桶川市第二次DV(配偶者等からの 暴力)対策基本計画(素案) 桶川市

桶川市第二次DV(配偶者等からの
暴力)対策基本計画(素案)
桶川市 企画財政部
人 権 ・男 女 共 同 参 画 課
・・・
Ⅰ
目
次
・・・
計画の策定にあたって
1 計画の趣旨・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
2 計画の位置づけと性格・・・・・・・・・・・・・・2
3 計画の期間・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
4 桶川市の現状と取組み・・・・・・・・・・・・・・2
Ⅱ
計画の目的と基本目標及び具体的な取組
1 計画の目的と将来像・・・・・・・・・・・・・・・4
2 計画の基本的な考え方・・・・・・・・・・・・・・4
3 施策の体系・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6
4 基本目標
1 DVをなくすための啓発活動の充実・・・・・・・7
2 被害者の早期発見・相談体制の充実・・・・・・・8
3 被害者の保護・自立支援の充実・・・・・・・・・10
4 子どもへの支援の充実・・・・・・・・・・・・・12
5 関係機関との連携強化・・・・・・・・・・・・・13
Ⅰ
計画の策定にあたって
1 計画の趣旨
配偶者等からの暴力(以下「DV」*1 という)は、犯罪となる行為をも含む
重大な人権侵害であり、どんな理由があっても決して許されない行為です。D
Vの被害者は女性であることが多く、DVを子どもに目撃させることは児童虐
待であり、子どもに及ぼす影響も深刻で見過ごせない問題です。
その背景には、男女の固定的役割分担意識、経済力の格差、男女間での上下
関係など構造的な問題があり、これらは男女共同参画社会の推進においても大
きな課題となっています。
平成13年10月に「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」
(以下「DV防止法」*2 という。その後、平成25年の法改正で「配偶者から
の暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律」に改称された。)が制定され、
暴力の防止及び被害者の保護を図ることを国及び地方公共団体の責務としまし
た。その後、平成16年12月の法改正では、保護命令制度を拡充するとともに、
被害者の自立支援を明確にするため、国の基本方針の策定及び都道府県による基
本計画の策定を義務付けました。
平成19年の法改正では、被害者に対する自立支援の充実が求められている現
状から、市町村の取組を一層推進するために、都道府県のみに義務付けられてい
た基本計画の策定や配偶者暴力相談支援センター*3 の設置を努力義務として規
定しました。さらには、平成25年の法改正では、生活の本拠を共にする交際相
手からの暴力とその被害者についても、この法律を準用することとなりました。
桶川市では、DV防止法に基づいて平成24年3月に「桶川市DV(配偶者等
からの暴力)対策基本計画」を策定し、DV防止の啓発活動及びDV被害者への
支援に積極的に取り組んできました。
また、平成26年3月に策定した「桶川市第三次男女共同参画基本計画」では、
一人ひとりの人権が尊重された社会づくりを基本目標に掲げ、男女間のあらゆる
暴力の根絶を重点事項に位置付けています。
このたび、
「桶川市DV(配偶者等からの暴力)対策基本計画」の計画期間が
平成28年度で終了することから、施策の進捗状況を検証し、今後も引き続き
DV対策の更なる充実・推進を図るため、本計画を策定するものです。
*1DV(ドメスティック・バイオレンス):直訳すると「家庭内の暴力」となる。「配偶者や恋人等の親密な
関係にある、又はあった者から振るわれる暴力」という意味で使われることが多いが、家庭内の女児に対する
性的虐待を含めたり、
親やその他の親族が子どもにたいして振るう暴力を含めたりして使用される場合もある。
