適正使用ハンドブック - JanssenPro

日本標準商品分類番号 871149
トラムセット 配合錠 抜歯後疼痛に対する
適 正使用ハンドブック
【警告】
1)本剤により重篤な肝障害が発現するおそれがあることに注意し、アセトアミノフェンの1日総
量が1500mg(本剤4錠)を超す高用量で長期投与する場合には、定期的に肝機能等を確認す
るなど、慎重に投与すること(「重要な基本的注意」の項参照)。
2)本剤とトラマドール又はアセトアミノフェンを含む他の薬剤(一般用医薬品を含む)との併用
により、過量投与に至るおそれがあることから、これらの薬剤との併用を避けること(「過量投
与」の項参照)。
【禁忌(次の患者には投与しないこと)】
1)アルコール、睡眠剤、鎮痛剤、オピオイド鎮痛剤又は向精神薬による急性中毒患者[中枢神経
抑制及び呼吸抑制を悪化させるおそれがある。]
2)
モノアミン酸化酵素阻害剤を投与中の患者、又は投与中止後14日以内の患者(「相互作用」の
項参照)
3)治療により十分な管理がされていないてんかん患者[症状が悪化するおそれがある。]
4)消化性潰瘍のある患者[症状が悪化するおそれがある。]
5)重篤な血液の異常のある患者[重篤な転帰をとるおそれがある。]
6)重篤な肝障害のある患者[重篤な転帰をとるおそれがある(「過量投与」の項参照)。]
7)重篤な腎障害のある患者[重篤な転帰をとるおそれがある。]
8)重篤な心機能不全のある患者
[循環系のバランスが損なわれ、心不全が増悪するおそれがある。
]
9)アスピリン喘息(非ステロイド製剤による喘息発作の誘発)又はその既往歴のある患者[アス
ピリン喘息の発症にプロスタグランジン合成阻害作用が関与していると考えられる。]
10)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
患者への服薬指導を必ず行ってください。
2014年 1 2月作成
本資料の目的
トラムセット® 配合錠は、弱オピオイドに分類されるトラマドールと、解熱鎮痛剤のアセトアミノ
フェンを含有する新しいタイプの鎮痛剤です。本剤を適切にお使いいただくためには、両成分の特
徴をご理解いただく必要があります。本資料の内容をご理解いただいた上で、処方していただくよ
うお願いします。
本資料には、抜歯後疼痛に対してご使用いただく際の留意点を記載しております。慢性疼痛に対
してご使用の場合は、
「トラムセット® 配合錠 非がん性慢性疼痛 適正使用ハンドブック」
を用意して
おりますので、そちらをご参照ください。
目次
トラムセット 配合錠を抜歯後疼痛に
処方していただく際に留意すべきポイント……………………………………… 2
1. トラムセット 配合錠の特徴 …………………………………………………… 3
2. 使用前に考慮すること ………………………………………………………… 5
警告
禁忌
慎重投与
重要な基本的注意
相互作用
3. 副作用とその対策 ……………………………………………………………… 9
(1)
重大な副作用
(2)
主な副作用
(3)
悪心・嘔吐、傾眠、便秘に対する対策
(4)
その他、留意すべき副作用
薬物依存、退薬症候、肝障害、過量投与、間質性肺炎、意識消失
(5)
患者への服薬指導
4. Drug Information ……………………………………………………………… 17
1
トラムセット® 配合錠を抜歯後疼痛に
処方していただく際に留意すべきポイント
非オピオイド鎮痛剤で治療困難な抜歯のみに使用すること
➡p.3
トラマドール又はアセトアミノフェンを含む他の薬剤
(一般用医薬品を含む)
との併用を避けること
➡p.5
悪心・嘔吐、傾眠、便秘が発現した場合には適切な処置を講じること
➡p.11
患者へ以下の服薬指導を行うこと
➡p.14
・アセトアミノフェンを含むかぜ薬等とは併用しない
・服用中は飲酒を避ける
・自己判断で増量しない
・残薬は廃棄する
・他人へ譲渡しない
2
1. トラムセット 配合錠の特徴
①トラムセット 配合錠は、トラマドールとアセトアミノフェンの配合錠です。
トラムセット 配合錠は、弱オピオイドのトラマドールと、アセトアミノフェンを配合しています。
作用機序の異なる2つの成分により疼痛改善効果を示します。
成分名
作用機序
トラマドール
①μオピオイド受容体に作用し、神経伝達物質の遊離及び神経の興奮を抑制
する
②シナプス終末のセロトニン・ノルアドレナリンの再取り込みを阻害し、痛
みの抑制にはたらく下行性抑制系を賦活する
アセトアミノフェン
主に中枢に作用し、鎮痛効果を発揮すると考えられている(NSAIDsにみられ
る末梢での抗炎症作用は示さない)
②効能・効果
非オピオイド鎮痛剤で治療困難な下記疾患における鎮痛
非がん性慢性疼痛、抜歯後の疼痛
本剤は、抜歯後の疼痛の中でも、侵襲度の高い手術後の重度の疼痛
(骨切除や歯冠分割を伴う
埋伏智歯抜歯等)
にお使いいただく鎮痛薬です。アセトアミノフェンや非ステロイド性消炎鎮痛薬
(NSAIDs)
で治療可能な痛みは本剤の適応ではありません。海外では、図のように、本剤は位置付け
られています。
3
図:歯科における手術後疼痛治療における薬剤選択(J Am Dent Assoc.2002;133より引用改変)
鎮痛処置が必要か
いいえ
(痛みがない/ほとんどない)
はい
痛みの強さや手術手技による薬物投与
再診断
軽度の痛み
中等度の痛み
・アセトアミノフェン
・低用量の NSAIDs
より重度の痛み
・高用量の NSAIDs、
または
アセトアミノフェン
・オピオイド製剤
+アセトアミノフェン、
または NSAIDs
・トラマドール単剤※
・本剤(トラマドール
+アセトアミノフェン)
・オピオイド製剤
+アセトアミノフェン、
または NSAIDs
・高用量の NSAIDs、
または
アセトアミノフェン
※:本邦での適応は認められていない
再診断
適切に痛みを軽減でき、かつ
副作用がほとんどない/耐えられる
十分に痛みを軽減できないか、
