サブスクリプションビジネスを 成功に導くための 9 つの鍵 目次 はじめに:サブスクリプションエコノミー .............................................. 1 詳細な調査 .................................................................................................... 1 より効果的なビジネス運営方法........................................................... 2 成功への青写真 ........................................................................................... 3 サブスクリプションを成功に導く 9 つの鍵 .............................................. 4 9 つの鍵を理解する ............................................................................................. 6 次のステップ ............................................................................................... 9 はじめに: サブスクリプションエコノミー あらゆるビジネスにおける成功のルールは絶えず変化しており、成長を加速させる方法についての新たなアイ ディアが求められています。1つの明確な主要戦略は、リカーリングレベニュー(継続収益)またはサブスク リプションビジネスモデルへの移行です。購入、支払い、および製品とサービスの使用方法に関する消費者の 嗜好の変化に伴って、あらゆる業界にわたり広範にサブスクリプションへの移行が起きています。企業にとっ て、サブスクリプションは継続的な顧客リレーションシップを中心とするより優れたビジネスモデルとなって います。サブスクリプションでは、価値を提供する限り、長期的に支払いを受けることができます。Zuoraは サブスクリプションエコノミーという新しい世界を考案しました。 ただし、企業がこのサブスクリプションエコノミーへの移行を実現するのは簡単なことではありません。なぜ なら、サブスクリプションサービスの価格設定、販売、請求、支払いの回収、および構成の方法は従来の製品 の場合よりもはるかに複雑なためです。マーケティング、運用、財務、IT、総括管理などの社内の利害関係者 はこの移行のサポートに備え、連携を図る必要があります。これには多くの場合、新しいプロセスと導入方法 に関する知識を必要とします。 これまで、サブスクリプションエコノミーで成功する方法につい ての青写真は存在しませんでした。過去において、企業は自ら道 を切り開き、試行錯誤を繰り返しながら、学んでいく必要があり ました。今日のビジネスリーダーはこの知識を求めており、同じ 道を歩む他者と情報を交換し、ベストプラクティスおよび成功と 失敗から学んだ教訓を共有することに意欲的な姿勢を示していま す。 本書は、実用的なガイドによって企業のサブスクリプションエコ ノミーにおける成功を支援するためにZuoraが作成したシリーズ の第1弾です。Zuoraのお客様、パートナー、およびサブスクリプ ションビジネス界全体から収集した主要情報に基づき作成される 本シリーズでは、今後も引き続き、学習ツールを用いて、成功に 必要な各要素をより深く探っていきます。 「私はサブスクリプションモ デルと従来のモデルの両方に おけるビジネス経営者とし て、サブスクリプションビジ ネスを行うのがいかに難しい かを認識しています。実際 の経験に基づいてこのビジ ネスを支援するためのアド バイスを提供することが、 サブスクリプションエコノ ミーの成長に向けての有益な ステップであると考えてい ます」Bill Plummer氏、NCR Corporation、ビジネスイ ネーブルメント担当役員 詳細な調査 Zuoraが協賛したエコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)による最新のグローバル調査では、サブ スクリプションエコノミーへの移行に関する有力な証拠が示されています。この調査は、米国、英国、オース トラリアの上級ビジネスリーダー約300名を対象として実施されました。これらのリーダーから、サービス提 供の新しいモデルにビジネスを移行させる意向と計画に対する見通し、および変化の主な促進要因と移行する 際に予測されるメリットとデメリットに関する意見を得ました。