した。アベノミクス開始後(2013年1~ が大幅に上昇 3月期以降)の平均成長率は、実質年率+1.1%と改定前(実質年率+0.6%) から大幅に上昇した。潜在成長率も高まる見込みであり、アベノミクスの 再評価につながる可能性がある(詳細は2016年12月8日付「2016年7~9月期 2次QE概要」をご参照」)。 景気動向指数は「改善」 10月の景気も堅調に推移している。10月の景気動向指数(12/7)は、一 致指数が前月比+1.4Ptと2カ月連続で上昇した。製造関連指標が好調であ ったことがプラスに寄与した。移動平均でみて3カ月連続の上昇となったた め、内閣府は基調判断を「改善」に引き上げた。 名目賃金は小幅な増加 10月の毎月勤労統計(速報値、12/6)は、名目賃金(現金給与総額)が 前年比+0.1%(8月同0.0%、9月同0.0%)とほぼゼロの伸びが続いた。所 定外給与(同▲1.4%)が下押し要因となった。もっとも、所定内給与(同 +0.3%)は堅調に推移しているため、名目賃金は改善基調を維持している といえる。 【 大企業・業況判断DIの推移 】 (%Pt) (前年比、%) 大企業非製造業 30 【 企業物価指数の推移 】 5 先行き 4 20 3 10 2 0 1 ▲ 10 0 ▲1 大企業製造業 ▲ 20 予測値 ▲2 ▲ 30 ▲3 ▲ 40 ▲4 ▲ 50 ▲5 14/01 ▲ 60 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 14/07 15/01 15/07 16/01 16/07 (年/月) 17 (年) (注)2016年11月の値は、みずほ総合研究所による予測値。 (資料)日本銀行「企業物価指数」より、みずほ総合研究所作成 (注)2016年12月調査はみずほ総合研究所予測値。 (資料)日本銀行「全国企業短期経済観測調査」よりみずほ総合研究所作成 5 金融市場ウィ~クリ~(2016 年 12 月 9 日号) 消費活動指数は前月比 10月の消費活動指数(12/7)は、前月比+0.7%(9月同+0.2%)と大幅 +0.7%と大幅上昇 に上昇した。秋物衣料品や自動車の売上増加が押し上げに寄与した。名目 賃金の改善を背景に、今後の個人消費も底堅く推移するとみている。 経常収支は前月から黒字 10月の経常収支(12/8)は、23.1兆円(年率換算値)の黒字と前月(17.7 幅が拡大 兆円の黒字)から黒字幅が拡大した。輸送用機器や化学製品の輸出増加に より貿易収支が改善したほか、第一次所得収支やサービス収支も押し上げ に寄与した。 来週は日銀短観や企業物価指数などが発表される。 日銀短観(12 月調査)は 日銀短観(12月調査)(12/14)は、大企業・製造業の業況判断DIが 製造業の業況が改善、非製 +9%Ptと前回調査(9月調査+6%Pt)から改善、大企業・非製造業は+18% 造業は横ばい Ptと前回調査から横ばいと予測する。製造業は、輸出の持ち直しに加えて、 素材業種では資源価格の底打ちもプラス要因になった模様である。また、 非製造業は台風などによる天候不順の収束がプラスに寄与したものの、食 料品価格の上昇や消費者マインドの悪化がマイナス要因となったとみられ る(詳細は2016年12月7日付「日銀短観(12 月調査)予測」をご参照」)。 11 月の企業物価指数(12/12)は、前年比▲2.3%(10 月同▲2.7%)と 企業物価指数は前年比マ 前年比マイナス幅が縮小するとみている。原油価格の持ち直しを受けて石 イナス幅が縮小 油・石炭製品のマイナス幅が縮小するほか、原料炭価格上昇に伴い鉄鋼価 格が上昇していることなどが影響した模様である。 10 月の機械受注(船舶・電力除く民需)(12/12)は、前月比+2.3%(9 機械受注は 3 カ月ぶりの 月同▲3.3%)と 3 カ月ぶりに増加すると予想する。ただし、ものづくり補 増加も、増加幅は小幅 助金の効果はく落などにより、増加幅は小幅にとどまるだろう。 10 月の第 3 次産業活動指数(12/12)は、前月比+0.5%(9 月同▲0.1%) 第 3 次産業活動指数は上 と上昇を予想する。天候不順の影響収束やハロウィン効果により、小売業 昇 や娯楽業が好調だったことがプラスに寄与したとみている。 【 機械受注(船舶・電力除く民需)の推移 】 (上里啓) 【 第3次産業活動指数の推移 】 (2010年=100) (2010年=100) 140 106 予測値 予測値 135 105 月次 130 104 125 103 120 102 115 110 101 3カ月後方 移動平均 105 100 100 99 95 98 90 13/01 14/01 15/01 16/01 13/01 13/07 14/01 14/07 15/01 15/07 16/01 16/07 (年/月) (年/月) (注)2016年10月の値は、みずほ総合研究所による予測値。 (資料)内閣府「機械受注統計調査報告」より、みずほ総合研究所作成 (注)2016年10月の値はみずほ総合研究所による予測値。 (資料)経済産業省「第3次産業活動指数」より、みずほ総合研究所作成 あ 6 金融市場ウィ~クリ~(2016 年 12 月 9 日号) <海 外(米国)> 失業率は一段と低下した 11 月の雇用統計(12/2)では、非農業部門雇用者数が前月差+17.8 万人 が、賃金上昇ペースは緩 となった。2016 年初以降の平均的な伸びが+18 万人であることを踏まえる やか と、底堅いペースと言えよう。不本意なパートタイム労働者等を含む失業 率(U6)は 9.5%から 9.3%に低下し、2008 年 4 月以来の低さとなった。 一方で、時間当たり賃金は前月比▲0.1%と、2015 年 12 月以来の減少とな った。前年比では+2.5%と、前月(同+2.8%)から鈍化した。 非製造業の業況は堅調 11 月の非製造業ISM指数(12/5)は昨年 10 月以来の水準まで上昇した。 幅広い業種が業況改善を報告した(18 業種中、悪化は政府と不動産のみ)。 年末商戦の本格的な開始 来週発表される経済指標では、11 月の小売売上高(12/14)が 3 カ月連続 時期を含む 11 月の小売売 で増加すると予想する。レッドブック社が公表する週次の小売売上高指数 上高は 3 カ月連続で増加 は、年末商戦が本格的にスタートする 11 月後半にかけて上昇していた。11 する見通し。