副作用に耐えられない
適切な鎮痛薬の投与量、投与間隔
現行の薬物治療の継続
鎮痛薬の投与量、投与間隔の変更や
他の鎮痛薬の追加
副作用に対する処置の検討
また、本剤はオピオイドに一般的に認められる悪心、嘔吐、傾眠等の副作用が高頻度に発現しま
す
(p.9
「副作用とその対策」
を参照ください)
。本剤のリスクとベネフィットを勘案してお使いいた
だくようお願いします。
③用法・用量
非がん性慢性疼痛:
通常、成人には、1回1錠、1日4回経口投与する。投与間隔は4時間以上空けること。
なお、症状に応じて適宜増減するが、1回2錠、1日8錠を超えて投与しないこと。また、空腹時の投与
は避けることが望ましい。
抜歯後の疼痛:
通常、成人には、1回2錠を経口投与する。
なお、追加投与する場合には、投与間隔を4時間以上空け、1回2錠、1日8錠を超えて投与しないこと。
また、空腹時の投与は避けることが望ましい。
4
2. 使用前に考慮すること
本剤は、トラマドールとアセトアミノフェン両成分の注意点を考慮した上でご使用いただく必要
があります。警告、禁忌、慎重投与、重要な基本的注意、相互作用に留意して本剤の処方をお願い
します。
添付文書設定根拠*
◆警告
トラマ
ドール
1)本剤により重篤な肝障害が発現するおそれがあることに注意し、アセトアミ
ノフェンの1日総量が1500mg(本剤4錠)を超す高用量で長期投与する場合に
は、定期的に肝機能等を確認するなど、慎重に投与すること(
「重要な基本的注
意」の項参照)。
2)本剤とトラマドール又はアセトアミノフェンを含む他の薬剤(一般用医薬品を
含む)との併用により、過量投与に至るおそれがあることから、これらの薬剤
との併用を避けること(「過量投与」の項参照)。
アセト
アミノフェン
○
○
○
アセトアミノフェンはかぜ薬等の一般用医薬品にも含まれていることから、患者に対しては、本
剤服用中は、アセトアミノフェン含有製剤を併用しないようご注意ください。
添付文書設定根拠*
◆禁忌
(次の患者には投与しないこと)
トラマ
ドール
1)アルコール、睡眠剤、鎮痛剤、オピオイド鎮痛剤又は向精神薬による急性中毒
患者[中枢神経抑制及び呼吸抑制を悪化させるおそれがある。]
○
2)モノアミン酸化酵素阻害剤を投与中の患者、又は投与中止後14日以内の患者
(「相互作用」の項参照)
○
3)治療により十分な管理がされていないてんかん患者[症状が悪化するおそれが
ある。]
○
アセト
アミノフェン
4)消化性潰瘍のある患者[症状が悪化するおそれがある。]
○
5)重篤な血液の異常のある患者[重篤な転帰をとるおそれがある。]
○
6)重篤な肝障害のある患者[重篤な転帰をとるおそれがある(「過量投与」の項参
照)。
]
○
7)重篤な腎障害のある患者[重篤な転帰をとるおそれがある。]
○
8)重篤な心機能不全のある患者[循環系のバランスが損なわれ、心不全が増悪す
るおそれがある。]
○
9)アスピリン喘息(非ステロイド製剤による喘息発作の誘発)又はその既往歴の
ある患者[アスピリン喘息の発症にプロスタグランジン合成阻害作用が関与し
ていると考えられる。]
○
10)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
○
*本剤添付文書へ記載時の引用元添付文書薬剤
5
○
◆慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
添付文書設定根拠*
トラマ
ドール
1)オピオイド鎮痛剤を投与中の患者[痙攣閾値の低下や呼吸抑制の増強を来すお
それがある(「相互作用」の項参照)。]
○
2)てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者、あるいは痙攣発作
の危険因子(頭部外傷、代謝異常、アルコール又は薬物の離脱症状、中枢性感
染症等)を有する患者[痙攣発作を誘発することがあるので、本剤投与中は観
察を十分に行うこと。]
○
3)呼吸抑制状態にある患者[呼吸抑制を増強するおそれがある。]
○
4)脳に器質的障害のある患者[呼吸抑制や頭蓋内圧の上昇を来すおそれがある。]
○
5)薬物の乱用又は薬物依存傾向のある患者[依存性を生じやすい。]
○
6)オピオイド鎮痛剤に対し過敏症の既往歴のある患者
○
7)ショック状態にある患者[循環不全や呼吸抑制を増強するおそれがある。]
○
8)肝障害又は腎障害、あるいはそれらの既往歴のある患者[肝機能又は腎機能が
悪化するおそれがある。また、高い血中濃度が持続し、作用及び副作用が増強
するおそれがある(「過量投与」の項参照)。]
○
9)消化性潰瘍の既往歴のある患者[消化性潰瘍の再発を促進するおそれがある。]
アセト
アミノフェン
○
○
10)血液の異常又はその既往歴のある患者[血液障害を起こすおそれがある。]
○
11)出血傾向のある患者[血小板機能異常が起こることがある。]
○
12)心機能異常のある患者[症状が悪化するおそれがある。]
○
13)気管支喘息のある患者[症状が悪化するおそれがある。]
○
14)アルコール多量常飲者[肝障害があらわれやすくなる(「相互作用」の項参照)。]
○
15)絶食・低栄養状態・摂食障害等によるグルタチオン欠乏、脱水症状のある患
者[肝障害があらわれやすくなる。]
○
16)高齢者[「高齢者への投与」の項参照。]
○
*本剤添付文書へ記載時の引用元添付文書薬剤
6
○
添付文書設定根拠*
◆重要な基本的注意
トラマ
ドール
アセト
アミノフェン
1)
本剤は、1錠中にトラマドール塩酸塩
(37.5mg)
及びアセトアミノフェン
(325mg)
を含む配合剤であり、トラマドールとアセトアミノフェン双方の副作用が発現
するおそれがあるため、適切に本剤の使用を検討すること。
○
○
2)連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、慎重に投与
すること(「重大な副作用」の項参照)。
