2016(平成28) 年12月1日号(6) (7)2016 (平成28)年12月1日号 日本最古の道後温泉を舞台とした 景観と最先端アートのまちづくり 道後温泉周辺地区 道後温泉誇れるまちづくり推進協議会 宮﨑 光彦 会長 も「道後が面白いぞ」と関心を 持ってくれたと感じます。 意識が芽生え、地域住民も道後 のまちに誇りを持てたことが今 回の受賞につながったと思いま す。あいさつや掃除など人々の 日常生活が景観の一部になると いう考えを大切にし、まちづく りに尽力したいと思います。 【受賞実績】 ・国土交通省都市景観大賞優秀賞 「道後温泉本館周辺地区景観整備」 (2014年) ・グッドデザイン賞「アートプロ ジ ェ ク ト﹇道 後 オ ン セ ナ ー ト 2014﹈ 」 (2014年) 「まちなか」 に活動拠点があり 社会実験を通じて現地・ 現場でまちづくりを運営 松山アーバンデザインセンター・ もぶるテラス・みんなのひろば 現 地・ 現 場 の ま ち づ く り を 推 進 す る た め、 都 市 空 間 の デ ザインマネジメントなどの ハ ー ド 面、 ま ち づ く り の 担 い 手育成などのソフト面の双方 か ら、 総 合 的 な ま ち づ く り に 取 り 組 ん で い ま す。 利 用 者 か ら の 意 見 を 直 接 聞 く な ど、 地 域 と の 関 わ り を 深 め な が ら、 今後は遊ぶ空間としてだけで は な く、 今 ま で に な い 使 い 方 の提案もできればと思います。 そ し て、 市 民 の 皆 さ ん に と っ て不可欠な存在にならなけれ ばいけないと感じています。 地域の声を直接的に反映す る今までにない使い方を提 案し総合的なまちづくりへ に ぎ わ い、 交 流 で き る 場 所 と して実験的に運営しています。 「まちなか」にあったらいい も のとして寄せられた意見に よ り 誕 生 し ま し た が、 路 地 を 入 っ た と こ ろ に あ り、 知 っ て も ら う の に 苦 労 し ま し た。 市 民の皆さんと芝生を張るなど し て、 一 緒 に 作 り 上 げ た こ と が 評 価 さ れ て 賞 を い た だ き、 認知度も高まり喜んでいます。 松山アーバンデザインセンター 小野 悠ディレクター・新居田 真美ディレクター 「もぶるテラス」 「みんなの ひろば」を運営する松山アー バンデザインセンター 松山アーバンデザインセン タ ー は、 行 政・ N P O な ど の 「公」 、市民・企業などの「民」 、 大 学 な ど の「 学 」 が 連 携 し て まちづくりを推進する組織で す。 そ の 中 で 私 た ち は「 民 」 と「 学 」 の 立 場 か ら、 こ の プ ロジェクトに関わっています。 専 門 家 が 常 駐 し、 中 心 市 街 地 のにぎわい再生の社会実験と し て 整 備 さ れ た「 も ぶ る テ ラ ス 」 や「 み ん な の ひ ろ ば 」 の 運営も行っています。 「もぶるテラス」は、伊予弁 混ぜる、 で「 混ざり合う」といっ た意味の「もぶる」をテーマに、 さまざまな立場や世代の出会 い や 活 動 が 混 ざ り 合 い、 新 し い発想が生まれる空間づくり を 目 指 し、 大 学 生 な ど 多 く の 市 民 が 参 加 し、 ま ち づ く り に 関するさまざまな研究を行っ て い ま す。 「みんなのひろば」 は、 イ ベ ン ト 以 外 で も 買 い 物 途中に立ち寄っての休憩や子 ど も と 遊 ぶ な ど、 子 ど も か ら お年寄りまで気軽にくつろぎ、 まちライブラリー 人々の日常生活が景観の一部へ 大街道 芝生が広がるみんなのひろば 大街道 らえる場所になってほしいと 思います。 ケード下が明るくなり、夜の 景観もとてもきれいになりま した。日常の路面清掃や屋外 広告物の制限など、市のメイ ンストリートにふさわしい安 全で快適な空間を維持したい と思います。 アーケードの景観整備 現 代 的 な 空 間 の 中 に、 文 化 ・伝統・歴史を織り込んだ 「地」という景観コンセプト のもと、鉄と木目を組み合わ せたデザインにし、色調も合 わせました。 土曜夜市などさまざまなイ ベ ントを開催するなど商店街 のいいところを発信し、商店 街周辺に居住や企業誘致も含 めた総合的な考えで、新しい コミュニティーが生まれるよ う取り組みたいと思います。 