【韓国】

【韓国】
10 月の市場動向トピックス

10 月として過去最高の 449,600 人が訪日
2016 年 10 月の訪日韓国人数は、前年同月比 21.2%増の 449,600 人となり、10 月として過去最高を記録した。
さらに、2016 年 1 月から 10 月までの訪日者数が累計で 4,169,000 人となり、昨年の年計(4,002,095 人)を上回っ
た。7 月以降、日韓路線の増便が続いていることや、LCC の地方路線が相次いで就航し、航空運賃の低価格化
が進んだことも 10 月の訪日者数の増加に寄与した。
10 月の主なプロモーション活動

韓国でも人気のあるキャラクター「くまモン」とタイアップし、韓国内で高い利用率を誇るカカオトークにおいて、JNTO
公式ページの友達になったユーザーにスタンプを配布するキャンペーンを実施した。これにより、6 万人以上の新規ユ
ーザーを友達として獲得するとともに、熊本を中心とする九州地方のポジティブなイメージを形成した。
カカオトーク・くまモンスタンプ

10 月 2 日に、「2016 日韓交流おまつり in SEOUL」(在韓日本国大使館、日韓両国の政府機関等が後援)に、ビ
ジット・ジャパン(VJ)ブースを出展した。本イベントは、毎年開催される最大の日韓交流イベント(約 6 万人来場)で
あり、今年の VJ クリエイティブ広告にちなんだクイズやフォトウォールイベントなどを実施し、日本側参加企業・団体と
も連携して日本の魅力を発信した。
VJ ブース
フォトウォールイベント
クイズイベント
【中国】
10 月の市場動向トピックス

10 月として過去最高の 506,200 人が訪日
2016 年 10 月の訪日中国人数は、前年同月比 13.6%増の 506,200 人。2016 年 4 月から 7 か月連続で単月の
訪日者数が 50 万人を超えた。10 月も引き続き個人旅行(FIT)需要とクルーズ需要が訪日者数の伸びを支えてい
る。また、国慶節(10 月 1 日~7 日)は、例年、中国において外国旅行需要が増える時期であり、今年も訪日旅
行は人気であった。ただし、台風 18 号の影響により、当該時期の一部クルーズにキャンセルが見られたことから、機
会損失があった可能性がある。
10 月の主なプロモーション活動

訪日ツアーの需要喚起の他、潜在的な訪日旅行客の掘り起こしなどを目的に、10 月 15~16 日に寧波市、10 月
29~30 日に無錫市において、訪日旅行促進イベントを開催した。家族連れが多く訪れる商業施設の 1 階と好立
地での開催で、かつ現地旅行会社から訪日旅行に関する情報を直接入手できることもあり、寧波では 13,884 名、
無錫では 26,610 名がビジット・ジャパン(VJ)ブースを訪れるなど大盛況であった。なお、当該地域は上海、杭州や
南京など、訪日旅行が浸透している地域に比べ、日本に関する情報が少ないため、訪日旅行のベストシーズンや
査証申請の方法など、訪日旅行を検討する際の基本的な質問が中心であった。
イベント会場