11 月のコア 月の雇用統計において製造業と鉱業の週労働時間が減少していたことを踏 CPI上昇率は緩やかに まえると、11 月の鉱工業生産指数(12/14)は低下するとみられる。他方、 加速すると予想 12 月の地区連銀製造業業況指数(NY、Philadelphia:12/15)は改善が続く とみられる。ビジネスラウンドテーブルが公表した 10~12 月期のCEO景 気見通し調査(12/6)によれば、企業はトランプ次期大統領の経済政策(特 に規制緩和)を楽観的に捉えている模様である。11 月のコアCPI上昇率 (12/15)は前月比+0.2%になると予想する。前年比では+2.3%に加速す るが、2016 年以降のレンジ内(+2.1~+2.3%)の動きとなろう。11 月の 住宅着工件数(12/16)は大幅増となった前月から減少すると予想する。 12 月 FOMC では、参加者の 来週 13・14 日の FOMC は 1 年ぶりの利上げを決定するとみられる。12 月 景気見通しやイエレン議 会合では、参加者の景気・金利見通しの公表や、イエレン議長の記者会見 長の記者会見にも注目 が予定されている。ドットチャートでは、政策金利の平均値が上方シフト (風間春香) する可能性がある。 【 製造業・非製造業ISM指数 】 【 小売売上高 】 (前月比、%) 62 製造業ISM指数 60 非製造業ISM指数 2.0 コア小売 自動車・部品 建材・造園 ガソリン 外食 小売売上高 1.5 58 57.2 1.0 56 0.5 54 53.2 52 0.0 50 ▲0.5 48 ▲1.0 46 14/11 15/11 15/5 15/11 16/5 16/2 16/5 16/8 16/11 16/11 (年/月) (年/月) (資料)米サプライマネジメント協会より、みずほ総合研究所作成 (注)11 月の値はみずほ総合研究所予測値。 (資料)米国労働省より、みずほ総合研究所作成 7 金融市場ウィークリー(2016 年 12 月 9 日号) <海 外(欧州)> ユーロ圏GDPは消費中 7~9 月期のユーロ圏GDP(12/6、3 次推計値)は前期比+0.3%と、2 心に成長が継続 次推計値から据え置かれた。需要項目別の内訳が発表され、個人消費(寄 与度は+0.2%pt)や政府消費(同+0.1%pt)といった項目がGDPの押 し上げに貢献した。フランスでの在庫積み上がりにより、在庫寄与度は上 昇に転じた(+0.1%pt)。外需は輸出入ともに伸びが鈍化したが、輸出の 伸びの鈍化が相対的に大きく、純輸出の寄与度は▲0.1%pt となった。 イタリア国民投票は「反 政治イベントでは、12 月 4 日にイタリアで国民投票、オーストリアで大 対」の結果に。オースト 統領選挙のやり直し決選投票が行われた。イタリアでは政権が掲げた憲法 リアでは極右候補が敗北 改正案に「反対」との結果となり、レンツィ首相は大統領に辞表を提出し た(12/7)。同時に、国内第三位の大手行の経営再建に対する不透明感が 高まっている。他方、オーストリアでは、極右・自由党のホッファー候補 が敗北し、親EUのファン・デア・ベレン氏が 53.8%の票を得て当選した。 ECBは資産購入の 2017 欧州中央銀行(ECB)は、12 月 8 日の政策理事会において、2017 年 3 年 12 月までの延長を決定 月までとされていた資産購入プログラム(APP)を 9 カ月間延長し、2017 年 12 月まで実施することを発表した。ただし、4 月以降の資産購入額につ いては、現状の毎月 800 億ユーロから 600 億ユーロに減額することが併せ て発表された。理事会後の記者会見においてドラギ総裁は、今回の政策は 「テーパリングでは無い」ことを強調した。 今週末以降は、経済指標 今週末以降は、12 月のユーロ圏合成PMI(速報値、12/15)が発表され では 12 月のPMIに注目 る。2014 年 1 月以来の高水準にある製造業の景況感が維持されるのかどう かが注目される。その他、ユーロ圏では 10 月のユーロ圏鉱工業生産指数 (12/14)が、ドイツでは 12 月のZEW景況感指数(12/13)の発表が予定 されている。米国の大統領選やイタリア国民投票の結果が、ドイツの企業 景況感に影響を与えるのかなどが注目される。 政治情勢では、イタリアにおいて新内閣の組閣が行われる見込み。報道 ではパドアン経済財務相の名前などが挙がっている。イタリア大手行の再 建問題の進展が注目される。 (吉田健一郎) 【 ユーロ圏の実質GDP成長率 】 (前期比、%) 1.0 在庫・誤差 純輸出 総固定資本形成 政府消費 家計消費支出 GDP 【 ユーロ圏のPMI 】 (Pt) 拡大 55 54 0.8 53 0.6 52 0.4 51 0.2 50 0.0 ▲ 0.2 ▲ 0.4 縮小 ▲ 0.6 49 製造業PMI 48 サービス業PMI 47 合成PMI 46 ▲ 0.8 12 13 14 15 13 16 14 15 16 (年) (年) (注)PMIは 50 が景況感判断の節目となる。 (資料)Markit より、みずほ総合研究所作成 (資料)Eurostat より、みずほ総合研究所作成 8 金融市場ウィークリー(2016 年 12 月 9 号) Ⅱ.トピックス ~流動化するイタリア政局~ 国民投票は大差で憲法改 12 月 4 日にイタリアで行われた上院の権限縮小を柱とした憲法改正に関 正案に「反対」 、レンツィ する国民投票では、憲法改正に「反対」の支持率が 59.1%と「賛成」の支 首相は辞任を表明 持率(40.9%)を上回った。現地時間深夜(23:30、東京時間 8:30)に記 者会見を行ったマテオ・レンツィ首相は、国民投票の「反対」という大勢 判明を受け、辞任する意向を表明した(12 月 7 日に辞表を提出)。 国民投票の結果自体は、事前の世論調査に沿った内容であったが、予想 以上に「反対」の支持率が高かった。投票の結果により、イタリア上院は 下院と同等の権限を引き続き有することとなった。金融市場では、国民投 票の結果がイタリアの政局を流動化させ、EU懐疑政党の台頭や、金融シ ステム不安を招くのではないかとの懸念が台頭している。 次期首相はセルジョ・マッタレッラ大統領により指名される。イタリア の大統領は、政治混乱期には調停役としての役割を果たすことがある。例 えば、2011 年 11 月 12 日にシルヴィオ・ベルルスコーニ首相が辞任を発表 した際には、当時のジョルジョ・ナポリターノ大統領が、マリオ・モンテ ィ前欧州委員を首相に指名した。 