教育も、現在のような知識偏重型から多 様性型へとシフトしていかなければなら ないと提言しています。これからは『テ クノロジー起点ではなく、ビジョン先行 で発想できる人材が必要』というコメン トも印象的でした。 現在の受験勉強 なんて まったく意味が なくなってくる でしょう。│ 『知識の習得や計算といった AI が得意な 作業は、もはや人間に必要なスキルでは ない』と語る夏野さん。逆に、“過去の 引用”ではない「想像力」や「創造力」と いった作業で人間の真価が決まるので、 BIGLOBE 30周年記念サイト 連動企画 BIGLOBE 30周年記念サイトで公開中の インタビュー記事 「未来予報20XX」 。 インタ 各界の著名人が未来のテクノロジーや社会について 各界の著名人が未来 予測した同記事では、夢の未来生活の様子から思わず ドキッとする指摘まで、興味深い意見がたくさん飛び出しています。 興味深い意見 本記事では、その その中から特に印象的なコメントを ピックアップし、テーマ別にご紹介します。 ピックアッ インタビュー全文は下記のWebサイトでご覧ください! インタビュー全文は下記の 夏野 その行き着く先について「人の活躍の場を奪う」 という否定的な声も聞かれますが、 ナビゲーターの皆さんは一様に AI のポジティブな可能性を指摘しています。 膨大な情報 をもとに 話題を呼んでいる AI(人工知能) 。 客観的判断 を下す アドバイザー業務は、 AIの得意領域です。│ 原 近年、さまざまな分野での活用が進み、 特集 経済分野におけるイノベー シ ョ ン「FinTech」の 中 で も、 重要な役割を果たすとみられて いる AI。その一例として原さ 詳細は、p.11をチェック! 30周年の んは、資産運用の個人向け助言 サービス「ロボ・アドバイザー」 の登場を挙げます。確かにこう した業務では、人間より AI の 感謝を込めて、 読んで楽しい、知って おトクな情報が 満載! 方が信頼できそうな気もします ね。もし、すべての消費者がロ ボ・アドバイザーを使うように なったら、 “誰も損をしない時代” が訪れるのでしょうか。 BIGLOBE 30周年記念サイト http://www.biglobe.ne.jp/30years/ h ! ナビゲーターはこの方たち NASA の「ロボノート」や日本の「KIROBO (キロボ) 」 プロジェクトを例に、過酷な宇宙環境における AI を 搭載した自律型ロボットの活用イメージを教えてく れた山崎さん。会話ができる「KIROBO」については、 『宇宙では、話し相手になってくれるだけでもうれ しい』と、宇宙飛行士らしいコメントがありました。 地球より遥か遠くの惑星探索には、 AIを搭載したロボットが 活躍しているはずです。 ─ 山崎 Keyword FinTech ➡ Finance(金融)とTechnology (技術) を組み合わせた用語で、IT 技術によっ て金融サービスを進化させること、または そのサービスを指す。業界再編をもたらす 動きとして、近年注目が高まっている。 「ロボノート」➡ NASA が開発中の宇宙飛 行士の支援ロボット。人間に似せた形状で、 繊細な作業にも対応できる。 「KIROBO」➡東京大学やトヨタが開発中の 会話ができる宇宙用ロボット。 ※インタビューの全文は、BIGLOBE 30周年記念サイト (http://www.biglobe.ne.jp/30years/) でご覧ください 5 2016.12 慶應義塾大学 特別招聘教授 ITジャーナリスト Webマンガ家 宇宙飛行士 タレント・ エッセイスト 夏野 剛さん 佐々木俊尚さん カメントツさん 山崎直子さん 小島慶子さん 原 隆さん NTT ドコモにて松永真 理らとともに i モード 毎日新聞社の第一線記 者として活躍した後、 株式会社アスキー(当 時)の『月刊アスキー』 編 集 部 に 移 籍。2003 年からフリーランスの ジャーナリストとして 活動を開始。2010年度 大川出版賞を受賞。 宇 宙 開 発 事 業 団( 現 JAXA)に て 国 際 宇 宙 ステーション(ISS)の 開発に従事し、2010年 4 月、NASA の 宇 宙 飛 行士として約2週間の ミッションを遂行。現 在は内閣府の宇宙政策 委員会委員を務める。 TBS のアナウンサーと して活躍し、1999年に 第36回ギャラクシー賞 DJ パーソナリティー 部門賞を受賞。2010年 日 経 BP 入 社 後、 『日 経パソコン』 、 『日経 ビ ジ ネ ス 』記 者 な ど を 経 て 2016 年『 日 経 FinTech』編 集 長 に 就 任。Amazon.com の ジェフ・ベゾス CEO な ど、内外のキーパーソ ン取材の経験も豊富。 の起ち上げに携わる。 現在は慶應義塾大学大 学院にて政策・メディ ア研究科の特別招聘教 授を務め、ドワンゴほ か十数社の社外取締役 を兼任する。 芸能プロダクションを 退社後、カメラマンな どを経て、2013年にイ ラストレーターとして 独立。