子供向けプログラム
現地旅行会社ブース
10 月 16 日~22 日に、中国各地より訪日教育旅行を取り扱う旅行会社の担当者、及び教育関係者計 33 名を
新潟県に招請し、学校交流や、県内各地の文化・環境・産業施設等の視察を行った。新潟市長や湯沢町長が
被招請者に対し、新潟・湯沢の魅力について講演を行った他、招請に併せて日本の自治体等の教育関係者を対
象としたセミナー・商談会を開催した。招請者からは、「紅葉の美しい季節で景色が素晴らしかった」、「訪問施設が
立派で受入環境が整っており、実際のツアーへ組み込むことを検討したい」といった意見が多く寄せられた。
新潟市長によるプレゼン
学校交流の様子
訪日教育旅行セミナー
【台湾】
10 月の市場動向トピックス
 10 月として過去最高を記録
2016 年 10 月の訪日台湾人数は、前年同月比 3.2%増の 354,500 人で、10 月として過去最高を記録。2013 年 2
月以降、45 か月連続で各月の過去最高を更新している。クルーズツアーの増加や、LCC を中心とした座席供給量
の増加など押し上げ要因もあったが、伸び率は 1 桁台に留まった。前年同月と比較し、1 割以上の円高となっている
ことや、台湾から他国への LCC 路線の就航等が影響した可能性もある。
10 月の主なプロモーション活動
 10 月 3 日~4 日に、都内で「日台教育旅行交流会」を開催した。台湾側から 122 名の教育関係者を招き、日本
の自治体・教育関係者との間で訪日教育旅行での学校交流や地域の教育素材等について活発な意見交換が
行われた。終了後、台湾からの参加者は全地方自治体が主催するファムトリップ(全 14 コース)に参加し、訪日教
育旅行の魅力を体験した。
 10 月 18 日に、台北にて「台湾旅行会社 訪日旅行商品企画コンテスト 第三回発現心日本賞 授賞式」を開催
した。新しい訪日魅力を紹介する旅行商品を募集し、応募のあった 85 件のツアーの中から、「発現心日本賞」5 商
品、「発現心日本地方賞」5 商品、「優秀賞」9 商品を選定。佐渡のたらい船体験ツアーや、伊賀流忍者体験ツア
ー等が入賞した。今年 11 月から 2017 年 2 月にかけて、発現心日本賞受賞 10 社と共同広告を実施する。
 スターバックスとタイアップし、10 月 14 日に台北のスターバックス保安店にて、東北地方の魅力を共有するオフ会を開
催。訪日旅行が好きな約 20 名が参加し、各々東北地方のお勧めスポット、グルメ、美しい景色、旅のコツなどを紹
介しあった。
日台教育旅行交流会の様子
訪日旅行商品企画コンテスト授賞式
東北地方オフ会の様子
【香港】
10 月の市場動向トピックス

10 月として過去最高の 154,000 人が訪日
2016 年 10 月の訪日香港人数は、前年同月比 19.3%増の 154,000 人となり 45 か月連続で各月の過去最高を
記録した。昨年 10 月の重陽節は土日と連動しない日並びであったが、今年は土日と合わせて 3 連休(10 月 8 日
~10 日)となり、旅行先として日本が選好された。また、9 月から実施している旅行会社との共同広告や、10 月の
格安航空会社(LCC)との共同キャンペーンが、例年閑散期となるこの時期の需要喚起に繋がった。
10 月の主なプロモーション活動

例年 10 月は、香港における海外旅行のオフシーズンであり、閑散期の旅行需要喚起のため、9 月 5 日から旅行会
社 15 社と共同広告を実施した。紅葉の画像等を用いて、秋の日本の魅力を PR した。
旅行会社との共同広告掲載例

LCC の香港エクスプレス航空による創立 3 周年記念キャンペーンの実施時期に併せ、10 月 4 日~6 日に、日本行
きの全ての航空路線で帰りの便が無料になるタイアップキャンペーンを実施した。
キャンペーンバナー
【タイ】
10 月の市場動向トピックス
 各月の過去最高を継続して更新
10 月 13 日の国王崩御以降、タイ国内では自粛ムードとなり、広告なども一時中止となった。しかし、10 月はタイ市
場において旅行のピークシーズンであり、訪日タイ人数は前年同月比 14.3%増の 98,300 人と、10 月として過去最高
を記録した。7 月より、LCC のスクート航空及びタイ・エアアジアXなどが格安の航空券を販売したことなどが、訪日意
欲を後押しした。また、7 月から実施している現地旅行会社との共同広告が徐々に露出され、10 月以降の訪日需
要を喚起したことや、旅行博「FIT フェア」や「TITF」において 9 月発の訪日ツアーの販売実績が好調であったことなど
が、訪日者数の増加に結び付いた。
10 月の主なプロモーション活動

九州地方へのメディア招請
9 月 11 日から 9 月 16 日まで、テレビ番組「マジデジャパン」を九州地方に招請し、特に熊本地震で被害のあった熊
本県、大分県を中心に撮影を実施した。その成果物は 10 月~11 月にテレビ番組で 4 話(1 話 45 分)程度放映
される予定である。また、タイにおけるデジタルメディアによる口コミの影響力を活用し、11 月以降にブロガーを招請す
る予定である。