その結果、回答者の5人中4人が、顧客が望む 商品やサービスへのアクセス方法が変化しつつあると考えています。 調査対象の企業の51%が、商品とサービスの価格設定と提供方法を現在変更しているか、既に変更済みである と回答しています。そして企業の40%が既にサブスクリプションビジネスモデルの導入を開始していると回答 しています。 1 © 2014, Zuora Inc. All Rights Reserved. このEIUによる調査は、世界中の業界で見られる移行を裏付けています。ソフトウェアのSaaSへの移行は、 Salesforceのリカーリングレベニューベースモデルへの移行に伴って、10年以上前に始まりました。以来、そ の動きに弾みが付き、新興企業が次から次へと現れ、ソフトウェア業界のほぼすべてのセグメントでクラウド 提供型のサブスクリプションソフトウェアサービスを提供することで、従来のソフトウェアモデルを崩壊させ ました。ServiceNow、Zendesk、Docusign、Box、Yammer、Marketoは何百件もの事例のほんの一握りに過 ぎません。そしてHP、Informatica、Dell、BMC Softwareなどの既存の伝統的な大手ソフトウェア企業は、サ ブスクリプションに重点を置いて、リカーリングレベニューベースのSaaSサービスを開始または買収していま す。そしてここ1年間でも、ソフトウェア業界の先駆的企業の1つであるAdobeが、サブスクリプション方式を 100%採用すると宣言して、世界を驚かせました。Gartnerによると、「2019年までに、クラウドコンピュー ティングと新たなデジタル経済により、サブスクリプションの価格設定は永続的なライセンス付与とメンテナ ンスを追い抜くだろう1」ということです。 メディアでは、この動向が業界全体に最も大きな変革をもたらしたと思われます。新聞、雑誌、テレビ、音楽 はすべて、長い間、さまざまな形態でサブスクリプションを使用してきました。しかしこれらのメディアセ グメントは、主要収益源として、広告に大幅に依存していました。無料のオンラインコンテンツが激増し、 Googleの広告により従来のメディア広告は衰退し、メディア業界は崩壊の危機に瀕しました。幸運なこと に、News Corp、The Financial Times、Fairfax Media、IPC Mediaなどのグローバルメディア企業はすべて、次 世代の「Paywall 2.0」サブスクリプションモデルを採用しコンテンツとサービスの収益化を図る新たな成長戦 略によって再浮上しました。 AirBNB、RelayRides、HomeAway、City Car Clubなどの新会社がZipcarの仲間入りをするようになり、シェア リングサービスの人気はますます高まっています。消費者はこれらの革新的なサービスを使用して、車、バイ クから宿泊施設に至るまでのあらゆる物を、必要なときにいつでも利用でき、必要のないときは支払い、保 管、メンテナンスをする必要はありません。 また、Amazon、United Airlinesなどの企業が提供するメンバーシップ・ロイヤリティ・プログラムに対する 需要も高まっています。これらのプログラムでは、消費者が付加的な最高級特典をサブスクリプションする と、一段上のサービスが受けられます。Amazon Primeでは年会費79ドルで、無制限の翌日配送サービス、映 画やテレビ番組のストリーミング、無料の電子書籍の貸し出しサービスを提供しています。今日では数千万人 のプライムメンバーがおり2、総年会費は10億ドルを優に超えています。またプライムメンバーになった顧客 は平均で150%多く支出しているために、Amazonはより多くの利益を得ています3。 このような事例は枚挙にいとまがありません。このサブスクリプションへの移行は、オンライン教育で はKaplan、医療ITではCareCloud、金融サービスではAmerican Express、さらにはパーソナルケアでは GoodMouthやDollar Shave Clubなど、あらゆる業界で見られます。これは数十億ドル規模の消費者向けパッ ケージ商品業界を混乱させています。 1 2 3 出典:Gartner、「Predicts 2014:The Digital Economy and the Cloud Raise New Licensing, Services and ITAD Challenges for ITAM and Procurement(2014年予測:デジタル経済とクラウドがIT資産管理と調達に対するライセンシング、サービス、IT 資産処分の新たな課題をもたらす)」、2013年11月 出典:Amazon、2013年 出典:Businessweek、2010年 2 © 2014, Zuora Inc. All Rights Reserved. より効果的なビジネス運営方法 サブスクリプションモデルは、最終顧客と企業の双方にメリットがあります。