○
3)悪心、嘔吐、便秘等の症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、悪
心・嘔吐に対する対策として制吐剤の併用を、便秘に対する対策として緩下剤
の併用を考慮するなど、適切な処置を行うこと。
○
4)眠気、めまい、意識消失が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車
の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。なお、意識
消失により自動車事故に至った例も報告されている。
○注)
5)感染症を不顕性化するおそれがあるので、観察を十分に行うこと。
○
6)重篤な肝障害が発現するおそれがあるので注意すること。アセトアミノフェン
の1日総量が1500mg(本剤4錠)を超す高用量で長期投与する場合には定期的に
肝機能検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。高用量でなくとも長期
投与する場合にあっては定期的に肝機能検査を行うことが望ましい。また、高
用量で投与する場合などは特に患者の状態を十分に観察するとともに、異常が
認められた場合には、減量、休薬等の適切な措置を講じること。
○
7)鎮痛剤による治療は原因療法ではなく、対症療法であることに留意すること。
○
○
注)
本剤で認められた副作用
◆相互作用
トラマドールは、主に薬物代謝酵素
(CYP2D6及びCYP3A4)
によって代謝される。
1)
併用禁忌
(併用しないこと)
添付文書設定根拠*
薬剤名等
臨床症状・措置方法
トラマ
ドール
モノアミン酸化酵素阻害剤
セレギリン塩酸塩
エフピー
外国において、セロトニン症候群(錯乱、激越、発
熱、発汗、運動失調、反射異常亢進、ミオクロー
ヌス、下痢等)を含む中枢神経系(攻撃的行動、固
縮、痙攣、昏睡、頭痛)、呼吸器系(呼吸抑制)及び
心血管系(低血圧、高血圧)の重篤な副作用が報告
されている。モノアミン酸化酵素阻害剤を投与中
の患者及び投与中止後14日以内の患者には投与
しないこと。また、本剤投与中止後にモノアミン
酸化酵素阻害剤の投与を開始する場合には、2∼
3日間の間隔を空けることが望ましい。
○
*本剤添付文書へ記載時の引用元添付文書薬剤
7
アセト
アミノフェン
2)
併用注意
(併用に注意すること)
添付文書設定根拠*
臨床症状・措置方法
トラマ
ドール
オピオイド鎮痛剤
中枢神経抑制剤
フェノチアジン系薬剤
催眠鎮静剤等
痙攣閾値の低下や呼吸抑制の増強を来すおそれ
がある。
○
三環系抗うつ剤
セロトニン作用薬
選択的セロトニン再取り
込み阻害剤(SSRI)等
セロトニン症候群(錯乱、激越、発熱、発汗、運動
失調、反射異常亢進、ミオクローヌス、下痢等)が
あらわれるおそれがある。また、痙攣発作の危険
性を増大させるおそれがある。
○
カルバマゼピン
フェノバルビタール
フェニトイン
プリミドン
リファンピシン
イソニアジド
トラマドールの血中濃度が低下し作用が減弱す
る可能性がある。
また、これらの薬剤の長期連用者では肝代謝酵素
が誘導され、アセトアミノフェン代謝物による肝
障害を生じやすくなるとの報告がある。
○
○
アルコール(飲酒)
呼吸抑制が生じるおそれがある。
また、アルコール多量常飲者がアセトアミノフェン
を服用したところ肝不全を起こしたとの報告がある。
○
○
キニジン
相互に作用が増強するおそれがある。
○
クマリン系抗凝血剤
ワルファリン
出血を伴うプロトロンビン時間の延長等のクマ
リン系抗凝血剤の作用を増強することがある。
○
ジゴキシン
ジゴキシン中毒が発現したとの報告がある。
○
オンダンセトロン塩酸塩水
和物
本剤の鎮痛作用を減弱させるおそれがある。
○
ブプレノルフィン
ペンタゾシン等
本剤の鎮痛作用を減弱させるおそれがある。ま
た、退薬症候を起こすおそれがある。
○
薬剤名等
エチニルエストラジオール
含有製剤
アセト
アミノフェン
○
アセトアミノフェンの血中濃度が低下するおそ
れがある。
○
エチニルエストラジオールの血中濃度が上昇す
るおそれがある。
○
*本剤添付文書へ記載時の引用元添付文書薬剤
8
3. 副作用とその対策
抜歯後疼痛では、多くの場合、頓用による短期間の使用が想定されますが、重大な副作用が発現
するリスクがないわけではありません。また、オピオイドに一般的に認められる悪心、嘔吐、傾眠
等に関しては、抜歯後疼痛での処方の際にも高頻度で発現します。本剤の副作用リスクをご確認の
上、本剤の適切なご使用をお願いします。
(1)
重大な副作用
本剤の成分であるトラマドールとアセトアミノフェンには、以下の重大な副作用が報告されて
います。本剤使用時にもご注意ください。
添付文書設定根拠*
トラマ
ドール
アセト
アミノフェン
(1)ショック、アナフィラキシー(頻度不明):
ショック、アナフィラキシー(呼吸困難、喘鳴、血管浮腫、蕁麻疹等)があら
われることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ち
に投与を中止し、適切な処置を行うこと。
○
○
(2)痙攣(0.2%):
痙攣があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場
合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
○
(3)意識消失(0.2%):
意識消失があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められ
た場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
(4)依存性(頻度不明):
長期使用時に、耐性、精神的依存及び身体的依存が生じることがあるので、