*2DV防止法:「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律」の略称
配偶者からの暴力に係る通報、相談、保護、自立支援等の体制を整備することにより、配偶者からの暴力の防
止及び被害者の保護を図るために制定された法律。
(平成13年公布施行 平成16年改正 平成19年改正 平成25年改正)
*3 配偶者暴力相談支援センター:配偶者暴力相談支援センターとは、DV防止法第3条に基づき設置された、
配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護のための機能を果たす施設をいう。①相談又は相談機関の紹介
②カウンセリング ③被害者・同伴児の緊急時における安全確保及び一時保護 ④被害者の自立支援
-1-
2
計画の位置づけと性格
(1) DV防止法第2条の3第3項の「市町村における配偶者からの暴力の防止
及び被害者の保護のための施策の実施に関する基本的な計画(市町村基本計
画)」に相当するものです。
(2) DV防止法第2条の2第1項に基づき国が定める「配偶者からの暴力の防
止及び被害者の保護のための施策に関する基本的な方針(基本方針)」に即
し、かつ同法第2条の3第1項に基づき、埼玉県が定める「配偶者等からの
暴力防止及び被害者基本計画」の内容を勘案して策定するものです。
(3) 桶川市男女共同参画推進条例第3条第7項の趣旨を勘案し、「桶川市第三
次男女共同参画基本計画」の「一人ひとりの人権が尊重された社会づくり」
の施策「男女間のあらゆる暴力の根絶」に対応しています。
(4) DV防止法の改正や基本方針等の改定があったときは、必要に応じて計画
の内容を見直します。
3
計画の期間
本計画の期間は、平成29年度から平成33年度までの5年間とします。
4
桶川市の現状と取組
桶川市では、平成14年4月に制定した「桶川市男女共同参画推進条例」第3
条第7項を受けて平成16年3月に策定した「桶川市男女共同参画基本計画」に
おいて、
「女性に対するあらゆる暴力の根絶」が施策の1つに掲げられ、女性の人
権擁護の推進、女性に対する暴力の根絶に関する啓発、DV被害者に対する相談
及び保護・自立支援等の充実を目指し取り組んできました。
平成16年1月に「桶川市ドメスティック・バイオレンス対策連絡会議」、平成
20年2月には、DV被害者の個人情報の漏洩防止のために全庁的な証明発行制
限システムを確立するなど全庁的な支援体制をとっています。
平成19年のDV防止法の改正を踏まえ、DVは男女共同参画社会実現を阻む
要因の一つであるとし、DVが身近にある重大な人権侵害であることを市民一人
ひとりが認識し、女性に対するあらゆる暴力の根絶の実現を目指し、平成24年
3月に「桶川市DV(配偶者等からの暴力)対策基本計画」を策定し、被害者へ
の支援を行ってきました。
今後も、市は被害者とその家族にとって身近な相談窓口であり、被害の発見や
相談への対応、被害者の自立において必要なサービスを提供する重要な役割を担
っており、支援の状況に応じて福祉、児童、警察、司法など各分野の専門機関等
と連携を図り、支援体制を充実させていきます。
-2-
埼玉県におけるDV相談受付件数
(件)
9,507
10,000
8,556
9,000
8,000
7,300
7,585
6,641
7,000
6,000
5,000
4,000
3,000
2,425
2,293
2,223
2,357
2,295
2,000
1,000
0
23年度
24年度
県
25年度
26年度
市町村
27年度
出典:埼玉県
※ 県相談受付機関:婦人相談センター・With You さいたま・女性相談員
※ 県の相談受付件数は横ばいですが、市町村はDV相談窓口の充実に伴い、年々増加傾向に
あります。
桶川市におけるDV相談受付件数
(件)
140
125
125
121
123
24年度
25年度
26年度
27年度
120
100
88
80
