みずほ欧州経済情報 - みずほ総合研究所

みずほ欧州経済情報
2016年11月号
◆ トピック
動き出すフランスの大統領選挙
右派・共和党の予備選挙が実施され、フィヨン元首相が勝
利した。同氏は、極右・国民戦線のルペン党首と共に来春
の大統領選本選で決選投票に進む公算が大きい
◆ 景気判断
ユーロ圏景気は回復が続く
対英関係に絡んだ不確実性が重石となって低成長が続く
という全体観は従来通りだが、10~12月期の成長率は前期
から小幅に加速する可能性がある。
1.トピック:動き出すフランスの大統領選挙
フィヨン元首相が共和党
の大統領候補に決定
2017 年春に予定されるフランス大統領選挙に向けて、右派・共和党の統一
候補決定のための予備選挙が、11 月 20 日・27 日に行われた。アラン・ジュ
ペ氏とフランソワ・フィヨン氏という元首相同士の争いとなった 27 日の決
選投票では、フィヨン氏が 66.5%の得票を獲得して勝利し、右派共和党の統
一候補となった。最近のフランソワ・オランド大統領(社会党)の支持率の
低さを勘案すれば、共和党の大統領候補者が大統領選本選でも当選する可能
性が高い。このため、次期フランス大統領を実質的に決める選挙として、共
和党予備選挙への注目は高まっていた。
当選したフィヨン氏は、2017 年 4 月 23 日に行われる大統領選挙(決選投
票は 5 月 7 日)において、極右・国民戦線のマリーネ・ルペン党首、無所属
での立候補を表明しているマクロン前経済相、まだ確定していない与党・社
会党の候補者らと対峙することになる。
フィヨン氏は、2007 年から 2012 年まで、サルコジ政権下で首相を務めた。
英保守党のサッチャー元首相のファンであることを公言して憚らず、経済的
には自由主義、企業重視、組合の権限縮小、小さな政府志向といった政策ス
タンスで知られている。思想的には保守的で、フランスの歴史や家族、カト
リック的な価値観を重視していると言われる。
フィヨン氏が掲げている主要な政策は、次ページ図表 1 に示されるとおり
である。経済政策については、週 35 時間労働制の廃止や、退職年齢の 65 歳
への引き上げ、5 年で 400 億ユーロの企業減税の実施等が目指されている。
加えて、小さな政府を志向し、公務員数の 50 万人削減や、5 年で 1,000 億ユ
ーロの歳出削減、企業の民営化の推進といった政策が掲げられており、確か
にサッチャー政権時代の政策を髣髴とさせる面もある。一般に、労働組合の
力が強いとされるフランスにおいて、企業寄りの政策をどこまで実行に移す
ことが出来るのかは注目される。
ルペン党首は初回投票を
フランスの大統領選挙は「単記二回投票制」であり、初回投票で 50%以上
1 位で通過する公算大も、 の得票率を得られる候補者がいなければ、上位二名による決選投票となる。
決選投票での勝利は困難
2017 年は、
4 月 23 日に初回投票、
5 月 7 日に決選投票が行われる予定である。
11 月に仏調査会社 Ifop が行った大統領選挙(初回投票)に関する世論調
査によれば、支持率では極右・国民戦線のルペン党首が約 30%と最も高い(次
ページ図表 2)
。現時点までの世論調査に基づけば、国民戦線のマリーヌ・ル
ペン党首と、共和党のフィヨン元首相が決選投票に進む公算が大きい。
現在国民戦線が得ている高い支持率は、一過性の物とは言えない。しかし、
同氏が決選投票に進んだとしても、決選投票では社会党と共和党支持者の反
ルペン票が結集すれば、同氏の勝利を阻むことが出来ると考えられる。実際、
2015 年 12 月の地域圏議会選挙においても、国民戦線はフランスの 13 の地域
圏のうち 6 つの地域圏においてトップ当選を果たしながらも、決選投票では
反ルペン票が結集し、いずれの地域圏でも第一党にはなれなかった。
他党の動きをみると、与党・社会党では、フランス第五共和制下で最低と
1
みずほ欧州経済情報(2016 年 11 月号)
なる 10%台の支持率にあえぐオランド大統領が出馬するのかが注目される。
その他の立候補者が誰になるのかも併せて注目されるが、現時点では、マニ
ュエル・バルス首相などの名前が挙がっている。報道によれば、同党では予
備選挙が 2017 年 1 月 22 日・29 日の両日に実施され、候補者が決まる。
台風の目となりそうなのは、11 月に無所属での立候補を表明したエマニュ
エル・マクロン前経済相である。同氏はオランド政権の閣僚ではあるものの
社会党には所属していない。8 月に経済相を辞任したうえで、
「En Marche!」
