Merck、第3四半期の好調な業績を受け

ニュースリリース
2016 年 11 月 29 日
メルク株式会社
メルクセローノ株式会社
※本ニュースリリースはドイツ・ダルムシュタット 11 月 15 日発表英文ニュースリリースの抜粋・抄訳です。
Merck、第 3 四半期の好調な業績を受け、
2016 年度通期の利益予想値を引き上げ

シグマ アルドリッチの買収効果により、売上高(+19.3%)、特別項目計上前 EBITDA
(+24.3%)ともに大幅な伸びを達成


純金融負債を 10 億ユーロ削減し、116 億ユーロまで縮小
2016 年通期の特別項目計上前 EBITDA 予測値を 44.5~46 億ユーロに引き上げ
2016 年 11 月 15 日、ドイツ、ダルムシュタット発 - サイエンスとテクノロジーの分野における世界有数の企
業である Merck(以下メルク)は 11 月 15 日、2016 年度第 3 四半期の決算を発表しました。当期は前年同
期から売上高が 19.3%増加し、特別項目計上前 EBITDA は 24.3%と大幅な伸びを達成しました。
メルクの会長兼 CEO のステファン・オシュマンは、「2016 年第 3 四半期は好調な業績を上げ、通期の業績
予想値を引き上げました。戦略の実行に関して大幅な進展を遂げ、製薬パイプラインを大きく前進させると
ともに、シグマ アルドリッチの買収によるコスト面でのシナジー効果が予定よりも早く現われています。また、
買収に伴う負債はこの 1 年で 10 億ユーロ縮小させました」と述べています。
2016 年度第 3 四半期のメルクグループの売上高は 37 億ユーロで、前年同期の 31 億ユーロから 19.3%
の増加となりました。為替変動によるマイナスの影響を受け売上は 0.6%減となったものの、グループの本
業の売上は、ライフサイエンス・ビジネスに牽引されて 0.9%増となりました。買収効果による売上の伸びは
19.0%で、これは主として 2015 年 11 月に完了したシグマ アルドリッチの買収によるものです。地域別で
は、北米およびラテンアメリカ地域が本業の伸びをけん引しました。
メルクグループの主要決算指標である特別項目計上前 EBITDA は、主としてシグマ アルドリッチの買収効
果とライフサイエンス・ビジネスの好調な業績により大幅に伸び、前年同期の 9 億 4,400 万ユーロから
24.3%増の 12 億ユーロとなりました。ヘルスケア・ビジネスの好調な事業展開、ロイヤルティおよびライセ
ンス収入の増加に加えて、臨床開発プロジェクトに計上していた引当金の戻し入れをしたことによって、グ
ループの利益の伸びに貢献しました。この結果、特別項目計上前 EBITDA 利益率は 31.5%となり、前年同
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期の 30.3%を上回りました。2016 年度第 3 四半期のグループの営業利益(EBIT)は、前年同期の 5 億
6,400 万ユーロから 19.9%増の 6 億 7,600 万ユーロとなりました。グループの純利益は、前年同期の 3 億
6,400 万ユーロから 25.5%増の 4 億 5,700 万ユーロとなりました。特別項目計上前 1 株当たり当期利益は、
前年同期の 1.32 ユーロから 28.8%上昇し、1.70 ユーロとなりました。
シグマ アルドリッチの買収に伴う純金融負債は、2016 年 9 月 30 日時点で 116 億ユーロとなり、2015 年
12 月 31 日時点の 127 億ユーロから減少しました。また 2016 年 9 月 30 日現在のメルクグループの全世
界の従業員総数は 50,967 人でした。
各ビジネスの概要
ヘルスケア・ビジネス - 本業の伸びと利益の増加を達成
2016 年度第 3 四半期のヘルスケア・ビジネスは、本業の売上を 1.3%増と伸ばしました。本業の売上の伸
びが、為替変動による 1.4%のマイナスの影響を受けて相殺されたことに加え、年初に sapropterin
dihydrochloride1 の販売権を BioMarin Pharmaceuticals に返却したことで 1.0%の売上減がもたらされた
ため、ヘルスケア・ビジネスの純売上高は 1.1%減の 17 億ユーロとなりました(前年同期:17 億ユーロ)
がん治療薬 Erbitux は本業の売上が 0.6%減となったことに加え、為替による 1.3%のマイナスの影響を受
けたことにより、第 3 四半期の売上は、前年同期の 2 億 2,300 万ユーロから 2 億 1,900 万ユーロに減少し
ました。不妊治療用の遺伝子組換え型製剤の主力製品である Gonal-f は、本業の売上が前年同期から