デジタルメディアを活用した情報発信事業
8 月 19 日から 10 月 13 日まで、日本各地の 60 枚の写真や地名を活用したウェブキャンペーンによるプロモーション
を実施した。また、同じく 8 月に立ち上げたインスタグラムにおいても、ウェブキャンペーンと連動した広告・投稿を実施
中である。さらに、タイ市場向けのモデルルート開発事業の 1 コース目となる「中国コース(今年度重点地域)」が作
成され、ウェブサイトへの公開の他、Facebook を活用した拡散(3 日で約 9 万リーチ)を図った。今後、順次モデルコ
ース掲載を拡充し、最終的に全国各地の計 16 コース程度を開発・掲載する予定である。
メディア招請の様子
JNTO タイ語 Facebook(国王追悼のカバー)
【シンガポール】
10 月の市場動向トピックス

前年同月比 18.6%の 29,900 人、10 月として過去最高を記録
シンガポールにおける外国旅行者数の前年同月比伸び率が、今年 5 月頃より鈍化傾向にある中、一部航空会社
による燃油サーチャージの撤廃や、チャンギ国際空港ターミナルでのメガフラワーアレンジメントの展示(3 月 10 日~4
月 10 日)、航空会社と連携した割安航空券キャンペーン(4 月 1 日~5 月 18 日)など、日星外交樹立 50 周年
(SJ50)事業の連続的な展開により、訪日意欲の喚起を図った。8 月には、旅行博「Travel Revolution」に出展し
た他、9 月からは OTA との共同キャンペーンを実施し、訪日需要の底上げから刈取りまで、需要全体の増加に努め
た。
10 月の主なプロモーション活動
✸
8 月 19 日~21 日にかけて、シンガポール最大の旅行博「Travel Revolution2016」へ出展した。前年同時期の開
催時を上回る 17 団体 24 ブースが出展した他、併せて大手旅行会社との共同広告を実施した。ジャパンパビリオン
への来場者数は前年同時期に開催した際と比べて 137%増となるなど、一般消費者の訪日意欲の喚起に貢献し
た。
✸
連続的な SJ50 事業の一環として、9 月より「食」を活用した訪日キャンペーンを実施。東北地方・中部地方・九州
地方を重点地域とし、ぐるなび、ジャパンショッピングツーリズム協会(JSTO)、シンガポールの大手スープレストランチ
ェーン「スープスプーン」と連携して、日本の食を通じたプロモーションを展開した。これに加え、OTA(Expedia、Cheap
Ticket)と連携した訪日販売促進施策を組み合わせることにより、訪日意欲の喚起から実際の予約・購入まで、一
連の旅行行動を後押しする仕組みを実現した。
✸
JNTO シンガポール事務所の Facebook への投稿において、10 月に「Like!」数が多かったのは、日本の様々なインス
タント食品を紹介する記事であった。シンガポール市場は訪日旅行のリピート率が高く、日本の先進的な文化やマ
ニアックな観光地などに対する反応も大きい。そのため、伝統的な日本文化のみならず現代のバラエティ豊かな一
面の発信も効果的であることが窺えた。
Facebook への投稿記事より(日本のインスタント食品の紹介)
【マレーシア】
10 月の市場動向トピックス
 前年同月比 28.8%増の 36,700 人
2016 年 10 月の訪日マレーシア人数は、前年同月比 28.8%増の 36,700 人で、10 月として過去最高を記録した。
OTA の Expedia マレーシアと共同で実施した個人旅行者(FIT)向けの販促キャンペーンや、スクールホリデー前の需
要喚起を目的に航空会社各社が実施したプロモーション価格での販売が需要を底上げし、訪日者数の増加に繋
がった。
10 月の主なプロモーション活動

マレーシア市場最大のピークシーズンである 11 月、12 月の訪日需要を喚起するため、8 月 22 日~10 月 22 日ま
で Expedia マレーシアのウェブサイト内に訪日旅行の特設サイトを設置し、FIT に向けた共同プロモーションを展開し
た。同サイトのバナーを、Expedia グループである AirAsiaGo.com、Hotels.com のサイト内にも設置し、誘導を図った。
特設サイトを利用した航空券予約はキャンペーン期間中、前年同期比 116.40%となり、今後の訪日拡大が期待さ
れる。また、来年春~夏を見据えた同様のキャンペーンを 12 月~2 月に実施する予定である。