という独自の政策グループを立ち上げた。
ルペン大統領誕生の可
2017 年のフランス大統領選挙では、与党社会党の支持率低迷の中で、社会
党の候補者が誰であれ、共和党のフィヨン氏が勝利するというのが、現時点
能性
の基本シナリオである。しかし、大統領選挙までにはまだ期間があり、既存
政党への国民の失望や、高止まりする失業率、難民問題再燃のリスク、世論
調査の信頼度の低下などを考えた場合、確実とは言い切れない。
国民戦線のルペン党首が勝利するためには、初回投票で 50%以上の得票を
得るか、決選投票で 3 位以下の政党から票を奪うかどちらかが必要となる。
初回投票で 50%以上の得票を得るには、これから 20%近く支持率を伸ばす
ことが必要となる。また、決選投票で勝利するには、初回投票で第 3 位以下
の候補の票を奪う必要があり、ルペン大統領誕生のハードルは高い。
上記の条件をクリアして国民戦線の支持率が急上昇し、ルペン大統領が誕
生した場合、EU統合は崩壊の危機を迎える可能性が高まる。ルペン党首は、
政権奪取から 6 カ月以内にEU離脱の是非を問う国民投票を実施する旨を表
明している。欧州統合の発案者でもあり、推進役でもあり続けたフランスが
EUからの離脱を決めた場合には、
そのインパクトは Brexit の比では無い。
2017 年の大統領選挙でルペン大統領が誕生する可能性は低いとしても、テー
ルリスクの大きさを踏まえれば、状況を注視しておく必要があろう。
図表1 フィヨン氏主要政策
雇用
図表2 大統領選(初回投票)の支持率調査
民間企業の週35時間労働制の廃止。企業ベースでの自由な労働
時間の設定。
退職年齢の65歳への引き上げ。
就業あっせんを拒否した労働者への罰則、失業給付の削減による、
再就職の促進。
公務員数の50万人削減、5年間での完全雇用への復帰。
財政
ルペン党首(国民戦線)
5年で1,000億ユーロの歳出削減。
フィヨン元首相(共和党)
5年で400億ユーロの企業向け減税と、100億ユーロの家計向け
社会保障・税控除。
軽減税率に影響を与えない形でのVATの2%引き上げ。
マクロン前経済相(独立)
法人税の25%への緩やかな引き下げ。
移民
欧州
外交
移民受け入れ割り当てを導入し毎年議会で承認。合法的移民に
対する社会保障給付の当初2年間の停止による移民数削減。
家族移民受け入れに対する条件の厳格化。
シェンゲン協定の改正。シェンゲン域内における各国の国境管理の
権限回復。
ユーロ圏経済政府の創出。当初は財務相レベル、最終的には国家
元首レベル。
ロシアへの制裁解除と、シリアにおける協力。
メランション党首(左翼党)
オランド大統領(社会党)
0
5
10
15
20
25
30
(%)
イランとの対話促進。
(注)筆者による抄訳。下線は筆者。
(資料)フィヨン氏ウェブサイト、各種報道より、みずほ総合研究所作成
(注)調査期間は、2016年11月16日~17日。
(資料)Ifopより、みずほ総合研究所作成
2
みずほ欧州経済情報(2016 年 11 月号)
2.ユーロ圏経済の概況:11 月も景気回復が続く
7~9 月期のユーロ圏成
長率は前期並み。主要国
7~9 月期のユーロ圏GDP成長率は前期比+0.3%と、4~6 月期並みの水
準を維持した(図表 3)。消費中心の景気回復だったと推察される。
では独・西の成長率が低
主要国では、ドイツ(4~6 月期同+0.4%→7~9 月期同+0.2%)やスペイ
下。仏・伊の成長率は上
ン(同+0.8%→同+0.7%)の成長率が低下した。ドイツでは個人消費や政府
昇したが景気の基調は
支出が増加したものの、固定投資(特に機械投資)が伸び悩んだ(図表 4)。輸
強くないとみられる
出減少により、成長率に対する外需寄与度はマイナスに転じた。
フランス(同▲0.1%→同+0.2%)やイタリア(同+0.0%→同+0.3%)の
成長率は加速したが、景気の基調は強くないと思われる。フランスでは、消
費が 2 四半期連続でゼロ成長となったほか、固定投資は力強さを欠いた。低
調な輸出を背景に外需寄与度はマイナスとなった。7~9 月期は在庫投資の増
加が成長率加速の主因であり、
「意図せざる在庫増」の可能性が高い。イタ
リアでは需要項目の内訳が未詳だが、月次指標を踏まえると、最終需要は弱
かったとみられる。フランス同様の在庫要因や、難民対応に絡んだ政府支出
の増加などの一時的要因が影響した可能性がある。
11 月にかけてもユーロ
圏の景気回復は続く
ユーロ圏では、今秋も景気回復が続いている。成長率との連動性が高いユ
