投資環境マンスリー2016年12月号

M
情報提供資料
投資環境マンスリー 2016年12月号
投資環境マンスリー
2016年12月号
経 済 調 査 部
M
Ⅰ. 主要国の投資環境見通し
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
①米国
トランプ氏の政策期待で株高・国債利回り上昇・ドル高
②欧州
③日本
④オーストラリア
⑤中国
⑥為替
米トランポノミクスがユーロ圏景気に与える影響 – シナリオライティング
トランプ次期米大統領の景気刺激策への期待で株価は一段高へ
日本よりも高い経済成長率が当面続く見込み
景気浮揚と構造問題解消のジレンマに悩む当局、景気加速は当面望み薄か
米国大統領選挙後の円安ドル高の急伸は持続可能な動きなのか?
Ⅱ. 国際金融市場の動向
Contents
①株式
・・・ 13
②金利
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・ 14
③為替
p.1-12
1-2
3-4
5-6
7-8
9-10
11-12
p.13-15
・・・ 15
Ⅲ. 金融・商品市場のパフォーマンス
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
p.16
Ⅳ. 2016年12月の主要な政治・経済日程
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
p.17
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
0
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投資環境マンスリー 2016年12月号
Ⅰ. 主要国の投資環境見通し ①米国: トランプ氏の政策期待で株高・国債利回り上昇・ドル高
 トランプ氏勝利で米株高、米国債利回り上昇、米ドル高
Mトランプ氏の大統領当選後、株高・国債利回り上昇・ドル高の流れが続い
ています。選挙中とは異なり、融和的な勝利演説を行い現実路線を模索する
姿勢を示していることから、移民・通商政策などで景気後退リスクをはらむ
保護主義な政策を強行する、との市場の見方が和らいでいるようです。市場
の注目は大型減税や大規模インフラ投資といった景気刺激策による成長加速
効果に集中している模様です(図1上)。しかしながら、具体的な政策実施計
画は未だ明確にされておらず、引き続き、1月20日の大統領就任演説や2月6日
までに作成される予算教書の内容を注視する必要があります(図1下)。
【図1】 トランプ氏は選挙公約のどの政策を重視するのか?
■ トランプ氏の主な選挙公約と当選後の発言
経済
目標
注)赤字が当選後の勝利宣言と政策ネット演説の内容
❆ 10年間で2,500万人の新規雇用創出(月平均:20.8万人)
❆ 実質GDP成長率を10年平均で+3.5%に引上げ(最大年間+4.0%)
【就任初日】
【就任100日以内】
▪ 10年で1兆ドルの投資
(道路・空港等の分野に投資)
インフラ
投資
▪ 連邦法人税減税(35%→15%)
▪ 子供が2人の中間層に35%減税
▪ 企業海外利益の本国送金に
10%の税率を適用
税制
2016年7-9月期の実質GDPは前期比年率+2.9%と前期の同+1.4%から加速、
個人消費と輸出がけん引しました(図2左)。年末にかけても良好な個人消費
が続く見込みです。全米小売業協会によると今年の年末商戦は前年比+3.6%
と昨年の同+3.2%や過去7年平均の同+3.4%を上回る見通しです(図2右)。
足元の国債利回り上昇の背景は、米国のCDS(クレジットデフォルトス
ワップ)の保証料率が落ち着いているため、財政悪化懸念ではなく、景気回
復期待が主因のようです。 9月FOMCで示されたFF金利の長期見通しと足元
の国債利回りが織り込む5年後の3ヵ月金利は同程度に近づきました(図3)。
10年国債利回りの水準は、日本やユーロ圏の量的緩和などの影響によって低
迷した水準から米国の景気動向に見合う水準に修正されたと考えることがで
きそうです。一方、S&P500は11月25日に史上最高値を更新、足元の利益予想
がエネルギー以外の業種を中心に良好であることに加え、トランプ氏の減税、
インフラ投資、規制緩和等を好感した模様です(図4)。
不動産市場では、商業用不動産の価格がリーマン・ショック時を超えて上
昇しています。2016年10月の銀行融資担当者へのヒアリング調査によると、
商業用不動産融資の条件引締めを続けている模様です(図5)。しかし今のと
ころ、融資の延滞率は低位で推移しており、企業の利払いが滞るほどの厳し
い条件にはなっていないようです。低めの政策金利の継続やトランプ氏の財
政拡張策が不動産価格を支える環境が当面、続きそうです。(石井)
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
▪ 所得税区分簡素化(7→3段階、
世帯所得5万ドル以下はゼロ)
▪ 相続税の廃止
▪ ドッド・フランク法の廃止
▪ グラス・スティーガル法の復活
▪ FRBへの監査実施
金融
 米国景気は消費中心に良好、米国株は史上最高値を更新
【その他】
雇用
▪ 保護主義・法人税減税・積極的インフラ投資等による国内雇用の確保
移民
▪ 犯罪歴のある移民を強制送還
▪ ビザの悪用調査を指示
(不法労働者の実態調査)
▪ オバマ大統領権限の不法移民
恩赦を撤回
▪ 南部国境に壁を建設
(費用負担はメキシコに求める)
▪ 不法移民の入国禁止(法制化)
▪ 企業の海外移転阻止のための
関税率設定
通商
▪ TPPからの離脱
(代わりに公平な2国間交渉)
▪ NAFTAの再交渉もしくは離脱
▪ 中国を為替操作国に指定
(対抗措置:中国製品に45%関税)
▪ 移民希望者への思想審査
▪ 移民を選別し、国内労働者優先
▪ オバマケア廃止(一部維持を検討)
代わりに医療貯蓄口座を促進
▪ 退役軍人への手厚い保護
社会保障
エネルギー
▪ シェールガス・石炭等の生産規制撤廃
▪ 国連気候変動プログラムへの資金
拠出停止(国内の水道・環境施設
整備に財源を活用)
▪ エネルギーインフラ計画の再開
その他
▪ 新規制を1つ設ける毎に現行規制
を2つ廃止
▪ 政府高官のロビイスト転身禁止
▪ エネルギーを自国供給で賄う
▪ エネルギーの輸出促進・生産拡大
▪ インフラへのサイバー攻撃への
防衛体制強化
■ 今後の主な日程
【2016年】
11月14日
⇒
上・下院議会再開
(レームダック議会※1)
⇒
12月9日
暫定予算期限
12月16日
上・下院議会
会期末
※1:選挙後新議会開会までの消化議会
【2017年】
1月3日
上・下院
新議会開会
⇒
1月6日
⇒
12月19日
選挙人団※2による
大統領選挙正式投票
出所)「Make America Great Again! Donald
Trump for President」、政権移行チームHP、
各種報道資料より当社経済調査部作成
※2:11月8日の一般投票で選出
⇒
1月20日
選挙人票の開票
大統領就任式
連邦議会両院合同会議を
開催し、その場で集計・承認
大統領就任演説は、通常
の一般教書演説に該当
⇒ ~2月6日 ⇒
2月中
2月頃まで
⇒ 3月16日 ⇒
4月中
予算教書を
議会へ提出
大統領経済報告
(経済教書)公表
上院にて
新政権
人事承認
債務上限
引上げ期限
財務省半期
為替報告書
発表
1
M
投資環境マンスリー 2016年12月号
【図2】 7-9月期は消費や輸出がけん引、年末商戦は好調か
米国 11~12月合計・小売売上高
(除く自動車、ガソリン、外食)
米国 実質GDP(前期比年率)
M
(%)
6
6
設備
投資
住宅
投資
4
2016年
7-9月期
+2.9%
実質GDP
【図3】 米国債利回りはFOMCの長期見通しに合致する水準
(%)
10
2016年
(予想)
前年比
+3.6%
2009~2015 年平均
前年比+3.4%
5
(%)
5
(%)
FOMCの
FF金利長期見通し
8
米国
4
6
3
4
2
米国 5年後の3ヵ月金利と
FOMCのFF金利長期見通し
10年国債利回り
4
2016年
9月
2.875%
2016年
11月23日
3
0
2.34%
政府
支出
-2
在庫
投資
1
0
2015
0
2016
(年)
2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016
注)左図の直近は一次速報の値。右図の予想は全米小売業協会の値、それ以外は米商務省の小売売上高。
-2
1990
1995
2000
2005
長期国債が織り込む
5年後の3ヵ月利回り
0.03%
日本
(年)
2014
2
2
個人消費
純輸出
(輸出-輸入)
-4
2013
2
2010
2015
2016年
11月23日
3.05%
1
(年)
2012
2013
2014
2015
2016
(年)
注)右図の5年後の3ヵ月金利はBloombergの値。
出所)Bloomberg、FRBより当社経済調査部作成
出所)米商務省、全米小売業協会より当社経済調査部作成
【図4】 トランプ氏の政策期待で株高、足元の業績は内需関連良好 【図5】 商業用不動産融資の貸出基準が引締めも延滞率は低位
S&P500 業種別騰落率
(2016年11月8日~同年11月23日)
15
米国 一株当り予想利益
(各年11月末時点)
250
(%)
米国 商業用不動産価格
(2007年12月末
=100)
80
(%)
(ドル/平方フィート)
商業用不動産価格
(右軸)
一般消費財
10
60
200
5
ヘルスケア
100
80
80
60
40
60
150
0
100
米国 商業用不動産融資の
貸出基準と延滞率
(%)
(%)
融資基準(左軸)
14
12
条件引締め
↑
10
40
8
20
6
0
4
20
S&P500
40
100
-5
-10
公
益
生
活
必
需
品
情
報
技
術
ヘ
ル
ス
ケ
ア
S
&
P
5
0
0
素
材
エ
ネ
ル
ギ
ー
一
般
消
費
財
電
気
通
信
資
本
財
金
融
0
エネルギー
50
商業用不動産価格
前年比(左軸)