10 月 2 日~10 月 6 日に、マレーシアからムスリムブロガー5 名を招請し、九州地方へのファムトリップを実施した。一
行は、鹿児島や熊本などを訪問し、礼拝室やモスクなど、ムスリム対応が可能な施設を取材すると共に、南九州の
魅力を各自のインスタグラムなどを通じてムスリムのユーザー向けに発信した。今回のファムトリップの内容は、今後、
来年以降の開設を目指している JNTO のムスリムガイドのホームページなどにも掲載を予定しており、ムスリムの誘
客促進に向けて更なる情報発信を行っていく。
Expedia マレーシアとの共同キャンペーン
ムスリムブロガーの招請
【インドネシア】
10 月の市場動向トピックス
 10 月の訪日者数 23,300 人
2016 年 10 月の訪日インドネシア人数は、前年同月比 39.1%増の 23,300 人で、10 月として過去最高を記録。例
年、10 月は訪日旅行のオフシーズンであるが、旅行博における販促、共同広告や CM 放映などの訪日旅行プロモ
ーションを継続的に行うことで訪日意欲を喚起し、閑散期の需要底上げを図った。また、2016 年 1 月から 10 月まで
の累計では 208,200 人となり、2015 年の年計(205,083 人)を超えた。
 ガルーダ航空、韓国観光公社と提携
インドネシアの国営ガルーダ・インドネシア航空は 10 月 17 日、韓国を訪問するインドネシア人観光客の拡大に向け、
韓国観光公社(KTO)と提携することで合意した。韓国路線を特別料金で設定する他、韓国国内の様々な観光
地で利用できる割引クーポンを発行する。ガルーダ航空のデウィヤンティ副社長(マーケティング担当)によると、2016
年上半期(1~6 月)における韓国路線の搭乗者数は 7 万 1,349 人。KTO の鄭社長は、「上半期に韓国を訪問し
たインドネシア人観光客数は前年同期比で 38%増加した」と説明し、ガルーダ航空との提携による更なる観光客誘
致に期待を示した。ガルーダ航空は、ジャカルタとデンパサール(バリ島)からソウル直行便を運航している。
10 月の主なプロモーション活動
 10 月 7 日~9 日にジャカルタ・コンベンション・センターにて開催された旅行博「Garuda Travel Fair 2016」に、地方自
治体・観光施設等 11 団体とともに出展した。ジャパンブースへの来場者数は 3 日間合計で約 1.3 万人、訪日旅行
商品の購入者は約 1,300 人に上った。インドネシア市場では FIT 化が急速に進んでおり、来場者が旅行会社ブース
で航空券を購入した後、そのままジャパンブースに立ち寄り、日本を個人で旅行する際の見どころや交通手段を尋
ねる光景がよく見られた。
 10 月 18 日~21 日に、北海道にてメディア招請旅行を実施した。インドネシアにおいて影響力をもつオンラインメディ
ア、雑誌のライター、ブロガー等 6 名を招請し、北海道で楽しめる秋の魅力を取材した。本州などに先駆けて美しい
紅葉を鑑賞することができたほか、旭岳では雪景色もあり、インドネシア人旅行者の関心が高い季節の魅力を PR
することができた。また、釧路湿原やアイヌ村など、北海道ならではの観光素材も紹介した。
「Garuda Travel Fair2016」の様子
メディア招請・紅葉を取材する様子
【豪州】
10 月の市場動向トピックス
 10 月として過去最高の 37,700 人、前年同月比 27.3%増を記録
10 月上旬までの学校休暇の他、大手旅行会社との共同広告が訪日クルーズの需要を喚起したことなどが、訪日
者数の好調な伸びを支えた。また、継続的な訪日旅行プロモーションによる訪日旅行人気を受けて、航空会社等
による独自のプロモーションにより日本の露出が増加していることも、訪日意欲の押し上げに貢献した。
10 月の主なプロモーション活動
 2016 年 3 月より JNTO シドニー事務所のウェブサイト上にて実施した E-Learning の成績優秀者 20 名を 10 月に
日本へ招請した。10 月までに E-Learning への参加者は 1,200 名、修了者は 800 人を超え、その中から選ばれた
成績優秀者らは、東京、日本アルプス、金沢、京都、大阪を巡るコースと、広島、大阪、京都、箱根、東京を巡る
コースに分かれ、各地を視察した。併せて、旅行業界誌「Karry on」の記者が同行取材を行った。
 10 月 29 日にキャンベラで開催された「Canberra Nara Candle Festival」に出展した。本イベントは、奈良市とキャン
ベラ市の姉妹都市友好関係を祝して 2004 年より開催されているもので、JNTO ブースには約 400 人の来場があり、
大盛況であった。
「Canberra Nara Candle Festival」への出展
E-learning 成績優秀者招請
(上)尾道でのサイクリング風景
(右)黒部平にて
【米国】
10 月の市場動向トピックス
 前年同月比 24.2%増、10 月として過去最高を記録
10 月の訪日客数は、119,500 人で、10 月として過去最高を記録。1 月から 10 月の累計は 1,033,900 人となり、
2015 年の年計(1,033,258 人)を超えた。
 継続的な訪日旅行プロモーションによる訪日機運の醸成
米国の外国渡航者数が増加傾向にある中、継続的な訪日旅行プロモーションによる訪日機運の醸成が、安定し
た訪日需要を支えている。クルーズ需要も引き続き好調で、訪日者数の上乗せに貢献した。また、10 月 26 日~
28 日に沖縄で開催された「第 6 回 世界のウチナーンチュ大会」には、多くの日系米国人が訪れた。
10 月の主なプロモーション活動

