日本:鉱工業生産指数(2016年10月) MRI Daily Economic Points ―電子部品や自動車を中心に生産持ち直しが続く― November 30, 2016 評価ポイント 図表 鉱工業生産/在庫指数 110 (指数、2010年=100) (指数、2010年=100) 118 116 2016年10月の結果 2016年10月の鉱工業生産指数(速報)は、季調済前月比+0.1%と3ヶ月連 続で上昇。 生産の業種別内訳をみると、スマートフォン向けを中心に電子部品・デバイ ス(季調済前月比+4.6%)が上昇。さらに輸送機械(同+0.6%)や、建設関 連金属の増加から金属製品(同+3.2%)も上昇した。一方で、はん用・生産 用・業務用機械(同▲1.6%)が、これまで堅調だった半導体等製造装置の 減少などから低下。また、自動車用照明やパソコン関連の減少から、電気機 械(同▲2.9%)、情報通信機械(同▲1.1%)も低下した。 出荷指数は、輸送機械(季調済前月比+2.2%)や電子部品・デバイス(同 +6.1%)の上昇が主因となり、同+2.2%と2ヶ月連続で上昇した。 在庫指数は、季調済前月比▲2.1%と2ヶ月連続で低下。高止まりが続いて いた電子部品・デバイスや電気機械を中心に在庫調整が進んでいる。 製造工業生産予測調査によると、11月は季調済前月比+4.5%と大きく上昇 した後、12月は同▲0.6%と低下する見込み。 11月は、今月低下したはん 用・生産用・業務用機械や電気機械を中心に上昇が予測されている。 また、 10-12月の鉱工業生産は、予測調査対比で下振れる傾向を踏まえても、プラ スとなる可能性が高いとみられ、経済産業省公表の先行き試算値では季調 済前期比+1.7%の上昇となっている。 114 105 112 110 100 108 106 95 104 鉱工業生産指数 鉱工業出荷指数 鉱工業在庫指数(右軸) 90 1 3 5 7 9 11 1 3 102 100 5 2014 7 9 11 1 3 5 2015 7 9 11 2016 資料:経済産業省「鉱工業指数」、11、12月は「製造工業生産予測調査」 図表 業種別の生産指数 120 (2010年=100) 120 115 110 110 100 105 90 100 80 95 電気機械 90 はん用・生産用・業務用機械 85 (2010年=100) 基調判断と今後の流れ 電子部品・デバイス 生産は、緩やかながらも持ち直しが続いている。 金属製品 先行きは、持ち直しが続くとみられるが、そのペースは緩やかになるだろう。 外需は、世界経済の持ち直しを背景に回復が続くとみられるが、新型スマー トフォン関連の押上げが次第に剥落していくことから、そのペースは鈍化す ると見込む。また、内需は、自律的な回復力は弱いものの、在庫調整圧力 の緩和や経済対策による需要の押上げにより緩やかな回復が続くだろう。 ただし、海外経済は不確実性の高い状態が続く。米国新政権の政策運営や 中国経済の減速スピード次第では、外需が下振れ、生産に波及する可能性 には注意が必要だ。 70 化学(除く医薬品) 60 情報通信 輸送機械 50 1 3 5 7 9 11 1 3 5 7 9 11 1 3 5 7 9 2014 2015 1 3 5 7 9 11 1 3 5 7 9 11 1 3 5 7 9 2016 資料:経済産業省「鉱工業指数」 Copyright (c) Mitsubishi Research Institute, Inc. 2014 2015 2016 担当: 政策・経済研究センター 米良有加 TEL 03-6705-6087
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