-40
注)右図の予想はBloombergの当期予想で直近のみ11月23日時点。
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
-20
0
2008
2010
2012
2014
2016年
10月
+13%
2016
(年)
出所)Bloombergより当社経済調査部作成
(年)
2002
2005
2008
2011
2014
2017
20
-20
0
-40
↓
条件緩和
2
延滞率(右軸)
(年)
0
1990 1994 1998 2002 2006 2010 2014 2018
注)右図の融資基準は2013年7月期まで総合、以降は集合住宅関連の値で直近は2016年10月。
出所)Bloomberg、FRBより当社経済調査部作成
延滞率の直近値は2016年7-9月期。
2
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投資環境マンスリー 2016年12月号
②欧州: 米トランポノミクスがユーロ圏景気に与える影響 – シナリオライティング
 ユーロ圏景気は緩慢ながら回復基調を維持
M
ユーロ圏景気は依然緩慢ながら回復基調を維持しています。ユーロ圏7-9月期
実質GDPは前期比年率1.4%と、前期の同1.2%から小幅加速(図1)、原動力であ
る個人消費や外需は底堅く推移しているとみられます。一方国別ではドイツが前
期比+0.2%、スペインが同+0.7%と、折からのユーロ安はドイツ内外需を、また雇
用環境の改善等はスペイン内需を押し上げ、ユーロ圏景気をけん引しています。
【図1】 14四半期連続でプラス成長を続けるユーロ圏
ユーロ圏実質GDP成長率(前期比年率換算 需要項目別寄与度)
6
(%)
政府消費
4
純輸出
2
0
-2
個人消費
-4
消費者物価上昇率(HICP)も今年前半を底に明確な回復基調にあります。原油
価格の上昇により昨年の同時期に比べエネルギー価格が上昇していること(ベー
ス効果剥落)に加え、マネーサプライの順調な伸びもHICP上昇に寄与、金融政策
の効果が出始めていると言えましょう。もっとも、ECB(欧州中銀)が目標とす
る物価水準とのかい離はまだ大きいため、現在行う量的金融緩和の手を緩める
(テーパリング)とする一部市場参加者の見方にはやや懐疑的です。むしろ、12
月8日のECB理事会は来年3月までの国債等買取策を延長するとみています。
 米トランプ次期大統領の政策を語るのは時期尚早だが、
トランポノミクスはユーロ圏景気に打撃となる可能性も
-6
予想
固定資本投資
在庫投資
実質GDP
2016年7-9月期
実質GDP
+1.4%
-8
-10
-12
-14
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2014
2015
2016
2017 (年)
注)直近値は2016年7-9月期。同期の需要項目別寄与度は2016年11月29日現在、未発表。
出所)欧州統計局より当社経済調査部作成
【図2】 世界の貿易黒字を引き受ける米国
世界の貿易収支と米貿易赤字(GDP比)
11月8日の米大統領選挙では、大方の予想に反し共和党トランプ候補が勝利、
次期大統領の座を射止めました。金融市場はトランプ次期大統領が挙げる歳出拡
大やインフラ投資への期待などから大いに沸いていますが、政策綱領については
依然不透明な部分が多く、米経済政策を現段階で論じるのは早計に過ぎるとみて
います。もっとも、トランプ次期大統領の発言からかなり確度が高い政策であろ
うと推察されるのは、「米国の保護主義化」(反グローバリズム)です。
米国の保護主義化は、誤解を恐れずに述べれば米貿易収支の改善に集約されま
しょう。米国貿易赤字は改善傾向にあるとはいえ依然GDP比で2.5%に及び、米
国が世界の貿易黒字を一手に引き受ける構図に変化ありません(図2)。反対に
近年、貿易黒字を多く稼いでいるのはユーロ圏です。2010年以降本格化した欧州
債務問題で景気低迷に苦しんだユーロ圏が、米内需への供給を糧に景気回復を
辿ったとも言えましょう。米貿易赤字がトランポノミクス(トランプ次期大統領
による政策)により縮小へと向かえば、ユーロ圏には打撃となりましょう。
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
注)新興国は、中国、香港、マレーシア、フィリピン、ロシア、シンガポール、南アフリカ、韓国、タイ、トルコ、
ブラジル、インド、インドネシア、メキシコ、ポーランド、ハンガリー、アルゼンチン、チリ。貿易収支の直近値は
2016年4-6月期。
出所)IMF、各国統計局より当社経済調査部作成
3
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投資環境マンスリー 2016年12月号
 反グローバリズムは世界経済の縮小に繋がるとみられるが...
【図3】 金融経済の再活性化を目指しているのでは?
グローバリズムとその逆流
繰り返しになりますが、トランポノミクスを語るのは早計に過ぎるとみてお
り、来年早々の大統領就任演説、一般教書、予算教書を待つ必要がありましょ
う。2000年代以降、世界経済が謳歌してきたグローバリズムが単に逆流するのみ
ならば、米国にとっても成長機会を喪失することになりましょう。トランプ次期
大統領の胸の内は次なる米経済の成長ストーリーを秘めていましょう(図3)。
トランポノミクスの目指す姿(仮説)
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一つの仮説として、トランプ次期大統領は金融経済の再活性化を目指している
と考えることもできそうです。国際収支の観点からすると、貿易収支を始めとし
た経常収支が縮小に向かう分、資本収支などの金融収支が膨らみ両者が相殺すれ
ば、世界の国際収支のパイは維持、ないしは拡大に繋がりましょう。世界最大の
金融市場を有し世界の様々な経済主体が欲するドルを有する米国、その中心に位
置する米金融機関は、そうした潮流の中で最も恩恵を得るでしょう。目下、ボル
カー・ルール等、厳しい規制下に置かれリスクテイクに慎重な米金融機関が、か
つ て の 輝 き を 取 り 戻 し 、 ト ラ ン プ 次 期 大 統 領 の 言 う 「 Make America Great
Again」(米国を再び偉大な国へ)を体現するかも知れません。
出所)各種資料より当社経済調査部作成
 目先は内需強化策、長期的には愚直に生産性向上で米に対抗 【図4】 長期的には労働(ヒト)の深化が必要か
ドイツ 歳出計画
(前年差純増額)
仮にこうした姿を世界経済のフロントランナーである米国が目指した場合、
ユーロ圏経済はどう対処するべきでしょうか。
200
正攻法として、目先は内需強化が課題です。その点、図らずもユーロ圏各国の
2017年予算は僅かながらも歳出拡大へと舵を切り始めています。財政規律の厳し
いドイツですらGDP比で年平均0.2%程度の歳出拡大を計画(図4左)、これは乗
数効果を伴ってユーロ圏経済を下支えしましょう。また、EU(欧州連合)主導
で進める投資促進策、ユンケルプラン(2020年までに総額€5,000億をインフラ投
資等充当。2014年以降、既に€1.158億を実行)も内需増強に繋がりましょう。
しかし何より重要なのは潜在的な成長力強化です。特に労働(ヒト)の深化は
ユーロ圏のみならず、世界共通の課題といえましょう。ドイツはユーロ圏の中で
も労働生産性が突出して高いものの、それでも労働量や労働の質もたらす経済成
長への寄与度は0.8%程度(2015年)と、かつての約半分に低迷しています(図4
右)。来年以降、トランポノミクスで外需抑制圧力を跳ね返せるか、ユーロ圏主
要国で新たに政権を握るであろう首脳陣には難題が待ち構えています。(徳岡)
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
150
(億ユーロ)
(%:GDP比)
歳出純増額
GDP比 (右軸)
0.6
0.4
6
(%)
ドイツ 実質GDP
要素別要因分解
全要素生産性
GDP成長率
(前年比)
4
労働の深化
100
2
0.2
50
0
0.0
0
-50
-100
-150
資本の深化
-2
-0.2
歳出純増額(計画)
(左軸)計€309億
歳出純増額(実績)
(左軸) ※2016年度は見込み
-0.4
-0.6
2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 (年度)
出所)ドイツ財務省より当社経済調査部作成
-4
-6
-8
労働の深化:労働分配率×労働投入の伸び
資本の深化:資本分配率×資本ストックの伸び
全要素生産性 = GDP成長率-(労働・ 資本の深化)
1990
1995
2000
2005
2010
2015 (年)
注)直近値は2015年。
出所)Thomson Reuters Datastreamより当社経済調査部作成
4
M
投資環境マンスリー 2016年12月号
③日本: トランプ次期米大統領の景気刺激策への期待で株価は一段高へ
M今年度下期の成長率はプラス成長維持へ

【図1】 実質成長率はプラス基調が継続する見通し
日本 実質GDP(需要項目別寄与度、前期比年率)
(%)
2016年7-9月期の実質成長率は3四半期連続のプラスとなりました。ただ需
要項目別にみるとプラス成長の大部分が外需によるものであり、国内の民間
需要は低めの伸びにとどまっています(図1)。他方、景気は踊り場状態か
ら脱しつつあり、景況感も徐々に上向き始めています(図2左)。所得環境
の改善が続いていることから、個人消費は緩やかな増加が予想されます。
15
実質GDP
(前期比年率)
公的需要
10
(予想)
純輸出
在庫投資
5
0
OECD(経済協力開発機構)は最新の世界経済見通しを公表し、日本の実
質成長率見通しを上方修正しました。世界経済の見通しも上方修正し、2018
年にかけて成長率が加速すると予想しています(図2右)。米国はトランプ
次期大統領の財政刺激策を織り込み、高成長を見込んでいます。日本経済は
労働不足と高水準の企業業績を背景に個人消費が増加するとされ、世界経済