観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止すること。本剤の
中止又は減量時において、激越、不安、神経過敏、不眠症、運動過多、振戦、
胃腸症状、パニック発作、幻覚、錯感覚、耳鳴等の退薬症候が生じることが
あるので、適切な処置を行うこと。また、薬物乱用又は薬物依存傾向のある
患者では、厳重な医師の管理下に、短期間に限って投与すること。
○注)
○
中毒性表皮壊死融解症
(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)
、皮膚粘膜眼症候群
(5)
(Stevens-Johnson症候群)
、急性汎発性発疹性膿疱症
(頻度不明)
:
中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、急性汎発性発疹性膿疱症があら
われることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与
を中止し、適切な処置を行うこと。
○
(6)間質性肺炎(頻度不明):
間質性肺炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、咳嗽、呼吸困
難、発熱、肺音の異常等が認められた場合には、速やかに胸部X線、胸部CT 、
血清マーカー等の検査を実施すること。異常が認められた場合には投与を
中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
○
注)
本剤で認められた副作用
*本剤添付文書へ記載時の引用元添付文書薬剤
9
添付文書設定根拠*
トラマ
ドール
アセト
アミノフェン
(7)間質性腎炎、急性腎不全(頻度不明):
間質性腎炎、急性腎不全があらわれることがあるので、観察を十分に行い、
異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
○
(8)喘息発作の誘発(頻度不明):
喘息発作を誘発することがある。
○
(9)劇症肝炎、肝機能障害、黄疸(頻度不明):
劇症肝炎、AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸
があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合に
は投与を中止し、適切な処置を行うこと。
○
(10)顆粒球減少症(頻度不明):
顆粒球減少症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認め
られた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
○
*本剤添付文書へ記載時の引用元添付文書薬剤
(2)
主な副作用
慢性疼痛及び抜歯後疼痛患者を
対象に実施された本剤の国内臨床
試験1)∼3)では、安全性評価対象症例
599例中486例
(81.1%)
に副作用
(臨
床検査値異常を含む)
が認められま
した。主なものは、悪心、嘔吐、傾
眠、便秘、浮動性めまい等で、オピ
オイドに特有の副作用でした。これ
らの副作用を考慮して本剤投与の
必要性をご判断ください。
表:国内臨床試験における発現率5%以上の副作用
(n=599)
副作用の種類
発現例数(%)
悪心
248(41.4)
嘔吐
157(26.2)
傾眠
155(25.9)
便秘
127(21.2)
浮動性めまい※1
113(18.9)
頭痛
48(8.0)
胃不快感
35(5.8)
そう痒症
35(5.8)
異常感※2
33(5.5)
γ-GTP増加
30(5.0)
※1浮動性めまい:体がふわふわする感じのめまい
※2異常感:気分不良、浮遊感
1)国内第Ⅱ/Ⅲ相臨床試験 :JNS013-JPN-03(社内資料)
[J900537]
2)国 内 第 Ⅲ 相 臨 床 試 験:JNS013-JPN-04(社内資料)
[J900535]
3)国 内 第 Ⅲ 相 臨 床 試 験:JNS013-JPN-05(社内資料)
[J900536]
10
(3)
悪心・嘔吐、傾眠、便秘に対する対策
①悪心・嘔吐
オピオイドによる悪心・嘔吐は投与開始時や増量時に多く発現しますが、減量及び制吐薬の
投与
(下表)
によって症状を抑えることが可能です。投与開始時には必要に応じて制吐薬を処方
し、症状が発現したら服用するように、あるいは症状が重い場合には対処の方法について医師又
は看護師に相談するよう、ご指導ください。
表:主な制吐薬
一般名
剤形
メトクロプラミド
錠
1回5∼10mg 、1日3回食前
注
1回10∼20mg 、1日1∼2回静注
錠・細粒
ドンペリドン
用量(成人)
坐剤
ジフェンヒドラミン・ジプロフィリン
錠
プロクロルペラジン
錠
1回10mg 、1日3回食前
1回60mg 、1日2回
1回1錠、1日3回
1回5∼10mg 、1日3回
監修:日本大学総合科学研究所 教授 小川節郎先生
②傾眠
オピオイドによる傾眠の多くは投与開始時や増量時に発現し、投与量が多くなるにつれて強
くなる傾向があります。眠気を訴える患者には、自動車の運転や危険を伴う機械の操作に従事し
ないようご指導ください。
③便秘
消化管にはオピオイド受容体が存在しており、オピオイドを投与すると消化管の運動と分泌
が抑制されるため、投与後に便秘を来すことがあります。便秘が発現した場合は、下剤
(下表)
を
継続的に投与する等の対策を行ってください。
表:主な下剤
一般名
剤形
センノシド
ピコスルファートナトリウム
酸化マグネシウム
炭酸水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム
錠
1日1∼4錠
錠
1日1∼3錠
液
1日5∼15滴
末
1日1∼3g
坐剤
グリセリン浣腸
用量(成人)
液
1日1∼2個、1日1∼2回
1日30∼150mL 、直腸注入
監修:日本大学総合科学研究所 教授 小川節郎先生
11
(4)