10 月 18 日~20 日に、ニューヨーク、ワシントン DC、フィラデルフィアの 3 都市で連続して開催された「Virtuoso
Regional Meeting」に出席し、富裕層向けツアーを取り扱うトラベルエージェント(3 都市で合計 163 名)と商談を行
った。出展者が自席ブースで各種資料を揃え、1 コマ 10 分の商談時間の中でエージェントと質疑応答を行う形式で、
米国各エリアのエージェントと効果的な商談を行うことができた。特に、ワシントン DC とフィラデルフィアでは、「訪日旅
行商品を販売しているものの、日本に関する知識が深くない」、「訪日旅行商品を販売するための基本的な情報を
入手したい」というエージェントも多く、JNTO で提供している訪日観光のオンライン学習プログラム(JTS プログラム)、
オンラインでの訪日観光セミナー(Virtuoso Webinar)などを紹介する良い機会となった。商談では、視認性が高い
紙媒体を通しての説明が多くなるが、これらを持ち帰るエージェントはほぼいないため、フライヤーやパンフレットなどの
データ化も合わせて行った方が記憶や記録に残りやすい。

Princess Cruises との共催で、現地のトラベルエージェント、ツアーオペレーターを対象として、ヒューストン(10 月 12
日)、ダラス(10 月 13 日)、サンフランシスコ(10 月 31 日)において、「Japan Product Seminar」を開催した。3 都市
の総参加者数は約 100 名に上り、クルーズを中心とした訪日旅行の魅力を PR し、富裕層へのアプローチの拡大を
図った。また、クルーズ船の寄港地のみならず、プレ、ポストツアーにおける日本国内の旅行先や、日本ならではの体
験などに関する情報を発信し、訪日旅行の魅力を訴求した。
「Virtuoso Regional Meeting」商談デスクの様子
サンフランシスコの船上で開催した
「Japan Product Seminar」の様子
【カナダ】
10 月の市場動向トピックス
 単月で過去最高を記録
2016 年 10 月の訪日カナダ人数は、前年同月比 35.6%増の 29,700 人と大幅に増加し、単月で過去最高を記録。
旅行会社や航空会社との共同広告、メディア招請によるテレビ番組の放映や、印刷媒体の発行など、継続的な訪
日旅行プロモーションにより旅行先としての日本の認知度が高まっている。加えて、10 月 29 日までの夏季ダイヤでは、
航空座席供給量が過去最大となっていることなどにより、バンクーバー発の航空路線において価格競争が起きており、
航空券やツアーが比較的安価で提供されていることも訪日需要を後押しした。
 冬季ダイヤにおける減便
10 月 30 日からの航空会社の冬季ダイヤにより、直行便は夏季ダイヤ最大時から 17 便の減便となる。カナダの旅行
会社からは日本のホテル不足と価格上昇について引き続き言及があり、10 月のカナダドル対円為替レート(中点平
均)も 78.26 円/CAD で依然円高となっている。そのような中でも、航空会社および旅行会社へのヒアリングによると、
今後 3 か月の見通しは前年比プラスとの声が聞かれており、カナダの景況感も底堅いことから、今後の訪日カナダ人
数も堅調な伸びが期待できる。
10 月の主なプロモーション活動