の拡大による輸出増も寄与するとみられます。期待成長率が高まれば、企業
の投資も増え好循環が生じる期待が強まります。
-5
2016年7-9月期
実質GDP+2.2%
(1次速報値)
個人消費
-10
民間住宅投資
-15
民間設備投資
-20
(年)
2012
2013
2014
2015
2016
2017
注) 2016年10-12月期から2017年7-9月期までが当社経済調査部の予想値。
出所)内閣府より当社経済調査部作成
 株価は回復基調を辿り、昨年6月高値への戻りを試す展開
11月8日の米大統領選後の株価騰落率をみると、日経平均株価は+6.6%と
NYダウの+4.3%、DAX®の+1.3%を上回り、短期間に大きく上昇しました。
トランプ次期米大統領の財政刺激策期待によるリスクオン相場に乗った形で
すが、ドル円相場がようやく企業の想定レートよりも円安水準に転じたこと
が大きいと言えます(図3)。それまでは円高が企業業績を縮小させる懸念
が日本株の上値を抑えていましたが、今後は逆の展開が想定されます(図
4)。現在の為替相場は企業の想定レートより10円超の円安になっています。
日経平均株価の予想PERは過去の平均水準まで上昇してきました。今後の
焦点は2017年度(2018年3月期)企業業績の拡大余地になります。現在のド
ル円相場の水準が続けば2017年度予想は二桁増益に上方修正される可能性が
あります(図5)。また世界経済の成長率が上向けば売上高の上方修正も期
待されます。米大統領選挙後の株価上昇の主役は景気敏感セクターであり米
新政権の経済政策を見越した資金流入が続く見込みです(図6)。(向吉)
【図2】 消費マインドは緩やかに回復、世界経済は拡大見通し
日本 各種景況感
65
(%)
46
60
OECDの成長率見通し(2016年11月)
実質GDP前年比(折れ線)
3.5
44
43
55
42
50
41
3.0
2.5
2018年予
2015年
2017年予
2.0
40
45
40
39
1.5
38
1.0
2016年予
37
35
景気ウォッチャー調査
先行き判断DI(左軸)
30
(年)
2012
2013
2014
2015
2016
2017
36
35
0.5
予想修正幅(2016年9月比)
(棒グラフ)
0.0
世界
米国
ユーロ圏
日本
英国
注)2016年11月時点の予測。
注)直近値は2016年9月。
出所)内閣府
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
45
消費者態度指数(右軸)
4.0
出所)OECD
5
M
投資環境マンスリー 2016年12月号
【図4】 円安→企業業績上方修正の局面へ
【図3】 トランプ次期米大統領への期待が株価を押し上げ
日米株価比較
(円)
22,000
M
(2014年初=100)
50
135
45
NYダウ(円ベース)
130
(右軸)
2016年度想定レート
(日銀短観9月調査)
40
107円94銭
35
125
ドル円相場(右軸)
30
120
25
20,868
(2015年6月24日)
21,000
20,000
19,000
18,000
115
110
17,000
16,000
15,000
日経平均株価(左軸)
13,000
100
(年)
日経平均のPERとEPS
予想PER(左軸)
20
(2016年
11月29日)
15.64
平均=15.4倍
18
2,400
2,200
-10
実際のレート-想定為替レート
(左軸)
(年)
2013
2014
2015
2016
一
株
当 変化率
り
利
益 +15%
(
12
1,600
1171 1270
(+6.3%)(+8.5%) 1,400
E
P
S
、
円
)
6
4
800
600
400
2
200
0
(年)
2012
2013
2014
2015
株価収益率(PER、倍)
13
15.4
17
17,500
2016
0
2017
注)直近値は2016年11月29日。予想EPSは日経平均株
価を予想PERで除して算出。2017年度予想はBloomberg
予想を用いて延長。出所)Bloomberg、日本経済新聞
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
0.2
0.0
全産業
製造業 素材業種 加工業種 非製造業
注)経常利益予想修正率を業況判断DI、想定為替レート変化で
推計し算出(期間:2006年3月-2016年9月) 出所)日本銀行
売上高
経常損益
最終損益
▲ 7.5
▲ 18.1
▲ 17.6
(▲ 5.1)
(▲ 7.4)
(▲ 1.8)
▲ 4.6
▲ 5.1
▲ 2.4
(▲ 2.0)
(5.0)
(21.8)
▲ 6.3
▲ 12.3
▲ 10.9
(▲ 3.8)
(▲ 2.2)
(7.6)
▲ 6.2
▲ 13.0
▲ 10.8
(▲ 3.8)
(▲ 3.6)
(5.7)
上場企業2017年3月期下期業績の想定為替レート
は主要企業180社平均1ドル=101円90銭、ユーロは
95社平均で112円10銭。(日本経済新聞社集計)
注)全国上場企業の連結決算。非製造業、全産
業は金融を除くベース。出所)日本経済新聞
【図6】 景気敏感株や規制緩和・インフラ関連が好パフォーマンス
(過去平均)
1,350
0.3
40
2017
20,700
22,900
東証株価指数(景気敏感、ディフェンシブ)
260
(倍)
(2012年1月=100)
240
(A)景気敏感
セクター株価(左軸)
220
200
+10% 1,290
16,700
19,800
21,900
+5% 1,230
16,000
18,900
20,900
140
現在 1,171
15,200
18,000
19,900
120
注)2016年11月29日時点。PER平均は2011年1月
以降で算出。予想EPSは日経平均株価を予想PER
で除して算出。
出所)日本経済新聞より当社経済調査部が作成
電気機器
建設業
1.4
(B)ディフェンシブ
セクター株価(左軸)
1.3
1.2
1.1
1.0
80
(A/B)(右軸)
40
20
2012
0.70(2016年7月7日)
2013
2014
①TOPIXを下回る
1.7
1.5
160
60
業種別東証株価指数騰落率(米大統領選後)
1.8
1.6
100
(試算)ドル円相場が112円で一定とした場合、
2016年度利益は2%、2017年度利益は6%程度押
し上げられる計算。(前提:為替感応度:
0.58、現在の企業の為替想定レート:101.9円
で計算)
2.0
2015
2016
2017
(年)
空運業
金属製品
精密機器
医薬品
化学
小売業
電気・ガス業
繊維製品
0.9
サービス業
0.8
情報・通信業
0.7
水産・農林業
0.6
食料品
注)直近値は11月29日。景気敏感=輸送用機器・鉄鋼・
機械、ディフェンシブ=医薬品・食品・陸運とする。
出所)Bloomberg
②TOPIXを上回る
保険業
銀行業
鉱業
証券・商品先物
鉄鋼
非鉄金属
倉庫・運輸関連
海運業
その他金融業
輸送用機器
不動産業
石油・石炭製品
ゴム製品
卸売業
機械
その他製品
パルプ・紙
陸運業
1.9 ガラス・土石製品
180
1,000
2017
年度
予想
2011
水準
全産業
(金融含む)
0.4
0.1
日経平均株価の試算(=EPS×PER)
1,800
8
全産業
0.5
50
注)直近値は2016年11月29日時点。想定為替レートは日
銀短観、大企業全産業。 出所)Bloomberg、日本銀行
14
1,200
0.7
60
-5
2,000
予想EPS(一株当り利益)
(右軸)
0.8
70
16
10
非製造業
0.6
-20
2012
2,600
製造業
0.9
80
-15
2,800
22
(前年同期
比、%)
ドル円相場が1円動いたとき、大企業の
経常利益前年比は何%影響をうけるか
(円安→増益、円高→減益の関係)
1.0
90
85
(円)
1.2
想定為替レート(右軸)
90
3,000
1.3
1.1
【図5】 企業業績拡大期待で日本株に上昇余地
24
1.4
100
(
(倍)
上段:2016年4-9月期実績/下段:2017年3月期通期予想
1.5
110
10
0
2014
2015
2016
2017
注)直近値は2016年11月29日時点。NYダウはドル円
レートで円換算したもの。出所)Bloomberg
130
15
5
日本 上場企業の業績見通し
日本 大企業・経常利益の為替感応度
(円/ドル)
120
20
105
95
14,952
(2016年6月24日)
14,000
ドル円相場と想定為替レート
(円/ドル)
140
(%)
(%)
-10
0
10 20
-10 0
10 20
注)2016年11月8日に対する同年11月29日株価の騰落率。
東証株価指数(TOPIX)は7.7%上昇。 出所)Bloomberg
6
M
投資環境マンスリー 2016年12月号
④オーストラリア: 日本よりも高い経済成長率が当面続く見込み

M当面、日本に比べて高成長が予想されるオーストラリア(豪)
11月の金融市場は、豪州の10年国債利回りが上昇する一方(図1左)、日銀
の政策効果で日本の同利回りがゼロ近傍で推移、日本と豪州の利回り格差が
拡大したことで豪ドルの対円相場が上昇しました(図1右)。
今後も経済成長率格差や利回り差の面で日本からみた豪州の投資魅力が続
きそうです。豪中銀は四半期に一度の経済見通しを発表しました(図2)。景
気は、低金利や雇用・所得改善の効果で個人消費や住宅投資が拡大、LNG
(液化天然ガス)輸出の力強い増加もあり、2018年にかけて3%前後の経済成
長を予想しています。他方、消費者物価は2018年頃までインフレ目標の上限
に届かないとみています。雇用環境は失業率の低下や求人件数の増加などの
改善がみられる一方で、賃金上昇率は低迷しています(図3)。業況の良い小
売業でも賃上げ圧力は限定的で賃金上昇を基点とした物価上昇圧力が高まる
可能性は当面低く、低金利政策が景気を支える局面がしばらく続きそうです。
 輸出回復が景気をけん引、中国経済や原油の動向に注目
輸出金額は今年に入って増加基調に転じています(図4左)。実質数量の増