ーロ圏合成PMIは上昇を続け(10 月 53.3→11 月 54.1)、
10・11 月平均(53.7)
は 7~9 月平均(52.9)を上回った(図表 5)。発表元の Markit 社によると、輸
出受注の改善などがPMI上昇に影響したという。対英関係に絡んだ不確実
性が重石となり、低成長が続くという全体観は従来通りだが、10~12 月期の
ユーロ圏GDP成長率は前期から小幅に加速する可能性がある。
ECB関係者からは拡
_ユーロ圏景気の回復ペースが緩やかな中、拡張財政を期待する発言が政策
張財政を期待する発言
当局者から相次いでいる。とりわけ欧州中央銀行(ECB)関係者の発言が目
が相次ぐ。欧州委はユー
立ち、例えば、コンスタンシオ副総裁は「財政政策は経済活動の下支えとし
ロ圏全体で拡張財政を
ての役割を果たすべきだ」と発言し(11 月 14 日)、チーフエコノミストであ
目指しているが、その実
るプラート理事は「財政政策は需要刺激において(金融政策よりも)重要な役
現は困難とみられる
割を果たし、金融政策の負担を和らげられる」と述べた(11 月 14 日)。
こうした中、欧州委員会は「低成長・低インフレのリスクに対処し、金融
政策を支えるため、ユーロ圏全体は拡張財政が必要」との声明を発表した(11
月 16 日)。これまでの「成長親和的な財政」という表現から一歩踏み込んだ
内容だ。2017 年はユーロ圏全体でGDP比 0.1%程度の緊縮財政が計画され
ているが、欧州委は同年に同 0.5%程度の拡張財政を目指すという。
もっとも、欧州委が目指す規模の拡張財政を実現することは難しいだろう。
欧州委は財政ルールを緩めることは考えておらず、既に財政目標を達成した
国に拡張財政を求める一方、目標未達の国には緊縮財政を求めているからだ。
財政目標を達成した国の内、経済規模が大きい国はドイツだけだ(図表 6)。
しかし、ドイツが従前の財政健全化路線を転換するとは考えにくく、仮にド
イツを含めた目標達成国が財政ルールの限界まで拡張財政を行っても、ユー
ロ圏全体で見込まれる拡張財政の規模は同 0.2%程度にとどまる。結局、2017
年のユーロ圏では財政面からの景気押し上げが期待できないと思われる。
3
みずほ欧州経済情報(2016 年 11 月号)
図表 3
1.0
ユーロ圏・主要国GDP成長率
図表 4
(前期比、%)
0.8
0.6
0.4
0.2
▲
▲
▲
▲
0.0
▲ 0.2
▲ 0.4
Q1
Q2
Q3
Q4
Q1
Q2
2014
ユーロ圏
ドイツ
イタリア
スペイン
Q3
Q4
15
フランス
Q1
Q2
図表 6
←
51
景
気
→
49
フランス
16/11
(年/月)
景況感
金融
(構造収支のGDP比、%)
▲2
0
▲1
1
2
3
ユーロ圏景気の全体感を示す主要統計
Q2 2016
Q3 2016 Q4 2016
2016/06 2016/07 2016/08 2016/09 2016/10 2016/11
ユーロ圏(19カ国)
前期比、%
0.5
0.3
0.3
n.a.
-
-
-
-
-
-
ドイツ
前期比、%
0.7
0.4
0.2
n.a.
-
-
-
-
-
-
フランス
前期比、%
0.6
▲ 0.1
0.2
n.a.
-
-
-
-
-
-
イタリア
前期比、%
0.4
0.0
0.3
n.a.
-
-
-
-
-
-
スペイン
前期比、%
0.8
0.8
0.7
n.a.
-
-
-
-
-
-
ユーロ圏合成PMI
Pt
53.2
53.1
52.9
53.7
53.1
53.2
52.9
52.6
53.3
54.1
ユーロ圏製造業PMI
Pt
51.7
52.0
52.1
53.6
52.8
52.0
51.7
52.6
53.5
53.7
ユーロ圏サービス業PMI
Pt
53.3
53.1
52.6
53.5
52.8
52.9
52.8
52.2
52.8
54.1
長期平均=100
104.0
104.3
104.3
106.3
104.4
104.5
103.5
104.9
106.3
n.a.
1.7
1.5
1.5
1.6
-
-
-
-
-
-
末値、%
0.00
0.00
0.00
n.a.
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
末値、%
0.16
▲ 0.13
▲ 0.19
n.a.
▲ 0.13
▲ 0.18
▲ 0.13
▲ 0.19
0.08
n.a.
末値、€/$
1.14
1.11
1.12
n.a.
1.11
1.12
1.11
1.12
1.10
n.a.
