地方税法(軽油引取税)違反嫌疑事件の告発について 平成28年11月28日 千葉県総務部税務課 043-223-2126 県は、千葉県警察本部生活経済課及び東京都主税局と合同で調査してきた軽油 引取税に係る地方税法違反嫌疑事件について、顧客である免税軽油使用者に不当 な利益を得させるため、免税軽油の制度を悪用していたイソベ石油株式会社の 従業員3名及び同法人を軽油引取税の帳簿記載義務違反等の嫌疑により、本日、 千葉地方検察庁に告発しました。 なお、東京都主税局も、本日、同法人等を東京地方検察庁に対し、告発して おります。 1 被告発人(犯則嫌疑者) ア 氏 名 田邉俊彦 (56歳) 住 所 千葉県市川市 イ 氏 名 久保秀和 (47歳) 住 所 千葉県浦安市 ウ 氏 名 酒井達也 (33歳) 住 所 東京都江東区 エ 名 称 イソベ石油株式会社 (両罰規定適用) 本店所在地 東京都江戸川区南葛西6丁目33番18号 代表取締役 礒邉貞雄 2 罪名及び適用法条 罪 名 地方税法違反(軽油引取税) 適用法条 (1)被告発人ア、イ、ウ及びエ 地方税法第144条の36(帳簿記載義務) 同法第144条の37第1項第5号及び第2項 (事業の開廃等に係る虚偽の届出等に関する罪) 刑法第60条(共同正犯) (2)被告発人ア及びイ 同法第144条の27第1項(免税軽油の引取り等に係る報告義務) 同法第144条の28第1項(免税軽油の引取り等に係る報告義務に関する罪) なお、本件罰則による告発は全国初である。 3 事件の概要 本事案は、被告発人が、県税である軽油引取税について、その免税制度を悪用 し、顧客に同税を不当に免れさせ、県の課税権を侵害した事案である。具体的な 内容は以下のとおり。 ・ イソベ石油株式会社の従業員である田邉俊彦及び久保秀和の両名は、同社 の顧客であり、千葉県から免税軽油使用者(とび・土工工事業)と認定され ていた4社から、免税軽油に係る書類等の作成・提出を委任されていたとこ ろであるが、上記4社のために、トラック等の免税対象とならない車両等に 給油した軽油を、あたかも免税対象となる建設機械に給油したように装った 虚偽の「免税軽油の引取り等に係る報告書」を作成し、管轄の県税事務所へ 提出した(免税軽油の引取り等に係る報告義務違反) 。 ・ また、イソベ石油株式会社の従業員である久保秀和、田邉俊彦及び酒井達也 の3名は共謀の上、県税事務所へ提出した報告書の虚偽記載が発覚しないよう に、添付書類の請求書及び納品書について、報告書に記載された虚偽の数量に 合致したものを作成し、上記の免税軽油使用者4社に交付した。 あわせて、イソベ石油株式会社では、虚偽の請求書(控)及び納品伝票を、 免税軽油の引渡しの事実を記載した帳簿として備え付けていた(帳簿記載義務 違反)。 虚偽の実績報告 ・免税軽油の引取り等に係る 報告書 ・請求書・納品書 ・機械別免税軽油使用実績簿 等 県税事務所 免税軽油使用者証・免税証の交付 イソベ石油株式会社 田邉俊彦 久保秀和 酒井達也 4 帳簿記載義務違反で告発 (代理人) 田邉俊彦 久保秀和 免税軽油の引取り等に係 る報告義務違反で告発 軽油代金+免税証 免税軽油使用者 免税軽油 + 虚偽の請求書等 (とび・土工工事業者 4社) 告発対象期間 平成26年1月から平成26年12月まで 5 告発の理由 本件犯則行為は、イソベ石油株式会社において、免税軽油を水増しする目的で 長期にわたり組織的に行われていたものであり、告発対象期間の平成26年1月 から同年12月までに限っても、免税軽油使用者4社合計で1300万円を超える 軽油引取税額を免れさせ、また本県が調査により特定している平成23年1月まで 遡ると5000万円を超える軽油引取税額を免れさせ、県の課税権を侵害した行為 である。 かかる行為は、免税軽油制度の信用を根本から揺るがし、公平公正な納税秩序を 破壊するとともに、本県に対し、多額の軽油引取税の損害を及ぼした極めて悪質な 行為であることから、告発したものである。 (参考)過去における免税軽油に係る告発事件(計2件) (1) 福岡県(平成9年6月18日起訴) (2) 愛媛県(平成22年2月3日起訴)
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