新政権の成立は来週以降 に 報道では、新首相には、ピエール・カルロ・パドアン経済財務相や、ピ エトロ・グラッソ上院議長の名前が挙がっている。両氏はともに、与党民 主党の議員である。新政権発足にむけた組閣は、来週以降に行われること になりそうだ。 民主党が他の連立与党との調整を終えれば、新首相は信任される公算が 大きい 。現在、民主党は下院(定数 630 議席)では 301 議席を得ており、 連立相手や閣外協力を併せれば 380 議席近くを占める。上院(定数 320 議 席)でも、連立相手を含めれば過半議席を占めている(図表 1)。 【 図表 1:イタリアの議会構成 】 与党 民主党(PD) 国民エリア(AP)(新中道右派(NCD)+中道連合(UDC)) 自治のために+社会党 市民派・革新派(CI) 連携民主主義(DS)+民主中道(CD) 市民の選択(SC)等 野党 五つ星運動(M5S) フォルツァ・イタリア(FI) イタリア左派 北部同盟(LN) イタリアの同胞(FdI) イタリア保守改革派(CR) その他 合計 下院 380 301 30 3 17 13 16 250 上院 179 113 29 19 0 0 18 141 91 50 31 19 10 11 38 35 42 8 12 10 34 630 320 (注)「その他」は、混合会派等に属する議員。与党支持の議員も一部いると考えられるが、ここでは野党に分類している。 (資料)イタリア上院、下院資料より、みずほ総合研究所作成 9 金融市場ウィークリー(2016 年 12 月 9 日号) 組閣後の注目点 組閣後の注目点として、早期の解散総選挙実施の有無が指摘出来る。重 要なのは、与党民主党を中心とした主要政党の間で解散総選挙実施の前提 条件と考えられている下院選挙制度の再改正の行方である。仮に現在の下 院の選挙制度下で解散総選挙が実施された場合、反政府のEU懐疑政党で ある「五つ星運動」が過半議席を獲得する可能性があるためである。同党 は、政権についた場合、ユーロ離脱の是非を問う国民投票を実施したい旨 を表明しており、その動向が懸念されている。 イタリアでは、ボーナス議席付き二回投票制を柱とする新たな下院選挙 制度改正法案が昨年成立し、2016 年 7 月より施行されている。同法では、 下院選挙制度は比例代表制を基本とするが、選挙で 40%以上の最大得票を 得た政党が単独で 340 議席が得られる「ボーナス議席制度」がある。下院 の議席総数は 630 議席であり、どの党も 40%の得票を得られなかった場合 は、上位二党による決選投票となる。従って、現在の下院選挙制度下では 「五つ星運動」が得票率では過半数を取れなくとも、決選投票を経て単独 で下院の過半議席を得る可能性が高まる。11 月 28 日時点での伊調査会社E MGの支持率調査をみると、民主党の支持率が 31%であるのに対して「五 つ星運動」の支持率は 29.9%と両者は拮抗している。 イタリアでは金融システ ム不安が高まる 国民投票の「反対」という結果が与えるもう一つの懸念材料は、国内で 進行中の金融機関の再編や資本増強プロセスに与える影響だ。市場参加者 の間では、改革派と目されてきたレンツィ首相が退陣したことで政治が停 滞し、金融機関の資本増強計画の実施や、再編が遅れてしまうのではない かといった金融システムへの不安が強まっている。足元では、伊紙が、「政 府は、国内金融機関の支援のため(ユーロ圏の金融支援の枠組みである) 欧州安定メカニズム(ESM)への申請を検討中」と報じた(12/7)。イ タリア政府はこの報道を否定しているが先行きは不透明だ。 金融市場でリスク回避的な動きが強まり、参加者が逃避的・投機的な取 引を加速させた場合、自己実現的に危機が起きてしまう可能性も否定は出 来ない。新政権は市場の不安を早期に払しょくすることが必要である。 この点で、前述したパドアン経済財務相が新首相に選出されれば、政策 の継続性の観点から市場が好感し、イタリア金融システムへの不安は後退 するかもしれない。一方、下院選挙制度の再改正もなく早期解散総選挙の 見通しが強まれば、株安、債券安で市場が応じる可能性もある。いずれに せよ、金融市場はボラティリティの高い展開に警戒が必要である。 (吉田健一郎) ※詳細は 2016 年 12 月 5 日付みずほインサイト「流動化するイタリア政局~国 民投票は大差で憲法改正案に「反対」~」をご覧ください。 http://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/insight/eu16 1205.pdf 10 金融市場ウィークリー (2016 年 12 月 9 日号) ~ECBは緩和策の延長を決定~ ECBは資産購入プログ 12 月 8 日の政策理事会において、欧州中央銀行(ECB)は 2017 年 3 月 ラムの 9 カ月間の延長を までとされていた資産購入プログラム(APP)を 9 カ月間延長し、2017 発表。同時に毎月の資産購 年 12 月まで実施することを発表した。加えて、4 月以降の資産購入額につ 入額を 600 億ユーロに減 いては、現状の毎月 800 億ユーロから 600 億ユーロに減額することも発表 額 した。600 億ユーロという金額については、償還される債券の金額を差し引 いた純買い入れ額とし、期落ちした債券については再投資することを決め た(図表 1)。 同時に、ECBは、APPの円滑な実施に向けた制度の変更を 2 点行な った。第一は、購入対象債券の下限金利の撤廃で、ECBは現在の下限金 利である預金ファシリティ金利(現在は▲0.4%)より低利回りの債券であ っても必要に応じて購入出来ることとした。第二は、購入対象債券に 1 年 物を含むこととした点であり、購入可能な債券の残存期間は、現在の 2 年 ~30 年から 1 年~30 年に拡大した。 ドラギ総裁は今回の措置 ドラギ総裁は、今回の決定が「量的緩和策の終わりの始まり」と捉えら が「テーパリング」では無 れないよう、細心の注意を払った。まず、理事会後の総裁会見において、 いことを強調 ドラギ総裁は月次購入額を 600 億ユーロに減額した理由は、デフレリスク の減退などにより、「(毎月 600 億ユーロから 800 億ユーロへの増額を決 めた)2016 年 3 月ごろと同程度まで物価見通しが改善したことが主因であ る」と説明した。