欧州量的金融緩和は規模縮小、期限延長

ご参考資料
2016年12月9日
欧州量的金融緩和は規模縮小、期限延長
図1:米独10年物国債利回り
ポイント① 購入額は減額するも、期限は延長
ECB(欧州中央銀行)は12月8日の理事会で、国債
などの資産を買い取る量的金融緩和の期限をこれまでの
来年3月から同年12月に延長することを発表しました。ただ
し、資産購入額は来年3月までの月間800億ユーロから、
4月以降は600億ユーロに縮小するとしました。
一方、民間銀行がECBに預金する際の金利を▲0.4%
(民間銀行が金利を支払う)で維持するなど、主要な政
策金利は据え置きました。
ポイント② 欧米国債利回りは上昇
資産購入規模の縮小を受けて、欧米の国債利回りは全
般的に上昇しました。10年物国債利回りは、ドイツで7日
の0.347%から8日には0.382%へ、米国では2.340%か
ら2.407%へと上昇しました。
為替市場では一時ユーロ高に振れましたが、ドラギECB
総裁が資産購入規模縮小は金融緩和終了に向かうことを
意味しないと強調したことなどからユーロは下落に転じました。
ニューヨーク時間8日17時頃の外国為替市場では、米ドル
に対して7日の1ユーロ=1.0753ドルから1.0615ドルに下
落し、円に対しても1ユーロ=122.33円から121.05円に
下がりました。
ポイント③ 雇用は緩やかに改善
一方、欧米の株式市場は、8日も堅調な動きを維持しま
した。これは、トランプ次期米大統領が財政拡張策を提唱
していることなどから、経済政策の主軸が緩和効果の限界
が見え始めた金融政策から財政政策に移ることで、景気回
復が続くとの期待が強まっていることを反映しているようです。
ユーロ圏の失業率は日米などに比べてまだ高水準にある
ものの、最近10%を切り、ピーク時から2%以上低下して
います。こうした雇用の改善が続けば、ユーロ圏でもデフレ
懸念が後退し、ECBが量的金融緩和の縮小・終了、マイ
ナス金利政策からの脱出に徐々に向かうことが可能になる
でしょう。
重要
イベント
12月14日
12月19日
12月20日
米金融政策発表
独Ifo景況感指数(12月)
日本金融政策発表
期間:2016年6月1日~2016年12月8日、日次
(%)
0.8
(%)
2.6
ドイツ10年物国債利回り(左軸)
0.6
2.4
米国10年物国債利回り(右軸)
0.4
2.2
0.2
2.0
0.0
1.8
-0.2
1.6
-0.4
1.4
-0.6
2016/6
2016/8
1.2
2016/12
(年/月)
2016/10
(出所)Bloombergより野村アセットマネジメント作成
図2:ユーロの対米ドル、対円為替レート
期間:2016年6月1日~2016年12月8日、日次
(円/ユ-ロ)
124
(米ドル/ユーロ)
1.18
米ドル/ユーロ(左軸)
1.16
122
円/ユーロ(右軸)
1.14
120
1.12
118
1.10
116
1.08
114
1.06
112
1.04
2016/6
2016/8
2016/10
(出所)Bloombergより野村アセットマネジメント作成
2016/12
110
(年/月)
図3:ユーロ圏の失業率とインフレ率
期間:2007年1月~2016年11月、月次
(前年同月比、%)
(%)
失業率(左軸)
消費者物価指数(エネルギー、アルコール飲料、食料を除く、右軸)
13
2.4
12
2.0
11
1.6
10
1.2
9
0.8
8
0.4
7
2007
2010
2013
0.0
2016 (年)
(注)失業率は2016年10月まで
(出所)Bloombergデータより野村アセットマネジメント作成
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