お客様にとってのメリットは、 サブスクリプションビジネスがお客様の成功、信頼の構築、お客様の要件を満たす新しいオファリングを継続 的に提供することに重点を置いていることです。企業にとってのメリットは、お客様のニーズに対応し続ける 限り、より予測しやすいリカーリングレベニュー源を確保できることです。 さらに、企業はお客様の使用パターンを直接把握し、実際の使用メトリクスに基づき新しいオファリングを提 供することができます。従来製品の世界では、通常、企業は最初の販売時しかお客様と接触する機会がなく、 間接的な販売経路を通じて販売する場合はまったく接触がないため、企業とお客様との直接的なリレーション シップを構築するのが困難でした。 多くの企業は既に、リカーリングレベニューを基盤としたビジネ スモデルがより効果的なビジネス運営方法であり、従来のビジネ ス運営アプローチでは成功を確保できないことを認識していま す。成長するためには、企業は4つの重要な価値観を認識し、それ らを中心にしてビジネスを運営する必要があります。 • より親密な顧客リレーションシップの開発対1回限りの販売取引 • 動的な価値ベースの価格設定対コストプラス方式の固定価格設定 • 効率的な消費ベースのサービス提供対ユニットごとの配送 • 予測のしやすい将来の収益の評価と報告対過去の業績に基づく 財務諸表 お客様と企業にとってのサブスクリプションモデルのメリットに 関する詳細については、EIU調査報告書(ここをクリック)をご覧 ください。 成功への青写真はあるか? 「サブスクリプションビジネ スモデルへの移行は、企業の より効果的なビジネス運営方 法の構築を促進しています。 この新しい世界では、ビジネ スの価格設定、販売、請求、 支払いの回収、および構成の 方法がまったく異なります。 サブスクリプションエコノ ミーの企業、アナリスト、 パートナーのコミュニティは Zuoraと協力して、あらゆる 企業のサブスクリプションビ ジネスの成功を支援するた めに、この指針のフレーム ワークを開発しました」Amy Konary、IDC、リサーチ担当 副社長 ビジネスリーダーがサブスクリプションビジネスモデルへの転換 を進める中、これを実現する方法に関する知識や実践的なアドバ イスが求められています。彼らは次のような質問をしてきます。 「どのようにしたら効果的な価格設定ができますか?」、「新しい サービスを開始する最良の方法は何ですか?」、「クレジットカー ド決済の失敗件数を減らすにはどうしたらよいですか?」、「サブ スクリプションビジネスを理解し、成長させるために必要なメト リクスは何ですか?」、「どのようにして複数年契約の会計処理を すればよいですか?」、「どのようにしたら解約を減らすことがで きますか?」、「ビジネス成長を確実にサポートするシステムを構 築または購入するべきですか?」多くの企業がZuoraとそのパート ナーに対し、これらの質問への答えとビジネスを成功に導くため の青写真を求めています。 3 © 2014, Zuora Inc. All Rights Reserved. Zuoraは過去6年間にわたり、HP、DocuSign、Box、Reed Business Information、News Corp、Dell、 Branchout、Mindbody、Ooyala、BorderFree、Dice、NCRなどのあらゆる規模の企業との多くの対話に基づ く情報を収集し、それらを抽出して共通のテーマについて分析しました。その結果をまとめたところ、非常に 明確かつ一貫した事実が浮かび上がってきました。 サブスクリプションを成功に導く9つの鍵 価格設定:スイートスポットを見つける。 回収:支払いを受ける。 測定:紙がなければ、不安もない。 価格設定とパッケージ設計をダイナミックに 調整することが、お客様を引き付けて維持し、 そのリレーションシップの価値を高める最も確実な手段です。 自動化および手動の経路を通じて瞬時に支払いを 回収すると同時に、取引の遂行件数を最大化し、 回収不能の勘定を最小限に抑えます。 分析により、予測、会計決算、監査がはるかに簡単になります。 さらに、加入者に関する正確な情報を得られるため、 より賢明な意思決定ができます。 獲得:顧客を捕まえる。 育成:良好なリレーションシップを構築する。 柔軟な価格設定、プロモーション、統合見積もり、 マルチチャネルコマースなどのツールを使用して、 サブスクリプション率を向上させてください。 