次に、ドラギ総裁は「テーパリングは議論のそ上にも上 らなかった」と述べ、今回の措置がいわゆるテーパリングでは無いことを 強調した。テーパリングの定義についての質問には、総裁は「債券の月次 購入額をゼロに向けて徐々に減額していくこと」と返答している。 【 図表 1:ECBの政策変更の内容 】 【 図表 2:ECBスタッフのインフレ率予測 】 (%) 1.8 政策金利 変更なし 1.6 資産購入プログラム(APP) 期間を9カ月延長 (2017年3月から2017年12月へ) 月次購入額の縮小 (2017年3月までは毎月800億ユーロ) (2017年4~12月は毎月600億ユーロ) インフレ見通しが下振れた場合、または金融市場の状況が インフレ見通しの達成と整合的で無くなった場合、ECBはA PPの規模と期間を拡大 買い入れ対象債券の変更 購入対象債券の残存期間の拡充 (従来は残存期間2~30年、今後は同1~30年) 購入下限金利の撤廃 (預金ファシリティ金利(▲0.4%)を下回る利回りの債券も必 要に応じて買い入れ対象に) (資料)ECBより、みずほ総合研究所作成 11 1.4 1.2 1.0 0.8 0.6 2016年12月予測 0.4 コアCPI予測 0.2 0.0 2016 2017 2018 2019 (年) (注)コア・CPIは、食品、エネルギー、間接税変更の影響を除いたもの。 (資料)ECBよりみずほ総合研究所作成 金融市場ウィークリー (2016 年 12 月 9 日号) ECBの決定は実質的に テーパリングの開始が金利急騰などを招くリスクがあることを考えれ はテーパリング開始に向 ば、ドラギ総裁が「今回の措置はテーパリングではない」と述べるのは当 けた第一歩 然であろう。しかし、ECBがどのようなロジックを展開しようとも、月 次購入額の減少は(ドラギ総裁が定義するような)「テーパリング」に向 けた第一歩であろう。 2016 年を通じた基調的なインフレ率の低位推移、12 月のイタリア金融シ ステム不安の台頭に加え、2017 年の欧州政治リスクの残存といった情勢を 展望した時に、テーパリングの即時開始はリスクが大きすぎる、というの がECBの下した判断ではなかったかと推察される。実際、ECBは声明 文の中で「見通しが下振れた場合、または金融市場の状況がインフレ見通 しの達成と整合的でなくなった場合」には追加緩和を行う用意がある旨を 明記した。 政策理事会と同時に発表されたスタッフによる物価見通しでは、今回初 めて発表された 2019 年のインフレ率は 1.7%とされ、市場が予想していた よりも物価上昇ペースは緩やかなものにとどめられた(図表 2)。2017・18 年のインフレ率についても、総合指数、コア指数(食品・エネルギーの影 響を除いたもの)を含めて 0.1%pt 下方修正された。ECBは物価は上昇 するものの、ECBの目指す「2%未満だが 2%近傍」の水準に達するには 時間がかかると考えている。 市場とのコミュニケーシ 以上の措置により、ECBは少なくとも 2017 年の量的緩和継続の準備を ョンはまず成功だが、先行 整えると同時に、2018 年以降の本格的なテーパリング開始に向けた第一歩 きの政策余地はむしろ狭 を踏み出した。 政策理事会後のドイツ 10 年国債利回りは理事会前と同水準、 まる ユーロドル相場は 1 ユーロ=1.08 ドル近傍から 1.06 ドル台近傍まで下落し た。ECBは、緩和策を維持しながら出口に向かうという難しい舵取りを 迫られたが、市場とのコミュニケーションとしては、まずは成功であった と評価できる。 しかし、今回の政策理事会において、ECBは、購入国債の不足額を解 消するためのその他の手段であるECBへの出資比率(キャピタル・キー) に基づく国別購入割合の変更や、集団行動条項(CAC)無し債券の一銘 柄あたりの購入上限(現在 33%)の引き上げといった措置は、「法的、制 度的な制約により」出来ないとして除外した。この意味することはECB は基本的にこれらの措置を将来にわたって使えないということである。思 惑通りに景気回復や物価上昇が進めば問題は無いが、今後下振れリスクが 顕在化した場合、ECBの政策運営は厳しさを増す。 (吉田健一郎) ※詳細は 2016 年 12 月 9 日付みずほインサイト「ECBは緩和策の延長を決定 ~本格的なテーパリングへの第一歩も同時に踏み出す~」をご覧ください。 http://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/insight/eu16 1209.pdf 12 金融市場ウィークリー (2016 年 12 月 9 日号) Ⅲ.参考資料 今週の主要経済指標 日 付 12/2(金) 米 経 済 指 標 等 今回実績 雇用統計(11月) 失業率 非農業部門雇用者数 時間当たり賃金(全従業員ベース) 前月差 前月比 前回実績 予想 4.6% +178千人 ▲0.1% 4.9% +180千人 R +0.2% 4.9% +142千人 +0.4% 12/4(日) 伊 憲法改正を問う国民投票 墺 大統領選(再決戦投票) 12/5(月) 日 黒田日銀総裁挨拶(パリ・ユーロプラス・フィナンシャル・フォーラム) 消費者態度指数 消費動向調査(11月) 40.9 42.8 42.3 中 財新サービスPMI(11月) 53.1 N.A. 52.4 米 非製造業ISM指数(11月) 57.2 55.5 54.8 前年比 0.1% 0.2% R 0.0% 財・サ収支 ▲426億㌦ ▲420億㌦ R ▲362億㌦ 先行DI 一致DI 先行CI 一致CI 88.9% 100.0% 101.0 113.9 N.A. N.A. 101.4 114.1 50.0% 60.0% 100.0 112.5 +0.3% +0.5% 4~6月期 +0.2% +1兆7,199億円 +1兆5,450億円 +22.7% +10.2% +5,876億円 +6,030億円 +186.5% +194.0% +1兆8,210億円 +25.4% +6,424億円 +839.2% 12/6(火) 日 毎月勤労統計(10月速報) 米 貿易収支(10月) 名目賃金 12/7(水) 日 景気動向指数(10月速報) 岩田日銀副総裁挨拶(長崎県金融経済懇談会) 印 金融政策決定会合(6・7日) 12/8(木) 日 GDP(7~9月期2次速報) 前期比 経常収支 (前年比) 貿易収支 (前年比) 国際収支(10月速報) 現状判断DI 景気ウォッチャー調査(11月) 48.6 N.A. 46.2 30年利付国債入札:最高利回り 0.633%、 平均利回り 0.617%、 入札倍率 2.85倍 中 貿易収支(11月) 米ドル 446億㌦ +469億㌦ R +488億㌦ 輸出総額(11月) 前年比 +0.1% ▲5.0% R ▲7.5% 前年比 +6.7% ▲1.9% ▲1.4% 258千人 255千人 268千人 +4.0% +3.4% +1.9% +3.7% +3.2% R N.A. R +3.7% +3.1% +1.6% +2.3% +2.2% +2.1% 輸入総額(11月) 米 失業保険新規申請件数(~12/3) 欧 ECB政策理事会 12/9(金) 日 マネーストック(11月速報) M2 前年比 M3 前年比 広義流動性 前年比 法人企業景気予測調査(10~12月期) 中 消費者物価指数(11月) 前年比 予想:情報ベンダー(Bloomberg、Reuters 等)の取りまとめた予想コンセンサス。 米国の経済指標は特に断りのない限り季調値。 R は改定値。 日:日本、米:米国、欧:欧州、英:英国、独:ドイツ、伊:イタリア、墺:オーストリア、中:中国、韓:韓国、 印:インド、尼:インドネシア、泰:タイ、比:フィリピン、伯:ブラジル、馬:マレーシア 13 金融市場ウィークリー(2016 年 12 月 9 日号) 来週の主要経済指標 経 済 指 標 等 日 付 12/9(金) 米 ミシガン大消費者信頼感指数(12月速報) 12/12(月) 日 機械受注(10月) [船舶・電力を除く民需] 予 想 前 回 前々回 [94.0] 93.8 87.2 前月比 前年比 [+2.3%] [▲3.2%] ▲3.3% +4.3% ▲2.2% +11.6% 第3次産業活動指数(10月) 前月比 [+0.5%] ▲0.1% 0.0% 国内企業物価指数(11月) 前月比 前年比 [+0.3%] [▲2.3%] ▲0.1% ▲2.7% 0.0% ▲3.2% 前年比 +6.1% +6.1% +6.1% (%Pt) (%Pt) (前年度比) [+9] [+18] [+6.4%] 9月調査 +6 +18 +6.3% 6月調査 +6 +19 +6.2% N.A. 96.7 98.7 米 3年国債入札 10年国債入札 12/13(火) 日 5年利付国債入札 中 鉱工業生産(11月) 米 30年国債入札 12/14(水) 日 日銀短観(12月調査) 大企業 製造業 業況判断DI 大企業 非製造業 業況判断DI 16年度大企業全産業設備投資計画 設備稼働率(10月) 米 鉱工業生産指数(11月) 設備稼働率(11月) 前月比 [▲0.2%] 75.1% 0.0% 75.3% ▲0.2% 75.4% 小売売上高(11月) 前月比 [+0.3%] +0.8% +1.0% 生産者物価指数(11月) [食品・エネルギーを除く] 前月比 前月比 +0.1% +0.2% 0.0% ▲0.2% +0.3% +0.2% 前月比 前月比 [+0.2%] [+0.2%] +0.4% +0.1% +0.3% +0.1% フィラデルフィア連銀製造業業況指数(12月) [+8.0] +7.6 +9.7 ニューヨーク連銀製造業業況指数(12月) [+2.5] +1.5 ▲6.8 ▲1,111億㌦ 4~6月期 ▲1,199億㌦ 1~3月期 ▲1,318億㌦ [260千人] 258千人 268千人 53.8 53.9 53.3 [122.0万件] [123.0万件] 132.3万件 126.0万件 105.4万件 122.5万件 FOMC(13・14日) 12/15(木) 日 20年利付国債入札 米 消費者物価指数(11月) [食品・エネルギーを除く] 経常収支(7~9月期) 失業保険新規申請件数(~12/10) 英 英中銀金融政策委員会(14・15日) 韓 金融政策決定会合 尼 金融政策決定会合 欧 ユーロ圏合成PMI(12月速報) 12/16(金) 米 住宅着工件数(11月) 住宅着工許可件数(11月) 年率 年率 予想:[ ]はみずほ総合研究所予想、それ以外はコンセンサス(Bloomberg 等)。予定は変更になる可能性があります。 日:日本、米:米国、欧:欧州、英:英国、独:ドイツ、中:中国、韓:韓国、印:インド、尼:インドネシア、 泰:タイ、比:フィリピン、伯:ブラジル、馬:マレーシア 14 金融市場ウィークリー(2016 年 12 月 9 日号) 12 月のスケジュール 国 1 内 国 他 1 米 製造業ISM指数(11 月) 2 2 米 雇用統計(11 月) 3 3 4 4 5 黒田日銀総裁挨拶(パリ・ユーロプラス・フィナンシ 5 ャル・フォーラム) ,消費動向調査(11 月) 毎月勤労統計(10 月速報) 6 6 7 8 9 法人企業統計調査(7~9 月期),新車販売台数(11 月) 10 年利付国債入札 米 岩田日銀副総裁挨拶(長崎県金融経済懇談会) 景気動向指数(10 月速報) GDP(7~9 月期 2 次速報), 国際収支(10 月速報) 景気ウォッチャー調査(11 月), 30 年利付国債入札 マネーストック(11 月速報) 法人企業景気予測調査(10~12 月期) 伊 憲法改正を問う国民投票 墺 大統領選(再決戦投票) 米 非製造業ISM指数(11 月) 米 貿易収支(10 月),労働生産性(7~9 月期改訂) 製造業新規受注(10 月) 7 8 欧 ECB政策理事会 9 米 ミシガン大学消費者信頼感指数(12 月速報) 10 10 11 11 12 機械受注統計(10 月),企業物価指数(11 月) 第 3 次産業活動指数(10 月) 13 5 年利付国債入札 12 米 連邦財政収支(11 月) 3 年国債入札,10 年国債入札 13 米 30 年国債入札 14 日銀短観(12 月調査) 設備稼働率(10 月) 15 20 年利付国債入札 16 14 米 FOMC(13・14 日),小売売上高(11 月) 鉱工業生産・設備稼働率(11 月),PPI(11 月) 15 英 英中銀金融政策委員会(14・15 日) 米 CPI(11 月),経常収支(7~9 月期) フィラデルフィア連銀製造業業況指数(12 月) ネット対米証券投資(10 月) ニューヨーク連銀製造業業況指数(12 月) 16 米 住宅着工・許可件数(11 月) 17 17 18 18 19 