その他、留意すべき副作用
①薬物依存
慢性疼痛及び抜歯後疼痛患者を対象に実施された本剤の国内臨床試験では、依存及び乱用は
報告されていません。
米国では、1995年からトラマドール
(経口薬)
が、2001年から本剤がそれぞれ発売されており、
以降、全国的なネットワークを通じて依存や乱用の発現状況をモニタリングするプログラムが
実施されています。
このデータベースによると、2年間における本剤の依存及び乱用発現の頻度は、10万人あたり
0.25件であり、トラマドール単剤よりも有意に低い頻度でした
(p<0.001、Poisson regression法
による解析)
。また、依存及び乱用発現者の94%は、アルコール又は薬物の乱用歴を有していま
した。
処方時には残薬の状況をご確認いただき、処方量が必要量を上回らないように考慮してくだ
さい。服薬中の患者については、依存の兆候がないかを確認することも有用です。
②退薬症候
連用中のトラマドールの急な中止により、退薬症候
(不安、発汗、不眠症、悪寒、疼痛、振戦、
下痢、上気道の症状、立毛、まれに幻覚、非常にまれにパニック発作、重度の不安、錯覚等)
があ
らわれることがあります。これらの症状は徐々に減量することで軽減されることがあるため、本
剤の投与を中止する際には漸減を考慮してください。
《用法・用量に関連する使用上の注意》
(抜粋)
2. 投与の中止
慢性疼痛患者において、本剤の投与を必要としなくなった場合は、退薬症候の発現を防ぐために
徐々に減量すること。
③肝障害
アセトアミノフェンを1回1000mg 、1日4000mgを超える高用量で投与したとき、急性肝障害
を来す可能性が高まる報告があります*。本剤を1回2錠、1日8錠投与したときのアセトアミノ
フェンの投与量は、1回650mg 、1日2600mgになります。
本剤とアセトアミノフェンを含む他の薬剤
(一般用医薬品を含む)
との併用により、アセトアミ
ノフェンの過量投与による重篤な肝障害が発現するおそれがありますので、特に総合感冒剤や
解熱鎮痛剤等の配合剤を併用する場合は、アセトアミノフェンが含まれていないかを確認し、含
まれている場合は併用を避けてください。また、患者に対しても、アセトアミノフェンを含む他
の薬剤と併用しないよう、指導してください。
* http://www.fda.gov/AdvisoryCommittees/Calendar/ucm143083.htm(2011年7月時点)
12
④過量投与
トラマドールの過量投与により、呼吸抑制、嗜眠、昏睡、痙攣発作、心停止等の重篤な症状を
来すことがあります。また、トラマドールの高用量投与時に麻酔薬を併用したり、アルコールを
摂取したりすると、呼吸抑制を起こすおそれがあります。
アセトアミノフェンの大量投与により、重篤な急性肝障害を来すおそれがあります。また、
過量投与では、胃腸障害、食欲不振、悪心、嘔吐、倦怠感、蒼白、発汗等があらわれることがあ
ります。
本剤を過量投与した場合は、緊急処置として、気道を確保し、症状に応じた呼吸管理と循環の
管理を行ってください。また必要に応じて活性炭の投与等適切な処置も検討してください。
トラマドールの過量投与による呼吸抑制等の症状が疑われる場合、ナロキソンが有効な場合
がありますが、痙攣発作を誘発するおそれがあるのでご注意ください。なお、トラマドールは透
析ではほとんど除去されません。
アセトアミノフェンの過量投与による症状が疑われる場合は、アセチルシステインの投与を
考慮してください。
⑤間質性肺炎
アセトアミノフェンの単一製剤において、間質性肺炎に関して因果関係の否定できない副作
用症例が集積したことから、アセトアミノフェン含有製剤に共通の注意事項として記載されまし
たが、本剤においても間質性肺炎の発現例が報告されています。本剤投与中は観察を十分に行
い、咳嗽、呼吸困難、発熱、肺音の異常等が認められた場合には、速やかに胸部X線、胸部CT 、血
清マーカー等の検査を実施し、薬剤の中止等、適切な処置を行ってください。
⑥意識消失
本剤服用中には意識消失関連事象
(意識消失、意識レベルの低下)
が発現することがあるので、
観察を十分に行ってください。本剤の副作用として、悪心、浮動性めまい等の症状があらわれる
ことが知られていますが、意識消失が発現した症例では、意識消失の前にこれらの症状が強く発
現している例もあります。異常が認められた場合には本剤の投与を中止し、適切な処置を行って
ください。
また、本剤服用後に自動車を運転し、意識消失の発現により自動車事故に至った例も報告され
ているため、本剤服用中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう、
指導してください。
13
(5)
患者への服薬指導
以下について患者への服薬指導を行ってください。
◆アセトアミノフェンを含むかぜ薬等とは併用しない
◆服用中は飲酒を避ける
アセトアミノフェンを含むかぜ薬等との併用や服用中の飲酒は、副作用を誘発するおそ
れがあるため、行わないよう指導してください。
◆残薬は廃棄する
抜歯後疼痛に対する本剤の適用では、多くの場合、頓用による短期間の使用が想定され
ますが、症状の改善により残薬が発生する可能性が考えられます。処方量が必要量を上
回らないようにご注意いただくとともに、残薬が発生した場合は廃棄するよう指導して
ください。
◆自己判断で増量しない
◆他人へ譲渡しない
抜歯後疼痛治療以外の目的で本剤を使用しないことを説明するとともに、自己判断で増
量しないこと、本剤を他人へ渡すことのないよう、注意を促してください。
なお、患者向け指導せんに服薬時の注意事項をまとめた資料
「トラムセット®配合錠を服用され
る患者さんへ」
を用意しております。本剤を処方する際には、必ず本資料を患者に渡した上で服薬
指導を行うようにしてください。
その他の副作用、注意事項に関しては、添付文書、巻末のDI情報をご参照ください。
14
MEMO
15
MEMO
16
4.