Web メディアを 中心に活動し、現在は 小学館『ゲッサン』にて 「カメントツの漫画な らず道」などを連載中。 同社を退社し、フリー ランスに。現在は夫と 二人の息子とともに オーストラリアに在住。 『日経FinTech』編集長 2016.12 4 『VR や AR の普及 によって、デジタル機器の進化も 加速する』と語る佐々木さん。最終的には手に持つ 必要もなくなり、装着型(ウェアラブル)から埋め 込み型(エンベッド)になっていくだろうと予測し ています。現代でもたまに、スマートフォンとイヤ ホンで独り言のように誰かと会話している人を見か コンタクトレンズのような 形状 になるかもしれません。 │ 未来社会では、もはや“持っていることさえ意識しない”存在となり、 人間の機能の一部を補完する存在になると、 複数のナビゲーターの方々が予測しています。 夏野 野さん。佐々木さんが語るウェ アラブル→エンベッドの流れは まだ現代の延長線上にある気が しますが、こちらは、手動によ る操作さえ必要もないというす ごい世界。社会生活やコミュニ ケーション方法にまで大きな影 響を与えそうです。 佐々木 │ 2014 年に Facebook 社が「Oculus Rift(オキュ ラス・リフト) 」を開発した Oculus 社を買収した ことなどを踏まえ、 『VR の次の活用の場は SNS 分 野』と予測する佐々木さん。その理由として、『通 信回線の高速化によって、これからはテキスト情 報ではなく、表情や仕草を含めた映像情報、つま り“非言語コミュニケーション”が重要になる』こ とを挙げています。現代で言えば、LINE スタンプ がここまで普及したのも同じ理屈とのこと。確かに、 言葉では伝えられないニュアンスってありますよね。 Keyword VR(仮想現実)と AR(拡張現実)➡前者は、 デジタル技術で再現した仮想空間を現実のよ うに体験させる手法、後者は現実空間にデジ タル情報や映像を追加して体験させる手法。 Oculus Rift(オキュラス・リフト)➡装着し た頭の動きに合わせてVR 空間が表示される ヘッドマウントディスプレイ。本年3月より 発売が始まっている。 VR を活用した「プレイステーション VR」、 AR を活用した「ポケモンGO」など、 エンターテインメント分野での活用が進む リアルとデジタルの融合技術の数々。 未来社会では、コミュニケーションの手法としても Keyword ─ カメントツ できる時代になる』とのこと。期せずして、AI に関する夏野さんの発言 と似た未来を予測していたのが、興味深いところです。 山崎 『通信回線の高速化によってネットコンテンツは画像や動画が主流にな り、イラストや映像を簡単に作れる機器が登場するはず』と語るカメン トツさん。その先は、『例えば、脳に直接プラグを差し込んでマンガを 作れるソフトみたいなものが登場して、アイデアさえあれば誰もが表現 │ エンベッド➡デジタル機器の保持方式 のひとつ。腕時計やメガネのような装 着型(ウェアラブル)に対し、こちらは 網膜や表皮などへ埋め込むもので、人 体の一部のような利用法が想定される。 BMI(ブレイン・マシン・インターフェー ス)➡脳波などをリアルタイムで解読し、 意思を読み取ったり、外部機器を制御 したりできる装置。現在は、主に医療 介護の分野で研究が進められている。 いいことだと思うんです。 だと思うんです。 自宅 にいながら 世界や宇宙とつながる マンガが、絵がうまいヤツ、 ストーリーが作れるヤツだけの ものではなくなることは、 ようになるかもしれません。 すべての通信 は 今後 年以内で必ず、 ﹁電脳化﹂ される と 考えています。 30 デジタル機器の最終型として、 映画『マトリックス』に出てき たような“脳に直接プラグを指 し、考えるだけで操作できる端 末(BMI)”の登場を予見する夏 いずれは メガネ型の 一家に一台のパソコンから、一人一台のスマートフォンへと 進化を遂げてきたデジタル機器。 ARデバイス が登場し、 その次はおそらくエンベッド、例えば けますが、そうした風景が日常になるのでしょうか。 SNSがVRを 融合する流れは、 これから加速してい 速していく はずです。 ─ 佐々木 期待されているようです。 2010年に宇宙に旅立つ前から、 地上訓練で宇宙空間を再現した VR を活用していたという山崎さ ん。このまま表現力が高まってい けば、もう仮想ではなく現実体験 に近いレベルになり、『違う星に いる人同士が VR や AR を駆使し た空間の中で、実際に会っている かのようなコミュニケーションを とれる日が来るかもしれません』 と語っています。宇宙が生活の場 となる時代には、遠隔地間コミュ ニケーションの役割が、今以上に 重要になってくるのでしょう。 ※インタビューの全文は、BIGLOBE 30周年記念サイト (http://www.biglobe.ne.jp/30years/) でご覧ください 7 2016.12 2016.12 6
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