貿易統計(11 月),資金循環統計(7~9 月期速報) 19 独 ifo景況感指数(12 月) 20 日銀金融政策決定会合(19・20 日) 日銀総裁定例記者会見 21 全産業活動指数(10 月) 20 22 24 22 米 耐久財受注(11 月),個人所得・消費支出(11 月) 企業収益(7~9 月期改訂),GDP(7~9 月期確定) 景気先行指数(11 月) 23 米 新築住宅販売件数(11 月) ミシガン大学消費者信頼感指数(12 月確報) 24 25 25 26 黒田日銀総裁講演(日本経済団体連合会審議員会) 日銀金融政策決定会合議事要旨(10/31・11/1 分) 27 消費者物価(11 月全国・12 月都区部) 住宅着工統計(11 月),労働力調査(11 月) 家計調査(11 月),2 年利付国債入札 28 鉱工業生産(11 月速報),商業動態統計(11 月速報) 26 29 日銀金融政策決定会合における主な意見(12/19・20 分) 30 29 米 7 年国債入札 31 31 23 天皇誕生日(日本休場) 21 米 中古住宅販売件数(11 月) クリスマスの振替休日(米国休場) 27 米 S&P/コアロジックCS住宅価格指数(20 都市・10 月) カンファレンスボード消費者信頼感指数(12 月) 2 年国債入札 28 米 5 年国債入札 30 米 シカゴPMI指数(12 月) *印は期日未定、網掛け部分は休場を示す〔予定は変更の可能性があります〕 日:日本、米:米国、欧:欧州、英:英国、独:ドイツ、伊:イタリア、墺:オーストリア 15 金融市場ウィークリー(2016 年 12 月 9 日号) 1 月のスケジュール 国 1 2 内 元日(日本休場) 国民の休日(日本休場) 米 国 他 1 2 米 ニューイヤーズデー(米国休場) 3 3 米 製造業ISM指数(12 月) 4 4 米 FOMC 議事録(12/13・14) 5 新車販売台数(12 月),10 年利付国債入札 5 米 非製造業ISM指数(12 月) 6 毎月勤労統計(11 月速報) 6 米 雇用統計(12 月) 貿易収支(11 月) 製造業新規受注(11 月) 7 8 9 7 成人の日(日本休場) 8 9 10 10 米 3 年国債入札 11 景気動向指数(11 月速報),30 年利付国債入札 11 米 10 年国債入札 12 国際収支(11 月速報) 景気ウォッチャー調査(12 月) 13 マネーストック(12 月速報) 14 12 米 イエレンFRB議長講演(ワシントン D.C.) 連邦財政収支(12 月),30 年国債入札 13 米 小売売上高(12 月) ミシガン大学消費者信頼感指数(1 月速報) PPI(12 月) 14 15 15 16 機械受注統計(11 月) 第 3 次産業活動指数(11 月) 企業物価指数(12 月) 17 設備稼働率(11 月),20 年利付国債入札 16 米 キング牧師誕生日(米国休場) 18 20 18 米 鉱工業生産・設備稼働率(12 月),CPI(12 月) ネット対米証券投資(11 月) ベージュブック(地区連銀経済報告) 19 欧 ECB政策理事会 米 住宅着工・許可件数(12 月) フィラデルフィア連銀製造業業況指数(1 月) 20 米 新大統領就任式 21 21 22 22 23 全産業活動指数(11 月) 23 24 40 年利付国債入札 24 米 中古住宅販売件数(12 月),2 年国債入札 25 貿易統計(12 月) 25 独 ifo景況感指数(1 月) 米 5 年国債入札 26 米 新築住宅販売件数(12 月),7 年国債入札 19 5 年利付国債入札 26 27 消費者物価(12 月全国・1 月都区部) 17 米 ニューヨーク連銀製造業業況指数(1 月) 28 27 米 GDP(10~12 月期速報) 耐久財受注(12 月) ミシガン大学消費者信頼感指数(1 月確報) 28 29 29 30 商業動態統計(12 月速報),2 年利付国債入札 30 米 個人所得・消費支出(12 月) 31 日銀金融政策決定会合(30・31 日) 日銀総裁定例記者会見 日銀「経済・物価情勢の展望」(基本的見解) 鉱工業生産(12 月速報) 住宅着工統計(12 月) 労働力調査(12 月) 家計調査(12 月) 31 米 シカゴPMI指数(1 月) S&P/コアロジックCS住宅価格指数(20 都市・11 月) カンファレンスボード消費者信頼感指数(1 月) 雇用コスト指数(10~12 月期) *印は期日未定、網掛け部分は休場を示す〔予定は変更の可能性があります〕 日:日本、米:米国、欧:欧州、英:英国、独:ドイツ 16 金融市場ウィークリー(2016 年 12 月 9 日号) 四半期スケジュール 2月 日 本 2 6 7 8 9 10 13 14 20 21 23 28 米 国 1 2 3 7 8 9 10 14 15 16 21 22 23 24 27 28 欧 州 2 消費動向調査(1 月) 10 年利付国債入札 毎月勤労統計(12 月速報) 景気動向指数(12 月速報) 10 年物価連動国債入札 国際収支(12 月速報) 景気ウォッチャー調査(1 月) マネーストック(1 月速報) 機械受注統計(12 月) 30 年利付国債入札 第 3 次産業活動指数(12 月) 企業物価指数(1 月) GDP(10~12 月期 1 次速報) 設備稼働率(12 月) 5 年利付国債入札 貿易統計(1 月) 全産業活動指数(12 月) 20 年利付国債入札 商業動態統計(1 月速報) 鉱工業生産(1 月速報) 2 年利付国債入札 FOMC(31・1 日) 製造業ISM指数(1 月) 労働生産性(10~12 月期暫定) 非製造業ISM指数(1 月) 雇用統計(1 月) 貿易収支(12 月) 3 年国債入札 10 年国債入札 30 年国債入札 連邦財政収支(1 月) ミシガン大学消費者信頼感指数(2 月速報) PPI(1 月) 鉱工業生産・設備稼働率(1 月) ニューヨーク連銀製造業業況指数(2 月) 小売売上高(1 月) CPI(1 月) 住宅着工・許可件数(1 月) フィラデルフィア連銀製造業業況指数(2 月) 2 年国債入札 FOMC 議事録(1/31・2/1) 5 年国債入札 中古住宅販売件数(1 月) 7 年国債入札 新築住宅販売件数(1 月) 耐久財受注(1 月) GDP(10~12 月期暫定) シカゴPMI指数(2 月) S&P/コアロジック CS 