Corning® BioCoat

Corning® BioCoat™
癌細胞浸潤アッセイシステム
よくある質問と回答
Corning BioCoat 癌細胞浸潤アッセイシステムは、24マルチウェルフォーマット(Cat. No. 354165,354166)
または96マルチウェルフォーマット(Cat. No. 354167,354168)が選択可能です。いずれも、400∼700nm
の光の透過を遮るようデザインされた独自の遮光性Corning FluoroBlok™ PETメンブレン(8.0µmポアサイ
ズ)が使用されています。Corning FluoroBlok™メンブレンは、in vitro の再構成基底膜として使用される
Corning Matrigel®基底膜マトリックスで均一にコートされています。これは浸潤細胞には適切なタンパク構
造を呈する一方で、非浸潤細胞には障壁となります。上側のコンパートメントにある蛍光ラベルした細胞は、蛍
光プレートリーダーの下方測定からはメンブレンで遮蔽され、下側のコンパートメントの浸潤した細胞のみが検
出されます。細胞の除去や目視計数、色素抽出等の手間は不要です。
Corning BioCoat 癌細胞浸潤アッセイシステムは、以下のみに限らず、様々な細胞種、実験条件でin vitro 細
胞浸潤研究に用いられてきました。
• microRNA を用いた消化器がんの浸潤阻害研究1
• バルプロ酸による膀胱がんの浸潤阻害と前立腺がんの浸潤の非阻害2
• Davoy細胞による髄芽腫でのERBB2で亢進する転移表現型3
• ヒト肺腺癌H1299細胞の浸潤へのEvodine経路特異的な影響4
• GAP結合の細胞内コミュニケーションとコネキシンの発現のMD-MBA-231 細胞の転移能への影響5
• MD-MBA-231、MCF-7細胞の浸潤へのCOX-2発現誘導の影響6
• NF-kB およびAP-1PC-3転写因子を通したPC-3細胞の浸潤への亜鉛の影響7
Q: どのくらい細胞を播種すべきですか?誘引物質には何を使えばよいですか?どのくらい長くアッセイを行え
ばよいですか?
A. プ ロ ト コ ー ル を 事 前 に ご 提 供 で き ま す 。 サ ポ ー ト が 必 要 な 場 合 は 、 0 3 - 3 5 8 6 - 1 2 6 8 ま た は
[email protected]までご相談ください。
Q: 現在Corning マトリゲルインベージョンチャンバーを使用して実験はうまく行っていますが、手間がかかり
ます。最適化した細胞の濃度や誘引物質の濃度、アッセイの時間がCorning BioCoat 癌細胞浸潤アッセイ
システムと異なるのですがどうしたらよいでしょうか?
A: もし細胞数や誘引物質の濃度、アッセイの時間を Corning マトリゲルインベージョンチャンバーで最適
化したならば、Corning BioCoat 癌細胞浸潤アッセイシステムでも同じ条件で使用してください。現在
Corning マトリゲルインベージョンチャンバーの24ウェルを使用していて、Corning BioCoat 癌細胞浸潤
アッセイシステムの96ウェルを使用するのであれば、細胞数を変更する必要があります。サポートが必要な
場合は、03-3586-1268または[email protected]までご相談ください。
Q: Corning BioCoat 癌細胞浸潤アッセイシステムは、Corning マトリゲルインベージョンチャンバーと異な
る点はありますか?
A: はい、Corning BioCoat 癌細胞浸潤アッセイシステムはCorning FluoroBlokメンブレンを使用している
ところが異なります。実験を開始する前に、Corning FluoroBlokインサートよくある質問と回答(CLS-11700)を参照してください。さらに、Technical Bulletin 436 Set Up Guidelines and Dimensional
Templates for Fluorescence Plate Readers Used With Corning FluoroBlok Permeable Support
Systems and Corning BioCoat Multiwell Permeableに従ってプレートリーダーの設定を行ってく
ださい。いずれの資料もウェブサイトで入手できます。サポートが必要な場合は、03-3586-1268または
[email protected]までご相談ください。
Q: プロトコールに従って実験を行いました。遊走はうまく行きましたが、浸潤で良い結果が得られませんでし
た。Corning® BioCoatTM 癌細胞浸潤アッセイシステムが何かおかしいのでしょうか?