60
40
20
0
23年度
※ DV相談担当課におけるDV相談の延べ件数
※ 平成24年3月に桶川市DV対策基本計画が策定され、啓発活動によって平成24年度
に相談件数が増加し、その後横ばいが続いています。
-3-
Ⅱ
計画の目的と基本目標及び具体的な取組
1
計画の目的と将来像
本計画では、DVが身近にある重大な人権侵害であることを市民一人ひとりが
認識し、「女性に対するあらゆる暴力の根絶」の実現を目指します。
2
計画の基本的な考え方
本計画では、DV防止法で規定する配偶者(事実婚・元配偶者を含む)及び生
活の本拠を共にする相手からの暴力を対象とします。
また、交際相手からの暴力についても対象とします。
(1)計画の対象とする暴力の種類
①身体的暴力
・殴る・蹴る・刃物などの凶器をからだにつきつける
・髪をひっぱる・首をしめる・腕をねじる
・引きずり回す・物をなげる・身体を壁に打ちつける
など
②精神的暴力
・大声で怒鳴る・実家や友人のつきあいを制限する
・電話や手紙を細かくチェックする・無視して口をきかない
・バカにしたり、命令するような口調で言う
・大切にしているものをこわしたり、捨てる
・子どもに危害を加えるといっておどす など
③性的暴力
・嫌がっているのに性的行為を強要する
・中絶を強要する・避妊に協力しない
・見たくないのにポルノ雑誌などを見せる
など
④経済的暴力
・生活費を渡さない・仕事をやめさせる・外で働くことを妨害する
・「誰のおかげで生活できるんだ」「あなたの稼ぎが悪い」と言う
・相手名義の借金をする など
-4-
(2)施策推進の視点
①DVはどんな理由があっても正当化できないという認識に立つこと
②DVを防止し、被害者を支援することは行政の責務であること
③DVが行われている家庭における子ども、親族も被害者であること
④被害者が本来持っている力を信頼し、その回復を支えるとともに自らの意思
に基づき安心かつ安全に、平穏な生活を送ることができるよう自立支援する
こと
⑤外国人、高齢者、障害者、セクシャルマイノリティ*4 等の多様なDV被害者
は、どの地域においても同じ水準の支援を受ける必要があること
⑥被害者数は少ないものの、男性の被害者も存在することから、男性被害者の
支援に適切に対応すること
⑦被害者の安全確保を第一に早期発見・支援に向け、関係機関及び市民等との
連携に努めること
配偶者からの被害経験(男女別)
配偶者から「身体的暴力」「心理的攻撃」「経済的圧迫」「性的強要」のいずれかの被害経験
何度もあった, 3.5
男性
まったくない, 80.5
無回答, 2.9
1.2度あった, 13.1
何度もあった, 9.7
女性
まったくない, 72.1
無回答, 4.2
1.2度あった, 14.0
0
20
40
60
80
平成26年「男女間における暴力に関する調査」:内閣府
100
(%)
*4 セクシャルマイノリティ:何らかの理由で「性」が非典型的なこと。同性愛者、両性愛者、半陰陽者、性
同一性障害、トランスジェンダーなどが含まれる。LGBT・性的少数派とも言われる。
-5-
3
施策の体系
【基本目標】
【具体的な取組】
① 若年層も含むあらゆる年齢層
にわたる市民への啓発活動の
推進
② 学校・地域での人権教育の推進
1.DVをなくすための
啓発活動の充実
① DV相談窓口の周知と、通報の
有効性の周知
② 地域や学校等との連携
③ 外国人・高齢者・障害者・セク
シャルマイノリティ等の被害
者への配慮
④ 相談体制の充実
⑤ 男性被害者に対する相談体制
の検討
⑥ 配偶者暴力相談支援センター
開設準備
2.被害者の早期発見・
相談体制の充実
① 緊急時の安全確保及び一時保
護依頼
② 被害者に関する個人情報の保
護
③ 被害者に対する適切な情報提
供及び支援の実施
④ 保護命令制度利用に関する助
言
3.被害者の保護・
自立支援の充実
① 保育・就学支援
② 心のケア
③ 関係職員に対する研修
4.子どもへの支援の充実
① 所轄警察署や県との連携
② DVネットワークの充実