加に加え、今年初に国際的な資源安が和らいだことが背景です(図4右)。地
域別には中国向け輸出がけん引しています(図5左)。政府によるインフラ投
資拡大等の下支え策によって中国景気が回復しています(図5右)。しかし中
国政府は今年10月頃から一部の地域での住宅価格高騰に対して抑制策を講じ
ています。5年間で平均6.5%以上の成長率を目指す中国政府が、現在の成長
率6.7%(7-9月期)付近の成長率を維持するのか、今後の政策動向に注目です。
国際的な資源安の一服は原油価格の下げ止まりの影響が大きいと考えられ
ます。OPEC(石油輸出国機構)は原油価格を支えるために11月30日の総会で
減産を協議する予定です(図6左)。減産見送りとなれば、原油価格が下落す
る恐れがあります。しかしOPECの減産がなくても、世界の需給環境は改善が
予想され、米シェールオイルの生産急増で需給が悪化した2015年の局面とは
状況が異なります(図6右)。2015年の豪ドルは国際的な資源安が嫌気され下
落しましたが、同様な状況が再燃する可能性は低いとみています。(石井)
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
【図1】 日豪国債利回り差の拡大等で豪ドルが対円で上昇
オーストラリア 為替相場
10年国債利回り
7
(円/
(%)
130
↑オーストラリアドル高
↓米ドル高↓円高
オーストラリア
6
(米ドル/
オーストラリアドル)
オーストラリアドル)
対米ドル(右軸)
0.85
0.80
5
2016年
11月28日
2.70%
4
3
2
日本
110
0.75
0.70
90
0.65
1
0.01%
0
0.60
対円(左軸)
-1
(年)
70
2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018
(年)
2015
0.55
2016
注)右図の直近値は2016年11月28日。
出所)Bloombergより当社経済調査部作成
【図2】 日本に比べて高成長が続く見込み、物価は低迷継続か
オーストラリア 消費者物価と政策金利
8
(%)
中銀の実質GDP見通し(%)
政策金利
2016年
2017年
2018年
オーストラリア
+2.5~+3.5 +2.5~+3.5 +2.5~+3.5
日本
+0.8~+1.0 +1.0~+1.5 +0.8~+1.0
6
豪中銀の
消費者物価見通し
(2016年12月~
2018年12月)
4
上限
2
消費者物価
(前年比)
0
インフレ目標
+2~3%
下限
(年)
注)左表の実質GDP見通しはオーストラリアがオーストラリア
2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018
中銀の2016年11月3日時点、日本が日銀の同年11月2日時点で
年度ベース。
出所)オーストラリア中銀、オーストラリア統計局、日本銀行より当社経済調査部作成
7
M
投資環境マンスリー 2016年12月号
【図3】 雇用改善も賃金上昇は弱め、物価上昇圧力が弱い一因
オーストラリア 失業率と求人件数
M
8
(%)
(万件)
30
(%)
7
2016年
10月
5.6%
4
5
200
全体
小売業
2014
(年)
鉱業
0
10
2006
2009
2012
2015
サービス輸出(右軸)
(年)
出所)オーストラリア統計局より当社経済調査部作成
【図5】 輸出増加は粗鋼生産増加等の中国の景気回復が主因
オーストラリア 国別輸出比率
中国 粗鋼生産(前年比)
(億豪ドル)
50
0
2006
注)直近値は左図の求人件数が2016年8月、右図が2016年7-9月期。
100
80
180
70
160
60
140
50
120
40
100
30
80
2010
2012
2014
(年)
2016
2015年
12月
資源価格
(左軸)
(年)
(万バレル)
OPEC 原油生産量
生産目標(予定)
3,250万~3,300万バレル
500
2016年10月
3,364万バレル
(万バレル)
世界の原油需給
400
9,000
2015年
+171 2016年
世界の需要
+75
(右軸)
2017年
+51
3,200
20
3,100
0
↓
8,000
7,000
需要
超過-100
-10
米国
0
2014
↑
0
欧州
2013
供給 100
超過
アセアン
10,000
世界の供給
(右軸)
200
10
日本
(万バレル)
300
20
40
400
2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017
【図6】 OPECの生産調整がない場合でも世界の原油需給は改善
3,400
(%)
2008
30
60
2015年
12月
600
3,300
中国
実質輸出
(右軸)
注)直近値は左図が2016年9月(月次)、右図の輸出数量が同年4-6月期(四半期)、資源価格は同年10月。
資源価格はオーストラリアドル建てで輸出品目の価格を輸出ウエイトで加重平均した値。
出所)オーストラリア統計局、オーストラリア中銀より当社経済調査部作成
40
80
200
財輸出(左軸)
100
2
1
2011
90
1,000
20
求人件数
(右軸)
2008
(億豪ドル)
100 220
800
4
15
0
(億豪ドル)
全体
(左軸)
3
2
オーストラリア 実質輸出と資源価格
(2014-2015年度
=100)
2015年12月
25
2005
(億豪ドル)
300
6
6
2002
オーストラリア 輸出金額
オーストラリア 賃金(前年比)
失業率
(左軸)
1999
【図4】 輸出の金額と数量の回復は資源国豪州に追い風
2015
2016
(年)
-20
2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016
(年)
注)直近値は左図が2016年9月、右図が同年10月。
出所)オーストラリア統計局、Bloombergより当社経済調査部作成
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
3,000
(年)
2012 2012 2013 2014 2015 2015 2016
2016-2017年
(予想)
供給-需要
(左軸)
-200
(年)
2000
2005
2010
6,000
2015
注)左図の生産目標は2016年9月のOPEC非公式会合での合意事項、11月30日の総会で協議。
2016年8月から10月までがOPEC、それ以外は米EIAの値。
出所)OPEC、米EIAより当社経済調査部作成
8
M
投資環境マンスリー 2016年12月号
⑤中国: 景気浮揚と構造問題解消のジレンマに悩む当局、景気加速は当面望み薄か
M
 当面の中国景気は当局の政策次第という構図は変わらず
【図1】 10月の製造・非製造業PMIは揃って前月比上昇
10月の製造業・非製造業PMIは、国家統計局・マークイット公表値ともに前
月比上昇(今年3月以来)となるなど、景気安定化を印象付けました(図1)。
ただし規模別では、インフラ投資加速の追い風を受けた国営企業の多い大企
業に比べ、中小企業の改善に遅れがみられます(図2左)。固定資産投資で
見ても、政府が促進するインフラ・不動産以外では回復の鈍さもうかがえる
など(図2右)、自律的な回復基調を取り戻したとまでは言えないようです。
(ポイント)
(ポイント)
60
非製造業
58
56
サービス業
56
54
54.0
54
52
51.2
52
50
悪化
中国 製造・非製造PMI
(総合、マークイット)
60
58
改善
個人消費についても同様です。自動車販売は、昨年10月からの小型車取得
税減税(期限は今年末まで)により好調ですが(図3左)、それ以外の分野
はやや停滞感が拭えません(図3右)。来年秋に予定される5年に1度の共産
党大会(新指導部を選出)に向け、現指導部は経済成長率目標(第13次5ヵ
年計画では2016~2020年は年平均で実質+6.5%)を死守するとみられ、景気
下振れリスクが高まれば、小刻みに景気てこ入れ策を打つと予想されます。
中国 製造・非製造業PMI
(総合、国家統計局)
52.4
51.2
50
48
48
製造業
46
2010
2012
2014
(年)
2016
製造業
46
2010
2012
2014
(年)
2016
注)直近値はすべて2016年10月時点。
出所) 中国国家統計局、マークイットより当社経済調査部作成
 景気・構造問題の両にらみが続き、景気は当面一進一退か
反面、こうした景気刺激策は構造改革を遅らせるリスクを伴うと考えます。
例えば、過剰生産能力削減については、対象産業の代表格である鉄鋼部門が、
インフラ・不動産投資拡大に伴う素材市況回復を受け(図4左)、増産基調に
転じています(一度閉鎖した工場が操業を再開したとの見方も)(図4右)。
住宅の過剰在庫解消も一筋縄では行きません。在庫調整は進んでいますが
(図5左)、景気への波及効果が大きい住宅市場の失速を避けるべく販売促
進策も打っていたため、大都市で価格高騰が続きました(図5右)。各都市
で10月に購入抑制策を相次ぎ導入、沈静化の兆しを見せたものの、住宅市場
調整の難しさが表れています。また中小都市では過剰在庫が目立つなど(図
6)、不動産開発業者の資金繰り難を通じた不良債権化懸念も根強いままで
す。当局が景気安定と構造問題解消という課題を抱え、硬軟取り混ぜた政策
対応を続けざるを得ないなか、景気も一進一退が予想されます。(瀧澤)
【図2】 けん引役は大企業、堅調なインフラ投資の恩恵か
(ポイント)
54
53
改善 52
51
50
49
悪化 48
47
46
45
44
中国 製造業PMI
(国家統計局、規模別)
(%)
大企業
52.5
49.9
48.3
中堅企業
中小企業
2013
2014
2015
2016
(年)
2017
35
30
25
20
15
10
5
0
-5
-10
中国 都市部固定資産投資
(業種別、年初来累計、前年比)
全体
インフラ関連
+19.4%
+8.3%
+6.6%
+3.1%
不動産業
製造業
(年)