ユーロ圏ESI
見通し
財政目標達成国
(注)各国の 2017 年予算案における 16 年の財政収支見込み値。
(資料)各国財務省よりみずほ総合研究所作成
Q1 2016
実質
GDP
成長率
固定投資
実質GDP
財政協定における
中期財政目標
(▲0.5%)
▲3
(資料)Markit よりみずほ総合研究所作成
図表 7
外需
個人消費
ユーロ圏・主要国の構造的財政収支
ルクセンブルク
エストニア
ドイツ
キプロス
ラトビア
リトアニア
オランダ
オーストリア
マルタ
イタリア
フィンランド
スロベニア
フランス
ポルトガル
スロバキア
アイルランド
ベルギー
スペイン
拡 53
張
ドイツ
16Q3
(資料)独連邦統計庁、INSEE よりみずほ総合研究所作成
55
ユーロ圏
2016Q2
フランス
在庫投資
政府支出
(Pt)
15/11
16Q3
ドイツ
ユーロ圏・主要国の合成PMI
縮
小 47
2014/11
(前期比、%)
2016Q2
Q3
16
(年/四半期)
(資料)Eurostat、各国統計局よりみずほ総合研究所作成
図表 5
1.0
0.8
0.6
0.4
0.2
0.0
0.2
0.4
0.6
0.8
ドイツ・フランスのGDP成長率
専門家調査(当年のユーロ圏GDP成長率、%)
ECB主要政策金利
ドイツ10年国債利回り
ユーロ/ドル
(資料)Eurostat、欧州委員会経済金融総局、ECB、Markit、Datastream よりみずほ総合研究所作成
4
みずほ欧州経済情報(2016 年 11 月号)
3.ユーロ圏内外需動向:輸出は停滞。生産・消費は回復
ユーロ圏輸出は停滞。今
後については回復が期
待される
ユーロ圏の輸出は停滞している。9 月のユーロ圏域外輸出金額(国際収支統
計の財・サービス輸出金額)は前月比▲1.7%と減少に転じた。
今後に関しては輸出回復が期待される。ユーロ圏の輸出先国のPMIを輸
出ウェイトで加重平均した「ユーロ圏輸出先PMI」は改善を続けており、
海外景気の持ち直しを示している(図表 8)。輸出受注も上向いている。
ユーロ圏生産は減少し
9 月のユーロ圏鉱工業生産は前月比▲0.8%と減少した。もっとも、季節要
たが製造業受注は持ち
因に絡んだ 8 月の大幅増産の反動であり、7~9 月期に均すと前期比+0.4%
直し
と緩やかな増産に転じた。
国別にみると、ドイツ鉱工業生産が前月比▲1.9%と大幅に落ち込んだが、
同国の製造業受注は持ち直しており、10 月以降は増産が期待される。9 月の
ドイツの製造業受注(大型輸送機械を除く、同+1.1%)は 2 カ月で増加し、
中でも輸出向け受注(同+1.6%)が強めである(図表 9)。一方、資本財受注が
停滞する中、国内向け受注(同+0.5%)は輸出受注ほど伸びなかった。資本
財受注の弱さは、先行きの設備投資の低調さを示唆している。
ユーロ圏雇用は拡大。国
ユーロ圏では雇用が拡大している。9 月のユーロ圏失業者数は前月比▲
毎の状況はまちまち。フ
0.6%と減少した(図表 10)。企業の雇用見通しは改善しており、今後も雇用
ランスでは政策効果の
拡大が続くと見込まれる。
顕在化が期待される一
国別の状況はまちまちである。失業者数はドイツやスペインでは減少が続
方、イタリアでは政策効
く一方、フランスでは高止まり、イタリアでは増加しつつある。景気回復を
果の剥落が懸念される
背景に労働参加率が上昇する一方、企業の採用意欲が低調であることが、フ
ランス・イタリアの雇用改善の遅れに繋がっていると考えられる。
今後のフランスに関しては、労働市場改革の効果が期待される(図表 11)。
オランド政権は、2012 年以降、雇用コストの低減を通じて企業の採用意欲を
高める改革を実施してきたが、失業者数は高止まりしていた。しかし、今夏
のエル・コムリ法など更なる改革が進んでいる。こうした改革が、2013 年以
降のスペインのケースと同様に採用意欲の向上に繋がれば、フランスの失業
者数は減少に転じると期待される。
他方、イタリアについては、政策効果の剥落が懸念材料である。一部雇用
者の社会保険料に対する事業主負担の免除が 2016 年末に期限を迎えるから
だ。この負担免除が企業の採用意欲を喚起していたとの見方があり、負担が
復活する 2017 年以降、企業の採用意欲が一段と弱まる可能性がある。
ユーロ圏個人消費は緩
|ユーロ圏の個人消費は緩やかに改善している。企業サーベイでは、ユーロ
やかに改善
圏サービス消費の停滞感が払拭されつつある。10 月のユーロ圏新車登録台数
は前月比▲4.8%と大幅に減少したが、9 月の反動であり、均せば底堅さを維
持している。9 月のユーロ圏小売数量は同▲0.2%と減少したが、ドイツ(同
▲1.5%)の落ち込みが主因である。ドイツの所得環境の良好さを踏まえれば、
小売の先行きを過度に悲観視する必要はないと思われる。
5
みずほ欧州経済情報(2016 年 11 月号)
図表 8
56
ユーロ圏輸出先PMI
図表 9
ドイツ製造業受注
(2014/1=100)
108
(Pt)
(2014/1=100)
110
106
55
108
104
106
拡張
54
102
53
100
104
98
102
← 景気
52
96
51
94
50
92
縮
→小
49
2014/10
15/10
(年/月)
図表 10
98
90
2014/9
15/3
製造業受注
国内受注(右目盛)
16/10
(注)各国PMIをユーロ圏の輸出ウェイトで加重平均。
(資料)Markit よりみずほ総合研究所作成
100
96
16/9
(年/月)
15/9
16/3
輸出受注
(注)いずれも大型輸送機械を除くベース。
(資料)ドイツ連銀よりみずほ総合研究所作成
ユーロ圏・主要国の失業者数
図表 11
(2015/1=100)
106
フランスの労働市場改革
2012年~15年の改革
101
最低賃金の2.5倍までの給与を受け取る従業員に対する給与総額の6%を法人税
から控除(2012年決定)
96
経営環境が悪化した場合、雇用維持を目的に、企業レベルで労働時間や給与を
一時的に調整可能に(2013年決定)
91
最低賃金の3.5倍までの給与に対して企業が負担する社会保険関係費の保険料
率を引き下げ(2014年決定)
2016年の改革
86
経営環境の悪化に伴う解雇が認められるための条件を明確化(2016年決定)
81
2015/9
15/12
16/3
16/6
ユーロ圏失業者
ドイツ
フランス
スペイン
イタリア
(資料)Eurostat よりみずほ総合研究所作成
16/9
(年/月)
(注)オランド政権下で実施された主な改革。
(資料)各種資料よりみずほ総合研究所作成
図表 12
Q1 2016
企業
外需
雇用
ユーロ圏内外需関連統計
Q2 2016
Q3 2016 Q4 2016
2016/06 2016/07 2016/08 2016/09 2016/10 2016/11
鉱工業生産
ユーロ圏(19カ国)
前期比、%
0.8
▲ 0.3
0.4
n.a.
