平成29年度沖縄県離島航空路確保維持計画 1.地域公共交通確保維持事業に係る目的・必要性 【目的】 本県の離島航空路のうち、那覇-与那国路線を離島航空路確保維持計画の対象路線とし、離島住民の生活 を支える重要な輸送手段を確保維持するため、離島航空路に係る地域公共交通確保維持改善事業を実施す る。 【必要性】 上記路線は、当該離島と拠点となる地点間を結ぶ重要な路線であり、離島住民の日常生活に欠かせない生 活路線となっているほか、観光客の移動手段としても利用されている。 しかしながら、当該離島の人口規模は小さく、また、近年、人口が減少傾向にあり、現状の輸送実績では 航空事業としての採算がとれない状況となっている。 このような状況が続くと路線維持が困難となり、島民の生活上必要な移動手段のみならず、観光産業等の 地域振興にも影響を与えかねない状況となるため、路線維持のための措置を講ずる必要がある。 【補助対象路線の旅客実績及び見込】 平成26年度(実績) 平成27年度(実績) 平成28年度(見込) 対象路線 提供座席 旅客実績 搭乗率 提供座席 旅客実績 搭乗率 提供座席 旅客実績 搭乗率 那覇-与那国路線 27,924 (RAC) 14,967 53.6% 27,534 22,031 80.0% 27,378 15,897 58.1% (注)平成28年度(見込)は、平成28年度沖縄県離島航空路確保維持計画に記載した数値である。 【補助対象路線における離島住民の割合】 平成25年度(実績) 平成26年度(実績) 平成27年度(実績) 対象路線 旅客総数 離島住民 那覇-与那国路線 13,271 (RAC) 2,528 割合 19.0% 旅客総数 離島住民 14,967 2,140 割合 14.3% 旅客総数 離島住民 22,031 2,592 割合 11.8% 沖縄県では、平成24年4月から、離島住民の割高な移動コストを低減し、住み慣れた島で安心して暮らし 続けることができるよう定住条件の整備を図り、離島地域の活力の維持向上を図ることを目的に、離島住 民等の航空運賃を約4割低減する「沖縄離島住民等交通コスト負担軽減事業」を実施している。 また、病院や高校がない小規模離島(南大東村、北大東村、粟国村、多良間村、与那国町)では、地域 の活性化を図るため、特例的に観光客等の交流人口の航空運賃を約3割低減。 【沖縄離島住民等交通コスト負担軽減事業適用後の運賃額】 離島住民向け運賃(円) 対象路線 従来 運賃 那覇-与那国路線 22,150 (RAC) 低減後 運賃 低減額 低減割合 13,300 8,850 40.0% 交流人口向け運賃(円) 従来 運賃 低減後 運賃 低減額 低減割合 27,850 19,550 8,300 29.8% 2.地域公共交通確保維持事業に係る定量的な目標・効果 【目標】 那覇-与那国路線を維持し、当該離島住民及び観光客等の移動手段を確保することとし、対象1路線で下記の 輸送量等を目標とする。 平成29年4月1日~平成30年3月31日 対象路線 提供座席数(席) 運航回数(回) 旅客輸送量(人) 搭乗率 貨物輸送量(kg) 那覇-与那国路線 (RAC) 35,050 701 16,756 47.8% 179,125 合計 35,050 701 16,756 47.8% 179,125 【旅客数推移(平成28年度及び平成29年度は見込み)】 24,000 那覇-与那国 22,031 22,000 20,000 18,000 16,000 16,756 14,967 15,897 14,000 13,271 12,000 10,000 ※H21.6月より粟国路線を第一航空が運航 8,000 平成25年度 平成26年度 平成27年度 平成28年度 平成29年度 【搭乗率推移(平成28年度及び平成29年度は見込み)】 90.0% 那覇-与那国 80.0% 80.0% 70.0% 60.0% 58.1% 53.6% 50.0% 40.0% 47.8% 47.2% 平成25年度 平成26年度 平成27年度 平成28年度 平成29年度 【効果】 地域公共交通確保維持改善事業を実施することにより、対象航空路が就航する離島の住民及び観光客等の足を確保 し、離島住民の生活の安定や産業振興等を図ることができる。 また、運航事業者の運航により生じる損失を補填することにより、代替性のない離島航空路線が不採算により廃止され ることを回避することができる。 3.地域公共交通確保維持事業により運航を確保・維持する航空路の概要及び運航予定者 対象路線 那覇-与那国路線 運航予定者 沖縄県那覇市山下町3-24 琉球エアーコミューター株式会社 代表取締役社長 伊礼恭 区間距離 便数 597km 1便/日 4.地域公共交通確保維持事業に要する費用の総額、負担者 (単位:千円) 対象路線 収益見込額 費用見込額 損益見込額 費用負担割合 那覇-与那国路線 351,514 368,290 ▲ 16,776 概ね 国3/6、県2/6、与那国町1/6 計 351,514 659,136 ▲ 16,776 (注)国負担は、損失見込額又は標準損失額のいずれか低い額の1/2 (注)県及び町村負担は、実績損失額から国負担額を差し引いた損失額の2/3、1/3 5.地域公共交通確保維持事業の改善等に関する事項 対象路線 収支改善のために採る措置 (1)路線便数計画について 機材の効率的な稼動を計画し、需要に応じた増便に即応して的確かつ迅速な対応等 に取り組み、収入規模の拡大を図ります。 (2)営業販売の促進・強化及び需要の開拓について JALグループ販売ネットワークを最大限に活用し、JALパック等魅力ある商品の開発や旅行会社 那覇-与那国路線 との連携強化による新規需要の喚起とこれに基づく収入の極大化を図ることと致しま す。 (3)その他 ①安全運航を大前提に事業計画の着実な実行と達成を図ります。 ②更なる収入拡大と経費削減に取り組みます。
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