2012 2013 2014 2015 2016 2017
注)左図:直近値は2016年10月時点。
右図:インフラは電力除くベース。直近値は2016年10月時点。
出所)中国国家統計局より当社経済調査部作成
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
9
M
投資環境マンスリー 2016年12月号
【図3】 好調目立つ自動車販売、取得税減税は延長を検討か
中国 自動車販売台数
(12ヵ月移動累計)
M
(%)
120
(万台)
3,000
2015年10月~2016年末
小型車の取得税減税
100
2009年1月~2010年末
2,500
小型車の取得税減税
80
60
2,000
台数
(右軸)
40
1,500
20
0
-20
1,000
前年比(左軸)
-40
2008
2010
2012
2014
2016
(年)
500
(%)
中国 社会消費品小売総額
(名目、3ヵ月移動平均、前年比)
自動車除く
300
150
中国 新築住宅価格指数
(主要70都市平均、前月比)
40
1級
30
3
2級
2
20
1
10
0
0
-10
▲6.0%
-20
2010
2012
2014
2016
-1
3級
在庫面積
-30
(年)
-2
2010
2012
2014
2016
(年)
注)左図:在庫面積は2013年1月以降。直近値は2016年10月時点。
右図:1級が北京・上海・広州・深センの4都市、2級が省都・自治州・副省級市など31都市、3級がその他35都市。
各都市(前月比)の単純平均値とした。直近値は2016年10月時点。
出所)中国国家統計局より当社経済調査部作成
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
鉄筋
2010
2012
2014
2016
(年)
35
30
25
20
15
10
5
0
-5
-10
-15
-20
-25
鋼板
粗鋼
+4.1%
+4.0%
石炭
※石炭は2015年1-2月以降
2010
2012
2014
▲12.0%
2016
(年)
注)左図:鉄鉱石は中国青島港荷揚げ価格(鉄分62%)、鉄筋は上海先物取引所の先物価格、石炭は
ニューカッスル港発電用石炭先物価格。指数化は当社経済調査部。直近値は2016年11月28日時点(日次)。
右図:直近値は2016年10月時点(月次)。
出所)中国国家統計局、Bloombergより当社経済調査部作成
【図6】 中小都市では住宅在庫の適正化が遅れている印象も
中国 新築住宅在庫・販売比率
(主要35都市、2016年8月時点)
(ヵ月)
4
+27.0%
100
50
販売面積
50
186
182
173
200
【図5】 大都市では住宅価格沈静化の兆し、在庫調整も進展
60
石炭
250
(年)
2012 2013 2014 2015 2016 2017
(%)
鉄鉱石
350
自動車
中国 鉱工業生産
(数量、品目別、前年比)
(%)
400
出所)中国汽車工業協会、中国国家統計局より当社経済調査部作成
中国 新築住宅販売・在庫面積
(年初来累計、前年比)
鉄筋・鉄鉱石・石炭価格
(2016年初=100)
450
20
18
16
14
12
10
8
6
4
2
0
注)直近値はすべて2016年10月時点。
(%)
【図4】 素材市況回復を受け、鉄鋼業では増産再開の動きも
33
30
27
24
21
18
15
12
9
6
3
0
18
15
12
9
6
3
0
都市階級別
(ヵ月)
13.9
7.5
8.7
1級
2級
適正と考えられる水準
3級
合南南杭上蘇済廈広青南九南寧天福温北太馬常長長深貴茂西荊瀋淮煙蘭西済北
肥京昌州海州南門州島寧江通波津州州京原鞍州春沙セ陽名安門陽南台州寧寧海
ン
山
注)都市階級の分類は上海易居房地産研究院に基づく。適正と考えられる水準は典型城市住宅存货压力月报
(2012年9月)における「合理」水準を参考。
出所)上海易居房地産研究院より当社経済調査部作成
10
M
投資環境マンスリー 2016年12月号
⑥為替: 米国大統領選挙後の円安ドル高の急伸は持続可能な動きなのか?
M
 米国の金利先高感が強まり、円安ドル高が急伸
ドル円相場は米国大統領選挙後に円安ドル高が急伸、一時1米ドル=113円
台を付けました。トランプ次期政権の積極財政を織り込み、米国金利が急騰、
それに伴う日米金利差拡大が背景にある模様です(図1)。また、金融市場
では、米国の利上げが12月に再開、2017年も続くとの見方が広がってきまし
た。これまでは、慎重ながらも利上げ継続の意向を堅持していたFOMC(連
邦公開市場委員会)と利上げ先送りの見方を強めていた金融市場の間で、見
通しのかい離が目立っていましたが、足元は収れんしつつあります(図2)。
【図1】 米国大統領選挙後に米国金利急騰、円安ドル高が急伸
日本・米国 国債利回り曲線
(残存年限別)
(%)
2.5
太線(11月28日)
2.0
米国
1.5
細線(11月8日)
1.0
0.5
米国金利・米ドル急騰は、同国の景気加速・利上げ再開の期待を反映した動
きですが持続性には疑問が残ります。今年初までの米ドル高急伸が製造業に
悪影響を及ぼした点は記憶に新しく(図3)、金利急騰が好調な住宅・自動車
販売に水を差すリスク、これらのローンが高水準なため返済負担が増すリス
クなどもあり(図4)、市場の期待感が今後修正される可能性は要注意です。
日米金利差とドル円相場
(%)
日本
太線(11月28日)
0.0
細線(11月8日)
-0.5
1
2
3
4
5
6
7
8
9 10
(年)
(円/米ドル)
2.4
日米金利差(米-日、左軸)
2.2
2.0
1.8
1.6
1.4
1.2
1.0
0.8
ドル円相場(右軸)
0.6
2015
2016
(年)
145
140
135
130
125
120
115
110
105
100
95
注)左図:11月8日は米国大統領選挙投開票日、11月28日は直近日。
右図:日米金利差は10年国債ベース、直近値は2016年11月28日時点。
出所)Bloombergより当社経済調査部作成
 米国利上げ再開が新興国経済を再び不安定化させるリスクも
足元の世界経済回復期待を背景としたリスク選好地合いが続くかも円安ド
ル高持続の鍵を握ると考えます。今春以降は、中国景気や資源価格の底打ち
に加え、米国金利上昇抑制と米ドル高一服が、自国通貨安やインフレなどに
苦しんでいた新興国経済の安定化に寄与した経緯があります。実際、足元の
新興国では、証券投資など資本流出懸念が後退(図5)、景気面では先進国
に比べ改善ぶりが目立つなど、再び世界経済での存在感を増しつつあります。
2013年5月のバーナンキ・ショック後、経済構造のぜい弱さなどが目立つ国
を中心に逆風にさらされた新興国は、マクロ経済安定化に向け政策調整を進
めました。しかしながら、国毎で物価や経常収支などが示すように、その進
捗速度の差は顕著です(図6)。再び米国の金融引き締め観測が強まるなか、
マクロ経済安定化に遅れる国を震源として、金融市場でリスク回避的な動き
が強まる可能性なども、円安ドル高の抑制に作用すると考えます。(瀧澤)
【図2】 2017年も利上げ継続との見方が金融市場にも浸透
FOMC参加者(2016年3・6・9月時点)の
2017年末のFF金利見通し
2.750
2.625
2.500
2.375
2.250
2.125
2.000
1.875
1.750
1.625
1.500
1.375
1.250
1.125
1.000
0.875
0.750
0.625
●
●
●●●
4.0
参加者中央値
●●●
●
●
●
●●●●●
●●●
●●●●
●●●●
●●●●●●
3.5
FOMCおよび金融市場の
2017年末のFF金利見通し
①FOMCの見通し
(参加者中央値)
3.0
●
●●
●
●●
●
●●●●●●●
●
2016年3月
(%)
●
●●
6月
9月
2.5
2.0
1.125%
1.5
1.0
0.5
②金融市場の見通し
0.0
2015
2016
1.005%
(年)
注)右図:②はFF先物金利(2017年12月限)に基づく。直近値は2016年11月28日時点。
出所) FRB、Bloombergより当社経済調査部作成
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
11
M
投資環境マンスリー 2016年12月号
【図3】 米ドルは今年の高値を更新、米国製造業は耐えられるか
M
150
米ドル指数(名目実効相場)
米ドル指数と製造業景況感
(2014年初=100)
64
対先進国
140
米ドル高
(%)
米国 住宅ローン残高と販売件数
(2014年初=100)
米ドル指数(逆目盛、右軸)
62
総合
130
【図4】 米国金利急騰は好調な住宅・自動車市場に逆風か
60
米ドル安
58
米ドル高
95
18
(兆米ドル)
(万件)
米国 自動車ローン残高と販売台数
900 1.2
住宅ローン残高(左軸)
100 16
105 14
700
110 12
56
115 10
600
110
54
120
8
500
125
6
130
4
135
2
140
0
1990 1995 2000 2005 2010 2015
52
業況改善
50
90
対新興国
80
2000
2004
48
米ドル安
2008
2012
(年)
2016
業況悪化
ISM製造業景気指数(左軸)
46
2014
2015
2016
(年)
注)米ドル指数(総合)は左右図ともに主要貿易相手26ヵ国・地域(先進国が7ヵ国・地域、新興国が19ヵ国)ベース。
直近値は2016年11月25日時点(日次)。右図のISM製造業景気指数の直近値は2016年10月時点(月次)。
400
住宅販売件数
(年率、新築+中古戸建て、右軸)
3,000
①直接投資
②証券投資
1,000
0
資金
流出
-2,000
①②③計
-3,000
※簡便化のため金融派生商品・誤差脱漏は除く
2004
2008
③その他投資
2012
経
常
収
支
(
対
G
D
P
比
)
98
新興国(11ヵ国)
2016
(年)
97
2010
2012
2014
2016
(年)