住宅価格指数(20 都市 ・12 月) カンファレンスボード消費者信頼感指数(2 月) 英中銀金融政策委員会(1・2 日) 3月 4月 法人企業統計調査(10~12 月期) 消費者物価(1 月全国・2 月都区部) 消費動向調査(2 月) 家計調査(1 月) GDP(10~12 月期 2 次速報) 景気ウォッチャー調査(2 月) 国際収支(1 月速報) マネーストック(2 月速報) 毎月勤労統計(1 月速報) 法人企業景気予測調査(1~3 月期) 企業物価指数(2 月) 第 3 次産業活動指数(1 月) 設備稼働率(1 月) 日銀総裁定例記者会見 日銀金融政策決定会合(15・16 日) 資金循環統計(10~12 月期速報) 全産業活動指数(1 月) 貿易統計(2 月) 商業動態統計(2 月速報) 消費者物価(2 月全国・3 月都区部) 鉱工業生産(2 月速報) 労働力調査(2 月) 家計調査(2 月) 3 7 10 13 製造業ISM指数(2 月) 個人所得・消費支出(1 月) ベージュブック(地区連銀経済報告) 3 非製造業ISM指数(2 月) 7 貿易収支(1 月) 3 年国債入札 8 10 年国債入札 労働生産性(10~12 月期改訂) 9 30 年国債入札 10 連邦財政収支(2 月) 雇用統計(2 月) 14 PPI(2 月) 15 FOMC(14・15 日) ニューヨーク連銀製造業業況指数(3 月) 小売売上高(2 月) CPI(2 月) 16 住宅着工・許可件数(2 月) フィラデルフィア連銀製造業業況指数(3 月) 17 鉱工業生産・設備稼働率(2 月) ミシガン大学消費者信頼感指数(3 月速報) 21 経常収支(10~12 月期) 22 中古住宅販売件数(2 月) 23 新築住宅販売件数(2 月) 24 耐久財受注(2 月) 27 2 年国債入札 28 5 年国債入札 S&P/コアロジック CS 住宅価格指数(20 都市 ・1 月) カンファレンスボード消費者信頼感指数(3 月) 29 7 年国債入札 30 GDP(10~12 月期確定) 企業収益(10~12 月期) 31 個人所得・消費支出(2 月) シカゴPMI指数(3 月) 3 4 5 1 3 8 9 10 13 15 16 17 22 29 31 1 9 ECB政策理事会 16 英中銀金融政策委員会(15・16 日) 日銀短観(3 月調査) 毎月勤労統計(2 月速報) 景気ウォッチャー調査(3 月) マネーストック(3 月速報) 企業物価指数(3 月) 20 貿易統計(3 月) 27 日銀総裁定例記者会見 日銀金融政策決定会合(26・27 日) 日銀「経済・物価情勢の展望」(基本的見 解) 7 10 11 12 13 14 17 18 19 20 21 25 26 27 28 製造業ISM指数(3 月) 貿易収支(2 月) 非製造業ISM指数(3 月) FOMC 議事録(3/14・15) 雇用統計(3 月) 3 年国債入札 10 年国債入札 連邦財政収支(3 月) 30 年国債入札 PPI(3 月) ミシガン大学消費者信頼感指数(4 月速報) 小売売上高(3 月) CPI(3 月) ニューヨーク連銀製造業業況指数(4 月) 鉱工業生産・設備稼働率(3 月) 住宅着工・許可件数(3 月) ベージュブック(地区連銀経済報告) フィラデルフィア連銀製造業業況指数(4 月) 中古住宅販売件数(3 月) 新築住宅販売件数(3 月) 2 年国債入札 S&P/コアロジック CS 住宅価格指数(20 都市 ・2 月) カンファレンスボード消費者信頼感指数(4 月) 5 年国債入札 7 年国債入札 耐久財受注(3 月) GDP(1~3 月期速報) シカゴPMI指数(4 月) 雇用コスト指数(1~3 月期) 27 ECB政策理事会 *印は期日未定を示す〔予定は変更の可能性があります〕 17 金融市場ウィークリー(2016 年 12 月 9 日号) 今週の金融市場の動き [海外金利] 12/1 ドルLIBOR 3M(%) ユーロドル金先(Dec17) 12/2 12/5 12/6 12/7 12/8 12/9 前週末比 0.94167 0.94639 0.94806 0.95083 0.95083 0.95306 0.00667 98.575 98.620 98.590 98.585 98.605 98.600 ▲ 0.020 米国債(10年、%) 2.448 2.383 2.394 2.389 2.340 2.407 0.024 スワップ金利(10年、%) 2.287 2.226 2.242 2.244 2.190 2.270 0.043 独国債(10年、%) 0.369 0.281 0.333 0.373 0.347 0.382 0.101 英国債(10年、%) 1.497 1.380 1.403 1.418 1.359 1.382 0.002 [内外株式] 12/1 ダウ平均(㌦) S&P500指数 NASDAQ総合指数 日経平均(円) TOPIX(Pt.) 12/2 12/5 12/6 12/7 12/8 12/9 前週末比 19,191.93 19,170.42 19,216.24 19,251.78 19,549.62 19,614.81 444.39 2,191.08 2,191.95 2,204.71 2,212.23 2,241.35 2,246.19 54.24 5,251.11 5,255.65 5,308.89 5,333.00 5,393.76 5,417.36 18,513.12 18,426.08 18,274.99 18,360.54 18,496.69 18,765.47 18,996.37 570.29 161.70 1,483.27 1,477.98 1,466.96 1,477.20 1,490.62 1,512.69 1,525.36 47.38 出来高(百万株) 2,821.42 2,833.40 2,068.00 2,391.36 2,400.66 2,818.60 3,131.96 298.56 売買代金(億円) 32,911.92 30,178.48 22,937.94 26,935.87 26,919.64 33,930.40 39,249.58 9,071.10 2,668.44 2,658.20 2,658.72 2,662.72 2,668.20 2,667.25 2,663.37 5.17 12/1 12/2 12/5 12/6 12/7 12/8 