10 月 21 日~23 日にモントリオールで開催されたカナダ最大の旅行見本市「Salon International Tourisme
Voyages (SITV) 2016」に、在モントリオール日本国総領事館と連携し、自治体・旅行関係者等 14 団体と共にビ
ジット・ジャパン(VJ)ブースを出展した。VJ ブースへは 3 日間で約 7,700 名(昨年 7,000 名)の来場があった。現地
旅行会社が自社ツアーの PR のために実施するセミナーでは、日本が話題として取り上げられるなど、例年にない傾
向もみられ、日本に対する関心の高さが窺えた。

また、同見本市の前日には、モントリオール市内において、東京観光財団と共同で B to B 商談会および訪日旅行
セミナーを実施した。SITV の共同出展者が参加し、地元のメディア、旅行会社約 70 社と活発な商談を行ったほか、
総領事館、東京観光財団、JNTO や共同出展者によるプレゼンテーションを通じて訪日旅行の魅力を PR した。
VJ ブースの様子
B to B 商談会及び訪日旅行セミナーの様子
【英国】
10 月の市場動向トピックス
 訪日英国人数、10 月として過去最高を記録
2016 年 10 月の訪日英国人数は、前年同月比 22.0%増の 32,000 人で、10 月として過去最高を記録した。経由
便を中心に比較的低廉な航空券が販売されていることや、英国経済が堅調であることなどが、訪日旅行プロモーシ
ョンの効果を高めている。クルーズ需要も引き続き好調で、10 月にも 1,500 人以上が訪日クルーズを利用した。
 日本特集番組による訪日意欲喚起
英国の主要な TV 番組である「ITV」において、9 月に日本を特集したドキュメンタリーが 3 本放映された。同番組に
は、英国のセレブリティであるジョアンナ・ラムリーが出演し、北海道、東北、東京、中仙道、九州、沖縄と日本を広く
紹介した。放映後の反響は非常に大きく、放映の翌営業日には JNTO への一般消費者からの問い合わせが急増
し、訪日取材に関心を持つメディアも増加した。旅行会社からも、訪日旅行に関する問い合わせが増え、対応が追
いついていない状況との声が聞かれており、訪日需要の高まりが窺える。
10 月の主なプロモーション活動
 10 月 27 日~30 日に、英国ロンドンにて「The Telegraph Ski and Snowboard Show」が開催され、JNTO もビジッ
ト・ジャパン(VJ)ブースを出展した。本イベントには、約 25,000 人の一般消費者が来場し、スキーの目的地やリゾー
ト施設、スキー・スノーボード関連商品等のブースに足を運んだ。英国においては、日本でスキーができるということが
まだ広く知られていないこともあり、VJ ブースは多くの来場者の注目を集め、賑わっていた。会場には家族連れも多く、
スキー以外の魅力を伝えるビデオに見入る来場者も多くいた。スキー目的地としての日本の知名度は徐々に向上し、
冬季の訪日も増加してきている。英国からの訪日は春と秋がピークとなっているが、スキー需要を取り込むことにより、
閑散期である冬の訪日需要増加を目指していく。
「The Telegraph Ski and Snowboard Show」における VJ ブースの様子
【フランス】
10 月の市場動向トピックス
 10 月として初の 3 万人、32 か月連続で各月の過去最高を更新
2016 年 10 月の訪日フランス人数は 30,000 人で、2016 年 4 月に次いで単月で過去 2 番目に多い訪日者数とな
った。近隣諸国の情勢不安により、安全な旅行先として中米・アジア地域への注目が高まる中、休暇を取りやすい
時期であること、航空券が比較的求めやすい価格で提供されていることなどが訪日需要を後押しした。
 ロングホールの旅行先において日本が 2 番目の伸び
フランス旅行業組合およびフランス観光開発機構(Atout France)によると、フランスにおける 9 月の旅行予約数は、
全体で前年同月比 5.3%減。フランス国内の旅行や短・中距離路線の予約が減少しているものの、長距離路線に
ついては前年同月比 5.1%増と好調である。日本への旅客数は、前年同月と比べて 31%増加しており、長距離路線
の中では、インドネシア(前年同月比 57%増)に次いで 2 番目の伸びとなった。
10 月の主なプロモーション活動

