主 文 本件上告を棄却する。 理 由 弁護人古野周藏の上告趣意について。 しかし憲法第三七条第一項にいわゆる公平な裁判所の裁判というのは構成共の他 において偏頗の惧のない裁判所の裁判という趣意であつて、事実審たる原裁判所が、 弁護人申請の証拠を採用しないからとて、右憲法の条項に違反するものでないこと 当裁判所の判例に徴して明かである(昭和二二年(れ)第一七一号同二三年五月五 日大法廷判決、昭和二三年(れ)第九〇四号同年一二月一六日第一小法廷判決)。 論旨は理由がない。 よつて、旧刑事訴訟法四四六条に則り、裁判官全員一致の意見で主文のように判 決する。 検察官 竹内壽平関与 昭和二六年四月一〇日 最高裁判所第三小法廷 裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎 裁判官 井 上 登 裁判官 島 保 裁判官 河 村 又 介 - 1 -
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