お客様とのリレーションシップを深め、 お客様を満足させてください。 急速に変化するアップグレード、コンバージョン、 更新、その他の注文をシームレスに管理します。 請求:簡単。 サブスクリプションはより多くの請求と支払いを 伴います。迅速で正確な請求書を自動的に作成し、 オンラインで送信します。 会計:すべてを二度測定する。 Zuora は貴社の会計ソフトウェアと総勘定元帳に 直接プラグインします。簡単にサブスクリプション取引を 登録し、繰延収益を処理できます。 4 反復:日々、新しいことを試す。 サブスクリプションは複雑な顧客リレーションシップを伴う 場合があります。Zuora では、数回クリックするだけで 実際の処理を繰り返しテストすることができます。 拡大:成長を実現する。 Zuora は安全で拡張性のあるテクノロジー インフラストラクチャを基盤としています。したがって、 どこから始めても、ビジネスの成長に応じてシステムの 稼働は維持されます。 © 2014, Zuora Inc. All Rights Reserved. Zuoraでは、効果的なサブスクリプションビジネスを構築および運営するために必要なものを表す合成図を作 成しました。これは簡単な作業ではありませんでした。企業との多くの対話を集約した結果、すべてのサブス クリプション企業が成功を推進するために行っている9つの主な取り組みが明らかになりました。 これらの主要原則は、サブスクリプションビジネスを構築し拡大する上での基礎的な青写真となります。 その後、この「9つの鍵」のフレームワークを何カ月もかけてテストしました。最初は企業と面談して、相手 のビジネスについて話し合いました。導入期間中に、実際のお客様からのサポートケースを検討することで、 そのテストを行いました。テストでは、構築または強化するために必要な機能を検討しました。 2013年半ばに200社を対象として、9つの鍵に関する調査を実施したところ、これらの鍵はすべて、サブスク リプションビジネスの成功にとって重要であることを確認しました。個々のキーの優先度は時と場合によって 変えることができますが、企業は全体としてこれらの鍵すべてに重点を置く必要があります。また調査では、 企業が継続的に、各鍵を遂行する能力を向上させる機会を認識していることが明らかになりました。さらにこ れらの企業は、9つの鍵の能力を構築するために現在投資をしているか、今後12カ月間で投資する予定である ことを表明しました。 図1:回答者による9つの鍵のビジネスに対する重要度レベルによる評価、ビジネスにおける現在の能力水準、および2つの 間の算定ギャップ。 出典:Zuora市場調査、2013年6月、調査企業数=200社 5 © 2014, Zuora Inc. All Rights Reserved. 9つの鍵を理解する 1. ビジネス目標をサポートするための価格設定を行う サブスクリプションエコノミーでは、価格設定とパッケージ設計が最も貴重な戦略的武器です。なぜなら、こ れらは収益の増加に直接結びつくものであり、新規顧客を獲得し、既存顧客への価値を向上し、顧客解約を低 減するための戦略的手段であるからです。しかし、サブスクリプションの価格設定とパッケージ設計は複雑で あることが明らかになっています。価格設定は、ユーザ数別、容量別、期間別(毎月、毎四半期、毎年)に行 うことができます。フリーミアムなどのプロモーションモデルを活用して、無料でお客様をつかむことができ ます。また、複数年購入に対して割引を提供し、長期間の使用を促すことができます。 Zuoraは、サブスクリプションエコノミーにおける無数の価格設定とパッケージ設計戦略を把握しています。 その鍵は、最初は簡単な基本モデルから始め、時の経過と共に、お客様からのフィードバックに基づき、これ らのモデルを迅速かつ繰り返し見直していくことです。しかしこの場合、貴社をサポートする運用システムが 必要になります。 「当社にとって、透明性に優れた系統的な方法で複雑な価格設定構造を管理する能力を身に付けることは、市 場で競争上の優位性を獲得するために非常に重要な要素です」 ̶ Chris Purpura氏、MuleSoft、クラウドプラットフォーム担当副社長&ゼネラルマネージャー 2. あらゆる経路で顧客を獲得する サブスクリプションに対するお客様のサインアップでは、Web、モバイルなどの複数の経路または支援販売を 通じて行うことができるシームレスなユーザーエクスペリエンスを提供する必要があります。支援販売モデル を有するB2B企業は多くの場合、お客様が購入する前に見積もりを作成したいと考えます。しかしこのプロセ スは、1度限りの製品販売と比べると困難な場合があります。