11月28日号 商品 原油 本格反転が期待し難い原油相場

2016/
マーケット・フォーカス
11/28
投資情報部
シニアコモディティアナリスト
津賀田 真紀子
商品:原油
本格反転が期待し難い原油相場
 OPEC総会目前だが、産油国間の調整は依然として難航
 米エネルギー政策による需給緩和懸念
 12月の米追加利上げ観測によるドル高進行も売り圧力に
同床異夢の産油国。減 今週30日、いよいよ石油輸出国機構(OPEC)定時総会が行われる。今回の焦点は
産枠組み の 合意は困 9/28の臨時総会で暫定合意された減産について各産油国の生産枠組みがどのように
決定されるかであり、市場の関心が集まっている。
難か
しかしながら、産油国間の調整は依然として難航。一部報道によると、最大産油国で
あるサウジアラビアはOPECが必ずしも減産に踏み切る必要はないとの考えを示唆し、
11/28に予定されていたOPECとOPEC非加盟国の非公式会合の参加を見送ったと伝
えられている。協議進展が見込めないと判断したロシアも不参加を表明したという。
OPEC定時総会の決議は参加国の全会一致が条件となるが、現時点ではイラン、ナ
イジェリア、リビアが減産免除を求める等、加盟国14ヵ国のうち3ヵ国が減産に非協力
的な姿勢をみせており、落としどころの見つけ方が難しい状態となっている。仮に9/28
の臨時総会で設けられた目標生産高に調整するとすれば、サウジアラビアとイラクにし
わ寄せがくる可能性が高いが、長引く原油安の影響で財政悪化が進むなかで、両国
があえてシェア争いを放棄して負担を受け入れるとは考えにくい。
原油先物価格動向
W T I原油先物価格とドルインデックス
2016/11/14
期間
WTI
北海
ブレント
(1バレル=ドル)
~
~
2016/11/21
(週次:2014/1/3~2016/11/25)
120
前週比
76
110
WTI原油先物(左目盛)
78
ドルインデックス(右逆目盛)
80
2016/11/25
2016/11/18
始値
45.83
43.20
2.63
100
高値
49.20
46.58
2.62
90
84
86
82
安値
45.77
42.20
3.57
80
終値
46.06
45.69
0.37
70
始値
46.92
44.54
2.38
60
92
2.34
50
94
高値
49.96
47.62
安値
46.85
43.57
3.28
40
終値
47.24
46.86
0.38
30
88
90
96
98
100
20
14/1
(注)価格は 1 バレル=ドル
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
14/7
15/1
15/7
16/1
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する
最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全
性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随
時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。
1
1
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(年/月)
2016/11/28
マーケット・フォーカス
一方、仮に最終合意できれば、来年1月から6ヵ月間減産が実施され、効果を見極め
減産枠組みが合意さ
れても世界需給の改
善は困難
たうえで次回6月の総会で延長するかどうかが判断されるとみられている。しかしなが
ら、OPECの生産量を日量3,250万~3,300万バレルに抑えたところで、世界需給を改
善することは難しく、2017年も供給過剰の状態が続くと予想されている。
トランプ次期米大統領が表明しているエネルギー政策も懸念要因だ。同氏は米国内
の石油ガス開発を促進すべく、連邦政府管轄の土地を開放すると述べている。解放さ
れる土地がいわゆる採算性の良いスイート・スポットであるとは限らないが、シェール関
連業者の開発活動を活発化させ、世界需給を一段と緩和させる可能性があることは市
場にとって重しとして受け止められるだろう。
また、12月の米利上げ観測を背景にドルが主要通貨に対して上げ幅を拡大してい
る。ドル建てで取引される原油の割高感が意識され、下押し圧力がかかりやすい状況
となっていることも注意が必要だ。OPEC定時総会後、材料出尽くしから一時的に相場
が上昇する可能性も考えられるが、引き続き上値の重い展開が続くとみている。
OPEC 加盟国生産量増減幅
OPEC 原油生産量
(百万バレル/日)
(2014/11 → 2016/10)
34.0
9/28 の臨時総会で
合意された
生産量の範囲
33.5
33.0
32.5
2016年
32.0
過去3年最多
31.5
過去3年平均
31.0
過去3年最少
ナイジェ リア
アルジェ リア
アンゴラ
クウェ ート
UAE
イラン
30.5
サウジアラビア
30.0
イラク
29.5
29.0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
▲ 600
10 11 12 (月)
出所:OPEC 月報よりみずほ証券作成
80
0
300