Drug Information
日本標準商品分類番号
承
認
番
号
承
認
年
月
再 審 査 期 間
薬 価 収 載 年 月
販 売 開 始 年 月
国 際 誕 生 年 月
使
用
期
限
貯
法
【警
871149
22300AMX00552000
2011 年 4 月
6 年(2017 年 4 月満了)
2011 年 7 月
2011 年 7 月
2001 年 8 月
包装に表示
室温保存
告】
1)
本剤により重篤な肝障害が発現するおそれがあることに注意し、アセトアミノフェンの 1 日総量
が 1500mg(本剤 4 錠)
を超す高用量で長期投与する場合には、定期的に肝機能等を確認す
るなど、慎重に投与すること
(「重要な基本的注意」の項参照)
。
2)
本剤とトラマドール又はアセトアミノフェンを含む他の薬剤(一般用医薬品を含む)
との併用に
より、過量投与に至るおそれがあることから、これらの薬剤との併用を避けること
(「過量投与」
の項参照)。
【禁忌(次の患者には投与しないこと)】
1)
アルコール、睡眠剤、鎮痛剤、オピオイド鎮痛剤又は向精神薬による急性中毒患者[中枢神
経抑制及び呼吸抑制を悪化させるおそれがある。]
2)
モノアミン酸化酵素阻害剤を投与中の患者、又は投与中止後 14 日以内の患者(「相互作用」
の項参照)
3)
治療により十分な管理がされていないてんかん患者[症状が悪化するおそれがある。]
4)
消化性潰瘍のある患者[症状が悪化するおそれがある。]
5)
重篤な血液の異常のある患者[重篤な転帰をとるおそれがある。]
6)
重篤な肝障害のある患者[重篤な転帰をとるおそれがある
(「過量投与」の項参照)
。]
7)
重篤な腎障害のある患者[重篤な転帰をとるおそれがある。]
8)
重篤な心機能不全のある患者[循環系のバランスが損なわれ、心不全が増悪するおそれが
ある。]
9)
アスピリン喘息
(非ステロイド製剤による喘息発作の誘発)又はその既往歴のある患者
[アス
ピリン喘息の発症にプロスタグランジン合成阻害作用が関与していると考えられる。]
10)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
【組 成・性 状】
販売名
トラムセット ®配合錠
成分・含量
(1 錠中)
トラマドール塩酸塩 37.5mg
アセトアミノフェン325mg
添加物
粉末セルロース、アルファー化デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、
トウモロコシデンプン、
ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、酸化チタン、マクロゴール 400、黄色三二酸化鉄、
ポリソルベート80、カルナウバロウ
色・剤形
淡黄色のフィルムコーティング錠
表面
裏面
側面
外形
大きさ
長径(mm)
短径(mm)
厚さ
(mm)
重量
(mg)
15.5
6.3
5.5
441
J-C T/P
識別記号
【効 能・効 果】
非オピオイド鎮痛剤で治療困難な下記疾患における鎮痛
非がん性慢性疼痛
抜歯後の疼痛
《効能・効果に関連する使用上の注意》
慢性疼痛患者においては、その原因となる器質的病変、心理的・社会的要因、依存リスクを含めた包括的な診断を行い、本剤の投
与の適否を慎重に判断すること。
【用 法・用 量】
非がん性慢性疼痛:
通常、成人には、1 回 1 錠、1 日 4 回経口投与する。投与間隔は 4 時間以上空けること。
なお、症状に応じて適宜増減するが、1 回 2 錠、1 日 8 錠を超えて投与しないこと。また、空腹時の投与は避けることが望ましい。
抜歯後の疼痛:
通常、成人には、1 回 2 錠を経口投与する。
なお、追加投与する場合には、投与間隔を4 時間以上空け、1 回 2 錠、1 日 8 錠を超えて投与しないこと。また、空腹時の投与は避
けることが望ましい。
《用法・用量に関連する使用上の注意》
1.投与の継続
慢性疼痛患者において、本剤投与開始後 4 週間を経過してもなお期待する効果が得られない場合は、他の適切な治療への変更
を検討すること。また、定期的に症状及び効果を確認し、投与の継続の必要性について検討すること。
2.投与の中止
慢性疼痛患者において、本剤の投与を必要としなくなった場合は、退薬症候の発現を防ぐために徐々に減量すること。
【使用上の注意】
1. 慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)
1)
オピオイド鎮痛剤を投与中の患者[痙攣閾値の低下や呼吸抑制の増強を来すおそれがある
(「相互作用」の項参照)
。]
2)
てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者、あるいは痙攣発作の危険因子(頭部外傷、代謝異常、アルコール
又は薬物の離脱症状、中枢性感染症等)
を有する患者[痙攣発作を誘発することがあるので、本剤投与中は観察を十分に行う
こと。]
3)呼吸抑制状態にある患者
[呼吸抑制を増強するおそれがある。]
4)脳に器質的障害のある患者[呼吸抑制や頭蓋内圧の上昇を来すおそれがある。]
5)薬物の乱用又は薬物依存傾向のある患者[依存性を生じやすい。]
6)
オピオイド鎮痛剤に対し過敏症の既往歴のある患者
7)
ショック状態にある患者[循環不全や呼吸抑制を増強するおそれがある。]
8)肝障害又は腎障害、あるいはそれらの既往歴のある患者[肝機能又は腎機能が悪化するおそれがある。また、高い血中濃度が
持続し、作用及び副作用が増強するおそれがある
(「過量投与」及び「薬物動態」の項参照)
。]
9)消化性潰瘍の既往歴のある患者[消化性潰瘍の再発を促進するおそれがある。]
10)血液の異常又はその既往歴のある患者[血液障害を起こすおそれがある。]
11)出血傾向のある患者
[血小板機能異常が起こることがある。]
12)心機能異常のある患者[症状が悪化するおそれがある。]
13)気管支喘息のある患者[症状が悪化するおそれがある。]
14)
アルコール多量常飲者[肝障害があらわれやすくなる
(「相互作用」の項参照)
。]
15)絶食・低栄養状態・摂食障害等によるグルタチオン欠乏、脱水症状のある患者
[肝障害があらわれやすくなる。]
16)高齢者[「高齢者への投与」の項参照]
2. 重要な基本的注意
1)本剤は、1 錠中にトラマドール塩酸塩(37.5mg)及びアセトアミノフェン
(325mg)
を含む配合剤であり、
トラマドールとアセト
アミノフェン双方の副作用が発現するおそれがあるため、適切に本剤の使用を検討すること。
2)連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、慎重に投与すること
(「重大な副作用」の項参照)
。
3)悪心、嘔吐、便秘等の症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、悪心・嘔吐に対する対策として制吐剤の併用を、