そのシステムは、契約期間などのサブスクリプ ションの要素、および上記のサブスクリプションの価格設定に関するすべての属性をサポートするようには設 計されていません。 これらの顧客獲得プロセスにおける複雑性のために、市場投入期間が長引き、コマースが単一チャネルに限定 されてしまうことがよくあります。サブスクリプション企業は複数の経路にわたり、迅速、シンプルで、合理 化および自動化された顧客獲得ワークフローを確立する必要があります。 「サブスクリプションは急速に複雑化しています」 ̶ Drew Martin氏、DriveCam、CEO 6 © 2014, Zuora Inc. All Rights Reserved. 3. 正確かつ直感的な請求書を使用して請求する 従来のビジネスでは、製品とサービスは1回ごとに購入され、その後当該の料金が請求されます。サブスクリ プションビジネスでは、請求はより複雑になります。企業は新規顧客には販売時に請求し、月の半ばに加入し た顧客には比例配分で請求し、既存顧客には当月のさまざまな時期に請求し、使用その他に対する請求を行う 必要があります。適切な請求エンジンがなければ、請求書の発行に数週間もかかり、エラーによりお客様の不 満を招き、ビジネスの拡張が妨げられる可能性があります。 サブスクリプションエコノミーによってもたらされる請求の新たな複雑性により、企業はお客様に対して正確 な請求を確実に行うことに特に重点を置く必要があります。請求システムは、すべての入力に基づき、請求金 額を正確に計算できるプログラム可能なエンジンである必要があります。そして請求書は、企業のブランドと イメージをサポートする方法で、明確に提示する必要があります。 「自社製の請求システムが市場のニーズへの対応能力を制限していました」 ̶ Tom Gonser氏、DocuSign創立者 4. 迅速な現金回収と決済の簡素化を図る 製品の世界では、支払いは比較的簡単です。お客様は製品を受け取る前に現金かクレジットカードで前払いす るか、企業からクレジットの支払履歴をチェック受けて与信枠を開設してもらうことで、30日以内に支払いを することができます。これは定期支払いモデルには当てはまりません。 サブスクリプションエコノミー企業ははるかに多くの回収を処理しており、その回収プロセスははるかに複雑 になっています。現金回収を最適化するための鍵は自動化です。サブスクリプション企業は迅速に現金を回収 すると共に、現金回収を最大化し、回収不能の勘定を最小限に抑える必要があります。 「Zuoraは当社のバックエンドプロセスを完全に合理化するためのサポートを提供してくれました」 ̶ Gray Chynoweth氏、DYN、COO(最高業務執行責任者) 5. より親密な顧客リレーションシップを育成および構築する より親密な顧客リレーションシップの構築は、サブスクリプションビジネスモデルの中核を成しています。こ れにより、持続可能なリカーリングレベニューの成長を実現できるからです。企業の顧客基盤の拡大に伴い、 リレーションシップ構築はフレームワーク全体における最も重要な鍵の1つとなります。 新規加入者を獲得することは非常に重要ですが、サブスクリプションエコノミーでは、お客様との取引の圧倒 的多数は、更新、一時停止、アドオン、アップグレード、終了などの、既存のサブスクリプションの変更で構 成されています。このため、企業はお客様に対し、サブスクリプションのライフサイクル全体にわたり各自の アカウントを管理するための直観的かつ包括的なツールを提供する必要があります。サブスクリプションを扱 う企業は、お客様が希望する管理機能を提供する必要があります。さもなければ、お客様に不満を与えるリス クがあり、解約および収益の損失につながる可能性があります。さらに企業は、解約のリスクを軽減するため に、お客様の使用状況と採用状況を緊密に監視する必要があります。 「サブスクリプションエコノミーでは、継続的にお客様に関わっていく必要があります」 ̶ Jackie Choy氏、PowerReviews、会計検査官 7 © 2014, Zuora Inc. All Rights Reserved. 6. 収益の会計処理と決算手続きを迅速化する サブスクリプションは通常、大量の注文取引とそのライフサイクルにおける変更を伴います。このため、契約 獲得、請求、現金および収益で複雑な連鎖反応が生じます。従来のGL(総勘定元帳)だけでは、収益認識ルー ルなど、サブスクリプションモデルによって生じる複雑なプロセスを処理できませんが、企業は財務諸表を作 成するために引き続きGLを必要とします。 企業が最初にサブスクリプションのオファリングを開始するときに、この課題に対応できていない場合があり ます。