③ 国や関係機関等からの情報収
集と周知
5.関係機関との連携強化
-6-
4
基本目標
1.DVをなくすための啓発活動の充実
【現状と課題】
DVは、家庭内において行われることがほとんどであり、潜在化しやすく、社
会的にも個人や家庭の問題として見逃され、深刻化しやすい特性があります。
DVを受けながら、DVと気づかない被害者や相談することをためらう被害者
も多く、その背景には、男女の固定的な役割分担意識や女性の自立の困難さ、暴
力を容認しがちな社会風潮などがあると考えられます。
DVに対しての認識と理解が低い現状を変えるためには、家庭・学校・地域な
どでDVに対する認識と理解を得るため、積極的に啓発活動を実施する必要があ
ります。
具体的取組
関係課
①若年層も含むあらゆる年齢層にわたる市民への
啓発活動の推進
◆ 広報誌やホームページ、男女共同参画情報紙を活
用した、DVに関しての啓発をします。
◆ DV防止をテーマとした、DVに関する正しい理
解と認識を図るための講座や研修会を実施しま
人権・男女共同参画課
す。
◆ 「女性に対する暴力をなくす運動」等の期間に合 学校支援課
わせた啓発活動を実施します。
◆ 若年層を対象として、市内中学校・高校等と協力
し、デートDV*5 防止の啓発資料を配布するほか、
各種イベント等においてデートDV防止のための
啓発活動を実施します。
②学校・地域での人権教育の推進
◆ 学校での人権教育において、男女平等意識や暴力
学校支援課
を許さないという意識づくりを推進します。
◆ 自治会等に対して、研修会等の実施や視聴覚資料 人権・男女共同参画課
の貸出を行います。
*5 デートDV:恋人同士など結婚をしていない関係で起こる虐待や暴力を指す。借りたお金を返さないなど
の経済的暴力、携帯電話などを勝手に見る、友人関係を制限するなどの精神的暴力、無理やり性的行為をしよ
うとする性的暴力などが学生や若年者においても起きている。
-7-
2 被害者の早期発見・相談体制の充実
【現状と課題】
桶川市においては、DV相談を人権・男女共同参画課で実施するとともに、カ
ウンセラーによるフェミニスト・カウンセリング(女性相談)*6 を実施していま
す。まずは、DV被害者自身がDVの被害者であると認識をして、必要な情報を
得ることが早期解決に繋がるものと考えられることから、潜在化している被害者
に対して、相談機関の情報を周知する必要があります。
また、被害者を発見しやすい立場にある医療関係者、学校や保育所職員、地域
の人々などに、DVに対する啓発をするとともに、DV被害者支援の協力を求め
ていく必要があります。
外国人、高齢者、障害者、セクシャルマイノリティ等多様な被害者に対し、そ
れぞれの特性に応じた適切な対応が必要です。
被害者数は少ないものの、男性の被害者も存在することから、男性被害者への
支援に適切な対応が必要です。
DVの被害者を早期に発見し、迅速に必要な対応をとるためには、被害者がD
Vを認知するだけでなく、地域や医療機関からの通報を受けることが重要です。
また、子どもの様子からDVを察知するケースも多いことから、学校、保育所な
どが子どもや保護者を注意深く見守る必要があります。
そこで、市関係課(担当課)職員のスキルアップを図りながら、地域、医療機
関、学校、保育所などとの連携を推進します。
具体的取組
関係課
①DV相談窓口の周知と、通報の有効性の周知
◆ 市民に対し、DV相談窓口を広く周知します。
◆ 市民からの通報の有効性、必要性を周知します。
②地域や学校等との連携
人権・男女共同参画課
自治文化課
◆ DVの被害者を発見しやすい立場にある、地域(自 社会福祉課
治会や民生委員)などを対象とした研修会を開催 こども支援課
保育課
する等、早期発見に繋げます。
◆ 児童虐待とDVは密接な関係にあるため、学校や 健康増進課
学校支援課
保育所との連携を図ります。
学務課
③外国人・高齢者・障害者・セクシャルマイノリティ
等の被害者への配慮
◆ 外国人からの相談や支援のために、通訳等関係機 人権・男女共同参画課