10.2%増と非常に堅調な伸びを達成しました。これは主に北米地域におけるメルクの競争優位性が引き続
き有利に働いたためです。為替変動による 0.9%のマイナスの影響を含め、売上高は前年同期の 1 億
6,700 万ユーロから 1 億 8,200 万ユーロに増加しました。
ヘルスケア・ビジネスの 2016 年度第 3 四半期の特別項目計上前 EBITDA は 5 億 6,500 万ユーロで、前
年同期の 5 億 3,700 万ユーロから 5.2%増となりました。これは、本業の伸びに加えて、臨床開発プロジェ
クトに計上していた約 4,000 万ユーロの引当金の戻し入れをしたことによるものです。これらの結果、ヘル
スケア・ビジネスの当期の特別項目計上前 EBITDA 利益率は、前年同期の 31.5%から 33.5%へと向上し
ました。
ライフサイエンス・ビジネス - 堅調に本業の売上を拡大
バイオ医薬品業界からのメルク製品に対する需要により、ライフサイエンス・ビジネスは 2016 年度第 3 四
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半期の本業の売上を前年同期から 5.7%増と堅調に拡大しました。さらに、シグマ アルドリッチの買収に
よって売上には 77.4%の大幅増がもたらされました。第 3 四半期は為替の影響はなく、ライフサイエンス・
ビジネスの当期の売上高は前年同期の 7 億 5,900 万ユーロから 83.1%増の 14 億ユーロとなりました。
医薬品製造向け製品・サービス全般を扱うプロセスソリューションズ事業は、主としてろ過フィルターおよび
シングルユース製品の需要拡大に牽引されて、本業の売上を 10.1%増と堅調に伸ばしました。学術研究
機関および医薬品研究開発部門向けのリサーチソリューションズ事業は、本業の売上が 0.4%と若干減少
しました。臨床・診断検査機関および食品・環境関連産業向け製品・サービスを扱うアプライドソリューショ
ンズ事業の本業の売上の伸びは 3.3%でした。
ライフサイエンス・ビジネスの当期の特別項目計上前 EBITDA は 4 億 2,400 万ユーロで、前年同期の 2 億
100 万ユーロから 110.7%の大幅増となりました。特別項目計上前 EBITDA 利益率は 30.5%となり、前年
同期の 26.5%から著しく向上しました。
パフォーマンスマテリアルズ・ビジネス - 高い利益率を維持
パフォーマンスマテリアルズ・ビジネスは、2016 年度第 3 四半期の本業の売上が前年同期から 5.8%減少
しました。これは主としてディスプレイ業界の顧客企業が、当初の想定通り在庫縮小を継続したことによる
ものです。しかし、買収に伴ってシグマ アルドリッチの SAFC Hitech 事業がパフォーマンスマテリアルズ・
ビジネスに組み入れられたことが奏功し、3.5%の売上増がもたらされました。さらに、為替によって 1.0%と
若干のプラスの影響を受け、パフォーマンスマテリアルズ・ビジネスの 2016 年第 3 四半期の売上高は、前
年同期の 6 億 5,300 万ユーロから 1.3%減の 6 億 4,500 万ユーロとなりました。
ディスプレイマテリアルズ事業は、堅調な業績を挙げた前年同期に対して、当期は本業の売上が減少しま
した。これは、従来型の液晶技術製品の販売量の低下に加え、ディスプレイ業界の顧客の在庫縮小が続
いていることによるものです。集積回路製造用材料を扱う IC マテリアルズ事業は好調な本業の伸びを挙げ
ました。IC マテリアルズ事業には、買収に伴ってシグマ アルドリッチの SAFC Hitech 事業が組み入れられ
たことにより、成膜材料製品が取扱製品に加わりました。
パフォーマンスマテリアルズ・ビジネスの 2016 年度第 3 四半期の特別項目計上前 EBITDA は、前年同期
の 2 億 9,800 万ユーロから 5.4%減の 2 億 8,200 万ユーロに減少しました。特別項目計上前 EBITDA 利
益率は当期は 43.7%となり、多角化を実現したパフォーマンスマテリアルズ・ビジネスは、グループの全て
のビジネスセクターのうち最も高い利益率を達成しました。(前年同期:45.5%)
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ヘルスケア・ビジネスの好調な業績を受けて通期の利益予想値を上方修正
メルクは引き続き、2016 年通期のグループの本業の売上について、前年からの穏やかな増加を見込んで
います。第 3 四半期の業績は当初の見込みに沿ったものとなりました。さらにシグマ アルドリッチの買収に
よって、引き続きポートフォリオ関連の純売上について 2 桁台前半の増加が見込まれる一方、ラテンアメリ
カ地域の通貨安によって今後も為替による 3~5%のマイナスの影響が続くと予想しています。この結果、