0.9
▲ 0.7
1.8
▲ 0.8
n.a.
n.a.
ドイツ
前期比、%
1.6
▲ 0.5
0.2
n.a.
1.2
▲ 1.8
3.4
▲ 1.9
n.a.
n.a.
フランス
前期比、%
▲ 0.5
▲ 0.3
▲ 0.1
n.a.
▲ 0.9
▲ 0.5
2.3
▲ 1.1
n.a.
n.a.
イタリア
前期比、%
0.7
▲ 0.2
1.1
n.a.
▲ 0.2
0.5
1.8
▲ 0.8
n.a.
n.a.
スペイン
前期比、%
0.1
0.4
0.7
n.a.
0.3
0.0
1.7
▲ 1.4
n.a.
n.a.
%
81.9
81.5
81.6
82.3
-
-
-
-
-
-
前期比、%
▲ 1.2
▲ 0.2
0.7
n.a.
0.3
▲ 0.9
2.5
n.a.
n.a.
n.a.
n.a.
ユーロ圏設備稼働率
ユーロ圏製造業受注
(大型輸送機器除く)
ユーロ圏経常収支
億ユーロ
28.6
31.3
27.2
n.a.
29.0
27.2
29.1
25.3
n.a.
ユーロ圏財・サービス輸出 前期比、%
▲ 1.4
▲ 0.2
0.0
n.a.
0.3
▲ 0.4
1.2
▲ 1.7
n.a.
n.a.
ユーロ圏財・サービス輸入 前期比、%
▲ 2.0
▲ 0.9
1.1
n.a.
▲ 0.0
1.2
0.5
▲ 1.8
n.a.
n.a.
1.0
0.2
n.a.
n.a.
-
-
-
-
-
-
%
10.3
10.1
10.0
n.a.
10.1
10.0
10.0
10.0
n.a.
n.a.
ユーロ圏小売数量
前期比、%
0.7
0.3
0.3
n.a.
0.1
0.3
▲ 0.2
▲ 0.2
n.a.
n.a.
ユーロ圏新車登録台数
前期比、%
3.3
▲ 0.5
0.5
n.a.
▲ 1.0
▲ 0.2
▲ 0.5
4.9
▲ 4.8
n.a.