12/9 日経JASDAQ平均(円) [円金利] TIBOR 3カ月(%) 0.05600 0.05600 0.05600 0.05600 0.05600 0.05600 0.05600 前週末比 0.00000 ユーロ円金先(Dec16) 99.945 99.945 99.945 99.945 99.945 99.945 99.945 0.000 新発国債(10年、%) 0.020 0.030 0.035 0.050 0.030 0.050 0.055 0.025 長国先物(Dec16) 150.50 150.48 150.60 150.39 150.57 150.54 150.50 0.020 スワップ金利(5年、%) 0.081 0.075 0.076 0.083 0.071 0.079 0.080 0.005 [為替] 12/1 12/2 12/5 12/6 12/7 12/8 12/9 前週末比 円/$ 114.10 113.51 113.85 114.02 113.77 114.04 114.40 0.89 $/EUR 1.0661 1.0664 1.0764 1.0718 1.0753 1.0615 1.0618 ▲ 0.0046 円/EUR 121.64 121.08 122.55 122.21 122.33 121.05 121.47 0.39 (注)前週末比は、海外などについては現時点での直近値と前週末値との比較。 東京市場の発行日表示値は終値もしくは 15:00 時点値。 米国 10 年債、米金利スワップ 10 年物は Bloomberg の終値。 日本株出来高・売買代金はそれぞれ東京証券取引所第一部出来高・売買代金。 TIBOR は全銀協発表のユーロ円 TIBOR 平均値。 新発 10 年国債は日本相互証券発表の気配値。 金利先物は東京金融取引所(TFX)のユーロ円 3 ヵ月金利先物。 独・英 10 年国債は Bloomberg の提示する終値。 為替は NY 時間終値(発行日のみ東京時間 15:00 時点、出所:Bloomberg) 。 18 金融市場ウィークリー(2016 年 12 月 9 日号) 最新リポート一覧 <みずほインサイト> 2016 年 12 月 5 日 流動化するイタリア政局~国民投票は大差で憲法改正案に「反対」~ http://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/insight/eu161205.pdf 2016 年 12 月 2 日 大統領選挙後の米国経済~サーベイ調査からみる消費者と企業の見方~ http://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/insight/us161202.pdf 2016 年 12 月 1 日 農業競争力強化プログラムの評価~農政改革の領域が関連産業へと大きく拡大~ http://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/insight/pl161201.pdf 2016 年 11 月 30 日 大企業と中小企業の設備投資における「逆転現象」の背景 http://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/insight/jp161130.pdf <内外経済見通し> 2016 年 12 月 8 日 2016・17 年度 内外経済見通し(2016 年 7~9 月期 GDP2 次速報後改訂) ~トランプ次期政権の政策を織り込み、米国中心に見通しを上方修正~ http://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/forecast/outlook_161208.pdf 2016 年 11 月 15 日 2016・17 年度 内外経済見通し ~世界経済は緩やかに持ち直し、トランプは世界を変えるか~ http://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/forecast/outlook_161115.pdf 2016 年 5 月 10 日 MIZUHO Research & Analysis no.1 特集 グローバル経済の中長期展望と日本産業の将来像~パラダイムシフトと日本の針路~ http://www.mizuho-fg.co.jp/company/activity/onethinktank/vol001/pdf/all.pdf 執筆担当者 ・市場調査部 武内浩二 野口雄裕 井上 淳 大塚理恵子 坂中弥生 03-3591-1244 03-3591-1249 03-3591-1197 03-3591-1420 03-3591-1242 [email protected] [email protected] [email protected] [email protected] [email protected] ・欧米調査部 小野 亮 吉田健一郎 松本 惇 風間春香 03-3591-1219 03-3591-1265 03-3591-1199 03-3591-1418 [email protected] [email protected] [email protected] [email protected] ・経済調査部 有田賢太郎 大野晴香 上里 啓 高瀬美帆 03-3591-1419 03-3591-1243 03-3591-1284 03-3591-1416 [email protected] [email protected] [email protected] [email protected] 当レポートは情報提供のみを目的として作成されたものであり、商品の勧誘を目的としたものではありません。 本資料は、当社が信頼できると判断した各種データに基づき作成されておりますが、その正確性、確実性を保証 するものではありません。また、本資料に記載された内容は予告なしに変更されることもあります。 発行・編集/みずほ総合研究所 調査本部 〒100-0011 東京都千代田区内幸町 1-2-1 TEL.03-3591-1296 19 金融市場ウィークリー(2016 年 12 月 9 日号)
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