便秘に対する対策として緩下剤の併用を考慮するなど、適切な処置を行うこと。
4)眠気、めまい、意識消失が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させな
いよう注意すること。なお、意識消失により自動車事故に至った例も報告されている。
5)感染症を不顕性化するおそれがあるので、観察を十分に行うこと。
6)重篤な肝障害が発現するおそれがあるので注意すること。アセトアミノフェンの 1 日総量が 1500mg(本剤 4 錠)
を超す高用
量で長期投与する場合には定期的に肝機能検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。高用量でなくとも長期投与する
場合にあっては定期的に肝機能検査を行うことが望ましい。また、高用量で投与する場合などは特に患者の状態を十分に観察
するとともに、異常が認められた場合には、減量、休薬等の適切な措置を講じること。
7)鎮痛剤による治療は原因療法ではなく、対症療法であることに留意すること。
3. 相互作用
トラマドールは、主に薬物代謝酵素(CYP2D6 及び CYP3A4)
によって代謝される。
1)併用禁忌(併用しないこと)
薬剤名等
モノアミン酸化酵素阻害剤
セレギリン塩酸塩
エフピー
臨床症状・措置方法
機序・危険因子
外国において、セロトニン症候群(錯乱、激越、発熱、発汗、 相加的に作用が増強され、また、中枢神経の
運動失調、反射異常亢進、
ミオクローヌス、下痢等)を含む中 セロトニンが蓄積すると考えられる。
枢神経系(攻撃的行動、
固縮、
痙攣、
昏睡、
頭痛)、
呼吸器系(呼
吸抑制)及び心血管系(低血圧、高血圧)の重篤な副作用が
報告されている。モノアミン酸化酵素阻害剤を投与中の患者
及び投与中止後14日以内の患者には投与しないこと。また、
本剤投与中止後にモノアミン酸化酵素阻害剤の投与を開始
する場合には、2〜3日間の間隔を空けることが望ましい。
2)併用注意(併用に注意すること)
臨床症状・措置方法
機序・危険因子
オピオイド鎮痛剤
中枢神経抑制剤
フェノチアジン系薬剤
催眠鎮静剤等
薬剤名等
痙攣閾値の低下や呼吸抑制の増強を来すおそれがある。
中枢神経抑制作用が相加的に増強されると
考えられる。
三環系抗うつ剤
セロトニン作用薬
選 択的セロトニン再取り
込み阻害剤(SSRI)等
セロトニン症候群(錯乱、激越、発熱、発汗、運動失調、反 相加的に作用が増強され、また、中枢神経の
射異常亢進、ミオクローヌス、下痢等)
があらわれるおそれ セロトニンが蓄積すると考えられる。
がある。また、痙攣発作の危険性を増大させるおそれがあ
る。
カルバマゼピン
フェノバルビタール
フェニトイン
プリミドン
リファンピシン
イソニアジド
トラマドールの血中濃度が低下し作用が減弱する可能性が
ある。
また、これらの薬剤の長期連用者では肝代謝酵素が誘導
され、アセトアミノフェン代謝物による肝障害を生じやすく
なるとの報告がある。
アルコール(飲酒)
相加的に作用が増強されると考えられる。
呼吸抑制が生じるおそれがある。
また、アルコール多量常飲者がアセトアミノフェンを服用 アルコール常飲によるCYP2E1 の誘導によ
り、アセトアミノフェンから肝毒性を持つN したところ肝不全を起こしたとの報告がある。
アセチル -p - ベンゾキノンイミンへの代謝が
促進される。
これらの薬剤の肝代謝酵素誘導作用により、
トラマドールの代謝が促進される。また、ア
セトアミノフェンから肝毒性を持つN - アセチ
ル -p - ベンゾキノンイミンへの代謝が促進さ
れる。
キニジン
相互に作用が増強するおそれがある。
クマリン系抗凝血剤
ワルファリン
出血を伴うプロトロンビン時間の延長等のクマリン系抗凝 機序不明
血剤の作用を増強することがある。
機序不明
ジゴキシン
ジゴキシン中毒が発現したとの報告がある。
機序不明
オンダンセトロン塩酸
塩水和物
本剤の鎮痛作用を減弱させるおそれがある。
本剤の中枢におけるセロトニン作用が抑制さ
れると考えられる。
ブプレノルフィン
ペンタゾシン等
本剤の鎮痛作用を減弱させるおそれがある。また、退薬症 本剤が作用するμ-オピオイド受容体の部分
候を起こすおそれがある。
アゴニストであるため。
薬剤名等
臨床症状・措置方法
機序・危険因子
エチニルエストラジオール アセトアミノフェンの血中濃度が低下するおそれがある。
含有製剤
エチニルエストラジオールは肝におけるア
セトアミノフェンのグルクロン酸抱合を促
進すると考えられる。
エチニルエストラジオールの血中濃度が上昇するおそれ アセトアミノフェンはエチニルエストラジオー
がある。
ルの硫酸抱合を阻害すると考えられる。
4. 副作用
慢性疼痛及び抜歯後疼痛を有する患者を対象に実施した国内臨床試験における安全性評価対象症例 599 例中 486 例
(81.1%)に副作用
(臨床検査値異常を含む)が認められた。主なものは、悪心 248 例
(41.4%)
、嘔吐 157 例
(26.2%)
、傾
眠 155 例(25.9%)、便秘 127 例(21.2%)、浮動性めまい 113 例(18.9%)
であった。
(承認時)
1)重大な副作用
※※
(1)
シ
ョック、アナフィラキシー(頻度不明)
:ショック、アナフィラキシー(呼吸困難、喘鳴、血管浮腫、蕁麻疹等)
があらわれる
ことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
(2)痙攣(0.2%)
: 痙攣があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処
置を行うこと。
(3)
意
識消失(0.2%)
: 意識消失があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、
適切な処置を行うこと。
(4)依存性(頻度不明)
: 長期使用時に、耐性、精神的依存及び身体的依存が生じることがあるので、観察を十分に行い、異常
が認められた場合には投与を中止すること。本剤の中止又は減量時において、激越、不安、神経過敏、不眠症、運動過多、
振戦、胃腸症状、パニック発作、幻覚、錯感覚、耳鳴等の退薬症候が生じることがあるので、適切な処置を行うこと。また、
薬物乱用又は薬物依存傾向のある患者では、厳重な医師の管理下に、短期間に限って投与すること。
(5)中 毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson 症候群)、
急性汎発性発疹性膿疱症
(頻度不明)
:中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、急性汎発性発疹性膿疱症があらわれる
ことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
(6)
間質性肺炎(頻度不明)