10 月 4 日~31 日に、ANA との共同広告を実施した。パリ市内の地下鉄 150 か所や、リヨン市内の地下鉄および
駅構内、トゥールース地下鉄において屋外広告を 1 週間、オンライン広告を 2 週間にわたって掲載するなど、様々な
媒体で日本の露出強化を図った。

今年度第 2 弾となるフォトコンテストを 10 月 3 日~11 月 4 日に実施した。「素晴らしかった日本での経験」をテーマ
に、訪日した際の写真を募集した。当該コンテストは、オンライン広告などを通じて告知し、10 月 31 日時点で 2,258
枚の投稿が寄せられた。

10 月 16 日~23 日に、フランスの旅行会社 4 社 4 名を招請した。地方を旅程に組み込んだツアー造成を目的に、
近畿(大阪、姫路、天橋立、伊根)、山陰(鳥取、出雲)、山陽(広島、宮島、倉敷)を視察した。また、10 月 15
日~23 日に、フランスのメディア 3 社 4 名を東北地方(角館、銀山温泉、出羽三山、会津若松)及び日光に招請
した。今後、主要旅行雑誌やフリーペーパー等での露出を予定しており、多くのフランス人に地方の魅力をアピール
する機会となり、訪日意欲の喚起に繋がるものと期待される。
航空会社との共同広告
フォトコンテスト告知
旅行会社の視察の様子
【ドイツ】
10 月の市場動向トピックス
 訪日ドイツ人数、単月として過去最高を記録
2016 年 10 月の訪日ドイツ人数は、前年同月比 21.5%増の 22,900 人で、単月として過去最高を記録した。10 月
は団体ツアーの催行が多い時期であり、旅行会社各社からの送客が訪日者数の押し上げに貢献した。また、クルー
ズ需要も好調で、1,000 人以上のドイツ人がクルーズを利用して訪日した。
 長距離旅行の増加
欧州周辺で発生したテロ等の影響で、ドイツ人が旅行先を選択する際に「安全」を重要視する傾向は今後も継続
しそうである。このような背景から、国内旅行への回帰とともに、近隣の欧州諸国ではなく、長距離の国・地域への旅
行に関心が高まっている。旅行会社へのヒアリングでは、欧州や中東地域等への旅行商品の販売に苦戦する中、
日本やカリブ海、南アフリカなどの販売数が大きく伸びているとのこと。また、ラグジュアリー旅行専門の旅行会社から
も、来年は新たにアジア、南アフリカ、フロリダなどへの旅行商品を追加するとの話が挙がっている。日本は、テロ等が
少ない「安全」なイメージを持たれている旅行目的地の一つであるため、この傾向は日本にとって追い風であり、好機
を捉え、訪日意欲喚起を図っていく。
10 月の主なプロモーション活動
 9 月より開始した航空会社との共同広告について、10 月からは連携先をさらに拡充し、一般消費者に向けて割安
な訪日旅行商品を訴求している。スターアライアンスとワンワールドの 2 つのエアライン・アライアンスと広告を実施する
ことにより、両キャンペーンでドイツ発の訪日直行便を全てカバーしており、一般消費者に対し、日本行きの航空券が
500€台から購入できることを印象づける。ドイツ市場では、旅行先としての認知度向上を目的に、ブランディングに基
づいたデスティネーション広告も同時期に実施しており、旅行商品の宣伝と併せることで予約行動を促すような共同
広告の販促効果を更に高めている。
航空会社との共同広告事例