慶應義塾大学経済学部 河端瑞貴研究会 ―空間社会経済研究、地理情報科学(GIS)― 2016.11.29版 河端ゼミ:空間社会経済研究 • 「空間」を切り口に、現実の都市・地域の経済問題や政 策課題を分析し、問題の理解と解決を目指している • 世の中の経済活動は、「空間」(地理)と密接に関わる ものが多く存在する。 • GIS(地理情報システム)と空間情報を活用 o 空間に関わる社会経済問題を分析する上での強力なツール o 地理空間情報活用推進基本法(2007年):日本は先進国の中で も先端的な空間情報基盤の整備が進んでいる o GISと空間情報の飛躍的な発達 2 GISとは? Geographic Information Systems (地理情報システム) 「地理空間情報の地理的な把握又は分析を可能とするため、 電磁的方式により記録された地理空間情報を電子計算機を 使用して電子地図上で一体的に処理する情報システム」 (地理空間情報活用基本法(平成19年法律第63号)第2条) 学術界ではGeographic Information Science (地理情報科学) ツールとしての地理情報システム ⇒ 学問としての地理情報科学 3 GISと経済に関する学術文献数 Web of Science トピックサーチ「gis economic*」 (文献数) 300 282 250 228 204205 200 163 149 150 100 50 5 9 10 12 30 19 31 35 35 41 54 58 105112 74 80 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 0 252 240 (2015年4月10日現在) (年) 4 経済分析に有用な主なGISの機能 • 空間データの視覚化 o 現状の理解、問題の発見、分析、プレゼンテーション o 地図:多くの情報をわかりやすく効果的に伝達できる 媒体 • 空間データの加工・作成 o 位置情報をキーに様々な情報を統合 o 空間選択、空間結合、ジオプロセシング ⇒新しいデータを作成(e.g., 変数として利用) • 空間データの分析 o ネットワーク分析、ラスタ解析、空間統計など 5 空間データの視覚化:地震危険度 2013年建物倒壊危険度(東京都) 町丁目単位 市区町村界 第7回建物倒壊危険度 1 危険性が低い 2 3 4 5 危険性が高い 東京都都市整備局:地震に関する地域危険度測定調査(第7回)のデータを視覚化 6 空間データの視覚化:地価(3D) 銀座・丸の内周辺 2014年地価公示(東京都) 新宿周辺 吉祥寺 立川 地価(円/m2) 7 空間データの加工・作成 位置情報を軸としてデータを重ねて表示・統合 空間結合やジオプロセシング ジオメトリ演算:距離、面積、重心など 属性検索 + 空間検索 ~と重なる、~から一定距離内の、~を含む、~に含まれる、~ の境界線に接する、~に重心がある ⇒ ⇒ 相互の位置関係の把握、関連性の分析 新しい空間データの作成・利用(変数など) 8 空間データの分析 • ネットワーク分析 o o o o o o ルート検索 到達圏(カバーエリア)の検出 最寄り施設の検出 ODコストマトリックスの作成 配車ルートの検出 ロケーション-アロケーションな ど • 空間統計など o o o o クラスタ分析 パターン分析 地理的分布特性の算出 空間関係のモデリングなど • ラスタ解析 o o o o o o 内挿 再分類 多変量解析 密度 算術演算 近傍解析など 文京区の各郵便局から400mの勢力圏 9 残差のホットスポット分析 重要な変数を見つけ出すヒントに ArcGIS [ホットスポット分析]ツール Getis-Ord GI*を計算 探索的データ解析(EDA:Exploratory data analysis)で威力を発揮 10 地理空間加重回帰分析(GWR) 係数が地点により変化 都心主要駅までの距離が地価に与える影響 11 慶應義塾でのGIS利用環境 慶應義塾には、ArcGIS(地理情報システム(GIS)ソフト ウェア)の全塾サイトライセンスが導入済 • 慶應大学に所属する人は無料で利用可能 • 一部のパソコン室にインストール済み o 日吉ITC、三田ITCのホームページ参照 • 個人のノートパソコンでも利用が可能 o ITCを通じてインストール(詳細はITCに問い合わせる) o Windows版のみ(Mac版なし) 12 入ゼミ選考について • 募集人数:約15名 • 選考試験: 1. 1次試験:筆記試験 • 統計学、ミクロ経済学(教科書持ち込み可、電子機器持込 不可) 2. 面接試験(1次試験合格者のみ) 試験当日、成績表持参(1・2年)〔学籍番号・氏名を記載した keio.jp印刷物可] 願書の志望理由の中に、研究してみたい都市・地域の「空間」 に関わる社会経済問題の説明を含めること。 ※研究志向、将来の留学希望者も歓迎します。 13 ゼミ生に期待すること • 都市・地域の空間に関わる社会経済問題に興味を持ち、 研究する • GISの習得と活用 • 出席重視、積極的に発言・議論、よい研究会に • 勉強 プラス アルファ • 日経新聞を読む • http://www.keio.ac.jp/ja/about_keio/history/fukuza wa.html 14 ゼミ生の必修・推奨科目 • 必修科目 o 「経済地理」(河端)の履修(3年生) • 2016年度(予定):水曜2限「経済地理」、水曜3・4限「本 ゼミ」※曜日・時間の変更の可能性があります。 • 推奨科目 o o o o ミクロ経済学の関連科目 都市経済学の関連科目 統計・計量経済学の関連科目 英語で教える科目 15 ゼミ活動について • GISの基礎と応用 • 輪読(経済地理、都市経済学、空間統計学に関連する文 献) • 研究テーマは基本的に自由 • 自分の頭で考え、世の中に叡智、実証的に真理解明、の 姿勢を大切に • 半学半教:学生同士、教員はフラットな関係、お互いに 教え、学び合う姿勢を大切に • 出席重視 16 河端ゼミ 卒業論文(例) ※経済学部優秀卒業論文受賞 http://www.econ.keio.ac.jp/undergraduate/seminar/seminar-outline • 産業連関表を利用した道州制区割り案 • 利用者の住みよい街検索システムの開発 • 東京23区の母子世帯セグリゲーション分析:空間統計手 法を用いて • 訪日外国人の観光行動から見た公衆無線LAN整備の現状 と課題―渋谷区を事例として― • 待機児童問題の自治体格差と要因分析-宮城県を事例に - • 街に電線は必要か 17 ゼミHP、Twitterなど • 研究会ウェブ: o http://kwbt.wp.xdomain.jp/ • 研究会Twitter: o https://twitter.com/kwbt_seminar • 過去の優秀卒業論文: o http://www.econ.keio.ac.jp/undergraduate/seminar/semi nar-outline 18
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