: 間質性肺炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、咳嗽、呼吸困難、発熱、肺音の異
常等が認められた場合には、速やかに胸部 X 線、胸部 CT、血清マーカー等の検査を実施すること。異常が認められた場合
には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
(7)間質性腎炎、急性腎不全(頻度不明)
: 間質性腎炎、急性腎不全があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が
認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
(8)喘息発作の誘発(頻度不明)
:喘息発作を誘発することがある。
(9)劇 症肝炎、肝機能障害、黄疸(頻度不明)
: 劇症肝炎、AST(GOT)、ALT(GPT)
、γ-GTP の上昇等を伴う肝機能障害、
黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
(10)顆粒球減少症(頻度不明)
: 顆粒球減少症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投
与を中止し、適切な処置を行うこと。
※※
その他の副作用
※ 2)
5%以上
1%以上 5%未満
感染症および
寄生虫症
1%未満
血液および
リンパ系障害
貧血
代謝および
栄養障害
食欲不振
高脂血症、低血糖症
精神障害
不眠症
不安、幻覚
神経系障害
傾 眠(25.9 % )、 味覚異常
浮 動 性めまい
(18.9% )、頭痛
視覚異常
耳および
迷路障害
耳不快感、耳鳴、回転性めまい
心臓障害
呼吸器、胸郭
および縦隔障害
胃腸障害
錯乱、多幸症、神経過敏、
健忘、離人症、
うつ病、薬
物乱用、
インポテンス、悪
夢、異常思考、せん妄
筋緊張亢進、感覚鈍麻、錯感覚、 運動失調、昏迷、会話障
注意力障害、振戦、筋不随意運動、 害、運動障害
第 4 脳神経麻痺、片頭痛
眼障害
血管障害
頻度不明注 )
腎盂腎炎
動悸
高血圧、ほてり
縮瞳、散瞳
不整脈、頻脈
低血圧
呼吸困難、嗄声
悪 心(41.4 % )、 腹痛、下痢、口内炎、口内乾燥、消 逆流性食道炎、口唇炎、胃腸障害、 嚥下障害、舌浮腫
腹部膨満、胃潰瘍、鼓腸、
メレナ、上
嘔 吐(26.2 % )、 化不良、胃炎
部消化管出血
便 秘(21.2 % )、
胃不快感
5%以上
肝胆道系障害
肝機能検査異常
皮膚および
皮下組織障害
そう痒症
腎および
尿路障害
全身障害および
投与局所様態
臨床検査
異常感
1%以上 5%未満
1%未満
頻度不明注 )
発疹、多汗症、冷汗
排尿困難
アルブミン尿、尿閉
乏尿
口渇、倦怠感、発熱、浮腫
胸部不快感、無力症、悪寒
疲労、胸痛、失神、離脱
症候群
体 重 減 少、血 中 CPK 増 加、血 中
尿素増加、血中トリグリセリド増加、
血中ビリルビン増加、尿中血陽性、
尿中ブドウ糖陽性
好酸球数増加、白血球数増加、ヘ
モグロビン減少、尿中蛋白陽性、
血中クレアチニン増加、血中ブドウ
糖増加、血小板数増加、血中クレ
アチニン減少、血中尿酸増加、好
中球百分率増加
転倒・転落
傷害、中毒および
処置合併症
注)
外国で報告されており、国内でも発生が予測される副作用
5. 高齢者への投与
一般的に高齢者では生理機能が低下していることが多く、代謝・排泄が遅延し副作用があらわれやすいので、患者の状態を観察し
ながら慎重に投与すること。
6. 妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1)妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
[妊娠
中の投与に関する安全性は確立していない。
トラマドールは胎盤関門を通過し、新生児に痙攣発作、身体的依存及び退薬症候、
並びに胎児死亡及び死産が報告されている。また、動物実験で、
トラマドールは器官形成、骨化及び出生児の生存に影響を及ぼ
すことが報告されている。]
2)妊娠後期の婦人へのアセトアミノフェンの投与により胎児に動脈管収縮を起こすことがある。
3)
アセトアミノフェンは妊娠後期のラットで胎児に軽度の動脈管収縮を起こすことが報告されている。
4)授乳中の婦人に投与することを避け、やむを得ず投与する場合には、授乳を中止すること。
[トラマドールは、乳汁中へ移行する
ことが報告されている。]
7. 小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児における安全性は確立していない。
8. 過量投与
徴候、症状:
ト
ラマドールの過量投与による重篤な症状は、呼吸抑制、嗜眠、昏睡、痙攣発作、心停止である。
アセトアミノフェンの大量投与により、肝毒性のおそれがある。また、アセトアミノフェンの過量投与時に肝臓・腎臓・心筋の壊
死が起こったとの報告がある。過量投与による主な症状は、胃腸過敏症、食欲不振、悪心、嘔吐、倦怠感、蒼白、発汗等である。
処置:
緊急処置として、気道を確保し、症状に応じた呼吸管理と循環の管理を行うこと。必要に応じて活性炭の投与等適切な処置を行う。
トラマドールの過量投与による呼吸抑制等の症状が疑われる場合には、ナロキソンが有効な場合があるが、痙攣発作を誘発する
おそれがある。また、
トラマドールは透析によりほとんど除去されない。
アセトアミノフェンの過量投与による症状が疑われる場合には、アセチルシステインの投与を考慮すること。
9. 適用上の注意
薬剤交付時
PTP 包装の薬剤は PTPシートから取り出して服用するよう指導すること。
[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺
入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
10. その他の注意
1)
アセトアミノフェンの類似化合物(フェナセチン)の長期投与により、血色素異常を起こすことがある。
2)腎盂及び膀胱腫瘍の患者を調査したところ、類似化合物(フェナセチン)製剤を長期・大量に使用(例:総服用量 1.5 〜 27kg、
服用期間 4 〜 30 年)
していた人が多いとの報告がある。また、類似化合物(フェナセチン)の長期・大量投与した動物実験で、
腫瘍発生が認められたとの報告がある。
3)非ステロイド性消炎鎮痛剤を長期投与されている女性において、一時的な不妊が認められたとの報告がある。
【包 装】
トラムセット®配合錠:100 錠(10 錠×10)、500 錠(10 錠×50)、500 錠(バラ)
■詳細は製品添付文書等をご参照ください。
■添付文書の改訂にご留意ください。
※※2014 年 9 月改訂
(下線部分)
(第 6 版)
※2013 年 7 月改訂
©Janssen Pharmaceutical K.K. 2014
TRC-0039
TRC.Gi032.2_3
2014年12月