おすすめ景観スポット 全国初 新しいコミュニティー空間 の提供を 大型商業施設の閉館によ り 、新しい施設との景観の統 一 を 進 め て き ま し た が、 旧 アーケードに対する皆さんの 思い入れも強く、さまざまな 関係機関と何度も話し合いを 重 ね ま し た。 整 備 後 は ア ー おすすめ景観スポット イベントでにぎわうみんなのひろば 小野 悠さん(左) 、新居田 真美さん 第2回 まちなか広場賞・ 大賞 2016年度 グッド デザイン賞 メインストリートにふさわ しい場所へ 多くの人でにぎわう一番町大街道口 「空の散歩道」から眺めた道後温泉周辺の 景色は格別です。 見せており、回遊する人も増え、 観光客が浴衣姿で安全・安心に 歩けるまちとなりました。道後 の雰囲気が情緒あるものへと大 き く 変 化 で き た の は、 県・ 市・ 地域がお互いにうまく協力した 結果だと思います。 夜間でも安全・安心なまちへ ロ ー プ ウ ェ ー 街 は 楽 器 店・ 骨 董品店・画廊など古くから の 文 化 薫 る 店 舗 が 多 く あ り、 夜間にはライトアップされ情 緒あるまち並みです。防犯カ メラ設置などにより安全・安 心できれいなまちになりまし た。観光客にもっと通っても 景観を保全していくことが 大切 銀天街 安全にゆっくりと時間をかけて ぶらり歩きを楽しめる空間へ ロープウェー街 沿道建物の景観整備 自然に溶け込むような景観 に しようと取り組んできまし たが、お店の顔である看板撤 去への理解を得ることが大変 でした。統一的な景観ルール のもと、新規の店舗に対して 建 物 の 景 観 デ ザ イ ン の 審 査・ 指導を行っています。これが 評価された点でもあり、今後 も景観を維持していきたいと 思います。 松山市駅 旅館などを改築する場合に は 、緑や空間の増加、道後らし い建物のデザインにするなどの 一番町通り 道後温泉本館 魅力ある都市空間 を形成するため市民・ 事業者・行政が一 体 となり、まちの整備・ 活 性 化 に 取 り 組 み、 国内外から高い評価 を受けています。 松山大街道商店街振興組合 理事長 日野 二郎さん おすすめ景観スポット 千舟町通り 道後アート2015に彩られた道後温 泉本館(平成27年10月) 松山市役所 大手町 ロ ー プ ウ ェ ー 街 愛媛県庁 「最古にして最先端」温泉アー トエンターテインメント 子規記念 博物館 日本最古の温泉街で展開され る 最先端のアートの祭典が回遊 する楽しさをさらに高めていま す。 「伝統は革新の積み重ね」と い う 言 葉 が あ り ま す が、 伝 統・ 文化に現代アートを組み合わせ ることで、いい化学反応が起き ました。全国の若い人やアート 好きの人など、今までとは異な る世代にも発信でき、地元の人 道後温泉駅 人が滞留する空間(ゆとり空 間 ・にぎわい空間)を確保する ために整備し、道後温泉本館前 の広場では多くの人が安心して 記念撮影をするなどにぎわいを ぎんせん 個性的で魅力あるまちづくりの推進と 広場空間の創出 ロープウェー街・大街道周辺地区 三越 イベントでにぎわうロー プウェー街 もぶるテラスでは、貸し出し可能の書 籍や、雑誌、絵本などを設置しています。 問都市デザイン課☎948―6848・ FAX 934―1807 中国・銀川市で受賞した 宮﨑会長(左) 「松山城」への玄関口とい う 特徴を踏まえ、 各店舗で「和 (なごみ) 」をコンセプトに外 壁の色彩や材質、看板・テン トの位置などを統一したデザ インにしました。 れんが・石・鉄など歴史的質感のある素 材を使用した街路が、まちの灯りに美しく 照らし出されます。 アーケードがリニューアルし、鉄と木目 を組み合わせた透過性のあるデザインがき らめきます。 松山城 もぶるテラス(1階) ・ 松山アーバン デザインセンター(2 階) みんなのひろば 松山市駅 萬翠荘 城山公園 道後公園(湯築城跡) ロープウェイ 駅舎 松山城への玄関口であるロープウェー街 まちの灯りが美しい観光の玄関口 夕暮れ時のアーケード 私たちの誇れる松山の都市景観 松山ロープウェー商店街振興組合 理事長 越智 秀二さん(右)と 松山ロープウェー中央商店街振興組合 理事長 松浦 吉隆さん 国土交通大臣賞 古町 四国初 特集 公・民・学が連携でまちの魅力アップ 「都市空間部門」 ハイカラ通り 道後温泉本館 (道後商店街) 2016 アジア都市 景観賞 四国初 平成 28 年度 都市景観大賞
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