関との連携に努めます。
-8-
◆ 外国人・高齢者・障害者・セクシャルマイノリテ
ィ等を持つ被害者について、それぞれの特性に応
じた配慮をし、担当課及び関係機関と連携しなが 高齢介護課
障害福祉課
ら、相談及び支援を進めます。
④相談体制の充実
◆ 担当課によるDV相談を実施し、関係機関と連携
しながら相談及び支援を進めます。
◆ ジェンダーの視点※7を持ったカウンセラーによる
フェミニスト・カウンセリング(女性相談)を実
施し、被害者の継続的な支援を行います。
人権・男女共同参画課
◆ 被害者の二次被害 *8を防止するため、関係職員に
対しDV被害者対応に関する研修会を行います。
◆ 被害者が安心して情報提供が受けられるよう、関
係機関と連携を図り、情報収集に努めます。
◆ 相談担当をする職員については、県などが主催す
る研修等に積極的に参加し、資質の向上を図りま
す。
⑤男性被害者に対する相談体制の検討
◆ 男性のDV被害者に対する相談体制について検討 人権・男女共同参画課
します。
⑥配偶者暴力相談支援センターの開設準備
◆
配偶者暴力相談支援センターの開設に向けた準 人権・男女共同参画課
備をし、さらなる相談体制の充実を図ります。
*6 フェミニスト・カウンセリング(女性相談):家庭や地域、職場の中でさまざまな問題や悩みを持ってい
る女性に、専門のカウンセラーが心理的サポートや専門的アドバイスを行い、女性自身の心理的自立を支援す
る相談のこと。
*7ジェンダーの視点:「社会的・文化的に形成された性別(ジェンダー)」が性差別、性別による固定的役
割分担及び偏見等につながっている場合があり、
これらが社会的に作られたものであると意識していこうとす
る視点のこと。
*8 二次被害:配偶者等からの暴力により心身ともに傷ついた被害者が、相談、捜査、裁判等に携わる職務
関係者の不適切な言動で更に傷ついてしまうこと。
-9-
3 被害者の保護・自立支援の充実
【現状と課題】
被害者から相談を受けた時に、最も重要なのは被害者の安全確保です。身体的
暴力など深刻な状況にあり、一時保護*9 を必要とする被害者については、本人の
意思に基づき一時保護施設に保護を依頼します。また、被害者の安全確保のため、
警察への相談を勧めるとともに、保護命令制度*10、住民基本台帳の閲覧等の制限*
11
(以下「支援措置」という)に関する情報提供や適切な助言を行っています。
被害者は加害者の元から避難した後も、加害者からの追及を恐れることがあり、
関係機関と連携した安全確保に努めなければならず、また、被害者が自立した生
活を送るためには、住宅の確保、経済的基盤の確立、就労や子どもへの支援など、
多岐にわたった継続的な支援が必要です。
具体的取組
関係課
①緊急時の安全確保及び一時保護依頼
◆ 被害者の保護が必要と判断した場合は、一時保護
施設への入所依頼をします。
◆ 被害者の安全を確保するため、警察等関係機関と
の連携を図り、同行支援を行います。
◆ 一時保護が受けられず、緊急避難を必要とする被
害者を支援します。
人権・男女共同参画課
社会福祉課
こども支援課
高齢介護課
②被害者に関する個人情報の保護
◆ 支援措置による被害者の情報の保護を図ります。 市民課
◆ 支援措置の実施をベースに、住民基本台帳以外の 人権・男女共同参画課
関係各課
税や保険等、全庁的な保護に努めます。
③被害者に対する適切な情報提供及び支援の実施
◆ 自立支援に関わる、生活(住宅・就労含める)に
ついての情報提供を行います。
社会福祉課
◆ 必要に応じ、生活保護制度の申請や母子生活支援 こども支援課
施設等への入所等適切な支援を実施します。
産業観光課
◆ 県や民間機関が主催する母子教育プログラム等を 人権・男女共同参画課
活用し、心のケアを図ります。
高齢介護課
◆ 被害者の意思を尊重した上で、継続的な支援を図
ります。
- 10 -
④保護命令制度利用に関する助言
◆ 被害者の安全を確保するため、保護命令制度利用
人権・男女共同参画課
に関する助言を行います。