ユーロ圏実質雇用者報酬 前期比、%
ユーロ圏失業率
家計
経営環境の悪化の有無に関わらず、労働時間や残業代に関する企業レベルでの
労使合意を産業レベルでの合意に優先させる(2016年決定)
(資料)Eurostat、欧州委員会経済金融総局、ECBよりみずほ総合研究所作成
6
みずほ欧州経済情報(2016 年 11 月号)
4.ユーロ圏物価動向:コア・インフレ率の上昇圧力は弱い
ユーロ圏インフレ率は
10 月のユーロ圏インフレ率(消費者物価)は前年比+0.5%となり、9 月(同
上昇。しかしコア・イン
+0.4%)から小幅に上昇した(図表 13)。エネルギー物価の下落幅が縮小した
フレ率は横這い圏
ことが主因である。コア・インフレ率(エネルギー・食品などを除く総合)は
横這い推移を続けており、背景には、為替面からの物価押し上げ効果の剥落
(図表 14)や賃金上昇率の低さ、値上げに対する企業の慎重姿勢などがある。
コア・インフレ率の横這い推移に対し、ECBは「基調的なインフレ率に改
善がみられない」と述べており、警戒感を崩していない。
期待インフレ率は改善
ECBが注視する金融市場の期待インフレ率(インフレスワップ・フォワー
しているがECBは前
ドレート、5 年先スタート 5 年物)は、米国の財政拡大期待などを背景に米大
向きな判断をしにくい
統領選後に急上昇している(図表 15)。しかし、コンスタンシオ副総裁が「
『米
と思われる
国第一』という政策で米国景気は加速するかもしれないが、世界景気が加速
していくかは慎重に判断すべき」と慎重な見方を示す通り、ユーロ圏景気の
基調が変化しているわけではない。期待インフレ率の改善に対し、ECBは
前向きな判断をしにくいと思われる。
ECBは次回理事会で
_こうした状況では、資産購入を 2017 年 3 月で終了するとは考えにくく、
資産購入の期間延長な
次回 12 月理事会において、ECBは購入期間の延長と共に、購入を円滑に
どを決める公算大。ただ
進める目的で、購入対象となる債券の条件を調整すると予想される。
し、その次の一手はテー
パリングの可能性も
もっとも、ECB理事会メンバーからは、低金利政策が銀行セクターに及
ぼす悪影響を懸念する発言が相次いでいる(図表 16)。コンスタンシオ副総裁
は「ECBの政策は銀行の収益性に及ぼすプラスの影響は時間と共に弱まり、
いずれ剥落する」と指摘し(11 月 4 日)、プラート理事は「ECBの政策は現
時点で銀行の収益性に悪影響を与えていないが、低金利環境が続けば銀行の
収益性に逆風となる」と発言した(11 月 9 日)。メルシュ理事は「ECBの政
策には副作用がある。低金利政策が長期化すれば、負の副作用が顕在化する」
と述べている(11 月 17 日)。
こうした発言からは、メンバーが、
「これまではECBの低金利政策が銀行
収益に追い風となってきたが、そうした政策の長期化が銀行収益に逆風とな
る」との認識を強めている様子がうかがわれる。次回理事会で資産購入の期
間延長が決まった後は、次の一手として購入額縮小(テーパリング)が視野に
入ってくる可能性がある。
7
みずほ欧州経済情報(2016 年 11 月号)
図表 13 ユーロ圏インフレ率
(前年比、%)
1.2
図表 14 為替変動が財物価に及ぼす影響の推計
(前年比、%)
0.8
(前年比、%)
1.0
0.5
0.0
▲ 0.5
▲ 1.0
▲ 1.5
▲ 2.0
▲ 2.5
▲ 3.0
16/10
0.9
0.6
0.3
0.0
▲ 0.3
0.6
0.4
0.2
0.0
▲ 0.2
ユーロ安の押し上げ
効果は剥落
▲ 0.4
▲ 0.6
2015/10
16/1
16/4
16/7
ユーロ圏インフレ率
(年/月)
コア・インフレ率
エネルギー・食品・アルコール・煙草(右目盛)
▲ 0.6
Q1 Q2 Q3 Q4 Q1 Q2 Q3 Q4 Q1 Q2 Q3 Q4
2014
15
16
(年/四半期)
(資料)Eurostat よりみずほ総合研究所作成
(資料) Eurostat よりみずほ総合研究所作成
図表 15 金融市場が織り込む期待インフレ率
1.7
うち、為替面からの影響(推計値)
非エネルギー工業品物価上昇率
図表 16 銀行収益に関する理事会メンバーの発言
(%)
発言者
1.6
銀行収益に関する発言
コンスタンシオ 短期的には、ECBの政策が銀行収益に及ぼす影響
副総裁
は全体としてプラス。しかし、プラスの効果は時間と
(11月4日) 共に弱まり、ある時点で剥落する
1.5
1.4
1.3
1.2
2016/1
16/3
16/5
16/7
16/9
16/11
(年/月)
(注)ユーロ圏インフレスワップの 5 年先 5 年物フォワードレート。
(資料) Bloomberg よりみずほ総合研究所作成
プラート
理事
(11月9日)
現時点でECBの政策が銀行収益に悪影響を及ぼし
ているとは考えていない。しかし、現在の低金利環
境が長期化すれば、銀行収益への逆風は強まる
メルシュ
理事
(11月17日)
ECBの政策は副作用を伴い、そうした副作用は非伝
統的措置の長期化によって強まる。私は非伝統的
措置が一時的であることを強調したい
(資料)ECBよりみずほ総合研究所作成
図表 17 ユーロ圏物価関連統計
Q1 2016
物価
商品
ユーロ圏インフレ率
コア(エネルギー・
食品等除く)
エネルギー
Q2 2016
Q3 2016 Q4 2016
2016/06 2016/07 2016/08 2016/09 2016/10 2016/11
0.1
▲ 0.1
0.3
n.a.
0.1
0.2
0.2
0.4
0.5
n.a.
前年比、%
1.0
0.8
0.8
n.a.
0.9
0.9
0.8
0.8
0.8
n.a.
前年比、%
▲ 7.4
▲ 7.7
▲ 5.1
n.a.
▲ 6.4
▲ 6.7
▲ 5.6
▲ 3.0
▲ 0.9
n.a.
食品・アルコール・タバコ 前年比、%
0.8
0.9
1.1
n.a.
0.9
1.4
1.3
0.7
0.4
n.a.
非エネルギー工業品
前年比、%
0.6
0.5
0.3
n.a.