A: いいえ、浸潤アッセイでは転移性の細胞が他の細胞より高い浸潤を示します。Technical Bulletin 442
Screening of Anti-Metastatic Compounds by a Fluorescence-based Tumor Cell Invasion Assay
に、浸潤性の低い細胞用に変更したプロトコールがあります。この資料はウェブサイトで入手可能です。サ
ポートが必要な場合は、03-3586-1268または[email protected] までご相談くださ
い。
Q: Corning BioCoat 癌細胞浸潤アッセイシステムを解凍して水和しましたが、細胞が十分に準備できません
でした。どうしたらよいでしょうか?製品は捨てなければいけませんか?
A: プレートを37℃のCO2インキュベーターで水和した後は、すぐに使用することをお勧めします。一晩水和で
きますが、再実験したときとのバラつきが増してしまいます。
Q: 一回の実験でプレート全部を使う必要がありますか?
A: はい、解凍と水和の方法に従うのは重要です。もし解凍後に再凍結すれば、マトリゲルの層が壊れてしまい
ます。
Q: エンドポイントアッセイではどの蛍光色素を使えばよいですか?カイネティックアッセイ用に適した色素は
何でしょうか?
A: 後 染 色 の エ ン ド ポ イ ン ト ア ッ セ イ に は カ ル セ イ ン A M が 適 し て い ま す 。 こ の 色 素 は 内 在 性
のエステラーゼで切断されるまでは蛍光を発しません。コーニングでは、2種類の容量か
ら選択できます。(Cat. No. 354217, 1 mg、Cat. No. 354216, 0.5 mg[10 x 50 µg/vial])
アッセイの初めから細胞を先に染めておくカイネティックアッセイ用には様々な色素があります。先染色用
の色素に関する情報は、Technical Bulletin 451 Compatible Fluorophores and Dyes for Corning
FluoroBlok™ Permeable Supports and Permeable Support Systemsで参照できます。
Q: コントロールの遊走実験を行う必要はありますか?
A: 遊走コントロールは、浸潤率を算出することで異なる細胞株間の浸潤能を標準化できるようにします。計算
の仕方は、Corning BioCoat 癌細胞浸潤アッセイシステムのユーザーガイドを参照してください。遊走コ
ントロールで異なる処理が遊走に与える影響を調べることも出来ます。遊走コントロールを省いて文献を出
している研究者もいます。遊走コントロールを行わない場合、データは、浸潤促進処理で基準値から何パー
セントあるいは何倍に増えたか、もしくは浸潤阻害処理によってポジティブコントロールからどの程度減っ
たかで表わされます。
Q: 実験を繰り返した時にバラつきが大きくなりました。どうしたらバラつきを抑えられますか?