600
900
1,200
(千バレル/日)
出所:OPEC 月報よりみずほ証券作成
W T I原油先物オプション権利行使価格分布
C FT C非商業筋建玉とWTI原油先物価格
(2016年11月25日時点)
(千枚)
90
▲ 300
(週次:2015/1/6~2016/11/18)
(万枚)
(1バレル=ドル)
45
65
プット(1・2・3月限合計)
買残-売残(左目盛)
コール(1・2・3月限合計)
40
70
60
60
WTI原油先物(右目盛)
55
35
50
50
45
30
40
40
30
25
35
20
30
20
10
25
0
15
10
15
20
25
30
35
40
45
50
55
60
65
70 75 80
(1バレル=ドル)
20
15/1
15/4
15/7
15/10
16/1
16/4
16/7
16/10
(年/月)
(注)CFTC 非商業部門建玉は 11/15 現在
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する
最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全
性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随
時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。
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2016/11/28
マーケット・フォーカス
■ エネルギー関連統計
日付
国・地域
11 月 30 日
11 月 30 日
11 月 30 日
11 月 30 日
11 月 30 日
11 月 30 日
11 月 30 日
11 月 30 日
12 月 2 日
12 月 2 日
12 月 2 日
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
イベント
米国原油在庫(前週比・千バレル)
オクラホマ州クッシング原油在庫(前週比・千バレル)
米国ガソリン在庫(前週比・千バレル)
米国中間留分在庫(前週比・千バレル)
米国製油所稼働率(前週比)
米国原油推定需要(千バレル/日)
米国ガソリン推定需要(千バレル/日)
米国留出燃料推定需要(千バレル/日)
ベーカー・ヒューズ掘削リグ稼働数
ベーカー・ヒューズ米国ガス・ロータリーリグ稼働数
ベーカー・ヒューズ米国石油ロータリーリグ稼働数
期間
11 月 25 日
11 月 25 日
11 月 25 日
11 月 25 日
11 月 25 日
11 月 25 日
11 月 25 日
11 月 25 日
12 月 2 日
12 月 2 日
12 月 2 日
前回
▲1,255
▲87
2,317
327
1.6%
16,447
9,897.6
5,169.3
593
118
474
■ 今週の経済指標
日付
国・地域
11 月 28 日
11 月 29 日
11 月 29 日
11 月 29 日
11 月 29 日
11 月 29 日
11 月 29 日
11 月 29 日
11 月 29 日
11 月 29 日
11 月 30 日
11 月 30 日
11 月 30 日
11 月 30 日
11 月 30 日
11 月 30 日
11 月 30 日
11 月 30 日
11 月 30 日
11 月 30 日
12 月 1 日
12 月 1 日
12 月 1 日
12 月 1 日
12 月 1 日
12 月 1 日
12 月 1 日
12 月 2 日
12 月 2 日
12 月 2 日
12 月 2 日
12 月 2 日
12 月 2 日
米国
欧州
欧州
欧州
欧州
欧州
米国
米国
米国
米国
欧州
欧州
米国
米国
米国
米国
米国
米国
中国
中国
欧州
欧州
米国
米国
米国
米国
米国
欧州
米国
米国
米国
米国
米国
イベント
ダラス連銀製造業活動
景況感
業況判断指数
鉱工業信頼感指数
サービス業信頼感指数
消費者信頼感
GDP(年率/前期比)
個人消費
S&P コアロジック CS 米住宅価格指数(季調前)
消費者信頼感指数
CPI 予想(前年比)
CPI-コア(前年比)
ADP 雇用統計
個人所得
個人支出
実質個人支出
PCE コア(前月比)
米地区連銀経済報告(ベージュブック)
製造業 PMI
非製造業 PMI
マークイット ユーロ圏製造業 PMI
失業率
新規失業保険申請件数
失業保険継続受給者数
マークイット 米国製造業 PMI
ISM 製造業景況指数
ワーズ国内自動車販売台数
PPI(前月比)
非農業部門雇用者数変化
民間部門雇用者数変化
製造業雇用者数変化
失業率
ISM ニューヨーク
期間
11 月
11 月
11 月
11 月
11 月
11 月 確報
7-9 月期 2 次
7-9 月期 2 次
9月
11 月
11 月
11 月 1 次速報
11 月
10 月
10 月
10 月
10 月
11 月
11 月
11 月 確報
10 月
11 月 26 日
11 月 19 日
11 月 確報
11 月
11 月
10 月
11 月
11 月
11 月
11 月
11 月
前回
▲1.5
106.3
0.55
▲0.6
12.0
▲6.1
2.9%
2.1%
184.42
98.6
0.5%