注)左図:対象国は中国・ブラジル・インドなど13ヵ国。直近値は2016年4-6月期時点。
右図:各国景気先行指数を名目GDP(購買力平価ベース、2010~2016年累計)で加重平均して算出。
算出・指数化は当社経済調査部。直近値は2016年9月時点。
出所)OECD、IMFより当社経済調査部作成
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
1,200
新車販売台数
(年率、右軸)
300 0.2
1,000
200 0.0
1990 1995 2000 2005 2010 2015
(年)
800
(年)
主要新興国 経常収支(対GDP比)と消費者物価(前年比)の変化
その他先進国(23ヵ国)
先進資源国(4ヵ国)
-1,000
1,400
【図6】 新興国ではインフレ沈静化・経常収支改善の速度に差も
(2011年平均=100)
99
1,600
0.4
(%)
(%)
資金
流入 100
2,000
1,800
出所)米商務省、NAR、セントルイス連銀、Bloombergより当社経済調査部作成
地域別 景気先行指数(OECD)
101
2,000
0.8
注)左図:直近値は住宅ローン残高が2016年6月(四半期)、住宅販売件数が同年10月(月次)時点。
右図:直近値は自動車ローン残高が2016年9月(四半期)、新車販売台数が同年10月(月次)時点。
【図5】 今年に入り、安定化の兆しを見せていた新興国経済
主要新興国 金融収支
2,400
2,200
0.6
出所) FRB、米ISMより当社経済調査部作成
(億米ドル)
(万台)
自動車ローン残高(左軸)
800 1.0
120
100
(兆米ドル)
5
4
3
2
1
0
-1
-2
-3
-4
-5
-6
-7
ハンガリー
ロシア
中国
ポーランド
チリ
メキシコ
○2013年4-6月期
●2016年4-6月期
経常収支改善
インフレ率低下
経常収支悪化
インフレ率上昇
(%)
経
常
収
支
(
対
G
D
P
比
)
5
4
3
2
1
0
-1
-2
-3
-4
-5
-6
-7
○2013年4-6月期
●2016年4-6月期
経常収支改善
インフレ率低下
経常収支悪化
インフレ率上昇
インド
インドネシア
南アフリカ
ブラジル
トルコ
(%)
-2 -1 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
-2 -1 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
消費者物価(前年比)
消費者物価(前年比)
注)経常収支の対GDP比は4四半期移動累計ベース。
出所)IMF、OECDより当社経済調査部作成
12
M
投資環境マンスリー 2016年12月号
Ⅱ.国際金融市場の動向
M
(すべて2005年初=100)
180
日本
140
120
100
80
60
40
20
0
2005
2008
2014
2017 (年)
中国
450
新
興
国
2011
米国
200
180
160
140
120
100
80
60
40
20
0
160
先
進
国
①株式: トランプ米次期政権後の景気加速期待で株価は急反発
150
100
50
0
2008
350
350
300
300
250
250
200
200
150
150
100
100
50
50
0
2014
2017 (年)
インド
450
400
2011
2008
2011
2014
2017 (年)
メキシコ
350
250
200
150
100
50
0
2005
2008
2011
2014
2017 (年)
2011
2014
2017 (年)
2008
2011
2014
2017 (年)
2014
2017 (年)
2014
2017 (年)
トルコ
300
250
400
200
300
150
200
100
100
50
0
2005
2008
2011
2014
2017 (年)
ブラジル
2005
2008
2011
0
2005
2008
2017 (年)
2014
2017 (年)
ポーランド
200
180
160
140
120
100
80
60
40
20
0
2014
2011
2005
2008
2011
南アフリカ
450
400
350
300
250
200
150
100
50
0
2005
2008
2011
2014
2017 (年)
注1)2005年初=100として当社経済調査部が指数化。直近値は2016年11月28日、注2)先進国はMSCI WORLD、新興国はMSCI EMの国別指数に基づく(現地通貨ベース、配当後)。
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
2005
350
500
500
450
400
350
300
250
200
150
100
50
0
300
2008
インドネシア
600
0
2005
2005
オーストラリア
200
180
160
140
120
100
80
60
40
20
0
200
2005
400
ドイツ
250
2005
2008
2011
出所) MSCI、Bloombergより当社経済調査部作成
13
M
投資環境マンスリー 2016年12月号
②金利: 米大統領選挙後に米国金利急騰、日本10年債利回りもプラス圏に
M
(単位はすべて%)
先
進
国
8
日本
米国
8
ユーロ圏
8
6
6
6
6
4
4
4
4
2
2
2
0
0
0
利回り(10年物国債)
2
0
オーストラリア
8
政策金利
-2
-2
2006
新
興
国
2008
2010
2012
2014
2016
中国
18
16
14
12
10
8
6
4
2
0
2006
2008
2010
2012
2008
2014
2016
2006
(年)
2008
2012
2014
2016
2010
2012
2014
2016
8
4
3
0
0
2006
2008
2010
2012
2014
2016
(年)
2008
2012
2014
2016
2010
2012
2014
2008
2010
2012
2014
2016
(年)
2008
2016
2006
(年)
2008
15
12
12
9
9
6
6
3
3
2012
2014
2016
(年)
2010
2012
2014
2016
(年)
2016
(年)
南アフリカ
18
15
2010
トルコ
27
24
21
18
15
12
9
6
3
0
0
2006
2006
(年)
ポーランド
18
9
2010
インドネシア
2006
(年)
12
6
2008
27
24
21
18
15
12
9
6
3
0
16
12
-2
2006
(年)
ブラジル
20
15
2010
インド
18
16
14
12
10
8
6
4
2
0
メキシコ
18
-2
2006
(年)
0
2006
2008
2010
2012
2014
2016
(年)
2006
2008
2010
2012
2014
注1) 政策金利は、日本:無担保コールレート(翌日物)、米国:FFターゲットレート、ユーロ圏:リファイナンス・レート、オーストラリア:キャッシュレートを使用。中国: 1年もの最優遇銀行貸付金利、インド:RBIレポ金利、
インドネシア:2016年8月18日までBI金利、以降は7日物リバース・レポ金利、トルコ:2010年5月18日まで翌日物借入金利、以降は1週間レポ金利、メキシコ:翌日物金利、ブラジル:SELIC金利誘導目標、
ポーランド:2週間物レポ金利、南アフリカ:レポ金利を使用。
注2)国債利回りは、ユーロ圏:ドイツの10年国債利回り、トルコ:2年国債利回り、ブラジル:2年国債利回り、南アフリカ:10年国債利回り(2011年10月5日~2012年6月26日は9年国債で代用)を使用。
注3)直近の米国の政策金利(FF金利誘導目標)は0.25~0.50%だがグラフ上は0.50%で表示、日本は2013年4月4日までが無担保コールレート(翌日物)、2016年9月21日以降は日銀当座預金のうち政策金利残高適用金利(▲0.1%)を図示。
出所)Bloombergより当社経済調査部作成
注4)直近値は2016年11月28日。注5)一部データの欠損あり。
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
14
M
投資環境マンスリー 2016年12月号
③為替: 米国利上げ継続期待で米ドル高急伸、ドル円相場は1米ドル=113円台に
(円/米ドル)
M
70
各国・地域通貨高
米ドル(日本円)安
先
進
国
日本・円
(米ドル/ユーロ)
1.8
80
100
円高
110
各国・地域通貨安
米ドル(日本円)高
中国・人民元
(円/元)
22
6.0
20
18
7.0
16
7.5
14
8.0
12
円安
8.5
(INR/米ドル)
30
インド・ルピー
0.9
1.2
120
0.8
10
(MXN/米ドル)
8
メキシコ・ペソ
3.2
3.0
2.8
2.6
2.4
2.2
2.0
1.8
1.6
1.4
1.2
45
50
55
65
70
12
10
(BRL/米ドル)
1.0
ブラジル・レアル
14
8
16
18
6
20
2.5
3.0
3.5
4
注)上段右図:豪ドル=オーストラリアドル。直近値は2016年11月28日。
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
(IDR/米ドル)
インドネシア・ルピア
(円/IDR)
1.5
8000
1.3
10000
80
2006 2008 2010 2012 2014 2016 (年)
60
0.5
40
(TRY/米ドル)
1.0
トルコ・リラ
(年)
(円/TRY)
120
1.5
100
2.0
80
2.5
60
3.0
40
1.1
12000
0.9
14000
16000
0.7
3.5
(PLN/米ドル)
80
1.5
70
2.0
ポーランド・ズロチ
60
2.5
50
3.0
40
3.5
30
4.0
20
4.5
(円/PLN)
60
40
20
2006 2008 2010 2012 2014 2016 (年)
