「地域力向上を実現する中小企業応援プログラム」の実践

THE GIFU SHINKIN BANK
News Release
平成 28 年 11 月 28 日
岐 阜 信 用 金 庫
理事長
住田裕綱
「地域力向上を実現する中小企業応援プログラム」の実践事例について
お取引先企業の現場カイゼン支援を実施し、生産性の向上を実現
現場カイゼン支援を通じて全社員参加の風土・文化が醸成
岐阜信用金庫(理事長 住田裕綱)は、平成 27 年 5 月より、東海財務局・中部経済産業局・中小機
構中部本部が連携した地域金融機関向け人材育成プログラム「地域力向上を実現する中小企業応援プ
ログラム」に参加し、この度、その「実践編」として岐阜県各務原市の製造業に対して現場カイゼン
支援を実施しました。 ※支援の内容については別紙参照
地域力向上を実現する中小企業応援プログラムとは
東海財務局・中部経済産業局・中小機構中部本部が連携した地域金融機関向け人材育成プログラム
であり、金融機関職員に対する「事業性を評価する力(目利き力)」や「ライフステージに合わせた
経営改善・生産性改善力」の向上支援を通じ
て、地域経済を牽引する企業に対するコンサ
ルティング機能の発揮を図るプログラム。
当金庫では上記プログラムに職員 2 名が参
加し、平成 27 年 5 月~中小機構中部本部にお
いて同プログラムの「基礎編・応用編」を受
講。平成 28 年 2 月より「実践編」として、地
域経済を牽引する中小企業(製造業)2 社を
対象に同プログラムを開始しました。
【出所:中小機構HP】
現場カイゼン支援を実施した企業
企業名
株式会社苅谷製作所 代表取締役 苅谷龍治
事業内容
工作機械部品加工、建設機械部品加工
所在地
各務原市川島小網町 1900-88
資本金
10 百万円
設
平成 4 年 1 月
立
売上高
422 百万円(平成 28 年 8 月期)
従業員数
28 名
株式会社苅谷製作所 提供
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当社は、現代取の祖父が撚糸業として個人創業し、戦後復興の波に乗り順調に業績を
伸ばしておりました。しかしながら、撚糸業の構造不況を受けたことをきっかけに、昭
和 59 年に現代取の実父が工作機械製造業として板金工場を開業(業種転換)し、その後、
株式会社苅谷製作所を設立しました。
業種転換後は、安定した受注を確保し、業況も順調に推移していましたが、平成 20 年
企業概要
9 月のリーマンショックの打撃により、売上高・利益共に大幅な影響を受けました。その
後は、当社の技術力や経営力により業況は回復し、現在は、リーマンショック以前より
も受注が増加し、業況は堅調に推移しております。
代取は、外的要因による影響を経験し、今後も外的要因による課題に直面してくる可
能性があることを認識しました。そこで、自社努力にて外的要因による影響への対策が
可能な社内風土を実現するため、当金庫と現場カイゼンに取組むに至りました。
現場カイゼンに取組んだ成果
当社は、現場カイゼンに取組んだ結果、工場のスペース確保や作業工程等の標準化に加え、売上や
加工時間の分析等、見える化を行ったことによって、リードタイムの短縮や不良率の低下がみられ、
生産性向上が数字として表れるようになってきました。さらに、社員
の自発的な行動が見られるようになり、企業の風土・文化が醸成され、
事業は確実な成長軌道へ向かうことになりました。また、現場カイゼ
ンと同時に、3 軸リニアドライブファイバーレーザマシン設備を導入
しました。本設備導入効果として、従来設備よりも 1.5 倍の作業時間
短縮が図られ、現場カイゼンとの相乗効果により、更なる生産性向上
が見込まれることとなりました。
【導入した 3 軸リニアドライブファイバーレーザマシン】
経営者のことば
本当に現場カイゼンは進むのか。初めは疑問や抵抗がありました。
本取組みには、大変多くの資料を作らなければならならず全行程
を実行してきたことは正直大変でした。
しかし、実際に数字にも表れ始め、社員の意識も変わってきまし
た。改革することは大変だが、企業が前に進むにために実行してき
てよかったと本心から思っています。
苅谷龍治社長
当金庫が本取組みを通して顧客支援を行った結果
当金庫は同プログラムを通して中小企業の事業性評価の一端を経験し、企業の本業支援を深めるこ
とができました。さらに、企業の現場カイゼンとの相乗効果のための新たな設備投資ニーズを促し、
当金庫としては設備投資資金の金融支援も行いました。(※金額非公表)
今後も継続して「中小企業の事業性評価」や「経営課題の解決」に積極的に取組むことで、地元中
小企業の継続的な支援に加え、職員の『目利き力(事業性を評価する力)』
向上にも取組んでまい
ります。
以
上
照会先:岐阜信用金庫 成長戦略部成長戦略サポートデスク TEL(058)266-2328
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(別
紙)
現場カイゼン支援の内容について
支援課題の抽出・支援方針の決定
(1)プロジェクトチームを組成
(2)導き出された課題・問題点
①経営者
①各部門の責任者が育っていない。
②各部門の責任者
②工場の整理整頓がなされていない。
③当金庫職員
③仕掛品が多く、リードタイムが長い。
④中小機構アドバイザー
④受注管理が不十分である。
課題・問題に対する支援方針の決定
(1)プロジェクトチームで面談を重ね、当社の課題解決策をブラッシュアップした。
(2)安全・品質・リードタイム生産性の3つの観点から、社員にも問題提起・改善策を提案
してもらった。
(3)これらから、以下の支援方針を決定した。
①人材育成方針の決定。
②現場の5S改善。
③製品化までのリードタイム短縮。
④作業時間の積算方法の確立・不良率の低下。
プロジェクトチームでの課題ブラッシュアップの様子
現場カイゼン支援の成果
支援実施と効果
(1)組織図を作成し、責任者を任命した結果、社員の自発的な行動が見られるようになった。
(2)整理整頓の結果、現場のレイアウトを変更し、約120㎡のスペース確保が図られた。
(3)加工時間と売上分析、外注の納期管理、工数把握を時間単位で管理、加工指示書に加工時
間を標記し、1日あたりの仕事量を把握する等、地道な改善に取組み、リードタイムの
短縮に成功した。
(4)「不具合対策書」を作成し、全従業員に周知し改善に着手。「作業標準書」を作成したこ
とにより作業手順を標準化したことで不良率が低下した。
【現場カイゼンの一例】
整理整頓前
通路に線引き
売上と作業時間の分析
以
上