0.4
0.4
0.3
0.3
0.3
n.a.
サービス
前年比、%
1.1
1.0
1.1
n.a.
1.1
1.2
1.1
1.1
1.1
n.a.
ドイツ・インフレ率
前年比、%
0.1
0.0
0.4
n.a.
0.3
0.3
0.3
0.6
0.8
n.a.
フランス・インフレ率
前年比、%
0.0
0.1
0.4
n.a.
0.3
0.4
0.4
0.5
0.5
n.a.
イタリア・インフレ率
前年比、%
▲ 0.0
▲ 0.4
▲ 0.0
n.a.
▲ 0.3
▲ 0.1
▲ 0.2
0.2
▲ 0.2
n.a.
スペイン・インフレ率
前年比、%
▲ 0.8
▲ 1.0
▲ 0.3
n.a.
▲ 0.9
▲ 0.7
▲ 0.3
0.0
0.5
n.a.
生産者物価(消費財)
前年比、%
▲ 0.4
▲ 0.5
0.0
n.a.
▲ 0.4
▲ 0.1
▲ 0.1
0.2
n.a.
n.a.
輸出物価
前年比、%
▲ 0.4
▲ 2.5
n.a.
n.a.
▲ 1.6
▲ 1.3
▲ 0.6
n.a.
n.a.
n.a.
輸入物価
前年比、%
▲ 4.9
▲ 7.8
n.a.
n.a.
▲ 6.7
▲ 4.5
▲ 3.1
n.a.
n.a.
n.a.
ブレント原油(ユーロ建て) 前年比、%
▲ 34.3
▲ 27.0
▲ 8.7
n.a.
▲ 21.4
▲ 17.9
▲ 2.8
▲ 2.8
2.1
n.a.
(資料) Eurostat、Datastream よりみずほ総合研究所作成
8
みずほ欧州経済情報(2016 年 11 月号)
5.英国経済の概況:10 月以降も景気回復が続く
7~9 月期のGDPは消
費中心に増加
7~9 月期の英GDP成長率は前期比+0.5%と増加した(図表 18)。4~6 月
期(同+0.7%)から低下したとは言え、国民投票直後に広まった「夏場の英
国景気は失速する」という悲観的な見方を覆す良好な結果だったと評価され
る。需要項目の内訳では、個人消費が成長率を押し上げた。一方、固定投資
は増加したが、公共投資の増加が主因であり、民間投資は力強さを欠いた。
10 月以降も消費中心の
回復が続いている模様
10 月以降も英国景気の回復は続いているとみられる。成長率との連動性が
高い英国立経済社会研究所(NIESR)の月次GDPは、10 月に前月比+0.3%と
増加を続け、7~9 月期平均を+0.4%上回っている。また、企業マインドは
良好であり、
10 月も合成PMI(54.8)は景気判断の節目となる 50 を超えた。
今秋も景気回復は消費主導であるようだ。10 月の小売数量(前月比+
1.9%)は大幅に増加したほか、イングランド銀行(BOE)の調査では、サー
ビス消費も改善を続けているとみられる。同月の新車登録台数(同▲0.8%)
は 2 カ月連続で減少したが、高水準を維持している。
企業の雇用・投資意欲は
引き続き低調
このように英景気の回復は続くとみられるが、英国の欧州連合からの離脱
が無かった場合と比べれば、そのペースは緩やかになると思われる。BOE
調査では、10 月も企業の雇用意欲や投資意欲が弱い様子が示されている(図
表 19)。英就業者数は 9 月(前月比▲0.0%)に微減となったが、今後、雇用改
善の動きが停滞し、消費拡大の足かせとなる可能性がある(図表 20)。投資意
欲の弱さは、今後の投資回復ペースの鈍さを示唆するものだ。
財務相は従来の財政再
ハモンド財務相は 11 月 23 日の秋季財政報告において、今後の財政政策の
建計画の撤回と歳出拡
方針を説明した。これまでは 2019 年度中の均衡財政が目指されていたが、
大を発表
達成時期は 2020~24 年度の間に後ろ倒しとなった。インフラ投資や研究開
発投資向けの「国家生産性投資基金」の設立などにより歳出が上振れる一方、
英景気見通しの悪化などから歳入が下振れることが理由である。
BOEは金融政策を据
他方でBOEは、11 月 2 日の金融政策委員会(MPC)で、金融政策の現状
え置き。物価の上振れリ
維持を決定した。3 日に発表された 3 カ月毎のインフレ報告書では、GDP
スクが強い中、総裁は状
成長率の見通しが 2016・17 年は上方修正、18 年以降は下方修正された(図表
況次第では利上げに踏
21)。上方修正は足元の経済指標の上振れが、下方修正はポンド安による実
み切る可能性を示唆
質購買力の悪化、また、英国・EU間の経済関係に関する不確実性の強まり
が理由である。物価見通しはポンド安を理由に引き上げられた。
BOEは、景気と物価とのトレードオフに直面する中、難しい舵取りを求
められている。来年にも始まるであろう英国・EUとの交渉が難航すれば、
景気の下振れリスクとなるが、それに伴うポンド安は物価の上振れリスクと
なる。カーニー総裁が「2%目標を上回るインフレ率の許容範囲には限界が
ある」と指摘していることなどを踏まえると、物価見通しが一段と上方修正