20
2006 2008 2010 2012 2014 2016 (年)
30
4.5
2006 2008 2010 2012 2014 2016 (年)
100
2006 2008 2010 2012 2014 2016
50
2.0
4.0
22
120
0.6
2006 2008 2010 2012 2014 2016 (年)
(円/BRL)
1.5
10
12
80
6000
2006 2008 2010 2012 2014 2016 (年)
(円/MXN)
100
対日本円
(右軸)
2006 2008 2010 2012 2014 2016 (年)
(円/INR)
35
2006 2008 2010 2012 2014 2016 (年)
(円/豪ドル)
1.0
0.8
60
新
興
国
オーストラリア・ドル
1.1
140
1.0
40
6.5
160
(米ドル/豪ドル)
1.2
1.4
2006 2008 2010 2012 2014 2016 (年)
(元/米ドル)
180
0.7
120
130
5.5
(円/ユーロ)
対米ドル
(左軸)
1.6
90
ユーロ
(ZAR/米ドル)
4
南アフリカ・ランド
(円/ZAR)
20
6
18
8
16
10
14
12
12
14
10
16
8
18
6
2006 2008 2010 2012 2014 2016 (年)
出所) Bloombergより当社経済調査部作成
15
M
投資環境マンスリー 2016年12月号
Ⅲ.金融・商品市場のパフォーマンス
期間別 各資産の投資収益率(%)
M
基準日:
現地通貨ベース
1ヵ月
地域別
業種別
▲ 6.6
海外先進国
2.1
1.4
5.0
1.7
▲ 0.5
その他
債券
その他
円換算ベース
1年
1ヵ月
3ヵ月
1年
2011年
2012年
2013年
2014 年
2015 年
2016 年
6.0
14.7
▲ 6.6
▲ 18.6
21.8
54.8
9.8
10.3
▲ 3.6
3.6
8.6
9.5
▲ 5.3
▲ 9.2
30.2
48.8
20.1
▲ 0.8
▲ 1.1
▲ 2.2
▲ 1.2
7.6
▲ 4.4
▲ 3.9
7.3
2.5
6.0
▲ 1.5
▲ 23.4
31.4
19.1
11.9
▲ 14.2
4.4
素材(景気敏感)
4.2
6.2
17.5
2.8
2.1
16.8
9.7
12.0
7.9
▲ 24.8
24.6
25.3
9.1
▲ 14.5
14.5
エネルギー
1.5
4.0
11.4
1.3
1.8
8.4
8.2
11.8
▲ 0.4
▲ 4.5
15.3
40.2
2.7
▲ 21.8
12.5
IT(情報技術)
1.1
3.5
8.6
0.5
2.3
9.0
7.4
12.3
0.1
▲ 7.4
26.6
50.7
30.4
5.6
4.6
0.0
▲ 7.3
▲ 7.0
▲ 14.4
0.7
▲ 5.4
▲ 6.6
日本
▲ 0.6
▲ 1.3
4.6
海外先進国
▲ 1.9
▲ 4.0
2.0
▲ 2.9
▲ 6.8
新興国(現地通貨建て)
▲ 0.6
0.5
8.7
▲ 4.5
6.9
2.6
▲ 15.8
5.0
31.2
58.5
32.4
7.5
▲ 0.6
▲ 1.3
4.6
2.2
1.8
2.1
4.5
1.2
3.9
0.1
4.0
3.1
▲ 8.8
1.2
19.8
21.7
17.1
▲ 3.4
▲ 6.8
▲ 4.6
4.2
2.4
5.3
▲ 4.7
▲ 5.2
24.1
15.0
13.9
▲ 9.0
▲ 1.0
▲ 4.0
▲ 4.9
7.2
2.9
5.1
▲ 1.7
2.2
30.2
16.1
21.2
1.6
2.0
海外先進国
▲ 2.1
▲ 4.3
0.8
6.8
4.9
▲ 1.5
9.4
0.6
1.5
新興国(米ドル建て)
▲ 4.4
▲ 5.5
5.2
6.9
17.2
▲ 5.7
7.0
0.8
6.9
▲ 2.9
投資適格
▲ 2.6
▲ 4.8
3.6
4.3
5.1
▲ 5.3
▲ 0.7
23.9
21.5
16.9
▲ 3.4
ハイイールド
▲ 1.4
▲ 0.9
10.2
5.5
9.0
1.4
▲ 2.6
32.1
29.4
13.6
▲ 3.8
5.7
投資適格
新興国
(米ドル建て) ハイイールド
▲ 2.6
▲ 3.2
4.8
4.3
6.7
▲ 4.1
0.5
26.0
19.5
19.3
0.2
▲ 1.0
▲ 1.3
▲ 0.1
12.5
5.5
9.9
3.7
▲ 8.7
33.9
21.9
12.9
3.8
8.9
世界
社債
3ヵ月
14.7
新興国(米ドル建て)
ヘッジ有
1ヵ月
6.0
ヘルスケア
国債
米ドルベース
1年
日本
新興国
株式
3ヵ月
2016年11月28日
先進国
1.6
1.9
5.8
0.6
▲ 0.4
6.1
7.5
9.5
▲ 2.7
▲ 10.4
25.1
38.6
17.5
1.6
0.0
新興国
▲ 1.4
▲ 2.4
▲ 1.2
▲ 2.0
▲ 4.4
▲ 2.0
4.9
5.5
▲ 10.8
▲ 17.0
28.6
33.9
15.5
4.3
▲ 9.0
物価連動 先進国
国債
新興国
▲ 2.5
▲ 6.6
1.1
4.4
3.3
▲ 7.7
5.5
19.7
16.6
17.8
▲ 4.3
▲ 3.8
▲ 7.4
▲ 6.9
13.7
▲ 0.5
3.0
4.9
▲ 8.1
30.6
6.3
15.6
▲ 18.8
10.8
先進国
▲ 1.1
▲ 9.9
3.3
5.7
0.0
▲ 5.6
▲ 3.4
36.3
24.6
37.1
1.6
▲ 4.3
新興国
▲ 8.4
▲ 10.1
▲ 3.9
▲ 1.5
▲ 0.1
▲ 12.7
▲ 13.1
49.5
9.4
22.8
▲ 17.2
▲ 2.0
0.2
1.4
6.5
7.1
11.3
▲ 2.4
▲ 18.5
11.7
11.9
▲ 3.3
▲ 24.3
3.0
転換社債
リート
商品
注)株式は、日本、海外先進国、業種別がMSCI WORLDにおける当該地域・業種別の各指数、新興国がMSCI EM、
債券は、国債(日本、海外先進国、海外先進国ヘッジ有り)、社債(世界)、転換社債がBofA メリルリンチ債券インデックスにおける当該市場の各指数、国債(新興国《現地通貨建て》は
J.P. Morgan GBI - EM Broad、国債(新興国《米ドル建て》、新興国《米ドル建て》ヘッジ有)はJ.P. Morgan EMBI Global Diversified、社債(新興国《米ドル建て、投資適格》) は
J.P. Morgan CEMBI High Grade、社債(新興国《米ドル建て、ハイイールド》) はJ.P. Morgan CEMBI High Yield、物価連動国債(先進国)がバークレイズ世界物価連動国債インデックス、物価連動債(新興国)が
バークレイズ新興市場物価連動国債インデックス、リート(先進国)はS&P先進国REIT指数、 リート(新興国)はS&P新興国REIT指数、商品はブルームバーグ商品指数に基づく。
2016年は2015年末から基準日までの数字。
上記分析は作成時点のものであり、将来の市場環境等を示唆・保証するものではありません。
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
出所)J.P. Morgan、Bloomberg、S&P、MSCI、バークレイズ、BofA メリルリンチより当社経済調査部作成
16
M
投資環境マンスリー 2016年12月号
Ⅳ.2016年12月の主要な政治・経済日程
月
11/28
火
29
M
(日)
(日)
(日)
(米)
(米)
(米)
(他)
水
30
10月 商業販売統計
10月 家計調査
10月 労働関連統計
7-9月期 実質GDP(2次速報)
9月 S&P/ケース・シラー住宅価格指数
11月 消費者信頼感指数
(カンファレンス・ボード)
7-9月期 実質GDP(2次速報)
ブラジル 7-9月期 実質GDP
(日)
(米)
(米)
(米)
(米)
(米)
ブラジル 10月 失業率
(仏)
(他)
(日)
11月 消費者態度指数
(日)
10月 毎月勤労統計
(米)
11月 ISM(米供給管理協会)
非製造業景気指数
(米)
(米)
10月 貿易収支
10月 製造業新規受注
(欧)
7-9月期 実質GDP(確報)
5
6
木
12/1
10月 鉱工業生産
10月 中古住宅販売仮契約指数
10月 個人所得・消費
11月 ADP雇用統計
11月 シカゴ購買部協会景気指数
ベージュブック
(地区連銀経済報告)
11月 消費者物価(速報)
10月 住宅建設許可件数
(日)
(日)
7-9月期 法人企業統計調査
11月 新車登録台数
(米)
(米)
10月 建設支出
11月 ISM(米供給管理協会)
製造業景気指数
7-9月期 実質GDP(2次速報)
11月 製造業PMI(国家統計局)
11月 製造業PMI(マークイット)
(日)
10月 景気動向指数
(米)
10月 消費者信用残高
(日)
(日)
(日)
(日)
7-9月期 実質GDP(2次速報)
10月 経常収支
11月 銀行貸出
11月 景気ウォッチャー
(独)
(英)
10月 鉱工業生産
10月 鉱工業生産
(欧)
欧州中央銀行(ECB)理事会
(豪)
7-9月期 実質GDP
(欧)
(豪)
7
(伊)
(中)
(中)
8
(他)
12
13
(日)
(日)
(日)
10月 機械受注統計
10月 第3次産業活動指数
11月 企業物価指数
(米)
11月 月次財政収支
19
(日)
(日)
(米)
(米)
(独)
(伊)
(英)
(英)
(中)
(他)
14
11月 輸出入物価指数
連邦公開市場委員会(FOMC)
(~14日)
12月 ZEW景況感指数
10月 鉱工業生産
11月 消費者物価指数
11月 生産者物価指数
11月 鉱工業生産
ブラジル 10月 小売売上高
20
日銀金融政策決定会合(~20日)
11月 貿易統計
(日)
日銀短観(12月調査)
10月 製造工業 稼働率指数
(米)
(米)
(米)
(米)
(欧)
(豪)
10月 企業売上高・在庫
11月 生産者物価
11月 小売売上高
11月 鉱工業生産
10月 鉱工業生産
12月 消費者信頼感指数