グループ全体の純売上高は 149~151 億ユーロとなる見通しです。
しかしながら、メルクは利益について業績予想値を引き上げ、2016 年通期の特別項目計上前 EBITDA は
当初予想の 42.5~44 億ユーロから 44.5~46 億ユーロへと上方修正しています。これは主として、前述の
通りヘルスケア・ビジネスにおいて、臨床開発プロジェクトに計上していた約 4,000 万ユーロの引当金を戻
し入れしたことによるものです。一方、第 3 四半期における研究開発費の増加は、研究開発プロジェクトの
良好なコスト管理と年初の慎重な予算策定により、当初の見通しを下回る範囲に留まりました。こうした状
況を背景に、今後の年内のコストの上昇についても、当初の予想を下回るものと予想しています。メルクは
グループ全体の営業フリーキャッシュフローを当初予想の 31.4~32.5 億ユーロから 32.5~33.6 億ユーロ
に引き上げています。
メルクグループの主要決算指標(100 万ユーロ)
2016 年度
第 3 四半期
2015 年度
第 3 四半期
増減
(%)
2016 年度
1~9 月期
2015 年度
1~9 月期
増減
(%)
3,724
3,120
19.3
11,194
9,381
19.3
676
564
19.9
2,075
1,545
34.3
18.2
18.1
18.5
16.5
1,110
901
3,462
2,551
EBITDA 利益率(%)
29.8
28.9
30.9
27.2
特別項目計上前 EBITDA
1,174
944
3,416
2,696
31.5
30.3
30.5
28.7
税引後利益
460
366
25.9
1,368
997
37.2
1 株当たり利益(ユーロ)
1.05
0.84
25.0
3.13
2.27
37.9
特別項目計上前 1 株当たり利益(ユーロ)
1.70
1.32
28.8
4.79
3.74
28.1
純利益
457
364
25.5
1,360
989
37.5
2016 年
9 月 30 日
2015 年
12 月 31 日
11,649
12,654
純売上高
営業利益(EBIT)
EBIT 利益率(%)
EBITDA
特別項目計上前 EBITDA 利益率(%)
純金融負債
23.3
24.3
35.7
26.7
-7.9
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全文リリースはウェブサイト上の英文資料をご参照ください。
http://news.merck.de/N/0/3C52B447EBE73ECDC125806B0060F2A2/$File/PM_Q3_2016_EN.pdf
メルクについて
Merck(メルク)はヘルスケア、ライフサイエンス、パフォーマンスマテリアルズの分野における世界有数のサイエンスとテクノ
ロジーの企業です。がんや多発性硬化症を治療するためのバイオ医薬品療法から、科学研究と生産に関する最先端システ
ム、スマートフォンや液晶テレビ向けの液晶材料にいたるまで、約 5 万人の従業員が人々の暮らしをより良くする技術の一層
の進歩を目指しています。2015 年は 66 カ国で 128 億ユーロの売上高を計上しました。
メルクは 1668 年に創業された世界で最も歴史の長い医薬・化学品会社で、創業家が今でも、上場企業が率いるグループの
株式の過半数を所有しています。メルクの名称およびブランドのグローバルな権利は、ドイツのダルムシュタットに本社を置く
メルクが保有しています。唯一の例外は米国とカナダで、両国では EMD セローノ、ミリポアシグマ、EMD パフォーマンスマテ
リアルズとして事業を行っています。
メルク株式会社はメルクの日本法人として1968年に設立。液晶や顔料などの化学品の研究開発・製造・販売や、試薬・分析
機器などバイオサイエンス基礎研究や医薬品製造、創薬にかかわるライフサイエンス関連製品・サービスを手がけています。
2011年に日本ミリポア株式会社を吸収合併、2014年にはグループ傘下にAZエレクトロニックマテリアルズを統合。パフォー
マンスマテリアルズとライフサイエンスの両分野で高付加価値製品とソリューションを幅広く提供しています。
メルク株式会社についての詳細は、www.merck.co.jpをご覧ください。
メルクセローノ株式会社は、ドイツ・ダルムシュタットに本社を置くメルクのバイオ医薬品部門の日本法人で、2007 年 10 月 1
日に発足し、がん及び不妊治療領域を重点領域としています。
メルクセローノ株式会社の詳細については www.merckserono.co.jp をご覧ください。
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