その結果、サブスクリプションの財務プロセスでは、手動でスプレッドシートを作成することになりま す。企業には、会計決算プロセスを合理化し、コンプライアンスを維持するための手段が必要です。 「従来の会計システムは、サブスクリプションを管理するようには設計されていません」 ̶ Lisa Bailey氏、InsideView、ビジネスオペレーション担当副社長 7. 測定を通じて、適切な顧客、サブスクリプション、および財務メトリクスに対する 見通しを得る サブスクリプション企業は、契約の獲得から収益認識に至るまでの主要メトリクスを活用して、正確かつ適時 な意思決定を促進する必要があります。これらのメトリクスは、お客様にとっての価値とビジネスの財務上の 健全性に対する比類ない洞察力を与えてくれます。従来の一般会計原則報告がすぐに不要になることはありま せんが、サブスクリプションビジネスで成功するためには、ARR、維持率、継続利益率、成長効率指数などの メトリクスを重視する必要もあります。残念ながら、従来の財務システムはこれらの情報を提供してくれない ため、多くの企業は何も気付かないままビジネスを進めています。 重要な3つのメトリクスの詳細については、ここをクリックしてください。 「議論に情報を提供してくれる実データのおかげで、当社はより賢明な意思決定をより迅速に下すことができ ました」 ̶ Jim Franklin氏、Sendgrid、CEO 8 © 2014, Zuora Inc. All Rights Reserved. 8. 新たな価格設定を繰り返し検討し、迅速に展開する サブスクリプションエコノミーには無数の価格設定の選択肢があり、一般的に多くの企業は、サブスクリプ ションのオファリングを開始する際には、簡単な定額モデルから始めます。しかし市場は急速に進化し、時の 経過と共に、お客様のニーズも変化する可能性があります。競合企業は差別化されたオファリングを選択する かもしれません。 成長を促進するための戦略的武器である価格設定とパッケージ設計は柔軟かつ動的であることが不可欠です。 サブスクリプションを扱う企業は、加入者の獲得数と市場シェアを最大限に高めるために、価格モデルを迅速 かつ繰り返し見直す必要があります。 「当社はお客様のフィードバックを受けて、価格モデルを完全に切り替えました」 ̶ Donna Wells氏、Mindflash、CEO 9.信頼性と安全性に優れたミッションクリティカルなインフラストラクチャを 基盤にして拡大する サブスクリプションビジネスでは、確実に週7日、1日24時間、年365日動作し、安定した事業継続性を持つ、 安全、ミッションクリティカル、かつ拡張性のあるインフラストラクチャを基盤としたサービスを提供する、 信頼性の高いエンタープライズグレードのシステムを必要とします。特にB2C企業は、急速な拡大をサポート するインフラストラクチャを必要としています。あらゆる企業はコマースシステム、支払いゲートウェイ、そ の他のテクノロジーシステムとのシームレスな統合を求めています。 「Zuoraは当社の高成長に対応することができ、ビジネスの拡大に合わせたサービスを提供してくれるでしょ う」 ̶ Joerg Rathenberg氏、Cloud Passage、マーケティング担当副社長 次のステップ 本書は、これらの各鍵をより深く掘り下げる論文/学習ツールシリーズの第1弾です。9つの鍵に関する最新の 情報については、www.zuora.com/9keysにアクセスしてください。 9 © 2014, Zuora Inc. All Rights Reserved. Zuoraはサブスクリプションコマースと請求におけるグローバルリーダーであり、サブスク リプションエコノミーへの転換を目指すあらゆる業界のお客様を支援しています。大企業 のお客様も成長著しいお客様も同じようにZuoraのマルチテナントクラウドプラットフォー ムを活用して、サブスクリプションサービスのリリース、スケーリング、収益化を行ってい ます。Zuoraのアプリケーションは、サブスクリプションの価格設定、見積もり、注文、請 求、支払い、更新などの、従来のERPアプリケーションでは対応できない分野に対応してい ます。Salesforce.com、PayPal、NetsuiteなどのSaaS業界の第一人者によって一から構築され たZuoraは、Informatica、Tata Communications、Box、Xplornet、Ustream、Reed Business Informationなどの革新的な顧客にサービスを提供しています。 詳細については、www.zuora.comを参照してください。
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