*9 一時保護:加害者からの暴力を避けるために、緊急に保護が必要な被害者を一時的に保護する制度。
*10 保護命令制度:被害者が加害者からのさらなる身体および精神に対する暴力により、その生命または身
体に重大な危害を受けるおそれが大きいときに、被害者からの申立てにより加害者に対し裁判所が出す命令。
(接近禁止命令・退去命令・電話等禁止命令)
*11 住民基本台帳の閲覧等の制限:DVやストーカー行為からの被害者を保護するため、住民票の閲覧・写
しの交付・戸籍の附票の写しの交付について交付制限する制度。
- 11 -
4 子どもへの支援の充実
【現状と課題】
「児童虐待の防止等に関する法律」では、子どもが同居する家庭における配偶
者間の暴力も「児童虐待」であると定義されています。また、DVがある家庭の
子どもは、心理的虐待だけでなく、直接身体的な暴力を受けていることが多くみ
られます。
虐待を発見しやすい立場にある学校や保育所等が虐待や背景にあるDVの早期
発見、DVが疑われる場合には担当部署や専門機関への相談を積極的に行うこと
が、子どもと被害者の早期支援のためには重要となります。
また、子どもは、転居や転校等生活環境の変化により、大きな影響を受けやす
いため適切な保護、支援ができるよう配慮しなければなりません。
具体的取組
関係課
①保育・就学支援
◆ 学校等の転出入について、適切かつ柔軟な対応が
できるように、関係各課及び学校関係者との連携
を図ります。
◆ 子どもの安全確保を支援します。
学務課
保育課
こども支援課
人権・男女共同参画課
②心のケア
◆ DV担当課と児童虐待担当課は連携し、虐待の早
期発見・早期対応を図るとともに、子どものケア こども支援課
体制の充実を図ります。
健康増進課
◆ 県や民間機関が主催する母子教育プログラム等を 人権・男女共同参画課
活用し、心のケアを図ります。
◆ 継続的な支援、見守りに努めます。
③関係職員に対する研修
◆ 保育士・教職員等を対象とした研修会を開催し、
職員課
人権・男女共同参画課
DVに対する認識を深め、DV・児童虐待の早期
学校支援課
発見、支援に努めます。
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5 関係機関との連携強化
【現状と課題】
被害者の支援・安全確保には関係機関との連携が不可欠です。特に身体的暴力
においては、生命をも脅かす危険な状態になることがあり、警察官の介入が必要
な場合も少なくありません。また、被害者の安全を確保する上で、一時保護施設
への迅速な入所が必要となり、警察や県との日頃からの緊密な情報交換・連携、
ひいては国をはじめとするあらゆる関係機関等からの情報収集も欠かせません。
庁内においても、適切な支援を行うためにはDV情報の共有化、担当課相互の
理解が重要であり、十分な連携が求められます。
そこで、
「桶川市ドメスティック・バイオレンス対策連絡会議※12」により庁内外
の関係機関との連携を強化し、DVネットワークの充実を図ることが必要です。
具体的取組
関係課
①所轄警察署や県との連携
◆ 所轄警察署及び埼玉県担当者と緊密な情報交換を 人権・男女共同参画課
行い、信頼関係の構築、連携の強化を図ります。
②DVネットワークの充実
◆ 「桶川市ドメスティック・バイオレンス対策連絡 人権・男女共同参画課
会議」を定期的に開催し、庁内外担当者との情報 関係機関
交換を行いながら、連携の強化に努め、支援の充
実を図ります。
③国や関係機関等からの情報収集と周知
◆ 国や関係機関から発信される関連情報について 人権・男女共同参画課
は、施策に役立てるとともに、効果的に市民等へ
広く周知します。
*12 桶川市ドメスティック・バイオレンス対策連絡会議:DV被害防止に関することや被害者に対して支援
を行うために、関係機関が連携体制を構築し、DV問題の把握及び情報交換を目的に設置したもの。
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