されれば、利上げが視野に入る可能性がある。金融市場では、2017 年末まで
にBOEが利上げする確率が 30%程度まで上昇している。
以上
9
みずほ欧州経済情報(2016 年 11 月号)
図表 18
英GDP成長率
図表 19
(前期比、%)
2.0
2.5
英企業の投資・雇用計画
(DI、%pt)
投資意欲
1.5
雇用意欲
2.0
1.0
0.5
1.5
0.0
▲ 0.5
1.0
▲ 1.0
0.5
▲ 1.5
Q1 Q2 Q3 Q4 Q1 Q2 Q3 Q4 Q1 Q2 Q3
2014
15
0.0
在庫投資
外需
16
固定投資 (年/四半期)
政府支出
個人消費
実質GDP
2014/10
英雇用関連統計
(前月差、千人)
200
図表 21
(前月比、%)
0.6
0.5
2.1
120
0.4
1.9
80
0.3
1.7
40
0.2
1.5
0.1
1.3
0
0.0
▲ 80
▲ 0.1
就業者数は微減
2.0
2%目標
1.5
1.0
0.7
0.5
0.5
16/9
2016
2016 17
18
19
2016/8月時点 (年)
2016/11月時点
(年/月)
(資料) 英統計局よりみずほ総合研究所作成
17
18
19
(年)
(資料)BOEよりみずほ総合研究所作成
図表 22
英景気の全体感を示す主要統計
Q1 2016
景況感
インフレ率
2.5
0.9
▲ 0.2
▲ 120
2014/9
14/3
15/9
15/3
就業者数(3カ月平均)
民間賃金(賞与除く・3カ月平均、右目盛)
(前年比、%)
3.0
GDP成長率
1.1
▲ 40
実質GDP
16/10
(年/月)
BOEの成長率・インフレ率見通し
(前年比、%)
2.3
160
成長率
15/10
(注)今後 12 カ月に関する企業の見通し。
(資料)BOEよりみずほ総合研究所作成
(資料) 英統計局よりみずほ総合研究所作成
図表 20
低調さは払拭されず
▲ 0.5
Q2 2016
Q3 2016 Q4 2016
2016/06 2016/07 2016/08 2016/09 2016/10 2016/11
前期比、%
0.4
0.7
0.5
n.a.
-
-
-
-
-
-
合成PMI
Pt
54.2
52.4
51.7
54.8
52.4
47.6
53.6
53.9
54.8
n.a.
製造業PMI
Pt
51.4
50.7
52.4
54.3
52.3
48.2
53.4
55.5
54.3
n.a.
サービス業PMI
Pt
54.0
52.7
51.0
54.5
52.3
47.4
52.9
52.6
54.5
n.a.
企業
鉱工業生産
前期比、%
▲ 0.1
2.1
▲ 0.5
n.a.
0.0
0.1
▲ 0.4
▲ 0.4
n.a.
n.a.
外需
財輸出
前期比、%
3.6
3.6
6.1
n.a.
1.0
7.8
1.6
▲ 0.8
n.a.
n.a.
財輸入
前期比、%
1.9
4.2
2.8
n.a.
5.1
▲ 4.6
6.2
3.6
n.a.
n.a.
雇用
失業率
民間賃金(賞与除く、
3カ月平均)
小売数量
%
5.1
4.9
0.0
n.a.
4.9
4.9
4.9
4.8
n.a.
n.a.
前期比、%
0.9
0.8
0.6
n.a.
0.3
0.1
0.2
0.2
n.a.
n.a.
前期比、%
1.5
1.1
1.9
n.a.
▲ 0.7
2.0
0.2
0.1
1.9
n.a.
Nationwide住宅価格指数 前年比、%
5.0
4.9
5.4
n.a.
5.1
5.2
5.6
5.3
4.6
n.a.
家計
物価
消費者物価指数
金融
主要政策金利
英10年国債利回り
ポンドドル
前年比、%
0.3
0.4
0.7
n.a.
0.5
0.6
0.6
1.0
0.9
n.a.
末値、%
0.50
0.50
0.25
n.a.
0.50
0.50
0.25
0.25
0.25
0.25
末値、%
1.84
1.32
1.05
n.a.
1.32
1.08
0.88
1.05
1.51
n.a.
末値、£/$
1.44
1.34
1.30
n.a.
1.34
1.33
1.31
1.30
1.22
n.a.
(資料)英統計局、Nationwide、Markit、Datastream よりみずほ総合研究所作成
10
みずほ欧州経済情報(2016 年 11 月号)
2016年 11月 2 9日
発行
欧米調査部上席主任エコノミスト 吉田健一郎
03-3591-1265 kenichi ro.yoshid a@mizuho- ri.co.jp
欧米調査部主任エコノミスト 松本 惇
03-3591-1199 atsushi .matsumot o@mizuho- ri.co.jp
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