A: 蛍光プレートリーダーを正しくセットすることが重要です。そうでない場合、バラつきが大きくなったりシ
グナルが低くなります。Technical Bulletin 436 Set Up Guidelines and Dimensional Templates for
Fluorescence Plate Readers Used With Corning FluoroBlok Permeable Support Systems and
Corning BioCoat Multiwell Permeable Support Cell-Based Assaysを参照してプレートリーダーを設
定してください。サポートが必要な場合は、03-3586-1268または[email protected]
までご相談ください。
2
24ウェル
1.00
80.0
0.90
60.0
0.70
Average Z'=0.70
0.80
Z' Value
% Invasion
100.0
40.0
20.0
0.60
0.50
0.40
0.30
0.0
0.20
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
Replicate Number
3T3 Cells
0.10
0.00
1
HT-1080 Cells
4
7
10
13
16
19
22
25
28
Replicate Number
平均浸潤率の比較
Corning® BioCoatTM 24マルチウェル癌細胞浸潤アッセイシステムの複数ロット
でアッセイを行った。浸潤後にメンブレンの下方に存在する蛍光ラベルした細胞を
CytoFluor®プレートリーダーで測定した。NIH-3T3とHT-1080の浸潤率を比較し
た。細胞は浸潤後にカルセインAMで染色を行った。
癌細胞浸潤のZ’値
Corning BioCoat 24マルチウェル癌細胞浸潤アッセイシステムの複数ロットを用
いて、2名のオペレーターが毎回3枚のプレートを使う独立のアッセイを10回行っ
た。Z’値はHT-1080細胞の浸潤率と、ネガティブコントロールのNIH-3T3細胞の
浸潤率から算出した。細胞は浸潤後にカルセインAMで染色を行った。
96ウェル
100.0
% Invasion
80.0
60.0
40.0
20.0
0.0
1
3
5
7
9
11
13
15
17
19
21
23
Replicate Number
3T3 Cells
HT-1080 Cells
平均浸潤率の比較
Corning BioCoat 96マルチウェル癌細胞浸潤アッセイシステムの複数ロットで
アッセイを行った。浸潤後にメンブレンの下方に存在する蛍光ラベルした細胞を
Victor2™プレートリーダーで測定した。NIH-3T3とHT-1080の浸潤率を比較し
た。細胞は浸潤後にカルセインAMで染色を行った。
癌細胞浸潤のZ’値
Corning BioCoat 96マルチウェル癌細胞浸潤アッセイシステムの複数ロットを用
いて、2名のオペレーターが毎回3枚のプレートを使う独立のアッセイを10回行っ
た。Z’値はHT-1080細胞の浸潤率と、ネガティブコントロールのNIH-3T3細胞の
浸潤率から算出した。細胞は浸潤後にカルセインAMで染色を行った。
Q: すでにGFPを発現させた細胞を持っていますが、染色する必要はありますか?
A: 十分な発現量であれば、さらに染色することなく実験できます。遺伝子導入した癌細胞の典型的な実験例
は、Technical Bulletin 441 Screening of Anti-Metastatic Compounds Using ZsGreen1 Reef
Coral Fluorescent Protein (RCFP) Labeled HT-1080 Tumor Cellsにあります。
Q: Corning BioCoat 癌細胞浸潤アッセイシステムのデモを見たいのですが可能でしょうか?
A: はい、WEB上でビデオが公開されています。
www.jove.com/video/1475/an-invitro-fluoroblok-tumor-invasion-assay
Q: Corning BioCoat 癌細胞浸潤アッセイシステムは共培養の実験でも使用できますか?
A: 弊社では検討しておりませんが、Corning Matrigel® 基底膜マトリックスでコートしたCorning FluoroBlokTM
インサートが、誘引因子となる骨髄間質細胞(Bone Marrow Stroma)と共培養したPC-3細胞の浸潤の研
究に使用されています。8
3
References
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Medulloblastoma. Cancer Res. 63:140-148 (2003).
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Inhibiting IkBa Kinase Activation, Thereby Suppressing NF-kB-regulated Antiapoptotic and
Metastatic Gene Expression, Up-regulating Apoptosis, and Inhibiting Invasion. J. Biol. Chem.
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Clin. Exp. Metastasis 25:265–272 (2008).
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and matrix metalloproteinase expression. BMC. Cancer 6:181 (2006).
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prostate cancer progression. Carcinogenesis 27(10):1980-1990 (2006).
8. Brown MD et al. Influence of omega-6 PUFA arachidonic acid and bone marrow adipocytes on
metastatic spread from prostate cancer. British Journal of Cancer 102: 403-413 (2010).
●価格は
2016 年 10 月現在のものです。価格は税抜き価格で記載しております。
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総販売元
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