21
(日)
ブラジル 11月消費者物価(IPCA)
(日)
(日)
(日)
(米)
(米)
11月 雇用統計
11月 新車販売台数
(豪)
(他)
10月 小売売上高
ブラジル 10月 鉱工業生産
(日)
(日)
(米)
(米)
(仏)
(中)
(中)
10-12月期
法人企業景気予測調査
11月 マネーストック
10月 卸売売上高
12月 ミシガン大学
消費者信頼感指数(速報)
10月 鉱工業生産
11月 消費者物価指数
11月 生産者物価指数
(米)
(米)
7-9月期 経常収支
11月 消費者物価
12月 全米住宅建築業協会
(NAHB)住宅市場指数
12月 フィラデルフィア連銀景気指数
12月 ニューヨーク連銀景気指数
(豪)
11月 雇用統計
22
(米)
11月 住宅着工・許可件数
23
黒田日銀総裁定例記者会見
27
日銀金融政策決定会合議事要旨
(10月31~11月1日分)
11月 企業向けサービス価格
(米)
(米)
16
11月 中古住宅販売件数
(米)
(米)
(米)
7-9月期 実質GDP(確報)
11月 耐久財新規受注
11月 個人所得・消費
(英)
7-9月期 実質GDP(確報)
12月 ifo景況感指数
26
(日)
(米)
(米)
(米)
発表日未定経済指標など
9
15
(日)
(日)
(米)
(独)
金
2
28
11月 家計調査
11月 労働関連統計
11月 消費者物価指数(総務省)
11月 消費者物価指数(日銀)
29
(日)
(日)
11月 鉱工業生産
11月 商業販売統計
(米)
11月 中古住宅販売仮契約指数
(米)
(米)
(米)
11月 新築住宅販売件数
12月 ミシガン大学
消費者信頼感指数(確報)
(独)
(仏)
1月 GfK消費者信頼感指数
7-9月期 実質GDP(確報)
30
11月 卸売売上高
(米)
12月 シカゴ購買部協会景気指数
10月 S&P/ケース・シラー住宅価格指数
12月 消費者信頼感指数
(カンファレンス・ボード)
注)(日)は日本、(米)は米国、(欧)はユーロ圏、(英)は英国、(独)はドイツ、(仏)はフランス、(伊)はイタリア、(豪)はオーストラリア、(中)は中国、を指します。
日程は変更になる可能性があります。
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
出所)Bloomberg等より当社経済調査部作成
17
M
投資環境マンスリー 2016年12月号
留意事項
◎投資信託に係るリスクについて
投資信託は、主に国内外の株式や公社債等の値動きのある証券を投資対象としているため、当該資産の市場における取引価格の変動や
為替の変動等により基準価額が変動します。したがって、投資者のみなさまの投資元本が保証されているものではなく、基準価額の下落
により損失を被り、投資元本を割り込むことがあります。運用により信託財産に生じた損益はすべて投資者のみなさまに帰属します。
投資信託は預貯金と異なります。また、投資信託は、個別の投資信託毎に投資対象資産の種類や投資制限、取引市場、投資対象国等が
異なることから、リスクの内容や性質が異なりますので、ご投資にあたっては投資信託説明書(交付目論見書)、目論見書補完書面等を
よくご覧ください。
M
◎投資信託に係る費用について
ご投資いただくお客さまには以下の費用をご負担いただきます。
■購入時(ファンドによっては換金時)に直接ご負担いただく費用
・購入時(換金時)手数料 … 上限 3.24%(税込)
※一部のファンドについては、
購入時(換金時)手数料額(上限 37,800円(税込))を定めているものがあります。
■購入時・換金時に直接ご負担いただく費用
・信託財産留保額 … ファンドにより変動するものがあるため、事前に金額もしくはその上限額またはこれらの計算
方法を表示することができません。
■投資信託の保有期間中に間接的にご負担いただく費用
・運用管理費用(信託報酬) … 上限 年3.348%(税込)
※一部のファンドについては、運用実績に応じて成功報酬をご負担いただく場合があります。
■その他の費用・手数料
上記以外に保有期間等に応じてご負担いただく費用があります。投資信託説明書(交付目論見書)、目論見書補完
書面等でご確認ください。
※その他の費用・手数料については、運用状況等により変動するものであり、事前に金額もしくはその上限額ま
たはこれらの計算方法を表示することができません。
お客さまにご負担いただく費用の合計額もしくはその上限額またはこれらの計算方法は、購入金額や保有期間等に
応じて異なりますので、表示することができません。
《ご注意》
上記に記載しているリスクや費用項目につきましては、一般的な投資信託を想定しております。費用の料率につきましては、三菱UFJ
国際投信が運用するすべての公募投資信託のうち、ご負担いただくそれぞれの費用における最高の料率を記載しております。投資信託に
係るリスクや費用は、それぞれの投資信託により異なりますので、ご投資をされる際には、事前によく投資信託説明書(交付目論見書)、
目論見書補完書面等をご覧ください。
各資産のリスク
◎株式の投資に係る価格変動リスク
:株式への投資には価格変動リスクを伴います。一般に、株式の価格は個々の企業の
活動や業績、市場・経済の状況等を反映して変動するため、株式の価格の下落により損失を被り、投資元本を割り込むことがあります。
◎公社債の投資に係る価格変動リスク
:公社債への投資には価格変動リスクを伴います。一般に、公社債の価格は市場金
利の変動等を受けて変動するため、公社債の価格の下落により損失を被り、投資元本を割り込むことがあります。
◎REIT(不動産投資信託証券、以下REIT)の投資に係る価格変動リスク
:REITへの投資には価
格変動リスクを伴います。一般にREITの価格は保有不動産等の価値やそこから得られる収益の増減等により変動するため、REIT
の価格の下落により損失を被り、投資元本を割り込むことがあります。
◎オルタナティブ(代替投資手段、以下オルタナティブ)の投資に係る価格変動リスク
:オルタナティブ
への投資には価格変動リスクを伴います。オルタナティブは各種有価証券、商品、ならびに関連する派生商品(デリバティブ)等に投資
するため、各種有価証券、商品、ならびに関連する派生商品(デリバティブ)の価格の変動により損失を被り、投資元本を割り込むこと
があります。
◎信用リスク
:信用リスクとは、有価証券等の発行者や取引先等の経営・財務状況が悪化した場合またはそれが予想された場合も
しくはこれらに関する外部評価の悪化があった場合等に、当該有価証券等の価格が下落することやその価値がなくなること、または利払
いや償還金の支払いが滞る等の債務が不履行となること等をいいます。この場合、有価証券等の価格の下落により損失を被り、投資元本
を割り込むことがあります。
◎カントリーリスク
:新興国への投資は、先進国への投資を行う場合に比べ、投資対象国におけるクーデターや重大な政治体制
の変更、資産凍結を含む重大な規制の導入、政府のデフォルト等の発生による影響を受けることにより、市場・信用・流動性の各リスク
が大きくなる可能性があります。この場合、有価証券等の価格の下落により損失を被り、投資元本を割り込む可能性が高まることがあり
ます。
本資料に関してご留意頂きたい事項
■本資料は、投資環境等に関する情報提供のために三菱UFJ国際投信が作成した資料であり、金融商品取引法に基づく開示資料ではあり
ません。本資料は投資勧誘を目的とするものではありません。
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でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の補償の対象ではありません。
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■本資料の内容は作成時点のものであり、将来予告なく変更されることがあります。(作成基準日:2016年11月30日)
■本資料は信頼できると判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性等を保証するものではありません。
■各ページのグラフ・データ等は、過去の実績・状況であり、また、見通しないし分析は作成時点での見解を示したものです。したがっ
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定・運用する各ファンドにおける投資判断がこれらの見解に基づくものとは限りません。
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に関する契約を締結しています。スタンダード&プアーズ フィナンシャル サービシーズ エル エル シーは、同指数の算出にかかる誤謬等
に関し、いかなる者に対しても責任を負うものではありません。
Markit Economics Limitedの知的財産権およびその他の一切の権利はMarkit Economics Limitedに帰属します。
◎流動性リスク
:有価証券等を売却あるいは取得しようとする際に、市場に十分な需要や供給がない場合や取引規制等により十
分な流動性の下での取引を行えない場合または取引が不可能となる場合、市場実勢から期待される価格より不利な価格での取引となる可
能性があります。この場合、有価証券等の価格の下落により損失を被り、投資元本を割り込むことがあります。
国内株式・国内債券への投資は上記のリスクを伴います。海外株式・海外債券への投資は上記リスクに加えて以下の為替変動リスクを伴
います。
◎為替変動リスク
:海外の株式や公社債、REIT、オルタナティブ資産は外貨建資産ですので、為替変動の影響を受けます。
そのため、為替相場が円高方向に進んだ場合には、投資元本を割り込むことがあります。
新興国への投資は上記リスクに加えて以下のカントリーリスクを伴います。
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
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