0.8%
147,000
0.3%
0.5%
0.3%
0.1%
51.2
54.0
53.7
10.0%
251,000
2,043,000
53.9
51.9
14,050,000
0.1%
161,000
142,000
▲9,000
4.9%
49.2
(注)記載事項はすべて「予定」ないし「見込み」であり、予告なく変更されることがあります。海外イベントおよび経済指標は現地日程で掲載しています
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
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時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。
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2016/11/28
金融商品取引法に係る重要事項
マーケット・フォーカス
■国内株式のリスク
リスク要因として株価変動リスクと発行者の信用リスクがあります。株価の下落や発行者の信用状況の悪化
等により、投資元本を割り込むことがあり、損失を被ることがあります。
■国内株式の手数料等諸費用について
○国内株式の売買取引には、約定代金に対して最大 1.134%(税込み)、最低 2,700 円(税込み)の委託手数料
をご負担いただきます。ただし、売却時に限り、約定代金が 2,700 円未満の場合には、約定代金に 97.2%(税
込み)を乗じた金額を委託手数料としてご負担いただきます。
○株式を募集等により購入する場合は、購入対価のみをお支払いいただきます。
○保護預かり口座管理料は無料です。
■外国株式のリスク
○外国株式投資にあたっては、株価変動リスク、発行者の信用リスク、為替変動リスク(平価切り下げ等も含
む)、国や地域の経済情勢等のカントリーリスクがあります。それぞれの状況悪化等により投資元本を割り込
むことがあり、損失を被ることがあります。
○現地の税法、会計基準、証券取引に関連する法令諸規則の変更により、当該証券の価格に大きな影響を与
えることがあります。
○各国の取引ルールの違いにより、取引開始前にご注文されても、始値で約定されない場合や、ご注文内容が
当該証券の高値、安値の範囲であっても約定されない場合があります。
○外国株式において有償増資等が行われた場合は、外国証券取引口座約款の内容に基づき、原則権利を売
却してお客さまの口座に売却代金を支払うことになります。ただし、権利売却市場が存在しない場合や売却市
場があっても当該証券の流動性が低い場合等は、権利売却ができないことがあります。また、権利が発生し
ても本邦投資家が取り扱いできないことがあります。
○外国株式の銘柄(国内取引所上場銘柄および国内非上場公募銘柄等を除く)については、わが国の金融商
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■外国株式の手数料等諸費用について
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国内取次手数料と現地でかかる手数料および諸費用の両方が必要となります。現地でかかる手数料および
諸費用の額は金融商品取引所によって異なりますので、その金額をあらかじめ記載することはできません。
詳細は当社の担当者までお問い合わせください。国内取次手数料は、約定代金 30 万円超の場合、約定代金
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約定代金 55,000 円以下の場合、約定代金に対して一律 10.8%(税込み)の手数料をご負担いただきます。
○国内店頭(仕切り)取引
お客さまの購入単価および売却単価を当社が提示します。単価には手数料相当額が含まれていますので別
途手数料および諸費用はかかりません。
○国内委託取引
当社の国内株式手数料に準じます。約定代金に対して最大 1.134%(税込み)、最低 2,700 円(税込み)の委託
手数料をご負担いただきます。ただし、売却時に限り、約定代金が 2,700 円未満の場合には、約定代金に
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○外国証券取引口座
外国証券取引口座を開設されていないお客さまは、外国証券取引口座の開設が必要となります。外国証券
取引口座管理料は無料です。
外貨建商品等の売買等にあたり、円貨と外貨を交換する際には、外国為替市場の動向をふまえて当社が決
定した為替レートによるものとします。
商品ごとに手数料等およびリスクは異なりますので、当該商品等の契約締結前交付書面や目論見書または
お客さま向け資料等をよくお読みください。
商 号 等 : みずほ証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第 94 号
加入協会 : 日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、
一般社団法人第二種金融商品取引業協会
広告審査番号 : MG5690-161128-26
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